30代の未経験転職を成功させるコツ|仕事探しのポイントと手順

30代の方なら、自分のキャリアについて一度は悩んだことがあるのではないでしょうか?

「いろいろと経験したからこそ、今の仕事は自分に合っていないのがよくわかった」
「でも、30代で未経験職種にチャレンジするなんて無謀かな」

このように、転職したくてもなかなか踏み出せない方も多いでしょう。

最近では、30代で未経験職種に転職する人が珍しくなくなってきました。一方で、やはり20代に比べると未経験転職のハードルは高く、入念な準備が必要です。

30代でジョブチェンジをしたいなら、転職エージェントを活用しましょう。30代の未経験転職には、20代のポテンシャル採用と異なる注意点が多数あります。

そのため、転職支援のプロの力を借り、転職の成功率を上げる取り組みが必須です。

30代の未経験転職ならではの注意点をおさえて、転職を成功させるためのポイントを解説します。

30代の転職者のうち、3割は全くの未経験で転職をしている。

未経験転職を考える際、初めに理解しておくのが、業種と職種です。業種とは事業内容や業界のことで、職種は仕事内容の部分ですね。

そして、30代で転職をする人のうち、業種も職種も違うものへ転職する人は30代前半で33%、30代後半で28%です。逆に、職種も業種も同じで転職をする割合は30代前半でも後半でも約10%と実は少数です。ですので、30代の転職では業種か職種のうち、どちらかを未経験・どちらかは経験がある、という形で選んでいく方法がスタンダードと言えます。

(出典元:リクナビ

また、上記のデータを見て気づいたかもしれませんが、異業種×異職種の完全未経験での転職はこの10年でかなり増えていることもわかると思います。これは、おそらく求人の方法が多様化したこともありますし、IT業界が一気に伸びたことにより、新しい業種・新しい職業が増えていっているのもあると考えています。

上記でわかるように、30代で転職しているみなさんは、積極的に未経験領域へチャレンジしているのが現状です。ですので、未経験だからと不安にならずに、本記事を読んで戦略的に転職を進めていってくださいね。

もう一つ、勇気が出るデータがあるので紹介します。

株式会社ビズヒッツの調査によると、30代で未経験転職をした人のうち82.4%が転職して「よかった」「どちらかといえばよかった」と回答しています。30代から未経験の仕事に転職した人の過半数が、自分の転職をポジティブに捉えているのです。

30代で未経験転職の可能性は広がっている2
(出典:PR TIMES 株式会社ビズヒッツ「30代で未経験の仕事に転職した理由ランキング|男女205人アンケート調査」

これらの調査結果から、30代で未経験職種に挑戦する方の割合は増加しており、満足度も高いことがわかります。年齢を理由に未経験転職を諦める必要はありません。

30代でジョブチェンジしたいならプロの支援が必須

30代でジョブチェンジしたいならプロの支援が必須

最初のデータを見てわかるように、業種と職種のうち、どちらか1つを未経験にして活動をしていくのが多数派の転職方法です。

また、30代は中途採用の枠となるため、人材を採用する企業の立場から見れば、ある程度の即戦力としての活躍を期待しています。そのため、未経験の仕事に挑戦するなら、業務自体の経験はなくてもすぐにキャッチアップして貢献できるだけの実力があることをアピールする必要あります。

そこで大切になってくるポイントがこの2つです。

  1. 応募先の会社の事業内容と、自分の経験で重なる部分がどれほどあるか
  2. 応募先の会社が求めている人材像に対して、自分がPRできるポイントはどこか

要は、転職市場で評価される自分の強みを見つけ、効果的にアピールしていく必要があるのです。

ですが、こうした自分の強みであったり、応募先の会社の研究はなかなか難しいことです。なぜなら、転職は人生で数回しかしないものであり、転職のプロではないからです。

そこでおすすめしたいのが、転職エージェントの活用です

先のデータのように、転職者のうち90%は未経験の領域を含んだ転職をするため、転職エージェントに所属しているコンサルタントは未経験転職のプロとも言えます。アドバイスをもらえるのはもちろんですが、今までの経験を活かせる求人を調べて紹介をしてもらうことができます。そのため、自分で選んで自己応募をして未経験転職を叶えるよりも、効率的かつ戦略的に進めることができます。

ここでは具体的に、30代の未経験転職におすすめの転職エージェントを3つに厳選して紹介します。

オススメ1|リクルートエージェント

POINT
  • 人材業界大手の株式会社リクルートホールディングスが提供する転職サービス
  • 業界・業種や地域に制限なく幅広い求人を保有!非公開求人も多数
  • 独自に分析した業界・企業情報の提供など転職サポートが充実
エリア 求人数 利用料
全国 公開求人:約41万件
非公開求人:約30万件
(2023年8月時点)
無料

