第二創業期のプラザクリエイト。成長の鍵は挑戦の継続と若手の活躍にあり

日本のこれからをつくっていく注目企業を紹介するこの企画。今回は、会社の出発点である写真業を軸の1つにしながらも、DIYクラフトキット「つくるんです®」をはじめ、個室ブース、アパレル、グランピングといった新事業を次々と立ち上げている株式会社プラザクリエイトを取材させていただきました。

株式会社プラザクリエイトとは

DIYクラフトキット「つくるんです®」のミニチュアハウスシリーズ
▲株式会社プラザクリエイトがリリースしているDIYクラフトキット「つくるんです®」のミニチュアハウスシリーズ

株式会社プラザクリエイトは、フォトサービスショップ「パレットプラザ」やモバイルのキャリアショップなどを全国展開し、写真・映像・通信に関する事業を行っている会社です。

一方で、写真関連のイメージング事業、モバイル事業に続く第3の柱を築くべく、時代の変化に合わせて新規事業を創り出す「ソウゾウ事業」にも力を入れています。なかでも、DIYクラフトキットの「つくるんです®」シリーズは着実な成長を続けており、累計出荷数が190万個を突破しました(2023年5月時点)。

会社名 株式会社プラザクリエイト
住所 東京都中央区晴海一丁目8番10号 晴海アイランド トリトンスクエア オフィスタワーX棟27階
事業内容 写真・映像・通信に関する事業
  • イメージング事業
    パレットプラザ店舗やECサイトの展開
  • モバイル事業
    ソフトバンクなどのキャリアショップを全国に展開
  • ソウゾウ事業
    DIYクラフトキットの「つくるんです®」、パーソナル・ミーティング・ボックス「One-Bo」など新規事業を次々と展開
設立 1988年3月
※親会社であるプラザクリエイト本社の設立年
公式ページ https://www.plazacreate.co.jp/

今回は、写真市場が激動していくなかで株式会社プラザクリエイトが成長を続けてこられた理由、若手の活躍、採用にあたって求めている人物像などについて、株式会社プラザクリエイトの広報室の伊藤風香さんと、株式会社プラザクリエイトの商品開発チームのリーダーである馮秉尭(ひょう・へいぎょう)さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
株式会社プラザクリエイト 広報室の伊藤風香さん

株式会社プラザクリエイト
広報室

伊藤 風香さん

株式会社プラザクリエイト 商品開発チームのリーダー馮秉尭さん

株式会社プラザクリエイト
ビジネスデザイン部 商品開発チームリーダー

馮 秉尭さん

写真業にこだわらず、理念に基づくソウゾウ事業を展開

株式会社プラザクリエイトのコーポレートビジョン「みんなの広場をつくる。」
▲株式会社プラザクリエイトは「みんなの広場をつくる。」というコーポレートビジョンを掲げている(公式サイトから引用)

編集部

まず最初に、プラザクリエイトさんの事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか。

伊藤さん

弊社は、写真の撮影業やスピードプリント事業などのイメージング事業からスタートした会社です。2007年には、カメラ機能付きの携帯端末を写真機ととらえて、モバイル事業も始めました。

2020年からは、プラザクリエイトの「第二創業期」と位置づけてプロダクト&マーケティング本部を「ソウゾウ事業本部」として設立し、イメージング事業、モバイル事業以外の新規事業への注力を本格化しています。

編集部

ソウゾウ事業では、写真やカメラと関係のない事業も手掛けていらっしゃるのでしょうか。

伊藤さん

はい、原点はやはり「写真」ですが、写真そのものにとらわれず、幅広く事業を展開しています。

家族や友人との思い出を形に残す写真、離れていてもつながることができるモバイル、つくる楽しさやワクワクを共有できるDIYクラフトキットなど、すべての事業の根底にあるのは「豊かな人と人とのつながりを増やしたい」という理念です。

プラザクリエイトはこの理念に基づいて、2020年に「みんなの広場をつくる」という新しいコーポレートビジョンを掲げました。ソウゾウ事業においても、人がさまざまにつながれる多様な広場づくりとなる事業を展開しています。

グランピング、アパレル、カフェなど多様な領域に精力的に進出

株式会社プラザクリエイトが開業したグランピング施設「アルプスBASE」の部屋
▲星空の美しさで知られる飯島町に開業したグランピング施設「アルプスBASE」

編集部

プラザクリエイトさんのソウゾウ事業にはどのようなものがあるのか、具体的に教えてください。

伊藤さん

ソウゾウ事業を牽引しているのは、DIYクラフトキット「つくるんです®」シリーズの販売と新商品開発です。

また、証明写真ボックス事業のノウハウを生かしたパーソナル・ミーティング・ボックスの「One-Bo」ブランドのリリースも大きな反響をいただきました。Zoomさんとの共同企画製品で、イヤホンボイス公害など、オンライン会議が増えたことによる弊害の解決にひと役かう事業です。

