社員が自分らしく働ける様々な制度や働き方を実践する企業へインタビューするこの企画。今回はITフリーランスと企業のマッチングサービスを提供するギークス株式会社を取材しました。
ギークス株式会社とは
ギークス株式会社は「働き方の新しい『当たり前』をつくる」という事業ビジョンのもと、ITフリーランスと企業をマッチングするIT人材事業を行っています。ITフリーランスの立場を保障し、彼らが安心して活躍できるサービスを提供することで、IT人材の不足という社会課題の解決を目指しています。
会社名 | ギークス株式会社 |
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住所 | (本社) 東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア 39階(WeWork内) |
事業内容 | ・IT人材事業 ・ゲーム事業(G2 Studios株式会社) ・Seed Tech事業(シードテック株式会社) ・x-Tech事業 |
設立 | 2007年8月23日 |
公式ページ | https://geechs.com/ |
働き方 | リモートワーク・ハイブリッドワーク |
ギークス株式会社は2022年4月にプライム市場への上場を果たし、会社として新たなスタートを切りました。
今回はそんなギークス株式会社のSDGsへの取り組みや、社員のモチベーションを高める制度、「個」を活かしながらチームとして目標達成に挑む働き方などについて、IT人材事業本部の採用チームで中途採用を担当する光山さんと、広報・サスティナビリティ推進部の荒川さんにお話を伺いました。
「IT人材不足」という社会課題へのアンサー
編集部
まずはじめにギークスさんが行っている事業について教えてください。
荒川さん
ギークスの主幹事業はITフリーランスと企業をマッチングするIT人材事業です。「働き方の新しい『当たり前』をつくる」という事業ビジョンのもと「geechs job(ギークス ジョブ)」という日本最大級のIT人材マッチングプラットフォームの運営を行っております。IT人材の不足は社会課題の1つですが、この課題に対し、弊社はITフリーランスの有効活用という解決策を提示しています。
編集部
ギークスさんにはグループ会社もあるようですが、グループ全体としてはどのような事業を行っているのでしょうか。
荒川さん
グループ全体としては「21世紀で最も感動を与えた会社になる」というグランドビジョンのもと4つの事業を展開しています。1つは今ご説明したギークス株式会社のIT人材事業です。他にDX/IT人材育成などを行うシードテック事業、ゲームの企画開発・運営を行うゲーム事業、スポーツ領域のデジタルマーケティング支援を行うx-Tech(クロステック)事業があります。
ITフリーランスのネガティブ要素を払しょくする「フリノべ」
編集部
先ほど、geechs jobはIT人材不足を解消する解決策の1つになるというお話がありました。実際、どのようにITフリーランスの方を活用すれば、IT人材不足を解消できるとお考えですか。
荒川さん
IT業界では人材不足が続いており、2030年には79万人が不足するといわれています。この社会課題に対し、業界としてどう取り組んでいくかが問われています。その中でギークスは創業以来、一貫してITフリーランスの活用をベースに事業展開をしてきました。ITフリーランスという働き方を世の中に広げていくことで、IT人材の不足解消に貢献できると考えています。
たとえば79万人の不足を正社員などで補おうとすれば不足分と同じ人数、つまり79万人の人員が必要になります。しかし、フリーランスを活用し、1人のフリーランスが2案件ずつ請け負うことができれば必要な人員は40万人ほどで済みます。今いる人材を最大限活かすことがギークスの考えるIT人材不足解消の解決策だと思っています。
編集部
なるほど。ただ、フリーランスはどうしても正社員と比べるとネガティブ要素もあると思います。そうした点へのフォローはどうお考えですか。
荒川さん
確かにフリーランスは企業に属していないため、サラリーマンであれば受けられる福利厚生が受けられないことがあります。
そういったネガティブ要素を解消するために、ギークスではITフリーランス向けの福利厚生プログラム「フリノベ」を運営しています。フリノべでは確定申告や個人向けの健康診断など、ITフリーランスの活動をサポートする様々なサービスを用意しています。こうしたプログラムによりITフリーランスの抱える不安や悩みを解消し、ITフリーランスの数を増やしていきたいと思っています。
