柔軟な社風の株式会社オーバードライブ。システムエンジニアがスキルを高め合える理由

社員の働きやすさや、職場・職種ならではの業務への取り組み方にフォーカスして企業を紹介する本企画。今回は、東京都内にオフィスを構え、Webサービスの企画・開発・運営を手掛ける株式会社オーバードライブにインタビューしました。

エンタメ市場にWebサービスを提供する株式会社オーバードライブ

株式会社オーバードライブは、システムエンジニアとクリエイターのみで構成された精鋭組織でエンタメ市場をメインにWebサービスを提供するインターネット企業です。

2016年の設立から現在にかけて数々のプラットフォームやシステムを生み出しており、代表的なサービスのひとつにボードゲーム業界専門の総合情報サイト「ボドゲーマ」があります。

会社名 株式会社オーバードライブ
住所 東京都新宿区四谷本塩町1-3 ザ・ブライニービル 301号室
事業内容 ・ボードゲームのコミュニティサイトの企画・開発・運営
・エンタメ領域のWebプラットフォーム「hoobby.net」の企画・開発・運営
・その他Webサービスの企画・開発・運営
設立 2016年6月2日
公式ページ https://corp.hoobby.net/
働き方 フルリモートワーク

今回は代表取締役の若狭創さんと、システム開発部でプロジェクトリーダーを務める川口陽輔さんに、株式会社オーバードライブで活躍するシステムエンジニアの働き方や会社が考えるワークライフバランスについてお話を伺いました。

本日お話を伺った方
株式会社オーバードライブ代表取締役の若狭さん

株式会社オーバードライブ
代表取締役

若狭 創さん

株式会社オーバードライブのシステム開発部の川口さん

式会社オーバードライブ
システム開発部 プロジェクトリーダー

川口 陽輔さん

自社サービス「ボドゲーマ」で業界を活性化!受託開発でも躍進

株式会社オーバードライブのボードゲーム倉庫
▲株式会社オーバードライブの倉庫には、事業に関係するボードゲームが大量に格納されている

編集部

まずはオーバードライブさんの組織や業務について伺います。社員数やどのような職種の方がおられるか教えてください。 

若狭さん

2024年2月現在、11名です。組織を構成するのはシステムエンジニアとクリエイターのみで、総務やバックオフィス専任の社員はおりません。私も経営だけでなく、プレーヤーとしてWeb制作をはじめとした通常業務に携わっています。

編集部

オーバードライブさんの事業について教えてください。

若狭さん

弊社の事業には、自社サービス開発と受託開発があります。両者の割合としては、自社サービス開発10%、受託開発90%といったところでしょうか。

編集部

自社サービス開発ではどのような業務をされているのでしょうか?

若狭さん

自社サービスに関する業務は、ボードゲームに特化したコミュニティサイト「ボドゲーマ」や、テレビゲームを対象としたコミュニティサイト「デジゲーマ」の企画・開発・運営がメインです。

編集部

「ボドゲーマ」や「デジゲーマ」についてぜひ詳しく教えてください!

若狭さん

「ボドゲーマ」はボードゲーム業界特化型の、データベースを主軸としたコミュニティサイトです。システムが利用者さんのプレー履歴、好み、レビュー、ゲームへの点数といった評価を記録・分析し、ユーザーにふさわしいゲームをレコメンドする機能などがあります。

「デジゲーマ」はそのデジタルゲーム版といったイメージですね。こちらはオープン直後なので、現在は基本的な機能しかありませんが、これから追加開発を行っていきます。

どちらも制作者がいるからできるコンテンツ体験であり、消費者がいてこそのゲーム制作・開発事業です。制作側/販売側/消費者にとって、様々な情報の受発信が可能なWEBプラットフォームとして、情報流通網を提供し、ひいては市場の活性化を目的としています。

株式会社オーバードライブがボードゲームイベントに出展した時の様子
▲2023年12月に行われたボードゲームのイベントに、株式会社オーバードライブも出展。新しく開始したクラウドファンディングのサービスをPRしたり、オリジナル商品の販売等を行った

編集部

受託開発ではどのような業務をされているのでしょうか?

若狭さん

受託開発ではクライアントのニーズに沿ったWebサービスのシステム開発をしています。

特に、ユーザーと企業のマッチングプラットフォームや、営業主体の事業会社向けに集客メディアおよび業務管理システムの開発を行う、中規模から大規模なプロジェクトが多いです。どのプロジェクトもフルリモートです。

編集部

自社サービス開発と受託開発の事業にはどのような関連性があるのでしょうか?

