この記事では、これから転職活動を始めようと考えている方に向けて、転職活動の大まかな流れをお伝えします。
「転職って初めてだけど、何からすればいいのかわからない」や「失敗しないために、事前にちゃんと知っておきたい」、「そもそもどれくらいの期間がかかるのか知りたい」などの声に応えていきます。
転職の流れが一目瞭然で分かるToDoチェックリストも用意しているので、一つ一つ一緒に確認していきましょう。
転職活動の大まかな流れを図解で説明
まず初めに、転職活動の流れをざっくりと3つのフェーズに分けました。
フェーズ1がどのように転職活動を進めていくか計画する準備期間。フェーズ2が実際に応募や面接をしていく活動期間、フェーズ3が内定をもらった後の手続き期間です。
上記3フェーズにかかる期間は人によって違いますが、平均的な期間だと、転職準備を始めてから入社まで3ヶ月程度です。
もう少し具体的な時間数で言えば、合計で30〜40時間は転職活動に費やすことになると考えておきましょう。
転職活動の進め方を27の「やることリスト」に分解
では、ここからはもっと具体的に転職活動でやることレベルにまで分解し、先ほど説明した大まかな進め方である「転職活動準備」「転職活動」「内定〜入社」の3つのフェーズに分けて解説をしていきます。
最初にやることリストのみを図にまとめましたので、なんとなく全体像を掴んでみてください。
フェーズ1:転職活動の準備の進め方とやること(2週間)
まずは転職活動の計画を立てて、準備をしていくフェーズでやるべきことを解説します。
転職は今よりも良い職場を見つけるためにしていく活動です。「今よりも良い職場」を自分自身できちんと理解し、判断できるように整理・言語化をしておくことが、一番初めにやるべきことです。
この準備の流れを端折ってしまうと、入社した後に「思っていたのと違う」など、失敗したと感じる事態につながってしまうかもしれませんので、それぞれで考えるべきことを理解していくことをおすすめします。
転職準備その1:「軸」を決める
まずは自分によって「良い職場」を分析し、判断基準となる軸を決めていきましょう。
(ステップ1)なぜ転職したいのか明確にする
転職には理由が必要です。ただ何となくという気持ちでの転職活動は、「前の会社の方がマシだった」「転職しなければよかった」という後悔に繋がりかねません。なぜ転職しようという思いに至ったのか、転職活動のゴールは何か、明確にしておきましょう。
そこで、この2つの質問に対して、自問自答して答えを紙に書き出してみましょう。
- なぜ転職活動を開始しようと思ったのか
- 今回の転職で実現したいことは何か
そもそも転職するか迷っている方は先にこちらの記事を読んでみてください。
(ステップ2)転職によって得たいものと失っていいものをはっきりさせる
転職を考えるにあたり、今の職場や環境において満足しているところと、不満があるところがあるはずです。
この不満を解消していくために転職をすると思うのですが、得られるものもあれば、転職によって失うものもあることを理解しましょう。
例えば、「多少給与ダウンになっても残業時間の少ない企業に転職したい」「管理職でなくてもスキルが磨ける環境に行きたい」など、自分の希望に優先順位を付けましょう。
この得たいものと失ってもいいものは以下の7つの優先順位を決めていくことで、理解することができます。
- 業界
- 仕事内容
- スキルアップ
- 企業理念・カルチャー
- 安定性・知名度
- 給与
- ワークライフバランス
例えば、「憧れのWEB業界でクリエイターとして働き、スキルアップしたい」と考えているなら、優先するのは業界・仕事内容・スキルアップの3つです。この3つを優先し、それ以外の4つの優先度を下げることによって、「未経験からの挑戦だから給与は低くても応募してみる」「仕事内容と業界があっていれば、小さな会社でも応募してみる」など判断基準を持ちやすくなります。
(ステップ3)5年後、10年後のキャリアを考える
転職は、次の会社に入社することがゴールではありません。そこから2、3年後、もっと言えば10年後にどうなっていたいのか、イメージはできていますか?キャリア展望は、面接時によく聞かれることでもあります。数年後の未来の自分が転職を後悔しないためにも、長期的目線を持ちましょう。
例えば、5年後にこの3つについてどうなっていたいかを書き出してみましょう。
- 役割・立場
- 年収
- 経験業務
自己分析の方法については、こちらの記事を参考にしてください。
転職準備その2:自分の強みを明確にする