▲フリノべではフリーランスの活動に欠かせない確定申告のための会計ソフトなどがお得に利用できる(公式サイトより)
編集部
ギークスさんではITフリーランスの活用だけでなく、彼らの社会的な立場や生活を守ることも考えて事業を展開しているのですね。「フリノべ」でフリーランスに関するネガティブ要素が払拭できれば、ITフリーランスに挑戦してみたいと思うエンジニアも多いはずです。
メンバーがSDGsの課題に取り組む「17Actionプロジェクト」
編集部
ギークスさんでは環境への貢献といったSDGsにも取り組んでいるとお聞きしました。どのような取り組みをされているのでしょうか。
荒川さん
弊社は工場などを稼働させているビジネスモデルではないので、環境負荷が比較的小さい事業だと考えています。それでも、プライム上場企業としての社会的責任を果たすため、SDGs達成に向けた取り組みを行い、また、ESG経営(※)を推進しています。
(※)ESG経営…環境(Environment)・社会(Society)・ガバナンス(Governance)の3要素を重視した経営
▲ギークスさんでは企業価値向上と、持続可能な社会実現のため、ESG経営に取り組んでいる
荒川さん
SDGsの課題への具体的な取り組みとしては、2022年1月からの3ヶ月間「17Actionプロジェクト」という社内プロジェクトを行いました。これはSDGsの17の目標を17人のメンバーが1つずつ担当し、日々の中で目標達成のための行動を実践するプロジェクトです。
本日、私とともにインタビューを受けている光山も、ペットボトル消費量を減らすという目標を掲げ、マイボトルを持参する取り組みで、「17Actionプロジェクト」に参加しました。こういったプロジェクト以降、メンバーそれぞれが環境負荷を減らす試み、心がけを進めてくれていますね。
▲様々な部署のメンバーが参加した「17Actionプロジェクト」。こうした取り組みが部署間のコミュニケーション活性化にも繋がっている
荒川さん
他にも2022年12月からWeWork(※)さんと連携し、CO2排出量や電気使用量、ごみ排出量の測定も始めています。また、社内のペーパーレス化を進めるため、印刷物の量を数値化する準備も進めています。IT人材の不足解消だけでなく、こうした環境への貢献も果たしていきたいと思っています。
(※)WeWork…フレキシブルオフィスなどを運営する会社
編集部
ギークスさんのSDGsへの取り組みは、マイボトルを持参したりといった、メンバーひとりひとりの具体的なアクションが伴っていることが印象的です。1つ1つのアクションは小さいものだとしても、それが集まり、継続されることで、環境に大きなプラスの影響を与えられると思います。
リモート&ハイブリッド。育児の中抜けもチームワークでカバー
編集部
ギークスさんではどのような働き方の選択肢があるのでしょうか。
荒川さん
弊社では上長の許可を得れば、出社頻度を選択できます。そのため、フルリモートワーク、ハイブリッドワーク、フル出社というように、各自が結果を出しやすい働き方を選んでいます。
編集部
たとえば、子育て中でリモートワークをしている方が、子どもの送り迎えなどで中抜けすることも可能なのでしょうか。
荒川さん
中抜けなどの対応については部署の上長の判断による部分もあると思いますが、会社としては事前に報告してもらえれば、ある程度柔軟に対応しています。
実際、私のチームにも子育て中のメンバーがいるので、急にお子さんが病気になってしまった場合などは、チーム全体で仕事のフォローをしています。そうしたチームワークの高さもギークスの特徴だと思います。
編集部
育児をしながら働いている方にとって、子どものこととはいえ、中抜けすることは多少罪悪感があるものです。そうした時でも、一緒に働いているメンバーが協力的で、仕事のフォローをしてくれるのであれば安心して働けそうです。
未経験からのジョインも研修でサポート。活躍の鍵は積極的な発信
編集部
ギークスさんでは、新しく入った方がスムーズに業務に入れるような仕組みなどはあるのでしょうか。
光山さん
弊社では基本的に入社してから1~2ヶ月間は研修期間にあてています。その期間にフリーランスという働き方を取り巻くリーガル面の学習、ITフリーランスが業務上使うプログラミング言語に関する知識の習得など、業務に必要な知識をインプットします。
