若手ITコンサルが活躍する株式会社renue。業界の課題を解消する戦略とは?

若手のキャリアパスを重要視し、先進的な取り組みで若手躍進を後押しする企業を紹介するこの企画。今回はITコンサルティング事業等を展開する株式会社renue(リノイ)にお話を伺いました。

企業のITサービス有効活用をサポートする会社renue

株式会社renueは、中小企業や地域のベンダー、士業事務所など幅広いクライアントに対してITサービスの導入やDX支援等を行う企業です。経験と先端技術の知見を活かし、企業が業務システムや生成AIといったITサービスを有効に活用することをサポートしています。

会社名 株式会社renue(リノイ)
住所 東京都千代田区神田北乗物町2神田乗物町ビル9階
事業内容 ・戦略・ITコンサルティング
・広告代理事業
設立 2021年3月30日
公式ページ https://renue.co.jp/

昨今、ITコンサル業界全般で、若手を中心にキャリア形成が困難になっているという課題が生じています。今回は代表取締役の山本さんにインタビューを行い、その業界課題に対する株式会社renueとしての見解や、若手のキャリア形成に資する独自の取り組みをお聞きしました。またrenueのグローバルを見据えた今後の展開、導入予定のインターン制度などについても伺っています。

本日お話を伺った方
株式会社renue代表取締役山本悠介さん

株式会社renue 代表取締役

山本 悠介さん

renueが考える、ITコンサル業界が抱える「キャリアの断絶」の課題

株式会社renueの社内風景

編集部

renueさんでは若手かつ未経験の方であっても、ITコンサルとして活躍されていると伺いました。まずは経験が浅い方のキャリア形成が困難であるという業界的な課題の背景について、山本さんの見解をお聞かせいただけますでしょうか。

山本さん

最初にITコンサルの仕事について説明しますと、ITコンサルというのは簡単にいうと顧客の課題に対してITソリューションを提案し、構築・運用・保守までをトータルサポートする仕事です。顧客のところにITコンサルタントを時間単価で派遣し、一連の業務を行うというのが主なビジネスモデルです。

ITコンサルの特徴は、1案件あたりの単価が比較的高く、なおかつ1つのプロジェクトに対して10人単位を派遣するなど人員を大量投入するケースが多いということです。そのため求職者側からすると時間単価が高く、なおかつ採用可能性が比較的高いというメリットがあります。

ではどういった点がITコンサルのキャリアにおいて今課題になっているのか。それにはITが世間一般化してきたことが関係しています。元々ITが2000年代に出てきた当初は、ITコンサルというのは外部の専門家のような立ち位置を取っていました。しかし徐々にITが広まっていく中で企業側のリテラシーも向上し、ある程度企業が内製化できる、あるいは内製化しなくてはならない状況が生まれてきたんです。

つまりITコンサルとしてそれまでIT企画全般を担うことができていたのが、内製化されていない一部を担うことしかできなくなるわけですね。そうするとどうなるかというと、単なる“高級派遣”のような立ち位置になってしまい、ITコンサルとして必要なキャリアを十分に積めなくなる事態が生じてしまうんです。

その「キャリアの断絶」が、特にまだITコンサルとしてのキャリアを十分に積めていない若手にとって課題になっています。もちろん若手だけでなく、中堅層でもベテランでも、ITコンサルとして案件の一部にしか関われないことで生じるキャリアの課題は生じてきます。

編集部

IT化という一連のフェーズの一部のみが企業に内製化されていっているために、ITコンサルのキャリアが分断されてしまうということですね。それはITコンサル業界全体に起こっている課題なのでしょうか?

山本さん

ITコンサル業界全体の課題ではありますが、一部影響を受けないところもあります。例えば特定領域に特化しているような企業では、顧客の内製化の影響はあまり受けません。専門性が高かったり、いわゆるコアな領域だったりするために顧客側に内製化のノウハウがないから、ということですね。

またAIなどは専門性が高いことに加えて「今必要だけれど、一過性のものかもしれないから内製化まではしなくて良い」という側面もあるため、影響は薄いと思います。それ以外にも例えばマッチングプラットフォームなどはカバー範囲が広く、いろいろな案件を手掛けられるので、その中でIT化の一連の業務を請け負える案件を選ぶこともできると思います。

ただ何にせよ、以前に比べてITコンサルの仕事でキャリアを築いていくことが難しくなっている状況なのは間違いありません。大きな案件を獲得して、それを数十人単位のITコンサルを派遣して動かしていく今のビジネスモデルでは、経験の少ないコンサルに任されるのはどうしても資料の印刷、AI稼働テストといった下働き的なものばかりになってしまいます。

