いまや、ほとんどの人が就職活動の前にインターンをおこなっています。その中でも、長期インターンは、実践的なスキルを身につけるために取り組む大学生が増えてきています。
今回は、長期インターンに焦点を当てて、短期インターンとの違いや長期インターンのメリット・デメリット、探し方などについて解説します。
そもそもインターンって何?というところから知りたい人は、まずはこちらの記事を読んでください。
長期インターンとは、長期間(3ヶ月以上)での就業体験のこと
長期インターンとは、その名の通り長期間(3ヶ月以上)で開催される形式の就業体験のことです。
期間は企業によって様々で、3ヶ月で終了するものもあれば、1年以上や、大学卒業まで継続するケースもあります。
短期インターンは主に就活生を対象に、企業のことを知ってもらうことを目的とした就業体験であるのに対し、長期インターンは早い段階から優秀な人材を確保することを目的とした、ほぼ実務レベルの就業体験となっています。
このように、長期インターンと短期インターンは、ただ単に期間が違うだけでなく、その内容も大きく異なっているため、両者は全くの別物として捉えた方がいいでしょう。
◆長期インターンと短期インターンの違い
長期インターン | 短期インターン | |
---|---|---|
期間 | 3ヶ月~2年 | 数日~数週間 |
内容 | 社員と同程度の実務 | 企業説明や見学、グループワークなど |
給与 | 基本的に有給 | 基本的に無給 |
対象者 | 大学生であれば誰でも | 主に就活生(大学3年生以上) |
長期インターンのメリット
では、長期インターンに参加すると、実際にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
そこで本章では、長期インターンのメリットについて解説します。
具体的には、以下の4つが挙げられます。
- 自己成長に繋がる
- 就活で有利になる
- そのまま就職できる可能性がある
- お金を得られる
1. 自己成長に繋がる
長期インターンの1つ目のメリットは、「自己成長に繋がる」点です。
基本的に長期インターンにおいては、参加者は学生ではなく一人の社会人として見られます。
そのため、単に実務経験を積めるだけでなく、仕事を通して社会人としての心構えや責任感などが身につき、人間的にも大きく成長できることが期待できます。
特にベンチャー企業であれば、経営者や役員との距離も近く、そういう人たちと一緒に仕事をすることは大きな刺激になるでしょう。
2. 就活で有利になる(ガクチカになる等)
長期インターンの2つ目のメリットは、「就活で有利になる」点です。
長期インターンの経験は、そのままガクチカ(学生時代に力を入れたこと)に書くことが可能です。
ガクチカに何を書けばいいのか悩む就活生も多い中、長期インターンを経験していれば、具体的かつ説得力のある自己PRに繋げることができるでしょう。
また、長期インターンを経験することで、自分の仕事に対する価値観がわかるため、就活の軸がブレにくくなるというメリットもあります。
3. そのまま就職できる可能性がある
長期インターンの3つ目のメリットは、「そのまま就職できる可能性がある」点です。
インターン期間中の働きぶりが認められれば、場合によってはその企業から内定が出ることもあります。
特にベンチャー企業では、慢性的な人材不足で即戦力の人材を求めているところも多いため、卒業後に入社を打診されるケースは珍しくありません。
内定を承諾すれば、そのままその企業に入社できるため、当然ながら就活は不要となります。また、長期インターンを通して、その企業の社風や社員の人柄などもわかっているため、入社後の不安も少ないでしょう。
4. お金を得られる
長期インターンの4つ目のメリットは、「お金を得られる」点です。
短期インターンの多くは無給ですが、長期インターンは基本的に給与が出ます。
学生がお金を稼ぐ方法としてはアルバイトが一般的ですが、長期インターンであれば、実務経験を積みつつお金を得ることができるため、一石二鳥とも言えるでしょう。
また、中にはボーナスやインセンティブの支給を行っている企業もあるため、うまくいけばアルバイト以上の収入を得られる可能性もあります。
長期インターンのデメリット
続いて、長期インターンのデメリットについて解説します。