ギークスはこれまでのキャリア以上に人柄や意欲を重視した採用を行っているため、IT業界未経験のメンバーが入ってくることも珍しくありません。業界知識を深めるためのインプットには時間をかけているほうだと思います。
編集部
そうした研修を受けることで、実際の業務にもスムーズに入れるわけですね。
光山さん
そうですね。ギークスはトップダウンではなくボトムアップ型の組織のため、メンバーの声がプロジェクトに反映されやすいです。自身の発信力をサービスに反映し、会社に貢献している実感を得られることがメンバーのモチベーションにも繋がっています。
編集部
ギークスさんには、メンバーがどんどん発信する雰囲気や環境があり、そうしたメンバーの発信から新たなサービスが生まれたりしているわけですね。
光山さん
はい。新しいメンバーには、自発的に動き、発信し、分からないことを周りに聞くということを積極的にやっていただきたいです。そうすれば、早く仕事も覚えられますし、結果もついてくると思います。
失敗を恐れずチャレンジできる万全のフォロー体制
編集部
実際にここ数年で入社した方で、結果を出されている方もいるのでしょうか。
光山さん
1年ほど前に中途入社したメンバーは、次の人事異動でユニット長に任命される予定ですし、新卒2年目でチームリーダーとして活躍しているメンバーもいます。ギークスの場合、今までの実績より他者への働きかけやチームメンバーを牽引する力が評価されるので、素質のある方は社歴に関係なく活躍できます。
編集部
経験の浅い方が責任のあるポジションに就いた場合、失敗してしまうこともあると思うのですが、そうした場合のフォロー体制などはあるのでしょうか。
光山さん
社内で教育担当チームを作っており、新卒・中途入社問わず、新しく入ったメンバーのフォローアップは重点的に行っています。人材育成に興味のあるメンバーが自発的に動いているので、新しいメンバーでもわからないところをすぐ聞くことができます。リモートの場合でもチャットツールを活用し、質問しやすい環境を作っています。
編集部
フォローや教育体制がしっかりしているギークスさんなら、若手の方も失敗を恐れずどんどんチャレンジしていけそうですね。
福利厚生にプログラミング学習も。ギークスの学び続けられる環境
編集部
ギークスさんに入社し、自ら発信して活躍していくためには、スキルアップが欠かせないと思うのですが、メンバーのスキルアップをサポートする制度はあるのでしょうか。
光山さん
入社2年未満のメンバーを対象に、年に数回、若手研修を行っています。中堅メンバーに対しては、ロジカルシンキングやファシリテーション(※)について、事業本部長自ら数回に分けて講義を行っています。これらの研修や講義では、ディスカッションを積極的に取り入れ、ただのインプット作業にならないように工夫しています。入社後も継続的に学べる環境をつくっています。
(※)ファシリテーション…会議などを円滑に進める技法
また、IT業界の流れはとても早いので、チャットツール内に専用のチャンネルを作り、メンバーそれぞれがキャッチした情報をあげるようにしています。取引先の企業様の新しい情報についても、各担当者が社内に発信しています。メンバーそれぞれが知識や情報を補い合うことで、全メンバーのインプット量を底上げしています。
編集部
それぞれのメンバーが情報の発信と受け取りを確実に行うことでインプット量の底上げをし、メンバー間の知識量の差をなくしているわけですね。
光山さん
はい。他にもスキルアップをサポートする制度として、グループ会社が運営するオンライン型プログラミング学習サービス「ソダテク」が利用できるなどの福利厚生もあります。
頑張りが正当に評価される「Buddy賞」
▲メンバーのモチベーションとなるギークスアワード。2022年上半期はグループ社員約370名から16名が表彰された
編集部
ギークスさんではメンバーそれぞれが自発的に仕事をしている印象を受けます。メンバーのモチベーションとなるような制度やイベントも用意しているのでしょうか。
光山さん
ギークスグループでは半期に一度、「ギークスアワード」というイベントを行っています。ギークスアワードでは「挑戦」「楽しむ」「成長」というギークスが掲げる仕事をする上でのサイクルと、行動指針である「10の心得」を高いレベルで実践したメンバーに対し、「Buddy賞」という独自の賞を授与しています。
▲ギークスさんの行動指針である「10の心得」。メンバーは常にこの心得を意識して業務をしている(公式サイトより)
光山さん