そこから徐々に経験を積んで上のフェーズを任されるようになったとしても、先ほど言ったようにその一部が内製化されてしまっていることで手掛けられない、ということも増えてきています。

小規模案件のハンドリングを任せることで、若手・未経験ITコンサルの活躍を生む

株式会社renueの社内風景

編集部

そのような課題がある中で、renueさんで経験の浅いITコンサルの方が活躍できているのにはどのような理由があるのでしょうか。

山本さん

renueの現在の組織体制は、正社員とフルタイムの業務委託スタッフ合わせて全部で6人です。年齢層としては若いスタッフが多いわけではないですが、未経験の若手も積極的に採用しています。

今言ったITコンサル業界の課題を解消する手段として、renueでは規模の小さな案件も積極的に獲得していっています。それを新人に任せることで、自分で案件をハンドリングする経験を積んでもらっています。「顧客の規模の大きさ」と「業務の難しさ」で難易度のマトリックスをつくり、案件をそこに分類し、実力に応じた難易度の案件を任せています。

つまり大型案件の中の簡単な仕事を任せるのではなく、案件規模の小さいものを1件任せて責任を持たせることで、成長やキャリア形成を促すというやり方を取っているのです。

実は一般的にITコンサルの仕事というのは、純粋なコンサル業務だけでなく、案件継続や新規獲得のための「営業」も大きな割合を占めています。renueが新人や若手社員に小規模な案件を任せることができるのは、業務におけるこの営業の比重を軽くできているということも関係しています。renueはパートナー企業と協業して案件を抽出することで新規獲得のための営業コストを下げ、ITコンサルの仕事に注力できる環境をつくっているのです。

編集部

パートナーとの協業という案件獲得のスタイルもあり、小規模案件に対して新人が裁量大きく関わることができているんですね。「大型案件を獲得して、集中的に人員を投入する」という従来の業界のやり方を変革し、若手や経験の浅い社員のキャリア形成につなげているということが良く分かりました。

若手や未経験であることをネガティブに捉えず、経験よりも「変化への対応」を重視!

株式会社renueの社内風景

編集部

renueさんで、年齢や経験などの垣根なくITコンサルの採用を進められているのはなぜなのでしょうか。

山本さん

私は基本的に、このITコンサル業界において「年数」の重要性はそれほど高くないと思っています。もちろん大切ではあるのですが、経験の少ない若手であっても、きちんと努力をすれば十分に活躍できると考えています。

ITは非常に変化の激しい業界で、毎年毎年やることは変わっていきます。去年の段階でChatGPTなんて言っている人は一人もいなかったと思いますが、今ではもう誰もが認識していますよね。経験も重要ですが、そういう新しい情報をキャッチアップすることの方が重要なんです。

大手企業の場合はどうしても安定運用の都合上、なかなか若手や未経験の方に任せるのは難しい状況があります。若手や未経験であることをネガティブに捉えずに積極的に任せていけるのは、renueだからこそできることだと思っています。

会社の成長・将来的ポジショニングを踏まえグローバル展開を進める

株式会社renueの社内風景

編集部

renueさんは今後グローバルな展開も視野に入れているとのことですが、現在も海外企業に向けた支援などは実施されていますか?

山本さん

はい。現在もグローバル事業は展開しており、日本に進出したい海外企業に向けたマーケットリサーチや代行販売などを実施しています。逆に海外にマーケットを持つ日本企業の案件も受託しています。外国籍の方の採用も進めているので、ここからグローバル事業はもっと拡大していくのではないでしょうか。

編集部

renueさんが会社としてグローバルな展開を見据えていらっしゃるのにはどういった理由があるのでしょうか。

山本さん

大きなポイントは他社との差別化です。ITコンサル業界はBtoBビジネスということもあり、なかなかグローバルファームが登場しにくいという前提がまずあるんですね。国内で大手企業相手に営業した方が効率が良いという側面があります。renueとしては、利益はそこまで大きくなくても、将来的な成長を見据えてグローバル案件に取り組んでいます。会社としてのポジショニングですね。

編集部

なるほど。グローバル案件を拡大することで将来的に業界の中でも独特の立ち位置を築くことにつながっていきそうです。今後renueさんで採用する方には英語能力も求められてくるのでしょうか?

山本さん

英語能力はrenueのビジネスをしていく上でプラスにはなりますが、必須ではありません。英語研修の制度もあるので、英語を習得したい方は研修制度を使って勉強して、その上でグローバル案件に挑戦していただければと思います。

責任感のある仕事を任せることも予定しているインターン制度

編集部

インターンについてお聞きします。renueさんでは現在、インターン制度を導入されているのでしょうか。

山本さん

はい。ただし今2名程採用が決定しているインターン生がおり、実際に働いてもらうのはこれから、という状況です。

編集部

インターン生にはどのような仕事を任せていくご予定ですか?

