入社1年の責任者も。インバウンド市場で急成長する「WAmazing」

様々な企業の取り組みや新しい働き方をお伝えするこの企画。今回は、インバウンド業界において急成長し注目を集めているスタートアップであり、訪日旅行者向けのサービス提供を行なっている、WAmazing株式会社(ワメイジングカブシキガイシャ)にお話を伺いました。

WAmazing株式会社とは

WAmazing株式会社のビジョン
▲「日本中を楽しみ尽くす、Amazingな人生に。」というビジョンを掲げている(公式サイトから引用)

WAmazing株式会社は、「日本中を楽しみ尽くす、Amazingな人生に。」をビジョンに掲げ、情報収集、宿泊予約、免税オンラインショッピング、交通・各種アクティビティなどの予約、決済までをワンストップで可能にする訪日旅行者向けプラットフォームサービスを提供しています。台湾・香港・中国など主に中華圏の訪日旅行者を対象にサービスを展開し、2017年のローンチ以来利用者を急速に増やしています。

会社名 WAmazing株式会社
住所 東京都台東区三筋1-17-12長沼ビル201
事業内容 訪日個人旅行者向けオンライン旅行予約プラットフォーム運営
創業 2016年7月
公式ページ https://corp.wamazing.com/
働き方 原則フルリモート
フレックス制(コアタイムあり)

今回は、WAmazing株式会社の広報担当である横山さんにお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
WAmazing株式会社 広報の横山さん

WAmazing株式会社
広報

横山さん

インバウンド旅行者を対象とした事業展開

WAmazing株式会社のOTA事業の概要画像

編集部

WAmazing株式会社さんは今後さらなる成長が期待されるインバウンド市場で事業展開をされていますね。まず御社の事業内容について、ご説明をお願いいたします。

横山さん

WAmazingは大きく3つの事業を展開しています。もともと行っていた「OTA(オンライン・トラベル・エージェント)事業」では、海外の方、特に中華圏の台湾・香港・中国を中心としたインバウンドの訪日旅行客向けの旅行予約サービス「WAmazing」を運営しています。

こちらのサービスを中心に、日本旅行における五大消費、宿泊、日本国内での交通商品(航空券を除く)、体験、買い物、飲食に関するサービスを展開しております。訪日観光客向けの多言語観光ガイド「WAmazing Discovery」を通じた観光情報の配信や、日本旅行中の通信環境の不便さ解消を目的にした国際空港での無料SIMカード提供なども行なっています。

そのほか、国や自治体向けに地域観光の支援をしていく「地域観光DX事業」、企業向けのインバウンドマーケティングの支援を行う「訪日マーケティングパートナー事業」を展開しています。

「WAmazing」の運営で培ったノウハウを活かすだけではなく、外国籍のスタッフや旅行業界を知り尽くした実績豊富なスタッフの多様な視点から企画立案などを活かして地域や企業支援を行う、これらを当社の強みとしています。

WAmazing株式会社が空港に設置しているSIM受け取り端末
▲日本の主要空港に設置している端末から、SIMカードを無料で受け取ることができる。

社員の4割が外国籍。国内外問わず働けるリモート環境

WAmazing株式会社のバーチャルオフィスの画像
▲WAmazing株式会社のバーチャルオフィス。

編集部

御社ではリモート勤務を導入されているとのことですが、こちらの運用についてお伺いできますでしょうか?

横山さん

原則フルリモート勤務で、全社員にフレックスタイム制を導入しています。現在約170名の従業員が在籍しており、そのうち国内では23都道府県からジョインいただいてます。シェアオフィス(サテライトオフィス)も東京だと本社とは別に3ヶ所、そのほか大阪・秋田・福岡・沖縄にもあるので、こちらを利用いただいても、ご自宅から勤務いただいても問題ありません。

弊社は訪日外国人旅行客向けにビジネスを展開していることもあり、全体の4割ほどが外国籍のメンバーです。日本の時間に合わせて働くという条件つきにはなりますが、外国に住んでいる社員も中にはいます。7時間くらい時差があるヨルダンで早起きをして働いているエンジニアや、過去に日本にいましたが現在は地元に帰って働いている方などもいらっしゃいます。

以前は出社できることを前提としていたため、日本(実質東京周辺)にいらっしゃる方のみを採用していました。しかし、社会情勢の変化に合わせて原則フルリモート勤務としてからは、地方や海外に住まれている方の採用が進んでいますね。

編集部

リモートワークを導入されたことで、住んでいる地域に限定されずに採用ができるようになったのですね。一方でコミュニケーションがとりづらい等の問題もあるかと思うのですが、こちらについてはどのようにされているのでしょうか?