株式会社リクルートが運営する「リクルートエージェント」は、転職支援実績NO.1、日本最大級の転職エージェントサービスです。

公開求人が42万件以上、非公開求人が31万件以上、若手層~中堅・管理職層までの幅広い経験者、全国を対象としているので、転職初心者の方はまず登録をしてみるとよいでしょう。

オススメ2|doda

POINT
  • 会員登録者数750万人と日本最大級
  • 3つの求人紹介サービス(転職エージェント×スカウト×アドバイザーサポート)を提供
  • 専門職向けの専門サイトも保有!幅広い職種に対応
エリア 求人数 利用料
全国 公開求人:約21万件
非公開求人:約3万件
(※2023年9月21日時点)
無料

パーソルキャリア株式会社が運営する「doda」は、幅広い業界・業種の求人を扱う総合型の転職エージェントです。年収査定や合格診断、レジュメビルダーなど、独自の転職お役立ちツールを提供しています。

dodaの会員は、転職が未経験もしくは1回という人が78%で20代~30代の中堅層が中心です。

dodaは、転職サイトやスカウトサービスも提供していて、エージェントからの求人紹介、サイトからの応募、企業からのスカウトと3つの手法で選考を進められる、便利なサービスです。

ユーザーに合わせてdodaが求人をレコメンドしてくれるので、自分で転職先をみつけるのが苦手な方でも安心です。

オススメ3|エン エージェント

エン エージェントは、企業の口コミプラットホーム「ライトハウス」で有名なエン・ジャパン株式会社が運営する転職エージェントサービスです。

特徴 ・公開求人数6,290件(2023年2月)
・非公開求人数約15,000件
・性格価値観診断テスト「3E-p」によるサポート
良い点 ・エン エージェントが独自に扱う求人に出会える
・性格価値観診断テストで自身のキャリアの志向がわかる
注意点 ・取り扱い求人数が多くない
・面談場所が東京・名古屋・大阪・福岡の4拠点のみ

取り扱い求人数が多くないものの、企業の採用選考でよく用いられる3Eテストを受けられるのは大きな強みです。求人数の多いリクルートエージェントやdodaと併用して活用すれば、転職活動の支援の幅が広がるでしょう。

【パターン別】30代・未経験でジョブチェンジを成功させるポイント

【パターン別】30代・未経験でジョブチェンジを成功させるポイント

一般的に「未経験転職」は、新しい職種にチャレンジすることをいいます。実際には、業界・業種のいずれか、または両方を変える以下3つのパターンがあります。

  • 同じ業界で職種を変える
  • 同じ職種で業界を変える
  • 業界・職種を変える

    30代の未経験転職の場合、これまでの強みを軸に活動の領域を変える(=キャリアをピボットする)のが正攻法です。

    自身の強みや経験を生かすためには、業界・業種のいずれかは経験のある仕事を選ぶことをおすすめします。

    3種類の未経験転職について、抑えるべきポイントを確認しましょう。

    パターン1|同じ業界で職種を変える

    職種が変わっても、同じ業界であれば経験や知識を活かせるので採用確率が高まります。

    同じ業界を違う立場から見ることで、1つの職種しか経験のない人より活躍の幅が広がる可能性もあるでしょう。

    具体的には、以下のような職種変更です。

    【同じ業界で職種を変える例】
    • 建築業界の設計経験を生かして、建設コンサルタントになる
    • 介護業界の施設長経験を生かして、福祉会社の採用担当になる

    選考通過率を上げるポイントは、業界経験で得た学びや強みを適切にアピールすること、業種変更する明確な理由を伝えることです。「建築業界ならではの○○を知ったからこそ、コンサルタントに挑戦したい」など、ストーリーをもって強みと志望動機を語れるようにしましょう。

    パターン2|同じ職種で業界を変える

    業界が変わっても、職種ごとに共通したノウハウやポイントが多いものです。

    業界を変える転職は、これまでの職種経験を十分にアピールできるため、成功率の高い未経験転職のパターンといえます。

    自分が所属していた業界では当たり前の手法でも他の業界でなじみのない場合があり、適切にアピールすることで他者との差別化も図れます。

    【同じ職種で業界を変える例】
    • 製薬業界の人事部から、IT業界の人事部へ
    • MRから、老人ホームの施設営業へ

    未経験業界の転職成功率を上げるポイントは、職種共通の課題に関する実績をアピールすることです。「人事として何ができたか」「営業としての実績はどの程度か」を、具体的に語れるように準備してください。