川口さん

自社プロダクトは“ボードゲーム”というちょっとニッチな分野のため、業務的な関連はほぼありません。ただ、技術面では相互で良い関係性を育んでいます。

たとえば、自社プロダクトも受託案件もRuby(※)やRubyを使用したフレームワークであるRuby on Railsを使って開発することが多く、それぞれで培ったノウハウや技術を相互で活かせています。
(※)Ruby…WebサイトやSNSといったアプリケーションソフトウェアの開発において使用される、日本で開発されたプログラム言語のひとつ

システムエンジニア間のコードレビューが活発!スキルを高め将来的リスクも払拭

編集部

オーバードライブさんに在籍するシステムエンジニアの方々はどのように仕事を進めているのでしょうか。

川口さん

弊社のシステムエンジニアはマーケティングや新規開拓には携わらず、仕事の割り振りは基本的にゆるやかなトップダウン形式です。企画を得意とするメンバーが中心となり企画を立て、エンジニアはその方向性を共有し、企画に沿ったシステムを開発します。

“アーキテクチャは何を採用するか”“どのようにモデリングするか””前提として必要な技術、データはないか”などエンジニアにしか分からない技術的な分野に関してはもちろん、企画についてもどんどん意見を挙げていきます。

エンジニアが必要な要素・タイミングをしっかり伝え、企画側が納期調整する…といったイメージで、それぞれの役割の社員が協調性を持ち、バランスを考えながら仕事を進めています。

編集部

システムエンジニアさん同士の交流はありますか?エンジニアを取り巻く仕事環境やオーバードライブさんならではの特徴があれば教えてください。

若狭さん

私自身はシステムエンジニアではないですが、社員同士の会話を聞いているとエンジニアにとって風通しが良く、お互いを高め合える環境だなと感じます。たとえば、弊社のエンジニア陣はコードレビューがとても活発です。“動くものを作ったらゴール”という考え方ではありません。

「このコードは書き方をこうしたら将来のトラブルに対応できるよね」といったように、一人が作ったコードに対してみんなで意見を出し合い、現状以上のものに昇華させる風土があります。まるで“三人寄れば文殊の知恵”です。

そのため、弊社のエンジニアが辿る成長曲線はほかと違います。個人がひたすら量をこなし地道にスキルアップするのではなく、一人ひとりが少しずつ助け合い、質を追求し、効率良く成長しているように感じますね。

川口さん

実際にシステムエンジニアとして働いている立場からも、やっぱりコードレビューが活発だと感じます。お互いに教え合う、高め合う、といった雰囲気がありますね。メンバーのスキルアップを促すとともに、将来の技術的な負債を防ぐことにもつながり、良いカルチャーだと思います。

仕事は暮らしや趣味のためにある!個々の理想に歩み寄る社風

株式会社オーバードライブの川口さんのご家庭
▲システムエンジニアの川口さんのご家族。会社は社員のプライベートも重視し、仕事と家庭を両立させやすい職場環境を目指している

編集部

ここからはオーバードライブさん全体の働き方について伺います。「社員の方々にこういう気持ちで仕事と向き合ってほしい」といった理想や、目指す会社像について教えてください。

若狭さん

弊社では、仕事のために家族やプライベートがあるのではなく、家族やプライベートのために仕事があると考えています。働くのは“暮らしのため””自分の趣味を楽しむ資金を得るため”、というのが大前提です。仕事に打ち込んでくれるのは会社としては確かにありがたいのですが、プライベートが犠牲になるような働き方はしてほしくありません。

社員には「仕事に忙殺されて子どもの運動会を見に行けなかった」「旅行のために取っていた有給休暇をキャンセルした」といったことは、絶対にあってはいけないと思っています。日々の生活に全く支障をきたさない環境にすることで、従業員の家族からも「いい職場だね」と言われるような会社を目指しています。

編集部

川口さんのご家族は会社についてどう言っておられますか?ご自身が抱く会社への感想もお聞かせください。

川口さん

オーバードライブでの働き方に私はすごく満足しています。ワークライフバランスについても、たとえば子どものイベントがあれば会社へ相談してしっかり休みをもらっています。妻からも「良い会社だね」と言われますよ。