具体的には、以下の3つが挙げられます。
- 大学生活との両立が難しい
- 責任や成果が求められる
- 大手企業や地方企業の求人が少ない
1. 大学生活との両立が難しい(単位とシフトの兼ね合い)
長期インターンの1つ目のデメリットは、「大学生活との両立が難しい」点です。
一般的に長期インターンでは、週3日以上(最低でも週2日)の勤務が求められるため、講義やサークル・ゼミ活動との両立が難しくなります。
テスト期間中はシフトを考慮してもらえるケースも多いですが、事前に計画を立てておかないと、単位の取得で苦労することになるでしょう。
中にはインターンの活動に没頭しすぎて、卒業が危うくなってしまう学生も存在するため、注意が必要です。
2. 責任や成果が求められる
長期インターンの2つ目のデメリットは、「責任や成果が求められる」点です。
前述の通り、長期インターンにおいては、学生であっても一人の社会人として仕事を任されることになるため、それなりの責任や成果が求められます。
一定の責任や成果を求められるのはアルバイトも同じですが、インターンの方が責任は重いため、注意が必要です。
もちろん、過度にプレッシャーを感じる必要はありませんが、「学生だから許される」という甘い考えは捨てた方がいいでしょう。
3. 大手企業や地方企業の求人が少ない
長期インターンの3つ目のデメリットは、「大手企業や地方企業の求人が少ない」点です。
長期インターンを実施しているのは、圧倒的にベンチャー企業が多く、大手企業はあまり積極的には実施していません。
しかも、大手企業の長期インターンは倍率も高いため、参加するのはかなり難しいのが実情です。
また、長期インターンは、都市部の求人が多く地方の求人は少ないため、地方の学生にとっては不利な状況と言えるでしょう。
【長期インターンの探し方】説明会・大学・SNS・求人サイトから見つけよう
では、長期インターンに興味を持った場合には、実際にはどのように探していけばいいのでしょうか?
そこで本章では、長期インターンの探し方について解説します。
具体的には、以下の通りです。
特徴 | おすすめの人 | |
---|---|---|
求人サイトから 探す方法 |
・求人数が多い ・条件を絞って求人検索ができる |
・より多くの求人情報を見たい人 ・スカウトを受けてみたい人 |
SNSから 探す方法 |
・スマホ1つですぐに探せる | ・企業に直接アプローチしたい人 |
大学のキャリアセンター から探す方法 |
・大学独自の求人が見られる | ・一般に公開されていない求人も 見たい人 |
インターン説明会に 参加する方法 |
・選考に有利な情報を入手できる | ・事前にインターンの説明を 聞いておきたい人 |
求人サイトから気になる長期インターンを探す
長期インターンを探すのであれば、やはりインターンシップの求人に特化した求人サイトから探す方法が最も効率的です。
インターンシップの求人に特化した求人サイトであれば、求人情報が随時更新されており、条件を絞って求人の検索ができるため、多数の求人の中から自分の希望に合った求人をじっくりと探すことができます。
また、中には企業からスカウトが届く求人サイトもあり、プロフィールを充実させておけば、思わぬ企業からスカウトが届く可能性もあるため、うまく活用すればさらに選択肢が広がるでしょう。
おすすめの求人サイトは、Wantedly、Infra、ゼロワンインターンです。Wantedlyについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
SNSから探してコンタクトをとってみる
最近はベンチャー企業を中心に、FacebookやTwitterなどのSNS経由でインターン生を募集している企業も増えてきているため、気になる人は定期的にチェックしておくことをおすすめします。
実際、SNS経由で長期インターンに参加している学生も多く存在するため、気になる求人があったら、積極的にDM等を送ってコンタクトを試みましょう。
大学のキャリアセンターを定期的にチェックする
長期インターンは、大学のキャリアセンターから探すことも可能です。
大学によっては独自のコネクションを有しており、思わぬ企業の求人を保有しているケースもあるため、気になる人は定期的にチェックしておきましょう。
インターン説明会に参加して情報を得る
