おすすめのスカウト型転職サイト10選|仕組みや見分け方も解説

近年、企業やヘッドハンターが求職者に直接応募を促す「スカウト型サービス」が増えています。

スカウト型であれば、転職先の選択肢が増えたり、条件の良い求人に出会えたりと、とメリットがたくさんあります。

一方で、スカウト型サービスを利用したことのない方の中には、以下のような疑問や不安を抱えている方もいるでしょう。

「企業からスカウトを受ける仕組みがわからない」
「ハイクラスの人だけが利用するもので自分には縁がない」
「スカウトを受けたら必ず返事しないといけないの?」

この記事では、実際に複数のスカウト型転職サービスを利用して採用活動を行っていた筆者から、スカウトサービスの仕組みやメリット、おすすめの転職サービスや注意点を解説します。

スカウト型サービスは、働くすべてのビジネスマンにとって価値のあるサービスです。スカウトならではのメリットを知り、上手に活用してください。

筆者のプロフィール
プロジェクトマネジメント企業にて、20代のポテンシャル採用からミドル・シニアのプロフェッショナル採用までを責任者として担当。ビズリーチ、dodo、リクナビなどのスカウトサービスを使用し、20代~60代の採用実績あり。

【ニーズ別】おすすめスカウト型の転職サイト一覧

スカウト型サービスの相関図

ここからは、おすすめのスカウト型転職サイト・転職エージェントを転職ニーズ別にご紹介します。

各社の特徴を確認して、自分に合うサービスを1、2つ登録するとよいでしょう。

サービス名 特におすすめの人
doda

・多くの企業からスカウトを受けたい方
・働くメンバーとの相性を重視する方

>>dodaを詳しく知りたい人はこちら

リクナビNEXT ・地方で転職する方
・幅広い業界・職種で転職を検討している方
ミイダス ・スキルや行動特性に合った企業のスカウトを受けたい方
・自分の転職市場価値を把握したい方
ビズリーチ

・現在年収が500万円以上の方
・責任のあるポジションで働きたい方

>>ビズリーチを詳しく知りたい人はこちら

リクルートダイレクトスカウト

・大手企業からスカウトを受けたい方
・管理職や役員を目指す方

>>ダイレクトスカウトを詳しく知りたい人はこちら

JACリクルートメント

・管理職や専門性の高い業務に就きたい方
・グローバル企業に転職したい方

>>JACを詳しく知りたい人はこちら

マイナビ転職 ・20代の方
・地方で転職する方
AMBI ・20代の方
・現在年収が400万円以上の方
Wantedly ・企業のビジョンやパーパスを重視する方
・働くメンバーとの相性を重視する方
LinkedIn ・国内外の大手企業で転職したい方
・働くメンバーとの相性を重視する方

ニーズ1|たくさんの企業からスカウトを受けたい

転職の選択肢を増やすためにたくさんの企業からスカウトを受けたい場合は、保有求人数の多い大手転職サイトに登録しましょう。

大手転職サイトの場合、転職エージェントサービスも提供している場合が多く、両方のサービスを併用すればさらに転職の選択肢を広げられます。

doda

doda
POINT
  • 会員登録者数750万人と日本最大級
  • 3つの求人紹介サービス(転職エージェント×スカウト×アドバイザーサポート)を提供
  • 専門職向けの専門サイトも保有!幅広い職種に対応
エリア 求人数 利用料
全国 公開求人:約21万件
非公開求人:約3万件
(※2023年9月21日時点)
無料

パーソルキャリア株式会社が運営する「doda」は、幅広い業界・業種の求人を扱う総合型の転職エージェントです。年収査定や合格診断、レジュメビルダーなど、独自の転職お役立ちツールを提供しています。

dodaの会員は、転職が未経験もしくは1回という人が78%で20代~30代の中堅層が中心です。

dodaは、転職サイトやスカウトサービスも提供していて、エージェントからの求人紹介、サイトからの応募、企業からのスカウトと3つの手法で選考を進められる、便利なサービスです。