転職の方向性が決まったら、次に自分が活躍できそうな会社を見つけるため、自分自身の強みを言語化していきます。
(ステップ4) 自分の強みを理解する
転職活動では、自分がいかにいい人材かを相手に伝える必要があります。そのためにはまず、自分の強みを整理しましょう。「コミュニケーション力」のような漠然としたものはNGです。具体的に「何をしたか」「何ができるか」という経験ベースの強みをまとめる必要があります。
どうまとめたらいいかわからない人は、以下の記事で詳しい解説がありますので、一度読んでみてください。
(ステップ5)業界や企業研究をし、求められるスキルを理解する
「自分の強みはこれです」とやみくもにアピールしても意味がありません。相手がそれを必要として始めてその強みが意味のあるものになります。転職したい会社が求めている、自分の強みは何なのかを軸に強みを再整理しましょう。
転職したい会社の立場になりきって考えてみましょう。なぜ、今このポジションを募集しているのか、事業的背景、経営的背景は何か。どんな強みを持った人に入社してほしいかが見えてくるはずです。
(ステップ6)履歴書や面接で伝えられるよう強みを言語化する
強みを魅力的に伝えられるかどうかで、印象は変わってきます。「強みは具体的に何か」、「その強みを持っているのはどんな経験をしてきたからか」、「その強みを持ってして何ができるか、どう貢献できるか」、文字にして説明できるようにしておきましょう。
転職準備その3:求人へ応募していく方法を決める
どのような企業に行きたいか、そして自分の強みはなんなのか?ここまで分析できたら、次は具体的に求人を探すフェーズに入ります。
その前に、たくさんある転職支援サービスの中から、どのサービスを使っていくのかを決めていきましょう。転職を進めていくのにも、さまざまな手段・サービスがあり、それぞれに特徴があります。まずは手段・方法を決め、その後に具体的なサービスを選ぶのが良いでしょう。
(ステップ7)転職支援サービスごとのメリット・デメリットを理解する
転職エージェント ★おすすめ |
初めての転職におすすめ!アドバイザーによるサポートが充実なので、わからないところを教えてくれる。 【具体的なサービス名】リクルートエージェント(口コミ・評判)、doda(口コミ・評判)など。 |
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スカウトサービス ★おすすめ |
現年収が500万以上の人におすすめ。企業から直接スカウトメールが届くので、有利に進められる。 【具体的なサービス名】ビズリーチ(口コミ・評判)、リクルートダイレクトスカウト(口コミ・評判)など。 |
リファラル | 知人・友人の紹介。 入社前から会社のことがよく分かる。 |
ハローワーク | エージェントやスカウトで決まらなかった人におすすめ。国が設置する行政機関。全国500ヶ所以上。中小企業の求人が中心。 |
求人サイト・アプリ | アルバイトや契約社員、派遣社員、未経験転職をしたい人におすすめ。 【具体的なサービス名】リクナビNEXT、Indeed、Wantedlyなど。 |
直接応募 | 企業採用ページから応募。志望意識が高いと印象を持ってもらえることもあるため、併用して進めていこう。 |
初めて転職する人、年収が500万円以下の人は転職エージェントがおすすめ。
年収が500万円以上ならば、スカウトサービスも併用してみてください。
逆に、未経験での転職であったり、正社員以外の雇用形態で探している場合は、求人サイトや転職アプリも活用していきましょう。
(ステップ8)自分にサポートが必要かどうか考える
転職手段・方法を選ぶ際の観点として、「自分にサポートが必要かどうか」があります。転職エージェントであれば、担当のコンサルタントが様々なアドバイスやサポートをしてくれますが、それ以外にはあまり丁寧なサポートはありません。自分の周囲に転職の相談できる人がいるか等で判断しましょう。
(ステップ9)面談を通じて相互理解を深めたいか考える
フェーズ2:本格的な転職活動の進め方・求人への応募(1ヶ月半〜2ヶ月)
転職活動の進め方1:履歴書・職務経歴書を作成する
まずは応募に必要な書類を準備していきます。
(ステップ10)履歴書・職務経歴書のフォーマットを決める
特定のフォーマットの履歴書・職務経歴書を指定する企業はあまりありません。自分でフォーマットを選択することになります。ネット上で検索すれば使えるテンプレがすぐ見つかりますが、志望動機を長く書きたい場合、強みをアピールしたい場合等は、その欄を大きくするなど工夫をしましょう。
