企業が取り組む若手や女性の活躍を支援する制度や、インターンシップ制度を導入する理由などを紹介するこの企画。今回はホテル事業やウェディング事業を中心に6つの事業を展開する株式会社ポジティブドリームパーソンズに取材しました。
ホスピタリティビジネスを展開する株式会社ポジティブドリームパーソンズ
株式会社ポジティブドリームパーソンズは、ホテル事業やウェディング事業、バンケット事業など6つの多彩な事業を全国に展開する“感動創出企業”です。独自開発のサービスメソッド「感動の技術化」により、感動を偶然ではなく必然的に創り出すサービスを全国に展開しています。
会社名 | 株式会社ポジティブドリームパーソンズ |
---|---|
住所 | 東京都渋谷区恵比寿南1-15-1 |
事業内容 | ・ホテル施設の企画 ・ 運営事業 ・レストラン施設の企画 ・ 運営事業 ・ウェディング施設の企画 ・ 運営事業 ・バンケット(宴会)施設の企画 ・ 運営事業 ・フラワー施設の企画 ・ 運営事業 ・コンサルティング事業 |
設立 | 1997年7月 |
公式ページ | https://www.positive.co.jp/ |
“すべての人に感動を”を企業理念に掲げるポジティブドリームパーソンズでは、技術と心の両輪を磨く独自の研修制度や、女性が中長期的に安心して働ける支援制度を実施しています。
平均年齢31歳という若手の活躍が著しい同社の飛躍の背景にはどんなカルチャーが根付いているのでしょう。今回は人財開発室ゼネラルマネージャーの中出麻衣さんと人財開発室の森谷奈津子さんにお話を伺い、ポジティブドリームパーソンズが提供し続けている“感動創出”の真髄に迫ります。
“感動で満ちあふれる日本を創ってゆく。”をコーポレートビジョンに6つの事業を展開
▲株式会社ポジティブドリームパーソンズでは“感動で満ちあふれる日本を創ってゆく。”というビジョンを掲げている(公式サイトから引用)
編集部
ポジティブドリームパーソンズさんでは、ホテル事業を中心に6つの事業を展開されていると伺っております。まずはホテル事業についてお聞かせください。
中出さん
“感動で満ちあふれる日本を創ってゆく”をビジョンに掲げる当社では、ホテル、レストラン、ウェディング、バンケット、フラワー、コンサルティングの6事業を展開しております。
中でも神奈川県葉山にあるホテル「スケープス ザ スィート」は過去にミシュランガイドのホテル部門で4つ星を獲得した実績があります。4室の客室は全てがスイートルームとなっており、行き届いたおもてなしを提供することをモットーに運営しております。
▲過去にミシュランガイド4つ星を獲得した実績を誇る全室スイートルームの「スケープス ザ スィート」
中出さん
また、2022年10月に岐阜県にオープンした「長良川清流ホテル」は40室の中規模ホテルとなっており、日本三大清流に数えられる長良川をはじめとした美しい景観を眺めながら、滞在や食事を心から楽しんでいただけるホテルとなっております。
編集部
レストラン事業とウェディング事業、バンケット事業の特徴についてもお聞かせいただけますでしょうか。
中出さん
全国で25店舗を運営するレストラン事業では、全てが異なるコンセプトとなっており、その土地を訪れた方に喜んでいただけるよう、メニュー開発を各店舗で行っているのが特徴です。
共通するニーズとしては、結婚式や記念日などお祝い事の“ハレの日”にご利用いただいており、お料理を提供するスタッフだけではなく、プロポーズプランナーやアニバーサリープランナーといったプランナー職を配属し、お客様と共に1日をプランニングさせていただいております。
中出さん
また、全国で15施設を運営するウェディング事業は、ホテル、ゲストハウス、レストランと、それぞれの特色を活かしたさまざまな形態のウェディング会場であることが特徴としてあげられます。
“ウェディング for ゲスト”という共通コンセプトのもと、各施設が個性を放ち、お料理やサービスを通して新郎新婦はもちろん、ゲストの方にも楽しんでいただける、感動をお届けするウェディングを目指しています。
中出さん
このウェディング事業の会場を活用し、主に法人のお客様に宴会イベントの場として提供しているのがバンケット事業です。幹事様や代表の方としっかり打ち合わせを重ね、ウェディング同様、ニーズに合わせたサービスを提供できるのが当社の強みです。
編集部
ポジティブドリームパーソンズさんはまさに“ハレの日”にふさわしい心のこもったサービスをハード面、ソフト面の両方で提供されているのですね。フラワー事業、コンサルティング事業はどのような業務内容になっているのでしょうか。
中出さん