ユーザーに合わせてdodaが求人をレコメンドしてくれるので、自分で転職先をみつけるのが苦手な方でも安心です。

【dodaのスカウトの特徴】

  • 未経験歓迎の求人からハイクラス求人まで幅広く対応
  • 全国の幅広い業界・職種の求人を取り扱う
  • 動画やリクルーター(スカウトした人)、同僚の情報が写真入りで掲載されている場合がある

dodaのスカウト機能で特に注目したいのが、リクルーターや一緒に働くメンバーの情報。どんな経歴の持ち主が自分を評価してくれたのか、もし入社したらどんなスキル・経歴の同僚と働くのか、イメージしやすいのがうれしいポイントです。

【リクルーター情報】 
リクルーター情報
(出典:doda「【参考資料】対象者からの見え方について」

▲リクルーター情報は、特に専門職の場合スキルの高い人物からのスカウトは励みにもなる。

【一緒に働くメンバー情報】
一緒に働くメンバー
(出典:doda「【参考資料】対象者からの見え方について」

▲クリックするとより詳しい情報を閲覧可能。専門性の高いメンバーと働きたい方、メンバーの雰囲気や人柄を確認したい方にはうれしい情報。

転職の選択肢を増やしたい方、尊敬できるメンバーと働きたいという方は、dodaのスカウトがおすすめです。

>>doda公式はこちら

リクナビNEXT

リクナビNEXT
(出典:リクナビNEXT公式サイト

業界最大手の株式会社リクルートホールディングスが運営する「リクナビNEXT」にも、おすすめのスカウト機能があります。3種類のオファーと、2種類の「企業からの気になる」が送られてくるのが特徴です。

【3種類のオファー】

名称 内容
求人掲載企業からのオファー 求人や説明会のお知らせ
転職エージェントからのオファー 転職エージェントから個別面談のご案内
求人企業からのオファー 企業からのスカウト
「面接確約」「社長面接」などの特典がある

【2種類の「企業からの気になる」】

名称 内容
応募しませんか? 企業から応募を勧める連絡
応募した後は通常の書類選考からスタート
面接に来ませんか? 企業からのスカウト
書類面接免除で面接を受けられる


上記の内、「求人企業からのオファー」と「面接に来ませんか?」がいわゆる「スカウト」にあたります。その他のオファーや「応募しませんか?」も、転職の選択肢を増やす手段として活用しましょう。

リクナビNEXTはとにかく利用している企業が多いので、あらゆる業界の企業からスカウトを受けられる可能性があります。非公開求人のオファーが届く場合もあるので、リクナビNEXTに登録したらオファー機能もぜひ活用してください。

ミイダス

ミイダス
(出典:ミイダス公式サイト

ミイダスは、職務経歴だけでなく求職者の行動特性や認知バイアスなどの診断結果に基づき、企業からスカウトを受け取れるサービスです。企業が求める人材像に近いと判断された方にスカウトが届くため、入社後のマッチング率の高さが期待できます。

【3種類の診断】

診断名 内容
市場価値診断 類似ユーザーのスカウト年収実績などを提示
コンピテンシー診断 ビジネスパーソンとしての行動特性を分析
バイアス診断ゲーム 意思決定の癖やコントロールするコツを提示

2022年12月時点で424,950社がミイダスを導入しています。
ミイダス導入企業
(出典:ミイダス公式サイト

適材適所で働ける企業を見つけたい方、自分の行動特性に合ったストレスのない会社で働きたい方は、ミイダスを活用しましょう。

ニーズ2|ハイクラスな求人のスカウトを受けたい

概ね現在年収500万円以上の方は、ハイクラス向けのスカウト型転職サイトがおすすめです。

単にハイクラス求人が多いだけでなく、保有するスキルや経験の価値を正しく理解してもらえるため、市場価値に見合った年収で転職できる可能性が高まります。

ビズリーチ

ビズリーチ
POINT
  • 国内最大級のハイクラス転職サイト
  • 優良企業や一流ヘッドハンターから直接スカウトが届く
  • 年収1,000万円以上の求人が3分の1以上 
エリア 求人数 利用料
全国

公開求人:約87,000件

非公開求人:11万件以上
(※2023年1月時点)

無料

株式会社ビズリーチが運営する「ビズリーチ」は、管理職や専門職、次世代リーダー、グローバル人材などの即戦力・ハイクラス人材に特化した、国内最大級のハイクラス転職エージェントサービスです。