フルリモートや勤怠制度で働きやすさを追求

編集部

オーバードライブさんでは働く場所についても自由度が高いと伺いました。

若狭さん

弊社ではフルリモートが基本です。四ツ谷にオフィスを構えていますが、今は全メンバーが自宅で仕事をしていますね。私とディレクターが、郵便物の回収のために出社する程度です。

編集部

フルリモートの環境下で、社員同士のコミュニケーションをどのようにとっておられますか?お仕事を円滑に進めるコツがあれば教えてください。

若狭さん

弊社では開発用コミュニケーションツールとして「Slack」を導入し、その中で雑談専用のチャンネルを作っています。そこで対面さながらの会話をチャットでしていますね。

株式会社オーバードライブの「Slack」でのやりとり画面
▲メッセージアプリ「Slack」では社員がコメントし合い、何気ない会話を楽しんでいる

編集部

システムエンジニア同士の業務上のやり取りもリモートで問題なく進んでいるのでしょうか?

川口さん

オンラインでの定例会議やクライアント様との打ち合わせの場を設けることで、リモートでも問題なく仕事ができています。業務においては文字でのコミュニケーションが多く、これらの会議でも認識の齟齬が生じないよう「議題以外のものでも、会話に出てきた必要なものはテキストに起こして記録する」ことを徹底しています。

チーム内では通常業務とは別に、悩みや近況に関する会話がメインのフランクなミーティングも設けています。「この開発手法で良いか」「タスクが詰まっていて大変か」「プライベートで⚪︎⚪︎があった」など、会話することでメンバーが一人で抱え込まないようにし、全員で配慮することで、円滑にコミュニケーションが取れているかな、と思います。

編集部

リモート勤務以外に、御社で社員の方々が働きやすいよう工夫されている制度や取り組みはありますか?

若狭さん

フレックスタイム制度に近いかたちで勤務時間に幅を持たせています。定時は10時~19時ですが、9時に始業したら18時に切り上げる、といったイメージです。社員の意見を取り入れて決めました。

編集部

川口さんは育児休暇の取得経験があると伺いました。小さなお子さんを持つパパとして、この制度はいかがですか?

川口さん

子どもが急に体調を崩したときや予防接種などで通院の必要があるときに助かります。例外にはなりますが、以前どうしても定時に間に合わない病院の予約がありました。その時は事前に相談し、10時以降の出社とさせてもらうことができました。業務開始時刻を柔軟に調節できるおかげで気兼ねなく用事を済ませられ、育児と仕事を両立させやすい環境です。

また、実家の父が体調を崩し、しばらく介護が必要な時期にも助かりました。子育てに限らず、さまざまな家庭の事情にも対応してもらえるので、満足度が高いですね。

編集部

オーバードライブさんでは個々の家庭事情を柔軟に受け入れ、社員一人ひとりの希望に応じた働き方を採用しているということでしょうか。

若狭さん

“ともに働く仲間の理解を得る”ことが前提ですが、オーバードライブには個々の希望に歩み寄る体制・文化があります。社員それぞれが割とフランクに「こうしたい」と意思を伝えてくれますね。

過去には「ポーカーのお店でディーラーのバイトをしたい」という要望もありました。本業に支障をきたさない範囲でならと許可し、仕事とバイトを並行して頑張っていた社員がいます。

他にも、自分でボードゲーム制作をしてイベントで販売していた社員や、ゲーム音楽を制作してゲームクリエイターに音源提供している社員もいます。

編集部

働き方や、関心ある分野への挑戦を気兼ねなく相談できる環境であることが伝わります!

社員同士の対面での交流も充実。ボードゲーム会はマストイベント!?

株式会社オーバードライブのボードゲーム倉庫の様子
▲株式会社オーバードライブが扱うボードゲームの数は圧巻。詳しい社員も多い

編集部

オーバードライブさんではリモート勤務がメインだそうですが、社員同士が実際に会って交流を深めるような機会もあるのでしょうか?

若狭さん

弊社では年度末に納会を開催するほか、年間1~2回の頻度でパーティーを企画しています。事業成果を発表したのちにピザを食べながらボードゲームをする会です。そのほか数名でボードゲームカフェに集まり、ボードゲーム会をすることもあります。

業務柄、職場にはボードゲームが豊富です。ボードゲームが好きで入社してきたメンバーや業界屈指の知識を持つメンバーがいるので、おすすめを見繕ってもらい遊ぶ機会もありますね。

編集部

せっかくなので、おすすめのボードゲームを教えていただけますか?