フラワー事業では、「サンジョルディフラワーズ ザ・デコレーター」というフラワーブランドを全国に7店舗展開しております。特色としては“花のない花屋”となっており、お客様にご来店いただき、ご要望を伺いながらご提案をし、花を使ってお客様に感動をお伝えしています。
中出さん
コンサルティング事業は、「現場」に精通しているという強みを活かし、ウェディング業界における業績改善や社員モチベーションの向上、各施設立ち上げ支援、異業種からの婚礼事業参入支援などを行っています。
地方大型ホテルの事業再生、大手ホテル企業へのホテルウェディングのノウハウ提供など、経営者様との投資対効果をはじめとする経営戦略の相談から、現場への戦略投下、受注支援まで、多数の案件を手掛けているのが特徴です。
編集部
ポジティブドリームパーソンズさんでは、さまざまな事業を展開しながらお客様に寄り添い、感動を提供されていることがよくわかりました。
ウェディングプランナーの知見を活かし、各種プランナーを育成
編集部
多角的に事業を展開されているポジティブドリームパーソンズさんにジョインするメンバーの、それぞれの仕事内容について教えていただけますでしょうか。
中出さん
ホテル事業の業務と言えば、一般的に宿泊とゲストサービスをイメージされる方が多いと思われますが、当社の場合はあくまで肩書きでしかありません。
例えば、宿泊のゲストサービスのスタッフはチェックイン&チェックアウトだけを担当するのではなく、レストラン利用などのご要望にお応えし、お客様に寄り添いながらサービスをご提案いたします。
レストラン&バンケットサービスのスタッフは、プロポーズプランナーやアニバーサリープランナーとしても活躍しています。プロポーズプランナーは多くの方にとって一生に一度のプロポーズを、プロの視点でアドバイスをしたり、記念日をサポートします。
中出さん
アニバーサリープランナーは、誕生から60日目を祝うハーフアニバーサリーや、お子様の誕生日、最近では小学4年生のお子様を対象としたハーフ成人式などさまざまな記念日にお子様の好きなものを親御様から伺い、楽しんでいただけるサービスなどを提案します。
編集部
プロポーズプランナーやアニバーサリープランナーという職種は耳慣れない方も多いと思われます。これらの職種が生まれた背景には、ポジティブドリームパーソンズさんが長年培ってきたウェディング事業が関係しているのでしょうか。
中出さん
おっしゃる通りです。ブライダルフェアの案内から打ち合わせ、結婚式当日の演出、進行まで、トータルでウェディングを支えるウェディングプランナーの業務は、プロポーズプランナーやアニバーサリープランナー、そしてバンケット事業における営業においても仕事の基礎となっております。
また、フラワー事業ではフラワーデコレーターという職種となり、肩書きはコンサルタントになります。先ほど申し上げた通り、単に花束を作るのではなく、お客様のニーズをお聞きしながら作っていく仕事です。ここにもウェディングプランナーと共通するマインドがあります。
編集部
プランナーやコンサルタント以外ではどのような職種がありますか?
中出さん
ホテル、レストラン、ウェディング、バンケットの4事業にはキッチン職があり、パティシエなど料理のプロが活躍しています。
中出さん
現場職以外では本社に人財開発室があり、人事スタッフが社員の採用や研修などを担っています。また、マーケティング&ブランディング室では結婚専門誌の出稿計画や誌面作り、イベント企画などを行っています。
ポジティブドリームパーソンズでは平均年齢31歳の若手メンバーが活躍
編集部
次に、ポジティブドリームパーソンズさんで活躍されているスタッフ数や年齢層についてお聞かせください。
中出さん
弊社には、400名強の社員、アルバイト約500名の合計約900名のスタッフが在籍しております。年代としては20〜30代が最も多く、平均年齢は31歳となっております。
編集部
若い世代が多く活躍されているとお見受けしますが、管理職やマネジメント職などのポジションにも若手が就いているのでしょうか。
中出さん
早い者では入社3年目でユニットマネージャーという管理職に就いています。新卒でも早くからこのポジションを目指している者がいます。
また転職者においても、前職ではなかなか昇進できなかった20代の者が、当社にジョインしたことで3年ほどで管理職に就いている事例があります。
編集部
若い世代が重要なポジションを任せてもらえることは、自己成長にもつながりますね。
独自の研修制度「PDPビジネスカレッジシステム」によるビジネスパーソンの育成
編集部
早い段階での昇進の背景には、どのような制度や人材育成への取り組みがあるのでしょうか。
中出さん
