「バス比較なび」を運営する株式会社LCLの、コミュニケーションに注力したカルチャーが若手活躍を後押し

企業で躍進する若手社員やエンジニアにスポットを当て、活躍の要因や仕事に向き合う姿勢などを紹介するこの企画。今回は日本最大級の高速バス比較サイト「バス比較なび」を運営する株式会社LCLを取材しました。

国内最大級の高速バス料金比較サイトを運営する株式会社LCL

株式会社LCLは、徹底したユーザー目線にこだわったサービス提供を強みに、全国の高速バス・夜行バス、バスツアーの料金比較サイト「バス比較なび」をはじめ、国内移動・海外航空券の最安値比較サイト「格安移動」、高速バス・バスツアーのお役立ち情報メディア「バスとりっぷ」などを運営する企業です。

ミッションに“Life + more fun 便利なモノで、楽しいコトを、世界中のヒトに”を掲げる同社は、あらゆる情報に溢れる現代において、ITサービスを通じて一人ひとりにぴったりな“価値”を提供しています。

会社名 株式会社LCL
住所 東京都渋谷区恵比寿1-18-14 恵比寿ファーストスクエア8階
事業内容 インターネットメディア事業 
・バス比較なび
・格安移動 
・バスとりっぷ
設立  2011年1月12日
公式ページ https://www.lclco.com/
働き方 ハイブリッド勤務(出社+リモートワーク)

日本最大級の高速バスの料金比較サイトなど、業界トップクラスの実績を誇る株式会社LCLにはどのようなカルチャーが根付き、企業を支えているのでしょう。

今回は、若手社員やエンジニアの活躍などを中心に、管理部人事担当の浅香光さんと、システム開発部バックエンドエンジニアの地引大樹さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
株式会社LCL管理部人事担当の浅香さん

株式会社LCL
管理部 人事担当

浅香 光さん

株式会社LCLシステム開発部バックエンドエンジニアの地引さん

株式会社LCL
システム開発部 バックエンドエンジニア

地引 大樹さん

社員目線でミッションを刷新。“Life + more fun”に込めた思いとは

株式会社LCLの主力サービス「バス比較なび」のアプリ画面
▲2006年のサービス開始以来、着実にユーザー数を増やし、国内最大級の高速バス料金比較サイトとして成長を遂げている「バス比較なび」

編集部

「バス比較なび」や、複数の移動手段を横断して比較するサイト「格安移動」を運営しているLCLさんは、徹底的にこだわったユーザー目線のサイト構築によって成長を遂げられています。近年、新たに取り組まれていることがあればお聞かせください。

浅香さん

今期のトピックとしては、ミッション、バリュー(以下、MV)を定めたことです。2022年11月に社員によるプロジェクトが立ち上がり、全員で考えたことがようやくかたちとなり、2023年4月に社内に発表することができました。

編集部

一般的に、企業のMVは経営陣が考えることが多いと思われますが、社員発信のプロジェクトを立ち上げたきっかけや、経緯についてお聞かせください。

浅香さん

新しいメンバーも増えて、また、既存サービスのさらなる向上に向けた動きの中で、心の拠り所となるものいわゆるミッションが不明確な状態ではないか、と社内から声が上がったことが一つのきっかけです。そこで、ミッションを社員みんなで作ってはどうかと話が進み、社内でメンバーを公募し、7名によるプロジェクトが始動しました。

プロジェクトでは、そもそもMVとは何かという意識合わせからスタートし、会社の歴史の深掘りや、経営陣へのヒアリングや、私たちはどうしていきたいかを考え続けることを行うことで方向性を決め、全社員のワークショップでフィードバックを受けるといったプロセスを繰り返しました。最終的にミッションと5つのバリューが決まりました。

編集部

なるほど。ミッションにはどのような思いが込められているのでしょう。

浅香さん

人々の生活がもっと楽しく、もっと豊かになることを願い、そこに貢献できる事業を考えて提供していきたい、という思いです。ミッションの全文は以下のとおりです。

Life + more fun

便利なモノで、楽しいコトを、世界中のヒトに

旅行・遊び・グルメ・スポーツ・学びなど、世界はさまざまな「楽しいコト」に満ちています。
わたしたちは、ITサービスを通じてあふれる情報の中から、一人ひとりにぴったりな「価値」を見つけるお手伝いをします。
いつでも、どこでも、だれでも「楽しいコト」を発見できる生活に。
見つける過程はシンプルに、体験はリッチなものに変え、心豊かな日々の提供を目指します。

私たちだけではなく、外部の方がご覧になったときも理解を深めていただけるような表現にしています。

編集部

LCLさんの社員の思いが込められている、素晴らしいミッションだと感じます。地引さんはミッションをご覧になった時、どのように思われましたか?