(ステップ11)職務経歴書で自分の強みをアピールできるように作り込む
強みは主に職務経歴書でアピールします。ただ単に、時系列で淡々と書くのではなく、濃淡をつけましょう。自分の強みの中で特に相手企業に響くと思われる箇所をより丁寧に記載しましょう。直近の職歴を特にPRしたい場合は、過去からではなく、直近から遡る順番で職務経歴書を書いていきましょう。
アピールポイントの書き方はこちらの記事が参考になります。
評価されるための中身でいうと、過去に経験した仕事のエピソードは大切です。自分の経験は、やはりちゃんと書かないといけない。
職務経歴書といっても、本当にただ職務経歴が書いてあるだけではアピールできません。「自分のこの能力を表現したいから、この仕事のことを深く掘り下げて書こう」というように、具体的に説明するようにしましょう。
ある事例を構成する要素について、私は「環境・問題・思考・対策・苦労・結果」の6つがあると考えています。要は「どのような環境で、どのような問題が起こって、それに対してどんな思考で対策をして、こんな苦労があったけど、こういう結果が出ました」という6つのステップです。これをきちんと入れておくと、どのような人なのかが理解できますよね。
引用:人事のプロ曽和さんが語る採用担当の目に留まる職務経歴書の書き方より
(ステップ11)受ける会社によって書き分ける
企業によって、「求める人材」は当然異なります。自分の強みのうち、どこをアピールすべきかは企業によって変わってきます。的はずれなアピールで空回りしないよう、「この人は入社したらこの事業でこんなふうに活躍してくれるな」とイメージを持ってもらえる書き方をしましょう。
転職活動の進め方2:求人を探し、応募する企業を選ぶ
書類が準備できたら、いよいよ応募です!転職活動で成功するためには、応募フェーズは一気に進め、複数の内定先から比較して選べるのがベスト。そのため、できるだけ短期間でさまざまな企業に応募し、面接を受けていきましょう。
(ステップ13)転職エージェントの紹介だけでなく、自分でも求人を探す
転職サービスに頼りっきりで、自分で企業探しをしないというのはやめましょう。転職エージェントであっても、100%自分のことを理解してくれているわけではないのです。良い求人はどこに転がっているかわかりません。情報収集は常に怠らないようにしましょう。
企業HPからの直接応募にもメリットがあります。様々なアプローチを試してみましょう。
(ステップ14)準備段階で決めた自分の転職の軸に当てはまる企業に応募する
やみにくもに推薦された企業を受けたり、スカウトを受けた企業を受けるのではなく、ステップ1〜3で決めた自分の転職軸をもとに応募する企業を決めましょう。もちろん、選考を進める過程で、新たな気付きがある可能性もあるため、最初のうちは吟味しすぎずに受けてみるのもありです。
(ステップ15)ホームページで企業理念を知り、口コミサイトで社内の雰囲気を知る
転職活動を進める上では、企業研究も必要です。求人票だけでは、どんな企業かはなかなか理解できません。ホームページは企業のイメージが具体化されますし、採用ページに求職者向けコンテンツがある場合があるので調べてみましょう。口コミサイトはネガティブな書き込みも多いので全てを鵜呑みにするのはおすすめしませんが、一定参考になります。
転職活動の進め方3:気になる求人へ応募し、面接を受けていく
いよいよ面接のフェーズです。
(ステップ16)応募して書類選考の結果を待つ
応募したあとの最初の選考は、書類選考であることがほとんどです。書類選考の結果は一週間から10日ほどで連絡が来ることが多いです。
もしも書類選考でなかなか通過しないのであれば、応募する企業や自分の書類の中身を見直しましょう。また、エージェントの方に職務経歴書をチェックしてもらうのも有効です。
(ステップ17)書類選考が通過したら、面接を受ける
書類選考を通過した場合は、面接が実施されます。面接の回数は企業によりますが、1〜3回が一般的です。最近ではWeb面接を実施する企業も増えています。面接の注意点、ポイントを押さえ、よく準備した上で面接に臨みましょう。
Web面接についてはこちらの記事が参考になります。
こちらの記事を読んで面接攻略法を知っておくと良いでしょう。
(ステップ18)適性検査などの案内があれば素直に受ける
企業によっては、テストや適性検査を受ける必要があることがあります。課題を提示されてそれに取り組んで提出するケースや、ストレス耐性を見るような検査を受けさせられる場合があります。
