SBIアートオークションがリードする現代アート市場の魅力と若手が活躍できる仕事とは

新しい働き方や、若手の活躍が目覚ましい企業を紹介するこの企画。今回は、現代アート作品のオークションや売買仲介、ファイナンス、アドバイザリーなどのサービスを展開するSBIアートオークション株式会社を取材しました。

SBIアートオークション株式会社とは

SBIアートオークション株式会社は、証券や保険など金融サービス事業を手掛けるSBIグループ傘下のオークションハウスです。20世紀以降のコンテンポラリーアートを中心とした多岐にわたる出品作品が話題を呼んでおり、日本の美術界を牽引する存在として注目を集めています。

会社名 SBIアートオークション株式会社
住所 東京都江東区有明3-6-11 TFTビル東館6階
事業内容 美術品のオークション、売買、売買仲介、ファイナンス、アドバイザリー
設立 2011年4月
公式ページ https://www.sbiartauction.co.jp/

日本を代表するアート作家や新進気鋭作家の作品のほか、国内へのオークション出品が少ない海外のアート作家の作品を紹介するなど、日本のアートマーケットの拡大に積極的に取り組むSBIアートオークションは、幅広いネットワークによる多角的なアート事業を展開しています。

今回はアート業界の中でもニッチなオークションの業務内容や、活躍する若手社員の特徴、ワークライフバランスなどについて、営業企画部マネージャー兼オークショニアの加来さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
SBIアートオークション株式会社営業企画部マネージャー オークショニアの加来さん

SBIアートオークション株式会社
営業企画部マネージャー オークショニア

加来さん

オークションを通じ、美術品を所有する喜びを提供

SBIアートオークション株式会社が掲げる各種事業への思い
▲SBIアートオークション株式会社では「アートで人生を豊かに」をテーマに、美術品を所有する喜びや大切さ、面白さを伝えている(公式サイトから引用)

編集部

はじめに、SBIアートオークションさんの事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか。

加来さん

現代アートを専門とする当社では、アートオークション事業、作品とお客様をマッチングさせたり、特定の作品を探すお手伝いなどをしたりするプライベートセール事業、美術品をもとにご融資をするアートファイナンス事業の3つの事業を展開しています。

メイン事業のアートオークション事業では、20世紀以降のコンテンポラリーアートを中心に写真、工芸など幅広い現代アート作品を紹介しています。ご登録いただいているお客様の国籍は50カ国以上、オークション落札総額の約3割を海外のお客さまが落札といったように、国際色豊かなオークションハウスとなっております。

SBIアートオークションのオークション会場の様子
▲熟練のオークショニアが会場を盛り上げながら、テンポ良く司会進行を行っている

編集部

アート作品のオークションと聞くと、敷居が高いイメージを持つ方も多いと思われます。SBIアートオークションさんではどのようなかたちでオークションを開催されているのでしょうか?

加来さん

当社のオークションは、結果が公表される公開オークションになっています。オークション会場で行うセールのほか、会場を設けないライブ配信型オークションもあります。

オークション会場の見学や下見会の他、配信は視聴も可能となっており、オークションに参加をしなくても、国内外のアート作品に触れることができます。

SBIアートオークションのオフィス内に併設されたライブスタジオの様子
▲ライブ配信型オークションは、SBIアートオークションのオフィス内に併設されているライブスタジオから生配信される

加来さん

国内外のさまざまな現代アートを紹介する当社では、より多くの方に美術品を所有する喜びや大切さ、面白さを伝えていくことをテーマとしています。落札額も非常に幅広く、中には数万円で落札できる作品もあるので、気軽に参加できると多くの方に喜ばれています。

編集部

会場での見学や、ライブオークションの様子を閲覧できることは、オークション初心者にとってアートを身近に感じることができる嬉しいサービスですね

SBIグループ傘下ならではのキャリア支援

編集部

SBIグループの傘下であるSBIアートオークションさんですが、グループ企業としての強みや特徴についてお聞かせください。

加来さん

母体であるSBIグループの人材育成制度を活用できることが強みであり、特徴と言えるでしょう。上級管理職研修制度や、SBI大学院大学(※)MBAコースの受講、資格取得支援制度などがあり、マーケティングや組織論などのコースの受講から、貸金業取扱主任者などの資格取得を目指すことができます。
※SBI大学院大学:文部科学省より認可を受けた通信制の専門職大学院。修了時には、MBA(経営管理修士)を取得することができる

