アパレルECを変える株式会社メイキップの「なんでも自分でやってみる」カルチャーとは

注目企業の成長ぶりや求めるエンジニアの働き方、インターンについてインタビューする本企画。今回は、アパレルECサイト上で洋服のフィッティングをサポートする「株式会社メイキップ」をご紹介します。

ECサイト上で洋服のサイズフィッティングをサポートする株式会社メイキップ

株式会社メイキップは、適正サイズレコメンドシステム”unisize”をアパレルEC事業者に提供している会社です。適正サイズレコメンドとは、洋服を買うときにユーザー一人ひとりに、より良いサイズを推奨するものです。これにより「洋服のサイズがわからないからネットで購入ができない」というユーザーの不満を解消できます。

このようなサービスを提供する企業は世界的に見ても珍しく、多くのアパレルEC事業者に導入されています。

会社名 株式会社メイキップ(Makip.Co.Ltd)
住所 東京都新宿区矢来町126 NITTOビル1F
事業内容 ・インターネットコンテンツの企画・開発・運営
・マーケティング
・プロモーション
・コンサルティング
設立 2015年2月5日
公式ページ https://makip.co.jp/

今回は、代表取締役CEOの柄本真吾さんに、求めるエンジニア像や社内カルチャーなどについてお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
株式会社メイキップ代表取締役CEO 柄本真吾さん

株式会社メイキップ
代表取締役CEO

柄本 真吾さん

約300社のアパレルEC事業者が導入する「unisize」を開発

株式会社メイキップのビジョン
▲株式会社メイキップは「不可能だったことを可能にする」というビジョンを掲げている(公式サイトから引用)

編集部

まず初めに、御社の事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか。

柄本さん

メイキップは、洋服のサイズのレコメンドエンジン「unisize」というサービスを提供する企業です。

弊社では、膨大なユーザーの体型データとアパレルEC事業者様から提供いただく洋服のサイズデータをもとに、独自のアルゴリズムで解析したブランドボディデータベースを有しています。そのため、ユーザーの入力情報からフィット感の好みや体型を正確に推測し、あらゆるユーザーに高い精度のレコメンドを提供することが可能です。

「unisize」がECサイト上で洋服のサイズ選びをサポートすることで、ユーザーの「サイズがわからず購入できない」という不安を解消できます。また、アパレルEC事業者様にとっては、サイズ違いによる返品が少なくなるというメリットもあります。

「unisize」は、現在約300社のアパレルEC事業者様にご導入いただいていますが、ユーザーが登録した情報や過去の購入データを「unisize」を導入している全てのECサイトで活用できる点もユーザーにとっては便利なところです。

編集部

ECサイトでは試着ができず、サイズ感がわからないのでなかなか購入に踏み切れないというユーザーの悩みを手軽に解決してくれるサービスなのですね。

株式会社メイキップの適正サイズレコメンドシステム「unisize」の使用イメージ
▲株式会社メイキップの適正サイズレコメンドシステム「unisize」の使用イメージ

「unisize」導入企業は1年で1.5倍に。今後は海外展開も

株式会社メイキップの社内会議の様子
▲ミーティングの様子。ときにはテントの中でおこなわれることも

編集部

現在は約300社のアパレルEC事業者がメイキップさんの「unisize」を導入しているとのことですが、ここ1年くらいの数字の伸びはどれくらいなのでしょうか。

柄本さん

1年前には約200社でしたから、1.5倍の成長ということになりますね。それに伴って社員数もやはり1.5倍ほど増員し、現在では約70名となっています。

編集部

1.5倍というのは大きな伸びですね。順調に成長している理由はなぜでしょうか。

柄本さん

アパレルECが伸びていく中で、ニーズをうまく捉えられたということがあると思います。簡単な機能であればアパレル事業者様も自分たちでサービスを生み出すことができるのでしょうが、「unisize」のように洋服の丈感まで確認することができるサービスとなると、ワールドワイドで見ても、弊社ともう1社ぐらいしかありません。

編集部

「unisize」のような多彩な機能や使い勝手の良さなどを取り入れるとなると開発が大変なので、メイキップさんのサービスを導入しているということなのですね。今後の見通しについても教えていただけますか。

柄本さん

国内でのシェアをきちんと伸ばしていくことをベースとして、中国、アメリカ、イギリス、ドイツなど海外展開を見据えています。また、アップセルやクロスセル(※)というところで新しいプロダクトを作っています。具体的にはパーソナライズですね。
(※)アップセルは検討中の商品より上位モデルを購入してもらうこと、クロスセルは検討中の商品と併せて関連商品などを購入してもらうこと

「unisize」で把握した体型をもとに、ユーザー一人ひとりの体型に合った洋服を提案したり、好みに応じた洋服を提案するということを追加で開発しているところです。

メイキップが求めるのはコミュニケーション能力の高いエンジニア

株式会社メイキップのオンラインミーティングの様子
▲オンラインミーティングの様子

編集部

開発にはさまざまなスキルを持ったエンジニアが必要になると思いますが、メイキップさんでは何人くらいのエンジニアが在籍されているのでしょうか。また、どのようなエンジニアが活躍されていますか。

柄本さん

社員は10名ほどで、アルバイトや業務委託を含めると総勢30名くらいです。活躍しているエンジニアとしては、コミュニケーション能力が高い人やビジネスセンスを持っている人が多いですね。