担当のキャリアアドバイザーはつきませんが、企業から直接スカウトが届いたり、ヘッドハンターから支援の申し出を受けられたりするのが特徴です。

厳選された企業導入企業数 23,500社と非常にたくさんの企業から直接スカウトがくるので、まずは登録して自分の市場価値を把握してみるのがよいでしょう。

ハイクラス転職で有名な「ビズリーチ」は、3分の1以上の求人が年収1,000万円以上を占める経営幹部・管理職・プロフェッショナル人材向けのスカウトサービスです。ビズリーチには、3種類のスカウトが存在します。

【3種類のスカウト】

名称 送信元 内容
プラチナスカウト 企業 ・書類選考なしで面談/面接確定
・無料プランでも閲覧・返信可
プラチナスカウト ヘッドハンター ・ヘッドハンターとの面談が確約
・採用の可能性が高い具体的な求人を紹介
・無料プランでも閲覧・返信可
スカウト ヘッドハンター ・ヘッドハンターからの面談案内
・有料プランのみ閲覧・返信可

ビズリーチは、企業から届いたスカウトはすべて面接/面談が確定しているプラチナスカウトです。スカウト通数が限られていおり、一番安いプランでも1通あたり約1,900円かかるため、「ぜひこの人に会いたい」と思えるような方にだけ、真剣にスカウトを送っていました。

高年収で転職したい方、より専門性が高く責任あるポジションで働きたい方は、ぜひビズリーチに登録してください

>>ビズリーチ公式はこちら

リクルートダイレクトスカウト

リクルートダイレクトスカウト
POINT
  • 2022年オリコン顧客満足度調査の転職スカウトサービス部門で1位を獲得
  • 年収600万円以上のハイクラス求人に特化
  • 担当ヘッドハンターを選べる
エリア 求人数 利用料
全国・海外

公開求人:約21万件

(※2023年8月時点)

無料

株式会社リクルートが運営する「リクルートダイレクトスカウト」は、ハイクラス・エグゼクティブ限定の会員制転職スカウトサービスです。

20代・30代が中心となっており、約600社、4,300名以上(2022年5月時点)のヘッドハンターが求職者の代わりに仕事を探して提案してくれます。

転職支援実績NO.2、日本最大級のハイクラス求人特化型の無料転職サービスなので、さらに上の年収を目指したい方は登録をしてみるとよいでしょう。

【リクルートダイレクトスカウトの求人例】
厳選求人情報
(出典:リクルートダイレクトスカウト公式サイト

リクルートダイレクトスカウトには、4種類のスカウトがあります。

【4種類のスカウト】

名称 内容
スカウト ・企業からの求人の案内・応募の促進
・書類選考あり
GOLDスカウト ・企業から送られる面接/面談確約のスカウト
スカウト ・ヘッドハンターからのスカウト
・面談の案内や求人の紹介など
顧問求人スカウト ・ヘッドハンターからのスカウト
・経歴にマッチする顧問求人の紹介

ビズリーチと異なり登録条件や有料プランはありませんまだ転職するかはわからないが市場調査をしたい人、大手企業や管理職などの求人でスカウトを受けたい方は、リクルートダイレクトスカウトに登録しましょう。

>>リクルートダイレクトスカウト公式はこちら

JACリクルートメント

JACリクルートメント
(出典:JACリクルートメント公式サイト

JACリクルートメントは、管理職、プロフェッショナル人材、グローバル人材向けのハイクラスエージェントです。エージェントからのサポートを受けながら、所属する各コンサルタントからのスカウトを受けることができます。

【JACリクルートメントのスカウトの特徴】
スカウト・求人オファー
(出典:JACリクルートメント公式サイト

JACリクルートメントでは企業からの直接のスカウトは受けられませんが、業界事情に詳しい約800名のコンサルタントから、自分に合った求人をオファーしてもらえる可能性があります

JACリクルートメントは保有する求人の質だけでなく、企業とのコネクションや丁寧な対応など、どこをとっても一流のエージェントが所属しています。採用責任者としてお世話になりましたが、一流のビジネスマンの方が満足できるサービスだと実感しています。

事業のコアに関わるような秘匿性の高いハイクラス求人に調整したい方、業界理解や企業コネクションの強いコンサルタントから求人をおすすめしてほしい方は、JACリクルートメントをおすすめします。