その他には、2022年10月にグランピング施設「THE GLAMPING PLAZA アルプスBASE」を長野県飯島町にオープンしました。2023年4月には第2弾として、三重県の伊勢志摩に「THE GLAMPING PLAZA 伊勢志摩BASE」もオープンしています。

株式会社プラザクリエイトが開業したグランピング施設「THE GLAMPING PLAZA 伊勢志摩BASE」
▲伊勢志摩国立公園内にある「THE GLAMPING PLAZA 伊勢志摩BASE」

伊藤さん

今のところいちばん新しいトピックは、アパレル事業への本格参入です。2022年11月、アパレルファクトリーとカフェを融合させた「HATTO CREATIVE PLAZA」をオープンさせました。

カフェ「HATTO COFFEE」では、コーヒーを飲みながらガラス越しに、衣料に3Dプリントなどができるプリントファクトリーを眺めることができます。

カフェ&アパレルファクトリーの「HATTO CREATIVE PLAZA」の外観
▲原宿・神宮前エリアにオープンした「HATTO CREATIVE PLAZA」

カフェ&アパレルファクトリーの「HATTO COFFEE」の内観
▲「HATTO COFFEE」では、水や燃料、電気使用ゼロの自転車式脱穀機でつくられた、サスティナブルな豆を使ったドリップコーヒーが飲める

伊藤さん

併設されたアパレルファクトリ―には、日本初導入のイスラエル製衣類プリンター「Atlas MAX(アトラス・マックス)」が置かれており、最先端のものづくりに触れることができます。

カフェとファクトリーを合わせたこの場所を、次世代のアパレルをソウゾウするファッションハブに育てていくつもりです。

アパレルファクトリーに置かれた最先端の衣類プリンター「Atlas MAX」
▲カフェに併設されるアパレルファクトリーに置かれた、最先端の衣類プリンター「Atlas MAX」

編集部

イメージング事業とモバイル事業を柱としつつも、時代の変化やニーズに寄り添って写真やカメラにとらわれない新規事業をおこすソウゾウ事業にも注力されているということですね。プラザクリエイトさんが、本当にさまざまな領域にわたって新規事業を展開されていることがよくわかりました。

成長の裏に、成功するまで挑戦し続ける社内カルチャーあり

株式会社プラザクリエイトが全国展開しているフォトサービスショップの「パレットプラザ」
▲株式会社プラザクリエイトの原点ともいえるフォトサービスショップの「パレットプラザ」

編集部

ここで、今回の特集の1つである「成長企業」という切り口でお話を伺わせてください。プラザクリエイトさんの成長の源というのはどこにあると思われますか?

伊藤さん

既存の事業にとらわれずに、挑戦を続けてきたことではないでしょうか。弊社はパレットプラザという写真プリントのお店から始まりました。しかし、モバイル事業に参入したり、ソウゾウ事業として新規事業をどんどん打ち出したりと、歩みを止めずに挑戦を続けています。

編集部

社員皆さんに、挑戦し続ける気風が根付いているということでしょうか。

伊藤さん

そうですね。創業者の大島(株式会社プラザクリエイト本社・代表取締役社長の大島康広さん)は、挑戦することを楽しみ、失敗を失敗とネガティブにとらえずに成功するまでやり続ける人物です。その考え方や姿勢が、カルチャーとして社員たちにも受け継がれているように思います。

新規事業というのは、10のうち1つ成功すればいいほうだというくらいに成功が得難いものです。成功にたどりつくまで、失敗を恐れずにいかに挑戦し続けられるのかというところをプラザクリエイトでは大切にしています。

勉強会やeラーニング、意見交換会に裏打ちされて挑戦は続く

株式会社プラザクリエイトのミーティングの様子

編集部

挑戦には多かれ少なかれ失敗がつきものですが、プラザクリエイトさんにおいてそのフォロー体制というのはどのようになっているのでしょうか?