また、事業分野が多岐に渡るSBIグループの特徴を生かした「キャリアオープン制度」では、SBIグループ社員が自ら手を挙げ、自身のキャリアを選択することができます。この制度を利用し、グループ銀行から出向という形でSBIアートオークションに勤務していたスタッフもおります。

編集部

転職をせずにキャリアを自分で選べるのは、多彩な事業を展開するSBIグループならではの制度と言えますね。SBIアートオークションさんに出向された方はゼロからアートの知識を習得されたのでしょうか。

加来さん

もともとアート業界に興味があったこともあり、社内公募を見て応募したようです。金融とアートは畑違いのように思われるかもしれませんが、アート作品を資産として捉えると、そこに親和性が生まれます。例えば、金融商品のように資産の数パーセントをアート作品で持つといった考えがあります。

アートを資産として保有する考えは欧米の富裕層では一般的になっています。今後、日本でも同じ展開が十分に見込まれるため、金融の知識やバックグラウンドは強みの一つになります。

編集部

もともとアートに造詣があることに加え、金融の知識を掛け合わせることで、SBIアートオークションさんとしても顧客により良い提案ができるというわけですね。

自ら学ぶ意欲とアートへの情熱を持った方が活躍

SBIアートオークション株式会社の中途採用者を歓迎する社内懇親会の様子
SBIアートオークションさんでは、中途採用者を歓迎する社内懇親会を行うなど、スタッフ間でのコミュニケーションを大切にしている

編集部

SBIアートオークションさんで働くには、美術業界で働いた経験や美術への専門的な知識が必要ですか?

加来さん

業界経験者はもちろん、業界未経験者のスタッフも活躍できる環境となっています。先ほど紹介した出向社員のケースや、それ以外にも証券会社から転職してきた社員もおります。彼らは個人的な趣味としてアートに興味はあったものの、業界未経験者です。前職において金融商品を販売し、お客様とのリレーションを築く中で、アートを通して幸せに貢献したい思いから当社に転職したそうです。

この他にも、業界未経験から25歳で入社したスタッフがいます。営業スタッフからスタートし、32歳の時にマネージャーに昇格、現在はトップのオークショニア(※)として活躍しています。
※オークショニア:司会進行を務めるオークションの責任者

編集部

業界未経験でありながら30代でトップのオークショニアというのは、かなりのスピードのように思われます。どのようにキャリアを築かれていかれたのでしょうか?

加来さん

オークションはお客さまとの関係性が最も重要であり、信頼を得るためにはお客様以上の知識量が必要です。

当該スタッフにおいては、どの作家さんの作品がどれほどの価格で販売されているか、誰が収集しているかなど、常にアンテナを張り、情報収集のための努力を惜しまない勤勉な姿勢が、キャリア形成につながったように思われます。

当社の基幹事業はオークション運営なので、作品を所有するお客さまに出品していただくための営業と、オークションでお客さまに入札いただくための販促営業の2つの営業形態があります。そのため、作家さんのキャリアや作品自体の魅力などを体系的に捉える技術も求められます。

編集部

なるほど。日頃から貪欲に学ぶ意欲が大切ということがよくわかりました。

好きなアートを仕事にできる楽しさ

SBIアートオークションのスタッフが国内外の顧客の代理として電話でオークションに参加している様子
▲SBIアートオークションでは、オークション会場に来場できない国内外の顧客の代理として、スタッフが電話で入札を担当している

編集部

情報収集のために、SBIアートオークションさんのスタッフは、日頃どのような活動をされているのでしょうか?

加来さん

美術館の展覧会や、アートギャラリーに足を運んでトレンドをキャッチすることが多いです。どのギャラリーがどのような展覧会を開催しているかを知ることで、所属する作家さんの傾向や、トレンドを読むことができます。

展覧会の感想やそこで得た知識は、毎日行われるミーティングで共有しています。当社の社員はアートが好きというマインドが根底にあるので、仕事の場ではありますが、共通の趣味を持った友人同士の会話のように、いつも盛り上がっています。

上司と部下の垣根もなく、アートという共通言語によってフラットにお互いの意見を述べられるのが、当社の魅力です。

アート作品が飾られたSBIアートオークションの社内会議用スペース
▲オフィスの至る所にアート作品が飾られているSBIアートオークションのオフィス。社内会議では日々、アートに関する情報交換が活発に行われている

編集部

展覧会やギャラリーへは休日を利用して行くことが多いのでしょうか?