ニーズ3|20代が使いやすいスカウトサービスを利用したい

スカウトサービスはハイクラスなシニア・ミドル層が利用するものと思われがちですが、20代など若年層向けのスカウト型転職サイトも存在します

転職サイトとスカウトサービスを併用することで、スカウト数アップやよりハイクラスな求人へ挑戦するチャンスが高まるでしょう。

マイナビ転職

マイナビ転職
(出典:マイナビ転職公式サイト

「マイナビ転職」は、新規登録者の72%が35歳以下の若年層向けの転職サイトです。全国に53か所の拠点を設けているため、首都圏以外の地方求人も豊富に取り扱っています。また、多様な業界・職種・企業規模の求人を保有しているのも強みの一つです。

【求人の特徴】
求人の特徴
(出典:マイナビ転職公式サイト

マイナビ転職では、3つの注目すべき特徴を持ったスカウトが存在します。

【3つの注目スカウト】

名称 内容
プレミアム特典 「年収800万円以上保証」など特別条件付きのスカウト
スカウト特典 「書類選考免除」「面接交通費支給」「いきなり最終面接」など特色あるスカウト
スカウト限定求人 マイナビ転職の求人サイトでは閲覧できない非公開求人のスカウト

20代で転職の選択肢を広げたい方、早めに転職先を決めたい方は、マイナビ転職のスカウトサービスを利用してみましょう。

AMBI

AMBI
(出典:AMBI公式サイト

「AMBI」は、現在年収400万円以上の求職者のみが登録できるスカウト型の転職サイトです。登録者の平均年齢は28.2歳で全t内の97%が34歳以下と、若年層に特化したハイクラス向けスカウトサービスといえます。

【AMBI登録者の特徴】
登録者情報
(出典:AMBI公式サイト

AMBIには2種類のスカウトがあります。

【2種類のスカウト】

名称 内容
スカウト ・企業やヘッドハンターからのアプローチ
プラチナスカウト ・企業やヘッドハンターが強く会ってみたい人に送るアプローチ
・スカウト理由を確認できる

ビズリーチやリクルートダイレクトスカウトはハードルが高い、でもマイナビ転職の求人は物足りないと感じる20代の方は、AMBIを利用してみましょう。

ニーズ4|カルチャーに共感できる企業に入社したい

スカウトサービスを提供しているのは、転職サイトや転職エージェントだけではありません。スカウト機能の付いたビジネス系SNSを活用すれば、企業のカルチャーをよく確認したうえでスカウトを受けるか判断できます。

これからご紹介する2つのサービスは経歴等が一般公開されるものなので、上手に活用すれば自分のポートフォリオとしても活用可能です。

Wantedly

Wantedly
(出典:Wantedly公式サイト

「Wantedly」は、企業のミッションやビジョンに共感し、社風に合った求職者が企業と出会えるビジネス系SNSです。ユーザー数は350万人、求職者も企業の経営者や採用担当者なども利用する、巨大なプラットフォームといえます。

Wantedlyに登録して自分のプロフィールを公開すれば、これまでの経歴や今後のキャリアイメージにマッチする企業からスカウトが届きます。

【プロフィールイメージ】
プロフィール
(出典:Wantedly公式サイト

【Wantedlyの特徴】

  • 設立ストーリーやビジョンなど企業のストーリーを確認できる
  • 経営者や社員のプロフィールから経歴や考え方などを確認できる
  • 会社訪問サービス「Wantedly Visit」を利用すれば企業をカジュアルに訪問して話を聞ける
  • 共感ややりがいを重視するため、年収や福利厚生などの待遇面は掲載されていない

自分のキャリアイメージと企業のビジョンが一致する環境で働きたい、自分のキャリアに対する想いまで知ったうえでスカウトしてほしいと考える方は、Wantedlyに登録してみましょう。

LinkedIn

LinkedIn
(出典:LinkedIn公式サイト

「LinkedIn」は、全世界で約7億5千万人超が利用しているといわれるビジネス系SNSです。欧米ではLinkedInを経由した転職活動が一般化していますが、日本でも利用者の増加とともに採用活動で利用する企業が増えています。

