企業の魅力ある事業やグローバル化、急成長を支える若手活躍のカルチャーなどを紹介するこの企画。今回はEV（電気自動車）をもっと身近にすることを目指してEV充電インフラ「Terra Charge（テラチャージ）」を提供する、Terra Motors株式会社を取材しました。
国内No.1のEV充電事業を展開するTerra Motors株式会社
Terra Motors株式会社（以下、テラモーターズ株式会社）は、2010年にインドで創業して以来、一貫してEV事業をグローバルに展開する企業です。2022年4月に日本でEV充電インフラ事業を立ち上げ、世界に遅れをとっている日本のEV社会拡大の要因の1つ、充電インフラの普及に取り組んでいます。
インドで2輪と3輪のEV開発・販売によって磨いた開発力と現場力により、初期費用やランニングコストを抑えた画期的なEV充電インフラを国内で初めて実現した同社は、EV充電インフラの導入を展開する、今、最も勢いのある企業の1つとして注目されています。
| 会社名 | Terra Motors株式会社 ※2024年2月1日にTerra Charge株式会社へ社名変更予定 |
|---|---|
| 住所 | 東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル802 |
| 事業内容 | ・Terra Charge事業 ・e-Mobility事業 ・金融サービス事業 ・Connected E-Mobilityプラットフォーム事業 |
| 設立 | 2010年4月 |
| 公式ページ | https://terramotors.co.jp/ |
2023年6月には充電インフラ累計受注数国内No. 1となったテラチャージは、事業開始からわずか1年ちょっとで社員数が4名から130名に急増するなど、その急成長は想像を超えるものがあります。
そこで今回は、人事領域で活躍する伊藤 真希さんに、成長要因やそれを支える若手の活躍についてお話を伺いました。
「テラチャージ」を中心に、e-モビリティのリーディングカンパニーを目指す
▲「テラチャージ」のイメージ
編集部
はじめに、テラモーターズさんの事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか。
伊藤さん
当社は「新産業を創造し、社会をより便利にする」ことをビジョンに掲げ、持続可能なe-モビリティのリーディングカンパニーを目指すグローバルベンチャー企業です。
2010年にインドで設立し、2輪と3輪のEV開発・販売においてトップシェアを獲得した後、2022年3月には日本でEV充電インフラ「テラチャージ（Terra Charge）」事業を立ち上げました。現在の事業形態としてはEVの充電事業を、国内で展開をしています。
また、インドでは現在も2輪と3輪のEV開発・販売を手がけており、e-モビリティの最大の提供価値である経済的メリットを提供することで、発展途上国における雇用創出、所得の向上、ランニングコスト逓減を目指しています
編集部
EV充電インフラテラチャージとは、具体的にどのようなサービスになるのでしょう。
伊藤さん
テラチャージとは、自宅や外出先でEV充電ができるサービスです。初期費用や月額の利用料など運用コストがかからないことが特徴となっており、駐車場やマンション、商業施設などへの設置が進んでいます。
▲初期費用やランニングコストを抑えるという画期的なインフラを国内で初めて実現した「テラチャージ」（サービスサイトから引用）
伊藤さん
充電器本体の設置のほか、充電時間の設定や料金決済を行う専用アプリ、管理クラウド、サービスの提供開始に必要なご説明、充電設備の設置工事、ハードおよびソフトの管理運営までをトータルで担うテラチャージによって、日本でEVがもっと身近になる環境づくりを目指しています。
編集部
国内ではテラチャージ、インドでは2輪と3輪のEV開発・販売を展開する御社は、e-モビリティをリードするグローバルカンパニーと言えますね。
事業開始からわずか1年2ヶ月で国内最大の累計受注基数を実現
編集部
公式サイトを拝見すると、新築マンションなどの集合住宅のほか、コインパーキング、公共施設など、多くの企業、自治体への導入実績があることが伺えます。直近の受注数などから成長を実感することはありますか？
伊藤さん
2022年4月のEV充電事業の立ち上げから、1年2ヶ月で累計受注基数が4,700基を突破し、国内No.1のEV充電インフラになりました。この実績に伴い、社員数も大幅に増えており、日本での設立時は役員を含め、わずか4名のスタートでしたが、現在は130名以上の社員数となっております。
事業スタートから1年半弱でこれだけの実績を実現できたことは、成長を実感すると共に、やりがいにもつながっています。
編集部
急成長を遂げた要因は、どこにあると思われますか？
伊藤さん
第一に挙げられるのが“スピード感”です。弊社会長の徳重はグループ会社を3社経営しているのですが、その中でもテラモーターズのEV充電事業にも多くのリソースを割いている状況です。