    パターン3|業界・職種を変える

    これまで経験した業界・職種から離れて、まったく未経験の分野にチャレンジする方もいます。

    他の未経験転職パターンよりも難易度は上がりますが、自身の経験や強み活かせる仕事を選ぶことで、大きくキャリアアップできる可能性もあります。

    【業界・職種を変える例】
    • 企画経営室での経験を生かして、経営コンサルタントに転職する
    • 広報の経験をしかして、webマーケターに転職する

    業界・業種ともに未経験の場合こそ、応募求人に生かせる具体的な強みや経験をアピールしてください。新しい挑戦を前向きに捉える姿勢や理解力の早さなどを感じてもらえるよう、面接中の立ち振る舞いを意識してください。

    30代で未経験転職を成功させた人の体験談

    スマートフォン販売から経理事務へ転職(30歳/男性)
    アイコン
    転職前:IT系サービス業 店舗でのスマートフォン販売
    転職後:事務職 製造系の会社での経理事務

    Q:転職を決意した理由は?
    長年営業込みの接客業をしていたが、将来性や今後の展望を考えて転職を決意。事務職を選んだ理由は会社を内部から支えることに魅力を感じたから。

    Q:未経験で転職を成功させるためにやっていたことは?
    事務の中途採用は経験者募集が多かったですが、ひたすら未経験歓迎の求人に応募しました。後は多少給料は下がってでも検索の範囲を広げました。

    Q:転職して満足していますか?
    個人的には満足していますが、どうしても知っている前提で仕事の話を進められることもあり、勉強が必要だなと感じることもあります。

    ゲーム業界からWEB業界へ転職(35歳/男性/JHさん)
    転職前:ゲームクリエイター
    転職後:webデザイナー

    Q:転職前と転職後の仕事内容について
    転職前はゲームクリエイターとして主にキャラデザインを担当していました。転職後はWEBデザイナーとして、WEBページの制作やバナーのデザインを担当しています。

    Q:転職を決意した理由は?
    ゲームクリエイター時代は徹夜が当たり前といった環境で、30代半ばになり体力的に限界を感じ、転職を決めました。

    Q:未経験で転職を成功させるためにやっていたことは?
    目指している職種に必要なスキルについて、独学で勉強をしました。もともとキャラデザインをやっていましたが、WEBのデザインに適応するため、枚数をこなしてスキルアップを目指しました。完全にセンスの世界なので、常に世界にアンテナを張り巡らしていました!

    Q:どのように転職活動を進めたの?
    GoogleやYahoo!で求人情報を検索したり、企業の公式サイトから求人へ応募をしました。4社ほど面接をし、今の会社へ入社しました。

    Q:転職して満足していますか?
    実は、給料が2倍になったんです。それに、もう徹夜で仕事しなくて良くなったので、心身ともに楽になり、とても満足しています!

    編集部からのコメント

    30代になり今後の働き方やキャリアを見直す人も多いです。JHさんの場合、未経験のWEB業界とはいえど、前職の経験を活かし同じデザイナー軸で転職活動をしたのが成功のポイントだったと思います。給与が2倍はすごいですし、勇気をもらえますよね!

    マーケ職からカスタマーサクセスに転職(30歳/女性/natukiさん)
    転職前:マーケティング メール配信
    転職後:カスタマーサクセス イベント運営

    Q:転職前と転職後の仕事内容について
    メール配信のマーケティング部署で働いていましたが、イベント運営を行う企業でカスタマー作成に転職をいたしました。

    Q:転職を決意した理由は?
    いちユーザーとして利用していたサービスに対して、提供するベンダー側の経験をしたかったからです。

    Q:未経験で転職を成功させるためにやっていたことは?
    イベント運営について、ネット上で情報収集をして勉強をしました。また、目指す職種の人に話を聞きに行ったりもしました。

    Q:どのように転職活動を進めたの?
    求人サイトで自分で求人を探し応募するのはもちろん、転職エージェントも活用しました。5社ほどに応募をして、2社は面接まで進みました。たとえ未経験でも、採用する企業と共通点があることがポイントだと思っています。たとえば、会社の理念に近しいことの経験があったり、現職の業務内容に親和性がある求人を選んだりです。

    Q:転職して満足していますか?
    満足しています。それまでは業務内容の幅が狭く、知見も広がりづらいと感じていました。ですが、新たな環境に身を置くことで、知らない知見を身につけたり、前職では強みとしてみてもらえなかった経験が、転職後は強みとして発揮できたり、やりがいを感じています。

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    30代の未経験転職で失敗しないための注意点

    30代の未経験転職で失敗しないための注意点

    30代の未経験転職には、20代のポテンシャル採用と異なる注意点が複数あります。30代だからこそおさえておきたい、未経験転職の注意点と対策を解説します。

    注意点1|できれば在職中に転職活動を完了させる

    30代の未経験転職は、20代よりもハードルが高いために転職期間が長引く可能性があります。

    離職してから転職活動を始めると、想定以上にキャリアの空白期間が延び、収入が不安定になる危険性もあるのです。現職中に転職活動を始め、退職前に次の転職先を決定させましょう。