地引さん

ワークショップで一緒に考えてきた一人として、LCLの社風やカルチャー、社員が抱く価値観、サービスや関わる人への想いをうまく言語化できたと思っています。

現在のフェーズは若手育成。社歴、年齢に関わらず大きな裁量を持てるのがLCL流

編集部

MVを社員目線で考えるなど、社員が中心となって企業文化を作られているLCLさんには、どのような社員が活躍されているのでしょう。まずは社員数と平均年齢を教えていただけますか?

浅香さん

現在の社員数は43名、平均年齢は部署によってバラツキはありますが、38歳となっています。年代として20代から60代と、幅広い世代の社員が在籍しています。中でも平均年齢34歳のエンジニアチームは、若い世代が多く20代〜30代前半で8割を占めています。

全体としては若手が育ち、マネジメントを行うことが理想と考えているため、若い世代の採用と育成に注力しています。

編集部

LCLさんで活躍している若手社員の働き方に関する特徴などがあればお聞かせください。

浅香さん

当社はほとんどの社員が中途入社なので、若手、ベテランに限らず社歴や年齢を意識することはほとんどありません。若手であっても裁量を持って仕事に邁進することができ、成果を上げれば評価する仕組みとなっています。

編集部

若手社員は周囲のサポートを得ながら裁量を持って仕事に向き合うことでスキルを磨き、自己成長もできるというわけですね。

入社1年目エンジニアの現在地。丁寧なヒアリングが目指すキャリアを後押し

株式会社LCLのシステム開発部バックエンドエンジニアの地引さん
▲入社から1年を迎えた地引さんはエンジニアとしての成長を実感。複数のプロジェクトリーダーを担っている

編集部

地引さんはバックエンドエンジニアとして昨年入社されたとのことですが、携わった業務の他、LCLさんのカルチャー、風土を感じたエピソードなどがあればお聞かせいただけますでしょうか。

地引さん

入社当初は小さなタスクから始まり、サポートを得ながらキャッチアップをし業務にあたっていました。最も印象に残っているチャレンジングな仕事が、入社から半年ほど経った時に携わったChatGPTのプラグインを作るプロジェクトです。立候補をしてメインメンバーとして参画できたことで、当社の若手を後押しする文化を実感しました。

また、最近ではマネジメント志向の私の意向を上司が汲み取り、採用広報プロジェクトのリーダーや、サービスのコンセプトを見直すプロジェクトにも参画しています。私自身はエンジニアですが、開発業務だけではなく、マネジメント業務にも積極的に参加できることにやりがいを感じます。

編集部

LCLさんでは地引さんのようにエンジニア採用であっても採用広報やサービス改善などのマネジメント業務に携わりたい方、エンジニアとしてスペシャリストを目指したい方といったように、目指すキャリアを実際の業務に反映するカルチャーが根付いているのでしょうか?

地引さん

おっしゃる通りです。定期的に行われる1on1による面談の場で、上長やマネジメント層のエンジニアと話をし、キャリアパスを相談することができます。

スペシャリストになるために必要なスキルや、バックエンド、インフラの業務に携わりたいなどといった意向を汲み取ると同時に、メンターのようにサポートする者もいるので、目指すキャリアに向け、しっかりステップを踏みながら成長する環境が整っています。

スクラム開発による柔軟性を持った開発環境と、ChatGPTプラグインへの挑戦

株式会社LCLのサービス「格安移動」のChatGPTプラグインを利用したイメージ画面
▲ChatGPTプラグインを利用した「格安移動」のイメージ画面

編集部

続いて、LCLさんのエンジニアの業務内容について伺います。システム開発部に所属する地引さんは、どのような業務を担当されているのでしょう。仕事への思いや、やりがいなどと合わせてお聞かせください。

地引さん

私が携わっている「格安移動」は、高速バスと飛行機、新幹線の価格を比較できるサイトとなっています。

旅行が好きな私ですが、料金や移動方法をさまざまなサイトを見て検討することは面倒だと感じることがあります。全体を一括で比較できる当社の「格安移動」は、ミッションにもあるように見つける過程をシンプルにするサイトです。旅行の楽しさの純度を上げるサービスを心がけ、業務に向き合っています。

編集部

バックエンドエンジニアである地引さんの具体的な業務内容についてお聞かせください。

地引さん

主にバックエンドをメインで担当しています。とはいえ、当社の開発手法はスクラム開発なので、バックエンドとフロントエンドは明確に分かれていません。例えば、私がフロントのReactのこの部分を使いたいという要望を伝えると、タスクを振ってもらえるというように、柔軟に業務にあたっています。

また、メインメンバーで参画したChatGPTのプラグインを作るプロジェクトでは、エンジニアとして最先端の技術に触れることができた、価値ある経験でした。

これまで、API開発やバックエンド領域、エンド領域はある程度触ってきたものの、ChatGPTのプラグインを作ることは私にとって未知の領域だったので、大変な部分はありましたが、担当する「格安移動」でリリースできたことは自信にもつながりました。

編集部

地引さんのチャレンジは、「格安移動」を利用するユーザーへの、より便利なサービスの提供にもつながったというわけですね。

適度な緊張感とシニアエンジニアとの1on1ペアプロが成長を促進

編集部

地引さんにお聞きします。前職と比較し、LCLさんの開発環境はいかがですか?