MBO(※)の目標設定や3ヶ月に1度の振り返り面談を実施しています。現状を見ながら目標を設定し、どう成長していくかを上長としっかり話し合いをしていきます。また、ポータブルスキルを身につけることを目的とした独自の研修制度も若手活躍につながっていると感じます。
※MBO:Management by Objectives(目標による管理)。個人またはグループごとに設定した目標の達成度を個人で管理する方法
当社では、全社員と契約社員を対象とした「PDP(※)ビジネスカレッジシステム」を導入しており、入社から2年間で全6回のコンテンツを実施し、4つのテーマによる研修を職種に関わらず、ビジネスパーソンとして成果を出すための基礎的なスキルを獲得していきます。
※PDP:Positive Dream Persons(ポジティブドリームパーソンズ)の略称
マネージャーに求められる人財要件の発展的活用を習得する「PDPマネジメントカレッジ(プロフェッショナルコース)」では、グロービス経営大学院の単科生として通学をし、「ビジネス定量分析」・「クリティカルシンキング」などを受講します。
一般社員のビジネススキル向上を図る社内講座から、次期経営幹部候補向けの講座まで、社員のキャリアに合わせた多彩なカリキュラムを提供することで、ビジネスに不可欠な知識や行動様式を体系的に学びながらキャリアを築くことができます。
編集部
「PDPビジネスカレッジシステム」では職種に関わらず、ビジネススキルを身につけることができるというわけですね。
スキルアップの道を拓く明確な評価基準
▲全ての社員は明確な評価基準を知ることで、自分のペースでスキルアップを目指すことができる
編集部
社員の成長を促す人材育成や社員教育に尽力されているポジティブドリームパーソンズさんでは、どのような評価基準を設けているのでしょう。
森谷さん
当社は全ての職種において評価の指標が統一されており、感情論など上長のさじ加減で評価が決まることはありません。指標は人事制度のハンドブックに明記され、全社員が共通認識を持っています。
評価指標には4つのステージがあり、ステージごとに求めるスキルや役割をクリアし、スキルアップを目指します。
職務においても、思考力、仕事力、表現力、巻き込み力、問題解決力、関係構築力、専門知識という各ステージで求める要件定義が明記されているので、キャリアアップを目指すメンバーにとっては非常にわかりやすい評価基準となっています。
編集部
評価基準が可視化され、明確になっていることで、社員は目指す方向性をしっかり理解できますね。
20代社員が入社4年目でユニットマネージャーとして活躍
編集部
実際に「PDPビジネスカレッジシステム」制度を活用し、活躍されている社員のエピソードがあれば、ぜひご紹介いただきたいです。
中出さん
20代の男性社員が、ウェディングのマネージャー職に就いた事例があります。
彼は長崎県出身で、子供の頃から当社の結婚式会場の近くで野球をしていた経験があり、結婚式の演出を楽しんで見ていました。高校卒業後地元の企業に就職しましたが、将来のキャリアを考えウェディング業界に挑戦しようと決意、当社にアルバイトとして入社しました。
当社のアルバイトには社員登用を目指す「ユース」と、一般的なアルバイトを指す「サポーター」の2つのポジションがあり、ユースは社員同様の育成カリキュラムを受けます。ユースとして入社した彼は着実にステップアップし、最終的には社員として採用されました。
長崎での配属後、関西に異動し、ウェディングプランナーとして優れたセールスパフォーマンスを発揮。3年目にはチーフ職に昇進し、メンバーの育成などにも関与しました。
4年目にはユニットマネージャーに昇格し、現在は新卒採用の指導、内定者の育成、リクルータープロジェクト、メンターとして幅広く活躍しています。
自発的なプロジェクト参加の奨励が若手社員の活躍を後押し
編集部
意欲をもってさまざまな仕事を経験し成長することで、早いスピードでキャリアアップを目指すことができるポジティブドリームパーソンズさんでは、プロジェクトを担うにあたり、どのような方法で任命されるのでしょう。
中出さん
プロジェクトによって上長が任命する場合もあれば、自ら手を挙げ参画できるものなど、多岐にわたります。
ウェディング事業の新商品の開発プロジェクトでは、自己応募ができる他、“最も顧客を感動させる企画”を社内公募し競い合う、年に一度の社内イベント「感動グランプリ!!」の運営などにも自らの意志で携わることができます。
このように、社員のチャレンジする気持ちを受け入れるカルチャーは若手活躍や昇進のスピードにもつながっていると感じます。
“PDPWAY”に基づいた働くママのための支援「ポジティブママズ制度」
編集部
ポジティブドリームパーソンズさんでは全体の6割が女性社員と伺っております。女性活躍を支援する制度などはありますか?