横山さん

普段のコミュニケーションはSlackでのチャットがベースです。あとはバーチャルオフィスも導入していますので、こちらを積極的に活用している部署もあります。

ちょっとしたミーティングであればバーチャルオフィスで話しかけたり、Slackのハドルミーティングを使っています。また、Googleカレンダーでスケジュール管理しているのでここからMeetを設定したりと、各々の方法で口頭でのコミュニケーションも行われています。

会社全体としてはオンラインの全体ミーティングを週に1回行い、事業の進捗やプロジェクトの報告など全社員へ情報共有をしています。新しく入社したメンバーについても、このタイミングで自己紹介をしてもらっています。

WAmazing株式会社の銀座オフィスの画像
▲東京の銀座にあるサテライトオフィス。出社時のワークスペースも確保されている。

社員同士で褒め合うコミュニケーションを形成

WAmazing株式会社社員のオンラインMTGの様子
▲オンラインミーティング中の社員の皆さん。

編集部

コミュニケーションに関して1on1ミーティングを行っているとサイトで拝見しました。このほかに何か工夫されていることなどはあるのでしょうか?

横山さん

一部の部署では「陽口(ひなたぐち)ワーク」を実践しています。陽口とは、陰口の逆で相手のいないところでほめることで、当人が聞いていない体でいいところをどんどん言っていくという活動をしています。

グループやプロジェクト単位では、週の定例報告の時間を工夫している部署が多いですね。例えば私が前にいた部署では、アイスブレイク的に1分間スピーチをしていました。トピックを決めてそれぞれが自由な切り口から考えを発表するのですが、これによってメンバーの相互理解が進んだり、新しい学びを得られたりしていて面白い取り組みでした。こうした業務以外のコミュニケーションの場も作るようにしていました。

他にも、業務委託のメンバーが多い組織では360度フィードバックを実施しているようです。また、Meetなどで何人かで集まって30分間褒めあってみたり、チャット上の付箋に業務でよかったところを書いて渡したりしているチームもあります。

部署内で一緒に仕事することがない部署もあるので、全ての部署でこうしたことをしているわけではないですが、連携が多い組織だとさまざまな取り組みをしている様子が見受けられます。

編集部

チームによっていろんなやり方で、チームの活性化や相互理解を進めていくためにコミュニケーションの工夫をされているんですね。

対面での交流の場をしっかりと用意

WAmazing株式会社の社員集合写真
▲全社キックオフイベント時の集合写真。

編集部

サテライトオフィスもあるとはいえ、原則リモート勤務となると顔を合わせる機会はあまりないかと思います。ジョインされる方もどんどんと増えているなかで、社員同士で対面でのコミュニケーションは行われているのでしょうか?

横山さん

弊社は地方採用もしており、顔を合わせる機会がなかなかないということから、年に1回から半年に1回の頻度で全社的なキックオフイベントを開催しています。交通費に関しては原則会社負担として、リアルで会う場所を会社として用意をしています。

直近だと2023年1月に開催して、115名のメンバーが参加してくれました。内容は歓談はもちろんですが、社長からのビデオレターを見たり、部署関係なくランダムでチームを作って会社に関するクイズに答えたり、役員からマジックの余興も。対面での交流を楽しみながら2時間半ほど時間を過ごしました。社員数が速いペースで増えているので、懇親会で初めて会社の人に会うというメンバーも少なくないですね。