【企業ページ例:株式会社メルカリ】
メルカリ
(出典:株式会社メルカリ LinkedIn公式ページ

【LinkedInでスカウトサービスを利用するメリット】

  • 外資系企業やグローバル展開している日本企業などからスカウトされる可能性がある
  • 企業の投稿などから事業やビジョンに関する情報を得られる
  • 企業に所属する社員のプロフィールを確認できる

国内外の外資系企業から直接スカウトを受けたい、働く人や企業の最新情報を確認して選考可否を判断したいといった方は、ぜひLinkedInに登録しましょう。

スカウトサービスの仕組みと種類

スカウトサービスの仕組みと種類

はじめに、転職スカウトサービスの仕組みをご紹介します。スカウトサービスとは、自分の職務経歴などを専用の非公開サイトに入力し、内容を確認した登録企業や転職エージェントなどから面談や選考のスカウトが届くサービスです。

スカウトサービスは、おおむね以下の流れで利用します。

【スカウトサービス利用の流れ】

  1. サイト登録
  2. 職務経歴・希望条件等の登録
  3. 企業などからスカウトが届く
  4. 応募または面談など
  5. 選考から内定までは通常の中途選考とほぼ同じ

実際のスカウト方法などはサービスごとに異なりますが、求職者が受領するスカウトには送付元の違いから以下3種類に区別できます。

【3種類のスカウト】

種類 スカウトの送付元
企業スカウト 企業の役員や採用担当者など
エージェントスカウト 転職エージェントやヘッドハンター
代行スカウト(オファー) 企業から依頼を受けたスカウト代行担当

スカウトサービスの利用を開始する前に、3つのスカウトの違いと重要度を理解しましょう。

タイプ1|企業スカウト

「企業スカウト」とは、企業の採用担当者や管理職、役員などから直接声がかかるタイプのスカウトです。求職者の職務経歴と自社で求める人材像が一致すると判断した場合にスカウトされるため、マッチング率や選考通過率が高いのが特徴です。

【企業スカウトの特徴】

  • 「面接確約」「書類選考なし」」などいきなり企業の担当者と会える可能性がある
  • 企業の採用関係者が自らスカウトしているため内定確率が高い
  • 採用アシスタントなどが一定の条件にマッチする求職者へ機械的に送付している場合もある

「こんな有名企業から届くの?」と驚くようなスカウト、「今まで知らなかったけど面白そう」と思えるスカウトが届くこともあるため、企業スカウトが届いたら必ずチェックしてください。

私も採用責任者として企業スカウトメールを送っていました。企業スカウトは面談確約のものが多いため、ミスマッチで双方の時間を無駄にしないよう、厳選してスカウトを送っています。企業スカウトが届いた時点で、他のスカウトよりも内定の見込みが高いと考えてよいでしょう。

タイプ2|エージェントスカウト

「エージェントスカウト」とは、転職エージェントやヘッドハンターなどから届くスカウトです。エージェント等が企業から預かっている求人内容に対し、マッチすると思われる人材をスカウトします。

エージェントスカウトは、大きく分けて以下の2パターンがあります。

【エージェントスカウトの種類】

送付元 サービス例
登録した転職サイト・エージェントに所属するコンサルタントなど リクルートダイレクトスカウト
登録した転職サイト・エージェントに登録しているヘッドハンターなど ビズリーチ

いずれも求人内容や企業の内情をよく把握したコンサルタント・ヘッドハンター等からのスカウトなので、高いマッチング率が期待できます。また1つの企業だけでなく、ヘッドハンターが保有している複数の求人を紹介したり、選考のサポートをしてもらえたりするのも魅力です。

転職エージェントのメリットについてはこちらの記事で解説しています。

例えばビズリーチに登録すると、求人を出している企業だけでなく、ビズリーチに登録しているヘッドハンターからもスカウトが届きます。大手の転職エージェントなどは高確率でビズリーチのデータベースを利用しているため、ここに登録しておくだけで転職チャンスがかなり広がるでしょう。

タイプ3|代行スカウト(オファー)

転職サイトなどが、企業の採用担当から依頼を受けて代わり送るスカウトを「代行スカウト(オファー)」と呼びます。

「法人営業経験3年以上」などの指定の条件に合う人に対して大量にそうしているため、マッチング率も通過率は低めです。ただし、代行スカウトによって多くの企業や求人を知ることができるのはメリットといえます。