    現職中の転職活動の負荷を減らし、短期で転職先を決定するためにも、転職エージェントの活用が有効です。

    注意点2|複数の転職エージェントを活用する

    未経験転職は、当然ながら経験を生かした転職よりハードルが上がります。複数の転職エージェントに登録し、応募する企業数を増やしましょう。

    転職エージェントによっては、登録を断られたり、あまり求人を紹介してもらえなかったりする可能性もあります。1つの転職エージェントに頼るのはリスクが高いため、同時に2,3社を併用するのがおすすめです。

    注意点3|転職先の昇給制度を確認する

    未経験転職の場合、現在より年収が下がる可能性があります。株式会社ビズヒッツの調査では、30代で未経験転職をした方のうち51.2%が、年収が「下がった」と答えています。

    注意点3|転職先の昇給制度を確認する
    (出典:PR TIMES 株式会社ビズヒッツ「30代で未経験の仕事に転職した理由ランキング|男女205人アンケート調査」

    「入社後に活躍すれば給与がアップすると期待していたのに、実はなかなか昇給できない環境だった」という事例もあるため、転職先の昇給制度は必ず確認しておきましょう。

    転職エージェントを通じて昇給制度や実績を確認するほか、上場企業であればIR情報として公開している場合もあるためチェックしてください

    30代の未経験転職でよくある疑問

    30代の未経験転職でよくある疑問

    最後に、30代の未経験転職でよくある疑問に回答します。以前よりチャンスが広がっているとはいえ、30代の未経験転職に不安を抱えている方は多いでしょう。

    疑問を解決して、前向きな気持ちで転職活動に臨んでください。

    疑問1|「35歳転職限界説」は本当?

    一昔前までは、35歳以上の転職は困難だといわれていました。しかし、「人生100年時代」の現在、35歳以上の未経験転職は珍しいものではなくなってきています。

    ただし年齢が上がるほど未経験転職が難しくなるのも事実です。企業の立場では、柔軟性が高く、長く勤めてもらえる可能性の高い若年者の採用ニーズが高いからです。

    逆をいえば、年齢が上がっても柔軟性があって長く企業に貢献できる人材は、ミドル層でも未経験採用される可能性があります。単なるポテンシャル枠ではなく、これまでに社会人実績を積み重ねた戦力として認識してもらえるよう、戦略的にアピールすることが大切です。

    疑問2|30代でも比較的採用されやすい業界や職種は?

    人手不足が顕著や急成長している業界・職種は、30代で未経験可の求人が多い傾向にあります。具体的には、以下の業界・業種です。

    【未経験採用に積極的な業界】
    • 建築
    • 物流
    • 医療・介護
    • IT
    • 宿泊・飲食
    【未経験採用が多い職種】
    • 介護士
    • ドライバー
    • ITエンジニア
    • 営業
    • 接客スタッフ

    いくら未経験歓迎の求人でも自分自身の熱量がないと採用につながらないため、自分の強みを生かせる仕事、挑戦したいと思える仕事を選んでください。

    疑問3|資格を取得すれば採用される確率が上がる?

    資格があると多少採用に有利になる可能性はありますが、採用の決定打になる可能性は高くないでしょう。30代は即戦力としての活躍を期待されているため、知識よりも経験値を求められる傾向にあるからです。

    一方で、資格取得に向けた向上心や確かな知識はアピールポイントになり得ます。また、副業で実績を積み、経験値としてアピールすることも可能です。資格取得だけにこだわらず、転職エージェントと相談しながら転職で有利になる活動を選びましょう。

    30代の未経験転職は「ゼロからの再スタート」ではなく「経験を軸足にした横展開」に

    30代の未経験転職は「ゼロからの再スタート」ではなく「経験を軸足にした横展開」に

    個人の働き方や企業の人材に対する価値観の変化などから、30代の未経験転職のハードルは以前より下がっています。年齢を理由に転職を諦める必要はありません。

    30代の未経験転職を成功させるためには、これまでの経験を生かしたキャリアの横展開が効果的です。実務経験に基づく強みや学びを整理し、適切に企業にアピールすることが成功のカギとなるでしょう。

    一方で、自分の強みを客観的に捉えたり、数多くある求人の中から最適な仕事を見つけ出すのは難しく、時間もかかるものです。実績豊富な転職エージェントを活用して、効率的・効果的に転職活動を進めてください。

    自分のキャリアをうまく横展開できれば、未経験でも条件維持・アップできる可能性もあります。より良い条件で転職するためにも、プロのアドバイスを積極的に活用しましょう。