Buddy賞の受賞者はメンバーの投票で決まるので、受賞のためには個人として結果を出すだけでなく、周りとよい関係を築き、仕事ぶりを認められることが必要です。仕事をする上で、ギークスではチームワークも大切にしているためです。
また、毎月MVPの表彰も行っています。メンバーにとっては毎月、および半期単位で目標があるので、モチベーションを保ちやすいと思います。
編集部
仕事を行う上での行動指針としての「10の心得」というお話がありましたが、そういったものはメンバーに浸透しているのでしょうか。
光山さん
メンバー各自、「10の心得」は日頃から意識していると思います。その上で、自分の持っている資質をどう活かして「10の心得」を体現するかを考えているのではないでしょうか。採用担当として、多くの面接の機会をいただいていますが、ほとんどの方が弊社の採用サイトで「10の心得」を確認されています。自身の強みと「10の心得」をどうリンクさせるか、イメージできている人が多いです。
編集部
新しく入る方は、採用サイトで「10の心得」やギークスサイクルをしっかり把握し、実践するイメージを持って入社することが大切なのですね。また、ギークスさんは入社後もギークスアワードや月間MVPといった目標がこまめに設定されているので、自分の評価を確認しながら、着実に成長していけそうです。
「出る杭を讃える」。個性の発揮と尊重を求めるギークスの心得
編集部
ここまでギークスさんの働き方や研修など様々な制度について伺ってきましたが、働いているメンバーや社内の雰囲気についても教えてください。
荒川さん
私が感じるギークスの特徴の1つは経営陣との距離の近さです。何でも気軽に相談できる雰囲気がありますし、企画を提案すると、基本的に「やってみたらいいじゃん」と背中を押してくれるのがとてもありがたいです。
また、弊社は2022年、2023年と2年連続で健康経営優良法人(※)にも認定されました。男性メンバーでも育休を取る方が増えてきましたし、会社としてメンバーのライフステージの変化を応援する文化があります。経営陣も常にメンバー目線で働きやすさを考えてくれています。
(※)健康経営優良法人…経済産業省が認定する、社員の健康に投資するなど健康経営に力を入れている企業
編集部
経営陣とメンバーの距離が近く、会社としてメンバーのウェルビーイングや働きやすさを考えてくれる雰囲気があり、制度も整っているということですね。光山さんはどうでしょうか。
光山さん
ギークスの雰囲気として、私が思い浮かべるのは先ほどお話した「10の心得」の中にある「出る杭を讃える」です。この心得は、メンバーそれぞれが個性を発揮し、尊重し合おうというものですが、実際ギークスには個性豊かなメンバーが揃っています。
営業職でいえば、一人ひとり営業スタイルもお客様へのアプローチも違います。だからこそ、メンバー同士、いい刺激や気づきをもらえることも多いです。それぞれが自分の成功体験を発信、共有することで事業が大きくなっていっている実感があります。
編集部
個性を大切にし、仕事の裁量を大きく与えているからこそ、ギークスさんのメンバーは高いパフォーマンスを発揮できるのだと思いました。そしてそこで生まれた成功体験を周りと共有することで、周りもレベルアップし、事業も成長するという好循環が生まれているのですね。
求めるのは共に「働き方」のゲームチェンジャーになれる方
編集部
最後に、ギークスさんに興味を持った方へ、こんな方に来て欲しいといった人物像などがあれば教えてください。
光山さん
まず何より「働き方の新しい『当たり前』をつくる」という事業ビジョンに共感し、ギークスのサービスを拡大したいという強い思いがある方かどうか、ここが一番大事だと思っています。
また、他のメンバーやお客様とオープンマインドで積極的にコミュニケーションが取れる方がいいですね。個人の成果よりチームの成果を重視できる献身性も大きなポイントです。また、IT業界は変化が激しい市場なので固定概念にとらわれず、柔軟な発想でその時々で最適解を見つけ、成果をあげられる方を歓迎します。
まとめると、事業ビジョンに共感できる方、チームに成果で貢献したい方、変化を楽しむ柔軟性がある方、という3点がポイントになるかと思います。
編集部
ギークスさんの事業内容やビジョン、そしてSDGsに関連した取り組みなど魅力的なカルチャーに興味を持った方は、ぜひ採用サイトをご覧いただければと思います。本日はありがとうございました。
■取材協力
ギークス株式会社:https://geechs.com/
採用ページ:https://recruit.geechs.com/