若狭さん

400個以上は遊んでいるのでたくさんあるのですが、大人同士で遊ぶなら「ヴァイキングス・オン・ボード」というゲームがおすすめしたいボードゲームの1つです。

これから出港するヴァイキング船の8隻をテーマにした作品で、プレーヤーはどの船が一番優れているかを当てる立場です。船を大きくしたり、積荷を送って船の価値を高めるのですが、その船から得点を得るのは、その船を強化したプレーヤーとは限りません。

「あれをすると、これが奪われる」「それをやられたら、こうやって奪う」といった心理戦だらけ、略奪合戦で盛り上がります!

川口さん

私からは子どもと遊べるゲームを。最近プレーしたなかでは「Bellz!(ベルズ)」が家族で盛り上がりました。

各プレーヤーがサイズの異なる4色の鈴から自分のカラーだけを磁石の棒で取り、10個集めた人が勝ち、という単純なゲームですが、子どもでも「小さい鈴は簡単にくっつくので慎重に」「大きい鈴は大胆に取りに行く」など戦略をたてながらやってくれるので知育にも繋がっているのかなと思います。家庭ごとにルールのカスタマイズもできると思います。

年齢や役職の制限なく「開発に全力投球」できる会社

編集部

オーバードライブさんの今後の採用方針を教えてください。

若狭さん

将来的には、弊社の社風・評価制度・文化を維持しながら、25~30名の組織体制を考えております。5名まとめて採用するかもしれませんし、1、2名ずつで5年10年かける可能性もあります。バランスを考えながらじわじわと増やしていきたいです。

編集部

オーバードライブさんにマッチするのはどのような人材でしょうか。現在活躍されている方の特徴があれば教えてください。

若狭さん

弊社で活躍しているシステムエンジニアは「もっと開発をしたい」「もっとコードを書きたい」といった意欲に溢れたメンバーです。

「プログラマーになりたくてシステム開発会社へ入社したのに、マネージャー職を任されて開発に全力投球できない」「先端技術を使いこなすエンジニアになりたいと思っていたけど、今の会社だとむしろ時代に置いてかれる不安がある」そんな方々が転職してきましたが、弊社は挑戦機会や実践機会が豊富な会社です。キャリアプランに合わせてアサイン内容を決めているため、一人ひとり仕事が充実していて、評価されています。

また、今日この場にいるプロジェクトマネジメント能力が高い川口の存在にもとても助けられています。コーディングだけではプロジェクトは回りませんからね。

強い志があるほど「やりがい」アップ!多くの人に会社を知ってほしい

編集部

最後に、この記事の読者や転職活動中の方へ向けて若狭さんと川口さんからメッセージをお願いします。

若狭さん

オーバードライブは「開発が好き」「コードを書くのが好き」という方ほど、働き方、ポジション、職種にメリットを感じ、やりがいを得られる会社です。もちろん、川口のようにマネジメント方面を目指してくれる方も歓迎です。ぜひ多くの方に弊社を知ってもらいたいと思います。

ちなみに、ボードゲームが好きかどうかは入社条件と関係ありません。面接で「普段ボードゲームをしますか?」と質問することがありますが、無理に「好きです!」と答える必要はないですよ(笑)。

川口さん

オーバードライブは、やりたいことがある人にとって声をあげやすい会社です。開発をバリバリやりたい人も、私のようにマネジメント路線を目指すにしても、社員の声を柔軟に受け入れる体制が整っています。強い志を持った方に向いていると思います。

また、プライベートな事情も汲んで、希望とする働き方に柔軟に対応してくれる風土があります。もちろんすべきことはきちんとすることが前提ですが、「激務でプライベートがない」「家族との時間が作れない」といった方が入社されると環境の違いに驚くかもしれません。

ワークライフバランスを重視したい方、家庭がある方にもおすすめです。

編集部

「開発が好きだけど現状の仕事内容は違う」と、この記事を読んで現実と理想像の乖離にハッとした方がいるかもしれません。多くのシステムエンジニアに、初心に立ち戻るキッカケを与えてくれるような印象深いお話でした。本日はどうもありがとうございました。

■取材協力
株式会社オーバードライブ:https://corp.hoobby.net/
採用ページ:https://www.wantedly.com/companies/hoobby