代行スカウトでも「面接・面談確約」のものは、企業が代行会社を信頼してスカウトを任せているため、マッチング率も高い可能性があるでしょう。企業の担当者に会えるチャンスなので、「代行スカウト=可能性が低い」と割り切ることなく、気になる企業のスカウトがあればぜひ活用してください。

スカウト型転職サイトのメリット

スカウト型転職サイト・転職エージェントのメリット

次に、スカウト型の転職サイトを利用する5つのメリットをご紹介します。

スカウトサービスは、転職活動中の方、まだ転職意向が固まっていない方の双方にとってメリットの多いサービスです。多くのサービスは無料で利用でき、登録自体にデメリットはないため、ぜひ積極的に活用してください。

メリット1|自分の転職市場価値がわかる

転職サイト等に職務経歴を正しく入力すれば、今のスキルや経験でどんな企業からどの程度のスカウトが届くか確認できます。スカウト内容を見れば、ビジネスマンとしての自分の市場価値を把握できます。

【市場価値を把握するメリット】

  • 今の待遇がスキルに対して妥当であるか判断できる
  • 今よりも好条件で雇用される可能性や、妥当な条件内容を確認できる
  • スカウト文面を読むことで、自分のどんな経験・スキルが市場で評価されるのかわかる

数社転職することが当たり前になってきた現代、「社内で評価される」だけでなく「転職市場で評価される」人材であることを、常に心掛ける必要があります。スカウトサービスは、自分の市場価値を確認する1つの目安となるでしょう。

メリット2|転職先の選択肢が広がる

スカウトの魅力は、直接応募などに比べて転職の選択肢が大幅に広がることです。知名度は低いが魅力的な企業、普通に応募しても書類選考ではじかれそうな大手企業などからスカウトされる可能性があります。

転職エージェントに頼らずスカウトだけで中途採用を行っている企業もあるため、求職者にとってスカウトサービスの登録は必須といえます。

企業がスカウトサービスに注力する理由は、転職エージェントよりも採用単価を抑えられるからです。また、エージェントを介さず直接候補者とコンタクトできるため、より双方の魅力を伝え合えると考えられています。

メリット3|書類選考の前に企業の採用担当などに会える

企業スカウトは、求職者の職務経歴を確認したうえで送られています。そのため、書類選考をせずにいきなり企業の担当者に会うことができる「面接/面談確約スカウト」が多くあります。選考を進めるか、大きな判断材料にできるでしょう。

【スカウトで企業と会うメリット】

  • 具体的な事業・業務の内容を知ることができる
  • 会社訪問や担当者の雰囲気などから、社風を感じることができる
  • スカウトした本人から自分に期待すること、魅力に感じる点などを聞ける

「カジュアル面談」を実施する企業も多く、私もスカウトの際は必ず実施していました。カジュアル面談は合否を判定する「選考」ではないので、気軽に企業の様子を知ることができます。年齢の近い社員や、同じ業務を担当している現任者などから話を聞ける場合もあるため、ぜひ活用してください。

メリット4|一般応募より合格の可能性が高い

スカウトは職務経歴が求人内容とマッチしているのを確認したうえで送られているため、通常の応募に比べて合格率が高まります。特に役員や部長などの管理職名で届いているスカウトは企業の本気度も高く、より合格の確率が高いといえます。

私も、どうしても採用したい人、自社に必要だと思われる方には、採用担当からではなく本部長などの役職者からスカウトをしていました。他社の管理職と直接話せるだけでも学べることが多いので、気になる業界からのスカウトの場合は、お話だけでも聞いてみるとよいでしょう。

メリット5|一般応募より選考スピードが速い

スカウトの場合、書類選考を省略するため選考スピードが速いのもメリットです。企業側の採用意欲の度合いによっては、一次・二次面接などの段階を飛ばしていきなり役員面接などを行うこともあります

スカウトした人材への期待度が高いほど、早く採用して自社で活躍してほしいもの。他社での転職が決定する前に内定を出したいので、面接日程も優先的に調整します。その結果、通常の選考では考えられないようなスピード内定もあり得るのです。