加来さん

勤務日の外回りの途中に立ち寄ったり、立ち寄った後直帰する等、臨機応変に調整しています。また、趣味や余暇の楽しみも兼ねて土日に行くスタッフもいます。

日々、新しいトレンドが生まれるアートマーケットに終わりはなく、アンテナを張り続けることが求められます。一見、大変なように見えるかもしれませんが、好きなアートに関することなので、自然と知識が身につく楽しさがあります。

編集部

好きなアートを仕事にできることは、とても幸せなことだと思います。

20代の若手からベテランまで活躍できるアートオークション業界

オークションに出品される作品が展示されたSBIアートオークションのエントランスの様子
▲SBIアートオークションのエントランスの可動式の壁面にはオークションの出品作品を展示。来客をアートの世界へと誘っている

編集部

SBIアートオークションさんでは、20代の方も活躍されているとお聞きしました。どのような業務にあたられているかも含め、活躍ぶりをご紹介いただけますか?

加来さん

28歳の若手スタッフが営業と広報を兼任しています。アートを学問として学んだ経験はありませんが、前職がメディア関係ということもあり、SNS発信や動画制作管理を担っています。また、自身も写真を趣味としており、持ち前のセンスを実務において発揮しています。

当社が専門とする現代アートは、時代の最先端を行く分野です。ファッションとリンクする部分も多いため、トレンドに強い20〜30代の若手の意見はとても貴重です。40代以上のベテラン社員がキャッチしきれない最先端のカルチャーを若手がキャッチし、事業に反映するといった流れができており、今後も若手育成に尽力する方針です。

SBIアートオークションのオフィス内にある作業スペースの様子(部分)
▲オークション用に持ち込まれた作品はスタッフが丁寧に検品。作品を安全に取り扱うためにゆとりあるスペースが割り当てられている

編集部

アートオークションの顧客は40〜60代の富裕層が多く、若手が活躍できる場は少ないのでは?と思っていましたが、SBIアートオークションさんには20代が活躍できる場があり、さらには意見を尊重するカルチャーがあるのですね。

加来さん

当社で取り扱う作品が現代アートということが大きく関係していると思います。作家さん自身も20代や30代であることが多いので、同世代の作家さんの作品に共感する若い世代のお客様もたくさんいらっしゃいます。

もちろん、40〜60代のお客様もいらっしゃいますが、若くして事業を成功された方の中には、アート作品を資産としてだけでなく、作家さんをリスペクトし、作家活動を応援する目的で購入される方もいます。

そのようなお客様には同じ感覚を持った若いスタッフが営業担当としてご説明させていただくことで、商談がスムーズに成立することがあります。

編集部

持っているセンスや知識を存分に発揮できるSBIアートオークションさんは、アートを愛するすべての世代が活躍できる職場と感じました。若手の育成といえば、加来さんは大学で教鞭を取られていると伺っております。そちらについてもぜひ、ご紹介いただけますか?

加来さん

CSR(※)の一環として、青山学院大学でアートマーケットの授業を受け持っております。オークション会場の見学や出品作品の下見会などに学生さんをお連れすることで、アート業界に興味を持っていただくことを目的としています。
※CSR:Corporate Social Responsibility。企業の社会的責任

オークション前に開催される下見会の様子
▲出品作品の魅力などを伝えることを目的に、オークション前には下見会が開催されている

アート業界の中でもニッチな存在のオークションは、一般的にあまり知られておらず、将来、美術に関わる仕事がしたいと考えている方でも最初の選択肢にはなかなか上がらないのが実情です。

オークションと聞くと、どうしても敷板が高い印象を持たれがちなので、当社の活動を通し、オークションを身近に感じていただけることを目指しています

編集部

SBIアートオークションさんの事業は、知れば知るほど興味深く、面白い仕事だと感じます。大学でのご講義は、将来のアート業界を担う若手育成にもつながっていくのですね。