地引さん

とても働きやすい環境が整っていると感じます。例えば納期です。納期が定められていないと気の緩みが生じ、エンジニアとしての成長が滞ってしまうことがありますが、当社はスクラム開発で2週間というスパンと、明確にやるイシューを決めます。

加えて、リアルタイムの進捗具合を、日々すり合わせることで、適度な緊張感を持って仕事に向き合うことができます。自由の中にも緊張感がある環境は、エンジニアとしての成長にもつながっています。

編集部

エンジニアのスキルアップを目的としたサポートなどはありますか?

地引さん

Udemy(※)や書籍購入の補助などに加え、インフラ領域を極めたい場合などは、シニアエンジニアが週1回、1on1でペアプログラミングの時間を作ってくれるサポート体制があります。エンジニア組織としてのバックアップが手厚いことが、LCLの特徴だと感じます。
※Udemy:米国法人Udemy, Inc.が運営するオンライン学習プラットフォーム

当社はメンター制度が確立されているわけではありませんが、知りたいこと、わからないことをフラットに聞きやすい環境なので、気軽にSlackやMeetで相談でき、シニアエンジニアの思考を学べて成長を実感できます。

心理的安全性の高さの背景にある、違いをリスペクトするカルチャー

編集部

地引さんは消防士からエンジニアに転身されたとのことですが、LCLさんに入社をして感じた率直な思いをお聞かせいただけますでしょうか。

地引さん

まず挙げられるのが、組織としての心理的安全性の高さです。制度があって、それに伴う雰囲気ができているのではなく、社風として根付いているように感じます。エンジニアとしての実績や経験年数、スキルに関係なく、人に対するお互いのリスペクトが高いことが最も強く、心理的安全性につながっていると思われます。

編集部

スキル以上にまずは人としてリスペクトしているからこそ、業務もスムーズに進行し、教え合うということもできるというわけですね。そのような社風のLCLさんにジョインすることで、エンジニアはどのような成長機会を得られると思われますか?

地引さん

心理的安全性が高いため、自由に仕事ができ、やりたい仕事をやらせてもらえることが成長要因として挙げられます。また、キャリアを築いたロールモデルがいることもエンジニアの成長機会につながっていると感じます。

2年後、5年後、10年後に目指す上司や先輩のキャリアパスが明確なので、将来設計がしやすいことも当社の魅力です。

編集部

マネジメントやエンジニアのスペシャリストなど、さまざまなロールモデルが身近にいることは、モチベーションアップにもつながりますね。

シャッフルランチ&スタッフリレーによる部署の垣根を超えたコミュニケーション

編集部

続いて、LCLさんのカルチャーや福利厚生などの制度についてお聞きします。1on1の他、チーム内外でコミュニケーションを図る際に使用しているツールや、制度などがあればお聞かせください。

浅香さん

コミュニケーションツールとしてはSlackを使用しています。以前から社内でリアルに会話をする機会が極端に少ない会社だったのですが、コロナ禍の際に多くの社員がリモートワークになったことでコミュニケーションがさらに希薄になりました。

このような実情に危機感を抱き、導入したのが「シャッフルランチ」という制度です。費用は会社が負担し、LCLで働く全員とまんべんなく対話の機会を設けるため、月1回実施されるランチ会です。

雑談を通してさまざまな人と話をすることで、円滑なコミュニケーションが生まれ、それをきっかけに仕事が進みやすくなったという効果が得られています。

また、新入社員向けのフォローアップとして、入社後すぐに仕事で関わるような者との名前と会話を一致させるための場としては、「スタッフリレー」というカジュアルな面談があります。3ヶ月後には別のメンバーとスタッフリレーをし、少しずつ関係性を広げてくような施策をしてます。

編集部

浅香さんと地引さんが、シャッフルランチで他部署の方と対話をしたことで、コミュニケーションや仕事に反映された実例などがあればぜひ、お聞かせください。

浅香さん

私の場合は、今までずっと一緒に仕事をしていたのに、「シャッフルランチ」で雑談をすることで、新たな一面を知ることができたという経験があります。それをきっかけにさらに会話が生まれ、円滑なコミュニケーションが図れるようになりました。