良いスカウトの見分け方とポイント

はじめてスカウトサービスに登録した方が、想像よりたくさんのスカウトメールが届いて驚かれるかもしれません。

スカウトメールの中には、一部の条件を満たしただけの一斉送信スカウトやオファーメールが含まれている可能性があります。

きちんと自分の職務経歴を把握している、マッチング率の高いスカウトの見分け方を3つ紹介します。

1.スカウトメールに個別の文章が書かれている

誰にでも当てはまる一斉送信用のテンプレート文言だけでなく、自分の職務経歴に沿った個別的な内容が丁寧に書かれていることを確認しましょう。

【良いスカウト例】
○○社の法人営業部で売上〇〇億円を達成し、社長賞を受賞されたご経験は、弊社の新規プロダクトでの営業に大いに生かしていただけると考えております。

私は採用優先度で求職者をA・B・Cの3ランクに分け、Aの方にはより丁寧な個別のスカウトメールを、Cの方へアシスタントからほぼテンプレートそのままのメールを送っていました。一人を口説くのに時間と労力をかけているカウトメールこそ、企業側の本気度が高く、マッチング率も高い良いスカウトメールです

2.自分の経歴や希望とマッチする求人が送られている

代行スカウトなどの場合、経歴も希望もほぼマッチしないスカウトが送られる可能性があります。以下のようなスカウトの場合、返信をする必要はありません

【マッチしないスカウト例】

  • 営業10年・人事1年・経営企画3年の経歴、法人営業の仕事がしたいと記載しているのに、「人事部での経歴1年以上」のフィルターに引っかかって、人事のスカウトが届く。

【マッチング度の高いスカウト例】

  • 長年培われてきた営業のご経験を生かして、社会貢献にもつながる弊社サービスを世界のお客様に広めるために力を貸してもらえませんか?
  • 今後はワークライフバランスを整えて働きたいとのご希望ですが、弊社は在宅勤務やフレックスタイム制度を導入しており、貴殿のご希望にマッチする働き方が可能です。

自分の経歴やキャリアイメージにまったくマッチせず、関心度も高くないスカウトの場合は、返信をしなくても問題ありません。

3.スカウトした人の名前が個人名で入っている

企業名だけでなく、スカウトした本人の役職名と本名が記載されているスカウトは、企業側の本気度が高い可能性があります。代行スカウトや、優先度の低い企業スカウトではない場合が多いでしょう。

【良いスカウト例】
○○株式会社 第2営業本部長の○○と申します。貴殿の職務経歴を拝見し、ぜひ当社にお力をかしていただきたく、ご連絡をいたしました。

上記のようなスカウトメールの場合、面談に進んだ際にスカウトした本人に最初から会える可能性も高いでしょう。

私も採用する部門の本部長などからのスカウトの場合は、必ずスカウトした本人が最初にお会いするように調整していました。「ぜひ我が社に」と誘っておきながら面談に現れないのは不誠実だと考えたためです。役職者からのスカウトメールなら、普通の面接ではいきなり会えないような重要人物に会える可能性があります。

スカウト型転職サイトの注意点と対策

次に、スカウト型の転職サイトや転職エージェントを利用する上で心得ておきたい、4つの注意点を解説します。

具体的な対策例も解説しますので、サービスを利用する前に確認しましょう。

注意点1|必ずしも自分にマッチした求人とは限らない

スカウトメールでは、必ずしも自分の希望を満たした求人内容が届くとは限りません。求人の条件と自分の経歴の一部がマッチしていても、自分がやりたい仕事とは限らないからです。

【スカウト求人がマッチしない例】
営業歴5年、人事歴3年で今後は人事のキャリアを築きたいが、営業のスカウトばかり届く

【対策】

  • 希望条件を選択肢でチェックできる場合は、きびしめにチェックしておく。
  • 希望条件や備考欄などに、希望するキャリアイメージを記載しておく。(例:今後は人事のキャリアを築きたいため、営業のスカウにはお応えいたしかねます。)

転職市場価値の高い方なら、1日に何十通もスカウトを受ける可能性があります。あらかじめ希望に沿わないスカウトを受けないために、上記の対策を講じてください。

注意点2|必ずしも内定がもらえるわけではない

企業スカウトの多くは面接/面談が確約されていますが、「スカウト=採用確定」ではありません。選考の途中で不採用に可能性があることを心得ましょう。

【対策】

  • カジュアル面接やスカウトされて受ける面接も、すべて選考の一環という心持ちで対応する。
  • 1社スカウトを受けたからと油断せず、他社の選考も同時に複数進める。