編集部

新しく入社された方ですと、自分から他の社員さんと会う機会を作るのは難しいことと思います。そこを会社が補ってくれるのは安心できるのではないでしょうか。

横山さん

そうですね。フルリモート勤務に変わってからは特に、対面でコミュニケーションをとってもらうための重要な機会になっているのではないかと思います。

原則フルリモートに切り替えてからもオンラインミーティングや研修を実施しているので、情報共有に不透明さはないと思っていますし、交流の場も会社として積極的に作っています。そのため、リモートがベースとなっても過去のアンケートでは、ネガティブな回答は少なかったです。

編集部

リモートワークが原則とはいえ、いろんな部署の人が交流できるような取り組みをしっかりと会社として用意されているのですね。対面で交流できる場があるというのは、新入社員の方にとっても既存社員の方にとっても、コミュニケーションの強化に繋がり業務を円滑にできるようになりそうですね。

年齢や性別関係なく評価。責任者・管理職の抜擢も

WAmazing株式会社社員の仕事中の様子
▲オフィスがあった頃の仕事風景。現在は原則フルリモート勤務となっており、写真のオフィスは解約しているそうです。

編集部

次に御社の特徴などについてお伺いできればと思います。外国籍の方が4割いらっしゃるということで、他社さんとは異なる特徴などあるのでしょうか?

横山さん

弊社は多様性を大事にしていますが、「外国籍だから優先して採用する」ということはありません。もちろんネイティブの方でないとできない業務もありますが、前提として「WAmazing」という会社にフィットする方を採用しています。

特徴というと、女性の割合が6割ほどと女性社員がとても多いことが挙げられます。弊社では観光業のサービスを展開しており、従事する方の全体割合で女性が多いことや、地方採用やフルリモートが進み、ワーキングママさんなどの活躍も増えています。また、代表も女性で、マネージャーや部長といった責任者・管理職の比率としても女性が多い会社だと思います。

あとは若い世代が活躍する機会があるということも挙げられます。30歳くらいのメンバーも大きなチームのリーダーになっているケースもあるので、年齢はあまり関係なく、実績で正当な評価がされている会社だと思っています。

30代でも若手。入社から1年で責任者として活躍

編集部

若手が活躍できる文化があるとのことですが、詳しく伺えますでしょうか。

横山さん

まず、弊社はスタートアップ企業ではありますが、20代がとても多いわけでも、創業時の平均年齢が低いわけでもありません。「大人ベンチャー」とも言われていました。

社員の平均年齢はおそらく30歳を超えていて、役員陣も平均40歳を超えています。中途入社される方も20代後半から40代半ばぐらいの方が多い印象です。そのため、弊社では30代半ばぐらいまでは若手と思える感覚です。

編集部

若手の方が活躍されているエピソードがあれば、教えていただけますか?

横山さん

OTA事業の事業開発担当(事業責任者)のポジションで、入社から1年で活躍している30歳前後のメンバーがいます。そのポジションにいるメンバーのほとんどが30代後半から40代半ばのなか、比較的若い立場で責任者となっています。

その方は開発ではなく仕入れや事業折衝といった部分を担当されているのですが、出身は旅行会社だったので、以前から事業開発業務を専業でやっていたわけではありません。しかし、それを強みとして活かしつつ、失敗することもありながらも挑戦し続けて、しっかり事業開発責任者として活躍しています。

チャレンジし続けている人、実行まで移せる人に活躍の機会は与えられる

WAmazing株式会社のオフィス写真
▲サテライトオフィスへの出社時には対面でミーティングを実施することも。

編集部

入社1年ほどで場を与えられて、チャレンジして成果を上げていらっしゃる方もいるのですね。その方や御社で早くから活躍されている方が抜擢されている理由であったり、求められている要素はなんでしょうか?