地引さん

エンジニアサイドとしては、他部署ではどのような課題や悩みがあるかをヒアリングすることに魅力を感じます。その声をプロジェクトに反映することで業務改善やより良いサービスの提案につながるといった、ビジネス寄りの会話もできるとてもありがたい機会だと思ってます。

編集部

なるほど。「シャッフルランチ」は雑談を楽しむ場でもあると同時に、その後の仕事にも役立つ情報交換もできるというわけですね。他に、コミュニケーションを目的とした制度があればぜひお聞きしたいです。

浅香さん

「シャッフルランチ」同様、コミュニケーションを円滑に図ることを目的とした「コミ(コミュニケーション)活」という制度もあります。規定の人数の社員が集まってどこかに行ったり飲み会などを開く際に補助を出す制度となっています。

編集部

「シャッフルランチ」や「スタッフリレー」「コミ活」など、コミュニケーションに関する制度を整えることで、社員の働きやすさに注力されているのですね。

高速バス比較サイト運営会社ならでは!高速バス利用料金を補助する「高速バスDay」

編集部

日本最大級の高速バス比較サイト「バス比較なび」を運営するLCLさんは、高速バスとの関わりが強い企業とお見受けします。バスを利用する際の補助制度などはありますか?

浅香さん

「高速バスDay」という制度があります。年度内で利用できる回数に制限はありますが、高速バスを利用して旅行を楽しむ際、福利厚生の一環として会社から補助金を支給しています。

使用率としてはそれほど高くないのが実情ですが、毎年一定数は制度を利用しており、バス旅行の魅力に気づいたという者もいます。

ハイブリッド勤務のリモートワークor出社の選択は自由

編集部

コロナ禍ではリモートワークによる働き方が多かったとのことですが、現在の働き方はどのようになっていますか?

浅香さん

基本的には各メンバー、各部署に任せているので、部署によってリモートワークと出社の割合はまちまちです。例えば、営業は比較的出社してる者が多く、私が所属する管理部でも週3〜4日は出社勤務をする者が多いです。エンジニアやメディアの担当者は、引き続きリモートワーク主体で業務にあたる者が多い印象です。

地引さん

エンジニアチームは担当するサービスにもよりますが、サービスによってはフルリモートワークに近い者もいます。私が担当するサービスでは、オフラインのスクラムイベントが2週に1回あるので、強制ではありませんができるだけ参加をし、コミュニケーションをとるようにしています。

編集部

仕事への裁量の大きさと同時に、働き方においても自由度が高いことがわかりました。

会社と、仲間と共に成長し、“なりたい”自分を叶えたい方を歓迎

株式会社LCL管理部人事担当の浅香さんと、システム開発部バックエンドエンジニアの地引さん

編集部

若手育成に尽力し、違いをリスペクトする社風が根付くLCLさんに興味を持った読者は多いと思われます。最後に、御社が求める人物像やフィットする人材について、メッセージをお願いします。

浅香さん

2006年に「夜行バス比較なび」のサービス名称でスタートした当社は、バスに関するサービスの拡張と、より良いサービスを提供していくため、2011年1月に会社を設立し、本格的な事業基盤を整えました。

既存サイトのさらなる価値を高めたり、新サービスの開発にも積極的に取り組む当社は、スタートアップのような体験ができる会社です。一方で、日本最大級の高速バス料金比較サイトを提供する安定性も有しており、会社と共に成長をしたいという方には存分に力を発揮できる環境と感じます。

MVの刷新のように、新たな企業文化を醸成するフェーズですので、そこに共感し、共に新しいことにチャレンジをする意欲のある方を歓迎します。

地引さん

エンジニアの観点からお話しすると、当社は自分の“なりたい”が叶えられる会社だと思います。

エンジニアとしてバックエンドを極めたい、違う領域にもチャレンジしたいなど、さまざまな“なりたい”に対して、しっかりとメンバーがサポートをし、バックアップをする体制が整っています。また、マネジメントとしてもその立場に立候補をすれば、プロジェクトを担うことも可能です。

ビジョンがはっきりした方は目指す方向に進むことができますが、キャリアパスがぼやけてうまく描けない方でも定期的な1on1などでコミュニケーションを取りながら、目指す道を見定めることができます。

このような環境で会社に貢献すると同時に、エンジニアとしてのスキルはもちろん、自己成長をしたい方とぜひ一緒に働くことができたら幸いです。まずはカジュアルな形でお話することも可能ですので、多くの方とお会いする場を作っていきたいですね。

編集部

LCLさんがコミュニケーションに力を入れ、社員の働きやすさややりがいに注力されていることに感銘を受けた読者、また、お互いをリスペクトする文化や、“なりたい”を叶えることができる御社の若手活躍を後押しする風土を魅力に感じた読者もいると思われます。

本日はありがとうございました。

■取材協力
株式会社LCL:https://www.lclco.com/
採用ページ:https://www.lclco.com/recruit/