高い育休取得率とライフスタイルに合わせたフレキシブルな働き方

SBIアートオークションのメインの執務室スペースの様子
スタッフは日当たりが良く、大きな窓から自然光が差し込む環境で執務にあたっている

編集部

先ほど展覧会やギャラリーに行くタイミングは個々の裁量に任せているとお聞きしましたが、勤務時間や休暇など、SBIアートオークションさんの社員のワークライフバランスについて詳しくお聞かせいただけますでしょうか。

加来さん

勤務時間は9時から17時45分となっており、月の残業平均時間は20時間程度です。有給や半休、時間休は基本的に取りやすく、私用で中抜けをしたり、お子さんが体調を崩した場合なども当日の連絡で休暇を取ることができます。

37名の社員の男女比は半々といったところです。常時、1〜2名が産休や育休制度を活用しており、女性の育児休暇の取得率は非常に高くなっています。また、お子さんが小さい場合は時短勤務も可能です。

編集部

育休後は時短勤務も可能となれば、築かれてきたキャリアを活かしながら仕事と育児の両立ができますね。

加来さん

アート業界は女性が多く活躍していることもあり、育休後は100%仕事に復帰しています。テレワークやフレックスタイムなどは設けていませんが、家庭の状況やライフスタイルに合わせたフレキシブルな働き方が可能です。

また、働き方とは少し異なりますが、服装に規定はなく、自由なファッションで勤務できるのも当社の特徴です。

食事代の支給やオフィスグリコなど、充実の福利厚生

SBIアートオークションのオフィス内にあるリラクゼーションスペースの様子
▲オフィス内のリラクゼーションスペースはランチや休憩スペースとして利用が可能。本棚にはアート系の雑誌や書籍が置かれ、自由に閲覧ができる

編集部

SBIアートオークションさんでは休暇のほか、特徴的な福利厚生などはありますか?

加来さん

会社が昼食代などの一部を負担する食事代の補助制度があります。また、「オフィスグリコ」(※)も取り入れており、いつでも好きなお菓子を食べることができるので、ブレイクタイムや頭を切り替えたい時、残業時に小腹が空いた時などにとても便利です。
※オフィスグリコ:江崎グリコ株式会社の子会社・グリコチャネルクリエイト株式会社が展開する、オフィスを対象とした置き菓子サービス

他にも、福利厚生のアウトソーシングサービス「WELBOX」の利用が可能です。宿泊施設やショッピングを優待価格で利用できるなど、さまざまな特典を受けることができます。

編集部

SBIグループという大きな企業の傘下にあるSBIアートオークションさんならではの充実の福利厚生ですね。

感性を活かし、好きなアートで活躍したい方を歓迎

歴代のオークションカタログが展示されているSBIアートオークションの来客用会議室の様子
▲来客用の会議室の壁面には歴代のオークションカタログを展示。常にアートに触れることで感性を磨くことができる

編集部

最後に、採用についてお聞かせください。現代アートというトレンドの最先端を行くSBIアートオークションさんでは、採用にあたり、どのようなことを重視されていますか?

加来さん

私も所属しているフロントの部署において何より重視するのは、アートに興味があり、好きということです。現在活躍している社員の中には、業界経験者もいますが、先ほど紹介した若手社員のように、異業種からの転職者も活躍しています。

アートマーケットの中でも現代アートは今、最も注目されているジャンルです。当社は時代のニーズやトレンドに敏感な若い世代の意見を尊重し、裁量を持って働くことができる環境なので、社歴や年齢を問わず、責任あるポジションに就くことができます。

会社全体としては、会社のカラーとのフィット感や、自律性、柔軟性などが挙げられるかと思いますが、総じて多様な人材を募集しています。

服装が自由なことや、フレキシブルな働き方が示すように、社風はとてもおおらかです。好きなアートを仕事にしたい、自分らしく働きたいという方のご応募をお待ちしております。

編集部

フレキシブルな働き方や充実の福利厚生の中、好きなアートを仕事にできるSBIアートオークションさんは理想の職場環境だと思いました。また、トレンドに強い若手が活躍できる場がたくさんあることも魅力的です。

貴重なお話をたくさん伺うことができ、とても有意義な時間でした。ありがとうございました。

■取材協力

SBIアートオークション株式会社:https://www.sbiartauction.co.jp/
採用ページ:https://www.sbiartauction.co.jp/recruit/