実際、スカウトを受けた側というおごりなのか、時折態度の大きい候補者がいます。カジュアル面談だったとしてもやはりマイナスイメージで今後の選考結果に影響するため、注意してください。

注意点3|必ずしも希望する条件がかなうわけではない

スカウトを受けて内定が決まっても、自分の言い値で採用してもらえるわけではありません。あくまでも企業の報酬制度などに基づいて報酬が決定される点は、そのほかの転職方法と同じです。

ただし、ハイクラスなスカウトで企業側がどうしても採用したい場合、通常の報酬枠よりも高額な報酬で契約できる可能性があります。企業にどのような貢献ができるかを示すなど、相手にメリットを家事させる交渉が大切です。

【対策】

  • 「オファー面談」を設けてもらい、直接交渉する。
  • 現在年収や他社でのオファー金額などを引き合いにして交渉する。

実際にスカウト経由で応募された求職者の中には、企業の期待値や本人のスキルの高さ、競合他社の提示年収との兼ね合いなどから、想定よりも高額な報酬を提示する場合があります。ただし、スカウトであれば誰でも高年収を出せるわけではないので、注意してください。

注意点4|転職エージェントのようなサポートがない

スカウト型転職サイトの場合、転職エージェントのような手厚いサポートがなく、すべての転職活動の工程を自分で行う必要があります。プロのアドバイスを受けることもできないため、転職活動に不慣れな方にはデメリットです。

【転職エージェントが提供するサービス例】
  • 応募書類の添削
  • 面接日程の調整代行
  • 模擬面接や面接指導
  • 企業へのフォロー
  • 内定条件の交渉

【対策】

  • アプリで簡単に選考管理ができるスカウト型転職サイトを利用する
  • 転職エージェントも併用し、書類の添削や面接指導を受ける

転職サイトも転職エージェントも、原則は無料で利用できます。それぞれのメリットを享受できるよう、複数サービスを併用するとよいでしょう。

スカウト型転職サイトに関するよくある疑問

最後に、スカウト型転職サイトや転職サービスを利用する上でよくある疑問について解説します。

スカウト型サービスは、利用自体にまったくデメリットがありません。疑問を解消して安心して活用してください。

疑問1|今すぐ転職するつもりがなくても利用していいですか?

転職意向が固まっていない段階でも、スカウト型サービスを利用しても問題ありません

むしろ、転職市場を把握して転職のタイミングを見極めたり、市場で求められるスキルを確認したりするために、すぐに登録して常に内容を確認することをおすすめします。

意外なスカウトが届いて、転職のきっかけになる可能性もあります。

疑問2|所属企業に転職活動をしていることがバレませんか?

スカウト型サービスの場合、登録した職務経歴を一部の企業に非公開にできるものがほとんどです。そのため、たとえ在籍している企業がスカウト型サービスを採用活動で利用していたとしても、転職活動がバレる危険性はほぼありません。

所属する企業だけでなく、関連の深いグループ企業なども非公開にしておくと安心です。

疑問3|届いたスカウトには全て返信しなくてはいけませんか?

スカウト内容に関心がない場合、無理に返信する必要はありません。

ただし、少しでも興味がある企業の場合は辞退する旨を返信しておくと、今後良いご縁につながる可能性があります

採用担当として多くのスカウトを送りましたが、大半は返事がありません。しかし、「海外転勤の予定があるので今回は辞退するが、この先縁があればぜお会いしたい」などと返信をくれる方もいました。今後もし応募してくれた際などは確実に印象が良くなるので、気になる企業の場合は返信しておくと良いでしょう。

スカウト型転職サイトを活用して転職の選択肢を広げよう

スカウト型転職サイトを利用すれば、自分の市場価値を知る、転職の選択肢を広げる、内定の確率やスピードを上げるなど、メリットだらけです。
基本的に無料のサービスが多く、転職活動が会社にバレる心配もないので、ほぼデメリットがありません。

ただし、転職エージェントのようなきめ細やかなサポートは受けられないため、スカウト型サービスとエージェントサービスの併用をおすすめします。

すでに転職活動を始めている方も、今はまだ転職の意向がない方も、まずは登録だけでも済ませておきしょう。

▼活動の際は下記の記事が参考になります。