伊藤さん

失敗の大きさにもよりますが、若手の小さなミスや失敗に関しては、先輩メンバーがフォローをしたり、一緒に原因を考えたり、次にどうしていくのかを話しあったりして、日々一緒にPDCA(※)を回しながら次に生かせるようになっていってもらうことが多いです。
(※)PDCAを回すとは、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)を繰り返して、業務を改善していくフレームワークのこと

事業自体がうまくいかないときには皆で反省会をしたり、新規事業を手掛けるソウゾウ事業部の部長会議で報告をしたり、メンバー同士で勉強会をしたりすることで、失敗や成功に関するナレッジ(※)を共有して、次の新規事業につなげています。
(※)ナレッジとは、知識、知見、付加価値の高い情報のこと

編集部

研修などは行っていらっしゃるのでしょうか。

伊藤さん

新規事業をやっていくうえで、スキルセット付け(※)としてeラーニングのアプリを活用しています。2023年5月現在、10名弱のメンバーでマーケティングを勉強中です。個人個人が日々アプリで勉強をして、月末に振り返り会というアウトプットの場を設けています。
(※)スキルセットとは、自分の職種・職場・役職において仕事をする上で必要な知識・技術・能力・資質・経験の組み合わせのこと

それぞれ手掛けている事業は違うのですが、同じ勉強をすることで共通言語ができて、話がスムーズに通じるようになりました。また、振り返り会がとてもよい意見交換の場にもなっています。今月学んだことを自分の事業にどう生かすのかを話し合うなかで、ずっと同じ事業に関わっているメンバーからは出てこない意見やマーケティングを学んでいるからこその意見が聞けるのがありがたいです。

編集部

なるほど。失敗をおそれないとはいっても闇雲に挑戦し続けるのではなく、eラーニングでスキルセット付けをしたり、違う事業を手掛けているメンバーさんと意見交換をしたり、失敗事例を共有して次に生かしたりすることで、楽しみながら挑戦されているということですね。

若手も先輩も一緒にゼロから新しいものをソウゾウする

株式会社プラザクリエイトの馮さん

編集部

ここからは、今回の特集のもう1つのテーマである「若手活躍」についてお話を伺わせてください。馮さんは、「つくるんです®」商品開発チームのリーダーをされているということですが、今、プラザクリエイトさんに入社されて何年目なのでしょうか。

馮さん

2023年5月で、4年目になりました。中国出身ということもあり、入社2年目には中国の取引先とのコミュニケーションや中国のデザイナーさんとの商品開発といった部分をメインで任せていただいていました。

編集部

馮さんのように若くして責任ある業務を任されるというのは、プラザクリエイトさんでは割とよくあることなのでしょうか。

伊藤さん

はい。年次に関係なく、若手でも責任あるポジションや業務を担当しているメンバーが多いです。事業のチームリーダーを入社2年目や3年目のメンバーが担うということも珍しくありません。

馮さん

特にソウゾウ事業部は、商品開発にしても新事業開発にしても新しいことに取り組みますので、先輩後輩関係なく、みんな一緒にゼロからスタートするんです。皆でゼロから一緒に新しいものをつくっていくという状況のなか、若手にも「これを試してみないか」「それも面白いから、やってごらん」と積極的に仕事を任せてくれます。

一緒に相談しながら、勉強しながら進めていくことで、チームに強い団結力が生まれますし、先輩も上司も優しく支えてくれる方ばかりです。「何か問題が起きても、きっと一緒に対応策を考えてくれる」という安心感があるため、新しいことや責任あるポジションに若手が挑戦しやすい環境だと思います。

自分が開発した商品が店頭に並ぶというやりがい

DIYクラフトキット「つくるんです®」の3Dウッドパズルシリーズ
▲株式会社プラザクリエイトがリリースしているDIYクラフトキット「つくるんです®」の3Dウッドパズルシリーズ

編集部

「つくるんです®」の商品開発というのは、どのように進めていらっしゃるのでしょうか。

馮さん

「つくるんです®」には、ロボタイム社さんという中国の会社のクラフトキットをパッケージや説明書を日本版にして販売しているものと、日本オリジナルでプラザクリエイトが開発したものとがあります。日本語パッケージ化とオリジナル商品の開発、どちらも商品開発チームの仕事です。

オリジナル商品の開発でいうと、まず何を作るのかというモチーフを選定します。モチーフが決まったら、次は写真集めです。正面、裏面、左右、上下、斜めなど、モチーフをさまざまな角度から撮った写真をそろえます。モチーフが動物である場合は、いちばんその動物らしく見えるポーズを検討することも肝要です。

「つくるんです®」には3Dウッドパズルとミニチュアハウスがあるのですが、3Dウッドパズルにするには、モチーフを平面の写真から3Dのモデルに組み替えなくてはなりません。その3Dモデルを1個1個の木製ピースに落とし込み、最終的に平面の合板にカットして商品にしていきます。

編集部

チームは何人ぐらいいらっしゃるのでしょうか。

馮さん

商品開発チーム専任者は、私を含めて2人です。他の業務と兼務しているメンバーを含めると、7人で一緒に開発を進めています。

編集部

やりがいというのは、どういったときに感じられますでしょうか?