数はそれほど多くありませんが、中にはインターン説明会を開催している企業もあるため、それらに参加するのも1つの方法です。
インターン説明会に参加すれば、インターンの具体的な内容や選考基準などを聞けるため、選考で有利になるケースも多いでしょう。
なお、インターン説明会には、多数の企業が一堂に会する「合同説明会」と、企業が個別に開催する「企業説明会」の2種類が存在しますが、内容的には大きな違いはありません。
長期インターンを探す際のポイント
長期インターンは基本的に半年〜1年ほどの勤務になるため、インターン選びで失敗したくないと考えている人も多いでしょう。
そこで本章では、長期インターンを探す際のポイントについて解説します。
自分の目的に合わせて、業界や職種を絞る
長期インターンを探す際のポイントとしては、自分の目的に合わせて、業界や職種を絞って探すことが挙げられます。
というのも、長期インターンの内容は企業によって様々であり、自分がインターンに参加することの目的を明確にした上で業界や職種を絞って探していかないと、なかなか希望の求人は見つからないからです。
自分の目的から外れた長期インターンであれば、結果的に得られるものも少なくなります。
くれぐれもインターンに参加することが目的になってしまわないよう、インターンに参加する目的については、あらかじめ明確に定めておきましょう。
条件をしっかりと確認する
長期インターンを探す際は、労働条件の確認も重要です。
というのも、長期インターンは拘束される時間も長いため、事前に勤務日数や勤務時間などの条件をしっかりと確認しておかないと、大学生活との両立が難しくなってしまうからです。
大学生の本分はあくまで学業であり、インターンによって学業が疎かになってしまっては、本末転倒と言えます。中には土日勤務やリモートワークが可能な長期インターンもあるため、うまく活用しましょう。
【長期インターン】探してる人によくあるQ&A
本章では参考として、長期インターンに関してのよくある質問をQ&A形式でご紹介します。
Q1.長期インターンはいつから始めるのがいい?
大学生活との両立を考えると、大学の受講コマ数が少なくなってきたタイミングに始めると良いです。または、夏休み等の長期休暇を活用してそのタイミングで始めるのも良いでしょう。働ける時間数が多ければ多いほど、選考で合格する確率も高くなります。
また、企業側からすると、インターンとして働く前にアルバイト経験くらいはしておいてほしいという気持ちがあるので、大学生になりたてのタイミングは応募しても選考通過しにくいです。
他のケースとして、就職先の決まった大学4年生が夏以降に応募した場合も、長くても数ヶ月しか働いてもらえないという理由で合格しにくいです。
Q2.長期インターンの選考の流れは?
エントリーシートによる書類選考→面接が一般的な流れです。
とはいえ、選考の流れは企業によって異なります。中には途中で筆記試験があったり、面接が複数回あったりするケースもあるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。
Q3.長期インターンでも無給のケースはある?
場合によっては、あり得ます。
無給になるケースは、インターン中の活動が労働に当たらない場合です。例えば、見学やグループワークといった、企業の指揮命令下に置かれていない活動しか行わないのであれば、長期インターンであっても無給のケースがあり得ます。
とはいえ、ずっと見学やグループワークだけの長期インターンというのは、ほとんど存在しないでしょう。無給で長期インターンを行っている企業は、労働基準法に違反している可能性が高いため、基本的には避けた方が無難です。
また、インターン生であっても、最低賃金を下回るような時給は認められないため、時給が異常に低い企業にも注意が必要です。
まとめ:長期インターンで得られものは多い
ここまで長期インターンについて、解説してきました。
長期インターンは短期インターンとは違い、ほぼ実務レベルの業務を体験することになるため、一定の責任や成果が求められます。しかしそのぶん、長期インターンを通して得られるものは多く、人間的にも大きな成長が期待できるでしょう。
大変な思いをすることもあるでしょうが、長期インターンは貴重な学生の時間を費やすだけの価値は十分にあると言えます。興味のある人は、まずは求人の検索から始めてみましょう。