適性検査は素直にそのまま受けましょう。何をみられ、どのように判断されていくのかはこちらの記事が参考になります。
理想は、内定を複数社から同じタイミングでもらい、比較検討して1社に決めることです。そのためにも、希望入社時期から逆算して、応募や面接設定を進めていきましょう。
フェーズ3:内定承諾〜入社準備(2週間〜1ヶ月)
転職活動の進め方4:内定オファーを受け、受諾する
内定の連絡をもらえたら、いよいよ転職先の決定です。ただし、内定が出たからといって気を抜いてはいけません。内定先の精査や他との比較など、やるべきことがいくつかあります。
(ステップ19)オファー内容や内定条件をよく確認する
オファーは口頭のみではなく、書面あるいはデータでもらいましょう。企業によって異なりますが、内定通知書、労働条件通知書、雇用契約書のいずれかで提示されるのが一般的です。給与面だけではなく、固定残業代がある場合はその時間数、賞与の有無と回数、休日休暇など、細かく確認し、募集要項や面接時の説明と違っているところがないかをみていきましょう。
(ステップ20)他に出ている内定やオファーと比較検討する
複数内定が出ているのであれば、最終的にどこの企業に入社するかを確定させます。回答期日は1週間で設けられることが多いですが、もしも第一希望の会社での内定を待ってから決めたいなど事情がある場合は伸ばしてもらう交渉も可能です。
本当にその会社への入社を決めるのかは、ステップ1〜3で考えた「軸」を基準に考えていきましょう。自分が何のために転職活動をしているのかを再考し、5年後10年後のキャリアを考えたときにプラスになるかどうかを考え、最終決定をしていきましょう。
(ステップ21)オファーを受諾し、入社日を確定させる
オファー受諾の連絡を企業にしたら、入社日を確定させましょう。転職先の希望もありますが、そもそも現職をいつ辞めるができるかどうかにもよります。この段階で決められない場合は、なるべく早く退職する旨を現職の上司に伝えて入社日を確定させていきましょう。
現職の退職日の決め方については、次の記事を参考にしてください。
転職活動の進め方5:退職準備をする
内定オファーの承諾をしたら、今いる会社の退職をしなくてはいけません。
(ステップ22)現職の上司へ、退職意思を伝える
内定承諾後は、すみやかに退職する旨を上司に伝えましょう。就業規則に、「退職日の◯日前に伝えること」と書かれているので、それを守ることが理想です。ただ、「2週間前までに通知すればよい」という法律の方が優先されるため、急いでいる場合は交渉してみましょう。
円満退社のための退職意思の伝え方は次の記事を参考にすると良いでしょう。
(ステップ23)現職での引き継ぎを丁寧に行う
退職することが決まっていても、今まで在籍していた企業に恩義は果たしましょう。残された上司、部下、同僚のために、丁寧な引き継ぎを心がけましょう。
(ステップ24)お世話になった人へ挨拶をする
転職活動の進め方6:入社準備をする
退職の準備と同時に、入社の準備も同時にしていきましょう。ちょっと忙しくなりますが、ここは努力の時期です!
(ステップ25)入社後に取り掛かる仕事の勉強をする
入社が決まったら、転職先の業界や事業について、勉強できる部分はしておきましょう。スタートでつまずかないように、という意味もありますが、意気込みを相手に伝えるという意味でも重要です。
(ステップ26)有休が使える場合は、リフレッシュにも当てる
最終出社日から入社日の間に、残った有給休暇を消化する人は多いです。せっかくの長期休みなので、普段できないようなことをするのもいいでしょう。平日の旅行などは比較的空いていておすすめです。
(ステップ27)転職先の担当者とのやり取りはスムーズに行う
転職活動の流れと進め方、まとめ
転職を進めていく流れを27のステップに分解して解説していきました。27となると、少し多いように感じるかもしれません。ただ、期間としては3ヶ月ほどあり、それぞれのステップもそこまで大変なものではありません。
特に、ステップ序盤の準備の部分を実行せずにいきなり書類作成から入る人が多くいます。ですが、今よりも良い環境で仕事をして、お給料も増やしていきたいと考えているならば、とても重要な工程になりますので、ぜひ本記事のステップに沿って転職活動を進めていってください。
転職活動では、個別にサポートがもらえる転職エージェントをおすすめします。
転職活動が初めての方は、次の記事も併せて読むことをおすすめします。