EV市場を全て理解し、徳重自身が最前線で営業活動をしていたことで現場への理解が深まり、社員からの要望に対する意思決定をスピーディーに進めることができています。
また、トップである徳重の背中を見ることで、われわれ社員もコミット力を高めた営業に取り組めたことも、成長の要因と分析します。
編集部
トップセールスである徳重会長がお手本となり、社員のみなさんはそれに追従したというわけですね。
EV充電インフラ市場を開拓する営業力の源は“地道”
編集部
社員のみなさんは、現場ではどのようなセールス活動をされているのでしょう。
伊藤さん
前提として、駐車場があればどこにでも設置ができるEV充電インフラの市場はかなり大きいと言えます。
マンションの管理会社や、デベロッパー、ホテル関係のオーナー様へのアプローチのほか、最近では自治体への営業活動が増えています。市町村が管理する公共施設への設置や、EVを公用車にする自治体も増えており、自治体との連携は今後ますます増えていくことが予想されます。
編集部
伊藤さんがおっしゃる通り、さまざまな場所でEV充電設備を目にすることが増えています。テラモーターズさんの営業は、新規開拓になるのでしょうか？
伊藤さん
EVが新しい事業領域なので、充電設備を販売する当社の営業は全て新規開拓になります。導入したお客様から新たなお客様をご紹介をいただくこともありますが、基本はゼロからの営業となるため、リストを作り、アポイントの電話をかけるといった地道な作業からスタートします。
アポイントが取れたらコミット力に長けた営業スタッフが商談をまとめ、導入から運用までをしっかりサポートする流れになっています。
編集部
なるほど。新たな道を切り拓くには、コツコツとした地道な作業が大切ということですね。
国内No. 1の地位を維持し、海外展開へ。テラモーターズのグローバル戦略が動き出す
編集部
EV充電インフラにおける国内No.1の導入実績を実現されたテラモーターズさんですが、今後の展望をお聞かせください。
伊藤さん
直近の目標としては圧倒的な導入実績を実現し、国内No. 1を維持することを掲げています。実現に向け、新規開拓に一層力を入れて営業先を確保し、組織としても拡充を目指す方針です。
また、インドで2輪と3輪のEV開発・販売を手がけている当社としては、海外でのテラチャージ事業の展開を考えています。すでにインドではサービスが始まっており、今後も東南アジアを中心にEV化へ向けた事業のグローバル化、成長を加速していく予定です。
編集部
サッカー選手兼監督の本田圭佑氏率いる個人ファンド「KSK Angel Fund LLC」がテラモーターズさんに出資されたニュースを拝見しました。本田氏のサポートは、世界のEV化を目指す御社の追い風になっていると感じます。
伊藤さん
本田氏が出資に至った背景には、徳重が持つ、“プロの世界はスポーツもビジネスも同じ”という考えがあります。
世界で勝つメガベンチャー創出を目指す当社の事業に共感いただいた本田氏自身も、日本人選手が世界で活躍するという道を切り拓いてきた方です。そのような経験と、当社が目指す事業のグローバル化が重なったことが、出資につながったと思われます。
20代で取締役、入社1年で重要なポジションに就く若手活躍カルチャー
編集部
130名まで社員数が急成長したテラモーターズさんは、“実力のある者には、どんどん任せる文化”が根付いており、若手の成長が著しいと伺っております。活躍する社員の特徴についてお聞かせください。
伊藤さん
現在、営業部分の役員を担っている中川という者は、インターン生として当社にジョインし、入社後27歳で取締役に就任しています。また、営業職として入社した30代の者が3ヶ月で部長職に昇進するなど、若手でも実力があればどんどん上を目指せるのが弊社の特徴です。
EV事業は補助金の申請など、事務的な業務も多く、バックオフィスの領域でもインターンから新卒で入社した者が、1年目で20名ほどの部下を抱えて仕事をしています。
編集部
テラモーターズさんでは年齢や社歴に関係なく、実力で上を目指すことができるのですね。
自発的に考え、行動する“コミット力”を評価
編集部
テラモーターズさんでは人事評価のポイントをどこに置かれているのでしょう。
伊藤さん
もともと持っているスキルや、事業に対するコミット力をポイントに評価しています。
弊社が求める「コミット力」とは、市場全体を理解する能力を意味します。全体を理解した上で自分の立ち位置や業務内容をしっかり把握し、事業成長を全体として考えた上で自分の役割を全うできる者が結果として重要なポジションに就いています。
役職に就いている者に関しては、厳しいことを言われることもありますが、それでもへこたれず、くらいついていく姿勢を全員が持ち合わせていることも特徴です。また、指示待ちではなく、自発的に考えて提案ができ、ブレーン的な動きができる方は結果を出すことができる環境だと感じます。