中出さん
進むべき道という方向性や、ポジティブドリームパーソンズらしさという価値観を表す“Positive Dream Persons Way(PDPWAY)を企業理念に掲げる当社には、「ポジティブママズ制度」があります。
PDPWAYには、環境提供を明記した“フィールド”というパフォーマンスを発揮し続けられる項目があり、特に女性の妊娠時や育児との両立を目指すことを掲げ、産休・育休の取得率はほぼ100% となっています。
産休においては通常6週間前からのところ、当社では8週間前からの取得が可能です。また、最長2年間取得可能な育休では、休暇中「ママズレター」が会社から発行され、会社の動きや出来事などを共有、スムーズな職場復帰をサポートしています。
編集部
ポジティブドリームパーソンズさんの「ポジティブママズ制度」は、スムーズな職場復帰を促す、ママにとって素晴らしい制度だと感じました。
柔軟な働き方を支える「時短オプション」と「スタイルオプション」
編集部
ポジティブドリームパーソンズさんの復職後の働き方はどのようになっていますか?
中出さん
「時短オプション」と「スタイルオプション」の2つの選択肢から選ぶことができます。時短の範囲は最小で6時間まで減らすことができ、家庭環境などに応じて働く時間を30分ごとに選択が可能です。
スタイルオプションは自分の持つ力を発揮してパフォーマンスを出し、お客様やパートナー、メンバーの都合に可能な限り自分自身が合わせることで、働き方のスタイルを選ぶことができます。この制度を当社では「ママコミットメント」と呼んでいます。
家庭や子供の状況に合わせて働き方を選択できる制度を、私と森谷も活用中です。現在、制度をブラッシュアップをしようという動きがあり、制度を活用するママ側の声を取り入れながら改定することを視野に入れています。
私自身、GM職を担う者として、ママで役職に就くといったところまで一定の支援をし、出産や子育てによってキャリアを諦めない制度を整えていきたいと考えています。
森谷さん
コミットメントをしてないことを理由に上に引き上げられないのではなく、コミットメントをしていない状態で復職した中出は、復職から1年で部長職に就いてます。会社の評価がライフステージの変化で左右されることは一切ないことも、PDPの特徴です。
編集部
ポジティブドリームパーソンズさんの女性の管理職の割合が38%と平均よりかなり高い理由も、「ポジティブママズ制度」による働きやすさに関係してるのでしょうか。
中出さん
ライフステージの変化ではなく、これまでの評価や経験値などを加味しながらポジションを決めていきます。また、ママだけではなく、20代の若いスタッフもユニットマネージャー職を目指し日々頑張っています。そのような総合的な理由が女性管理職比率の高さにつながっていると思われます。
インターンシップが埋めるウェディング業界のイメージと実情のギャップ
編集部
ポジティブドリームパーソンズさんでは、新卒採用者向けにインターシップを実施されているとのことですが、実施の背景にはどのような思いがあるのでしょう。
中出さん
ウェディング業界はキラキラとした華やかなイメージから、学生に人気がある業界です。一方で、イメージと実情とのギャップを感じる方が多いのも事実です。
私たちの仕事は、結婚式やセレモニー、イベントを滞りなく運営する、いわば黒子のような仕事です。スポットライトを浴びるのはあくまで新郎新婦やイベントの主役となるお客様です。
このギャップが大きいと入社後のミスマッチを招く恐れがあるため、当社ではインターン生を積極的に採用し、業界全体の課題であるギャップを埋めることに尽力しています。
編集部
学生はインターシップを通して業界を理解し、さらには人生の大切な瞬間に立ち会える仕事に魅力を感じることができますね。
ポジティブに夢を抱き、サービス業を心から好きと思える方を歓迎
編集部
多彩なポジティブドリームパーソンズさんの事業や、若手活躍を支える「PDPビジネスカレッジシステム」、働くママのための「ポジティブママズ制度」などを知り、御社に興味を持った読者は多いと思われます。最後に、転職を検討している方に向けメッセージをお願いします。
中出さん
当社はポジティブドリームパーソンズという社名の通り、前向きで夢を持っている人々がジョインしている会社です。この社名に当社のカルチャーや理念、ビジョンが全て詰まっています。
やりがいを持ってチャレンジできるフィールドがたくさんある企業なので、ぜひご興味を持っていただいた方にはエントリーいただき、“感動で満ちあふれる日本を創ってゆく”というビジョンを実現する同志になっていただけたら嬉しいです。
森谷さん
テクノロジーがどんどん進化していく中、当社が展開する6事業は、AIに取って代わられない職種と感じています。お客様の思いや希望を感じ取り、かたちにしていく私たちの仕事は、心を持つ人間にしかできない仕事です。
そこにプライドを持ち、サービス業が心から好きだと思える方とご一緒したいと考えております。
編集部
感動を提供するには、提供する側が仕事に誇りを持ち、幸せであることが重要であることを、今回のインタビューを通して知ることができました。
本日はありがとうございました。
■取材協力
株式会社ポジティブドリームパーソンズ:https://www.positive.co.jp/
採用ページ:https://recruit.positive.co.jp/