横山さん

チャレンジする機会を与えられたときに「やります」と言えるスタンスは大事かなと思います。

やる自由もやらない自由も当然あって、チャレンジしないことに対して何か言われたり次の仕事がこないということはありません。ただ、チャレンジし続けている人の方が次の機会が回ってきたり、打席に立てる可能性は高いとは思います。

あとは待ちのスタンスの人や「これをしたい」という思いだけで止まってしまう人より、どう実行するか考えて実行までできる人が求められます。積極的に「こういうことをやりたい」と発信すれば、役員は「やってみよう」と言ってくれるので、自分のアイデアを実行することのできる環境です。

実際、新規領域でやりたいことがあると話していたメンバーが、担当領域を超えてプロジェクトの担当者に抜擢されたケースもありました。ベンチャーだから自動的に機会が与えられるということはなく、機会が与えられるところにちゃんと立ち、チャンスをものにできる人が活躍しているのだと思います。

編集部

評価についてのお話もありましたが、人事評価はいわゆるグレード制になっていて、実績とプロセスで評価されるのでしょうか?

横山さん

おっしゃる通りです。半期ごとにグレードに応じたミッションを設定しています。グレードが上がると、ミッションのうち定量評価が占める割合は大きくなり、内容も個人から組織寄りになってきます。

仕事の役割は半期の評価によって変わり、その役割によって給与も変化します。また、半期の成果によっては賞与(当社の場合はストックオプション)の額が変化する形となっています。なので当然ではありますが、与えられた役割で正しく成果を出している人、自分のグレードないしはグレード以上の役割を発揮している人が評価され、どんどんチャンスが回ってきます。

編集部

積極的にチャレンジされる方、やりたいことを実際に実行してやり切れる方が評価されて、次の機会にも恵まれるような環境なんですね。新しいことに挑戦したいという方にはぴったりだと思いました。

ビジョンフィットの人物にはやりたい仕事が見つかる

編集部

採用についてお伺いしていきたいと思います。御社で働くにあたって大事なことはなんでしょうか?

横山さん

当事者意識を持って自分の仕事の先を想像して、仕事にプロフェッショナリズムを持つことが大事だと思います。

弊社が行なっている事業にはさまざまなお客様がいらっしゃって、それは自分の担当によっても異なります。例えばマーケティングなら訪日旅行者、旅行商品の仕入れ担当なら地域のホテルや体験事業者などがお客様にあたります。プロダクトを作る際に誰に向けて作っているのか、自分の仕入れる商品を手にするのは誰かを想像しながらでないと、本当に求められているものが提供できません。

OTA事業で言えば、会員数を増やすために旅行者ではない人を集めても事業者の利益に繋がらないでしょうし、本来届けたいはずのユーザーのニーズにマッチしません。事業者のことだけ考えても、旅行者のことだけ考えても事業は成立しないと思っています。

自分の仕事にプライドを持ち、その先のことまで想像しながら仕事ができれば、事業者や利用者などにマッチングしないという不幸は避けることができますし、全員が気持ちよく働けると思います。なので、単に自分が考えるお客様を思って仕事をするのではなく、事業として何を目指すのかを考えてアクションすることが大事だと思います。

編集部

それでは最後に、御社に興味を持っていただいた方にメッセージをお願いします。

横山さん

弊社が挑むインバウンド市場は、2030年に「訪日外国人旅行消費額15兆円」と予想されており、自動車産業を抜くNo.1外獲得産業だといわれています。一番大きい市場に対してチャレンジをしている国内プレイヤーで、組織自体まだまだこれから大きくなるような会社です。事業を拡大していくフェーズに入社できることは、面白く感じる方もいらっしゃると思います。

また我々はOTA事業だけではなく、地方創生のような形で、自治体や国内の企業に向けた事業も展開しています。地方創生や世界と日本の架け橋になるような仕事がしたい方に対しては、仕事の間口が広い企業ではないでしょうか。

我々は、世界に誇るべき多様性を持つ日本を多くの方に楽しんでもらい、地域や産業を元気にしたいという思いから「日本中を楽しみ尽くす、Amazingな人生に。」をビジョンに掲げています。我々のビジョンに共感できる人であれば、やりたい仕事は絶対どこかにある組織だと思っています。

編集部

本日はありがとうございました。

■取材協力
WAmazing株式会社:https://corp.wamazing.com/
採用ページ:https://corp.wamazing.com/recruit/