自社開発で新しいものをどんどん作っていくので、決まった設計やガチガチに固まった要求仕様はありません。ですので、周囲とコミュニケーションをとりながら、より良いものづくりを追求していけるような人が向いていると思います。

編集部

御社の勤務スタイルはハイブリッドとのことですし、業務委託の方では遠方からのジョインもあるのかと思いますが、ここで言うコミュニケーション能力とは、テキストでのコミュニケーションと口頭でのコミュニケーションの両方においてということでよろしいでしょうか。

柄本さん

そうですね。テキストと口頭の両方ですね。

オフィスも手作り!「なんでも自分たちでやってみる」カルチャー

2022年に移転した株式会社メイキップのオフィス
▲自分たちでこだわりをもって作ったオフィス

編集部

公式サイトにメイキップさんは「自律自走」の組織とありましたが、他に特徴的なカルチャーはありますか。

柄本さん

なんでも自分たちで一旦やってみようというカルチャーはあると思います。例えば、会社の移転の際に自分達でフローリングを貼ってみたり、設計やデザインも自分達でチャレンジしたり。会社のロゴを変えたタイミングでお披露目会を開催したのですが、それもイベント会社を入れずに自分達で企画しました。

編集部

なるほど。それは多才な社員が多くて始めたことなのでしょうか。

柄本さん

色々なキャラクターの人間を採用しているということもありますし、色々なことに興味を持っている社員が多いからですね。それから、実際に自分達で手を動かしてみると、「実は特段専門知識が必要なかったね」とか、一方で「ここは専門家に相談した方が良かったね」というポイントがわかってくるんです。そうすると、どこにお金を使うべきなのかが明確になるので、無駄に外注することがなくなりました。

編集部

色々なキャラクターの方を採用しているとのことでしたが、例えばどんな方がいらっしゃいますか。

柄本さん

年齢層は結構幅広くて、19・20歳ぐらいのインターンから58歳くらいの社員までいます。プロのミュージシャンだった社員もいますし、IT業界出身者に限らず、多種多様な人材がそろっています。また、弊社はアパレル業界の会社とお仕事をさせていただいていますが、アパレルにそこまで興味のない社員もいます。

編集部

お披露目会は何人くらいの社員の方が関わってどんな工夫をされたのでしょうか。

柄本さん

業務最優先ではありますが、基本的には社員全員で関わりました。イベント会社に外注すると個性のない無難な会になってしまいがちなので、インパクトのある会にしようと考えて三味線弾きの方を招いて演奏をしていただいたり、社員も楽しみながら企画しました。

インターンであってもフラットに意見を言い合える風土

編集部

メイキップさんではインターンを受け入れているとのことですが、何人くらいいらっしゃいますか。また、受け入れの背景はどういうところにあるのでしょうか?

柄本さん

インターンは海外を含めると10人から15人ぐらいです。海外に留学している人も採用しています。

受け入れの背景としては、新卒採用に繋げたいというのはもちろんあります。それから、正社員にはどうしても作業が発生してしまうんですね。僕らはホワイトカラーというのをすごく意識していて、正社員には考える仕事、クリエイティビティの高い良い仕事を要求しています。ですから、作業の部分は優秀なアルバイトやインターンにお手伝いいただくという考え方でいます。

編集部

逆に学生さんの立場からすると、御社でインターンすることによって得られるものとしてはどういうものがありそうでしょうか?

柄本さん

メイキップは、いわゆるヒエラルキーのあるピラミッド型の組織ではなく、フラットにものを言い合えたり、意見を聞いてもらえる環境なので、すごく刺激になるのではないかなと思っています。外部で言うとマネージャーや管理職をしていたようなメンバーがほとんどなので、高いレベルで仕事ができるというのはメリットかなと思います。

編集部

高いビジネスレベルの経験がある方のアシスタント的な仕事をすることで、色々と学ぶことができるというメリットがあるのですね。

柄本さん

そうですね。また、メイキップはまだまだスタートアップなので、実践的なこともインターンの方にお願いしたりすることが多いです。そういう実力をつけたい方にはフィットするかと思います。

「自律自走」精神を持ち、能動的に仕事に関われる人を歓迎

株式会社メイキップ代表取締役CEO 柄本真吾さん

編集部

採用に際して、「自律自走」以外に柄本さんが大切にされていることはありますか。

柄本さん

どうしても「自律自走」に繋がってしまいますが、自分である程度考えて決められるというところは大切にしています。会社の方向性を理解して、自分で何をするか決められることのできる方を採用しています。

言われた通りに仕事をすればいいという方は弊社にはあまりフィットしなくて、自分の意思や思いを入れ込みたい方は歓迎したいですね。能動的にプロダクト開発などに関わりたい方にとってはメイキップは良い環境だと思います。

また、エンジニア採用で特に重視している点は、コミュニケーションがとれるということです。自分の意見をしっかり言えたり、相手の意見を聞き入れることのできる方を必要としています。スキルがどれだけ優れていても、コミュニケーションが全くとれない方は弊社では採用しません。

編集部

みんなで相談しながら仕事を進めていくということを大事にされているということですね。

柄本さん

そうですね。また、現在上場を目指しているところですので、会社と一緒に成長したい方にはぜひカジュアル面談に来ていただきたいです。

編集部

会社と自分の成長を楽しみながら、「自律自走」できる人がメイキップさんにはフィットしそうですね。本日はありがとうございました。

■取材協力
株式会社メイキップ:https://makip.co.jp/
採用ページ:https://makip.co.jp/recruit.html