馮さん

やはり、自分がゼロからつくったものが実際に店頭に並ぶという点が、やりがいになっています。入社していちばん最初にゼロから開発した商品が、2021年にコンビニの店頭で販売されたのですが、よく行くお店の棚に、自分が開発した商品が並べられているのを見てとても嬉しくなりました。

出荷直前のエラーを奇跡的に解決。チーム団結力が若手活躍の秘訣

株式会社プラザクリエイトの馮さん

編集部

プラザクリエイトさんで若手の方が生き生きと活躍できている秘訣というのは、どこにあると思われますか。

馮さん

商品開発チームはメンバーの年齢層がバラバラで人生経験も仕事経験も違うのですが、違うからこそ色々な視点から考えたり、アドバイスをし合ったりしながら、お互いが助け合う良いチームワークでやっています。その良いチームワークは、やはり先輩や上司の方が若手をしっかり支えてくださっているからこそ生まれているのではないかと思います。

編集部

周囲の方に支えられた具体的なエピソードがありましたら、教えてください。

馮さん

日常のことでいうと、入社時がそうでした。私が入社した2020年というのは、社会情勢的に出社して直接顔を合わせることが難しい時期でしたが、些細なことでもZoomで教えてくださったり、週間の定例を組んでくださるなど「わからないことがあったら、何でも聞いてね」という環境をつくってくださっていたので、すごく皆さんを身近に感じて心強かったです。

危機を乗り越えたエピソードでいうと、1度だけ出荷直前に大きなエラーが見つかったことがあって、それをチームの団結と周囲の協力で無事に出荷にこぎつけたという経験があります。

エラーが判明したのが夜の7時頃だったにもかかわらず、上司が自ら対応できる会社を探してくださったり、「この対応をするのにこういう資材があって、このお店で買えますよ」と細かいアドバイスをくださったりしました。また、先輩も「じゃあ、そのお店には私が行きます。手分けをして、いちばん効率よく解決していきましょう」と言って、解決に動いてくださったんです。

しかも、そこから急遽「エラー対応のために人手が必要なのですが、仕事調整をして来ていただけないでしょうか」と翌日の招集をお願いしたところ、朝、チームのメンバー全員が集まって対応してくださり、本当に奇跡的にそのエラーを乗り越えました。

編集部

プラザクリエイトさんでは、若手の方にも活躍できる多くのチャンスがあって、その挑戦を上司や先輩や周囲が支えてくれる環境があるということですね。

欲しいのは挑戦のワクワクもカオスも楽しめる「仲間」

株式会社プラザクリエイトのオフィスエントランス

編集部

最後に、このインタビューを通してプラザクリエイトさんに興味を持たれた読者の方に、メッセージをお願いします。

伊藤さん

社長が「1年目とか○年目が欲しいんじゃなく、仲間が欲しいんだ」というようなことをよく言っているのですが、特にソウゾウ事業部には、「若手で社会人経験がないので何も言えません」ではなく、「考えを“仲間”に向けてどんどん発言できる方」が向いているように思います。

馮さん

確かに、商品開発チームの若手メンバーたちは、私も含めて「自分が考えていることをすごくしっかりと言える、主張できる」方が多いです。皆さん、商品開発に対して熱量が大きいので、ディスカッションが白熱し過ぎてしまうこともあります。

あくまで仕事の一環として討論をしているという共通認識あってのことですので、ディスカッションの後に関係が悪くなったり、ギクシャクするといったことはありません。ただ、きちんと意見を交わし合って、自分の考えやディスカッションが反映されているからこそ、開発した商品を自信をもってプレゼンできる、人に薦められるというところがあります。

伊藤さん

商品開発や企画というと、得てしてキラキラしている部分だけが注目されがちです。しかし、新しい商品や事業をつくり出すというのは簡単なことではありません。泥臭いことや、面倒なことや、難しいことというものがつきものです。

そうしたすべてをやり抜く覚悟、それから創造性と革新性を持って、チャレンジも、失敗も、ワクワクも、カオスもすべてを楽しめる方が仲間になってくださったら嬉しいと思っています。

編集部

若手やベテランということは関係なく、自分の考えをしっかり述べることができて、困難や泥臭い部分も含めて新しいことへの挑戦を楽しんで「仲間」になってくださる方に来てほしいということですね。本日はありがとうございました!

■取材協力
株式会社プラザクリエイト:https://www.plazacreate.co.jp/
採用ページ:https://www.plazacreate.co.jp/recruit/