編集部
若手の活躍をサポートするカルチャーなどはありますか？
伊藤さん
基本的にはまず、現場でやってみようという方針なので、失敗するのが当たり前という気持ちで若手を送り出しています。仮に、失敗があった場合はその理由を明確にし、次のアクションまでを指導するのが上司の努めです。
失敗が大きな問題に発展したとしても、上司がフォローをするので、1回の失敗がそのまま評価に影響することはありません。市場へ新規参入して挑戦を続けているので、これまでにしてきた失敗は多々ありますが粘り強く結果にコミットして働いている方が多いです。
役員も、失敗から学ぶことで実績を上げてきています。このようなカルチャーは若手社員が失敗を恐れずに挑戦できる環境にもつながっています。
編集部
テラモーターズさんでは、失敗したことではなく、そこから何を得て、次につなげていくかをポイントに評価されているのですね。
スピード感あるインターン経験が、社会人としての強みになる
編集部
活躍する若手社員の中には、インターンからテラモーターズさんにジョインされている方もいらっしゃるとのことですが、インターンシップ制度を導入した経緯や、目的についてお聞かせください。
伊藤さん
設立時に採用した社員がインターンからの入社ということからもわかるように、当社は若手育成に尽力する文化が根付く、インターン文化が強い企業です。 テラチャージが事業開始と同時にインターン生を受け入れなかったのは、EV充電インフラ業界では当時、最後発だったため、まずは即戦力となる者を採用したことが理由です。
一定のスキームができたことで、テラチャージ事業でも数ヶ月前からインターン生を受け入れています。
編集部
インターン期間や業務内容を教えていただけますか？
伊藤さん
基本的に3ヶ月以上をインターンシップ期間としています。長期インターンを前提で考えているので、3ヶ月未満の方はお断りをしています。タイミングとしては随時受け入れをしております。
テラチャージ事業は新規事業なので、インターン生にはさまざまな業務に携わっていただきたいと考えています。営業であれば営業先のリスト作りから電話でのアポイント取り、実際に営業として活動することも可能です。
どの職種でもインターンだからといって業務を限定することはないので、能力次第でどんどん活躍の場を広げられるのが、当社のインターンシップの強みです。
インターンで経験を積み、新卒で入社した者の中には即戦力として活躍し、入社1年目で重要なポストに就いた者もいます。
編集部
御社でインターンを経験することで、学生はどのような学びを得ることができますか？
伊藤さん
経営層と距離がかなり近い当社は、トップから直接のフィードバックをもらえる機会が多いため、理念やマインドなどをしっかり学べる環境が整っています。
同時に、当社のスピードを体感することは、社会に出ていく際の強みになります。自分の基準をどこに置くかで働き方や仕事に向き合う姿勢がかなり変わってくるため、当社にインターン生としてジョインするメリットは大きいと思われます。
e-モビリティ領域の世界No.1を共に目指せる方を歓迎
編集部
現在、テラモーターズさんが募集している職種を教えてください。
伊藤さん
営業では部長職と営業メンバーを、バックオフィス業務では補助金申請や経理、採用担当を募集しています。また、テラチャージの施工や電気工事を担う技術職の方からの応募もお待ちしております。
編集部
EV充電インフラ網の拡充を進めるテラモーターズさんの事業や、若手が活躍できる風土に興味を持った読者は多いと思われます。最後に、御社にフィットする人物像や、採用に求める条件など、メッセージをお願いします。
伊藤さん
創業以来、一貫してEV事業を展開してきた当社は、e-モビリティ領域の世界ナンバーワンを目指しています。この高い志に共感し、チャレンジできる方を歓迎します。
マインドとしては失敗をしてもそこから学び、経験を糧にもう1回立ち上がる方、小さな成功で満足せずに頑張れる方が当社にフィットすると思います。
個々が持つスキル以上に、当社が求めるのはフィードバックを素直に受け止め、行動改善ができる総合的な能力です。徹底して最後までやり切るコミット力を持った方も、活躍できることでしょう。
弊社の社員は、熱量を持って同じ方向を見ています。そのような環境で働くことは自己成長にもつながります。ぜひ、ジョインいただき、共に世界という大海原に乗り出していきましょう！
編集部
今回の取材を通し、EV自動車の普及を後押しするテラモーターズさんの充電インフラ事業の拡大とグローバル市場で戦う意欲は、より安全で快適な社会の実現に寄与することがわかりました。
また、成長の背景にある若手活躍を後押しする文化は、若手が働きがいと自分らしさを実感できる理想の環境だと思います。
本日はありがとうございました。
■取材協力
テラモーターズ株式会社：https://terramotors.co.jp/
採用ページ：https://terramotors.co.jp/recruit/