山本さん

セキュリティの観点から、どのくらいrenueにコミットしてもらえるかで任せられる仕事は変わってきます。お客様の機密情報に関わる仕事なので、フルリモートで1週間の内3時間だけ稼働するという形だとどうしても重要な仕事をお任せするのは難しいのが実情です。

一方で長い時間をrenueに費やしてもらえるインターン生に対しては、社会人5年目くらいの方と同じようなレベルの仕事をお願いしたいと考えています。基本的には社員がマンツーマンでサポートしながら、一つのお客様の案件を任せていきたいですね。お客様の抱える課題を解消するためのIT戦略を自らリサーチして提案し、可能であれば設計までしてもらうというところまでを見据えています。

編集部

かなり大きい裁量を任せてもらうことで、どんどん成長していけそうです。今おっしゃったようなrenueさんへの高いコミットというのは、今後もインターン生を採用していく上で求めていくポイントになるのでしょうか。

山本さん

そうですね。できれば深くrenueにコミットして、そのままrenueで働いてもらえるような流れができてくれると嬉しいなと思います。

ただ、必ずしもそうでなくても良いのかなとも思っています。というのも、最初にお話したITコンサル業界の課題認識を広げていく、というのがインターン生受け入れの狙いの一つでもあるんです。インターン生としてrenueを経験して、この業界の課題感を共有した上で他の会社に行くのであれば、それは課題認識が広がっていくということにもつながるので良いのかな、と。基本的にはあまり条件を問わずどんどん受け入れていきたいと思っています。

renueの仕事のやりがいは「事業を大きく変える手触り感」

株式会社renueの社員集合写真

編集部

採用についてお伺いします。改めて、renueさんの仕事のやりがいがどういうところにあるのかを教えてください。

山本さん

renueの仕事は、自分の手でお客様の事業を大きく変えていく、という手触りを感じられる仕事です。もちろんエンジニアの方も自分の手を動かしてものをつくっていく楽しみがあると思いますが、お客様の事業そのものを変えていくという楽しさは、コンサルタントという仕事だからこそ得られるものです。そこを楽しめる方をrenueでは求めています。

編集部

ITコンサルというと起業という選択肢を視野に入れる方も多いと思いますが、renueさんで働くからこそのメリットは何でしょうか?

山本さん

やはり規模の大きい案件に携われることではないでしょうか。個人で1,000億円規模のレベルのビジネスを転換していく経験をすることは20代では不可能に近いと思いますが、renueではそれくらいの規模の機会を積極的に得られます。お客様のビジネスを根底から変え、さらに大きなインパクトのある利益を生み出せる環境はなかなかないと思います。

なおかつrenueのカルチャ―の部分での他社との違いとして、お客様の気持ちや考えを重視した「人」ベースで事業を進める点があります。「AIを入れた」ことをもって目的達成とするのではなく、「AIを入れたことでお客様の不安を解消した」という、心に寄り添うことを大切にしているのは、他にはないrenueの特徴なのではないでしょうか。

そこは大手企業との違いにもなってくると思います。どうしても大手企業の場合、事実ベースの実績が重要となります。そうすると若手社員は「言われたことをやる」点に偏重せざるを得ない部分が出てきてしまうんですよね。しかしrenueでは若手の内からお客様と真摯に向き合い、目の前にいるこの方を幸せにしているという実感を持ちながら仕事ができる環境があります。

コミュニケーションを楽しみ、目の前のお客様を大切にできる方を歓迎

株式会社renue代表取締役山本悠介さん
▲企業のビジネスを大きく変える「手触り感」を楽しめる方を歓迎すると話してくれた代表取締役の山本さん

編集部

最後に、renueさんに興味を持った読者の方に向けてメッセージをお願いします。

山本さん

企業のビジネスを自分の手で大きく変えていく「手触り感」を楽しめる方を求めています。renueでは、若い内から自分で案件をハンドリングする機会を多く持つことができます。

未経験であっても、新しいものをどんどん学びながら、人とのコミュニケーションを楽しみ、目の前のお客様にとって本当に良いものを提供していきたいと思える方は活躍していけます。そういう方に対して、成長と実力をつける機会を提供することをお約束します。

編集部

「手触り感」という言葉を何度か使っていらっしゃったように、本当にrenueさんではただ案件をこなすのではなく、目の前にいるお客様の心に寄り添って自分の手でビジネスを変革していく実感を得ながら仕事を楽しめる環境があるんだということが伝わってきました。

本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

■取材協力
株式会社renue:https://renue.co.jp/
採用ページ:https://www.wantedly.com/companies/company_4627920