育休取得を全面支援。互いに助けあい尊敬しあうGlobeeの文化

働き方や人材活用、企業カルチャーや行動指針などで独自性を打ち出し、注目を集めている企業をインタビューさせていただく本企画。今回はAIをフル活用し、効率的に学べる英語学習事業を展開する株式会社Globee(グロービー)にお話を伺いました。

株式会社Globeeとは

2014年6月に設立された株式会社Globeeは、AIをフル活用して効率的に学べる英語学習事業を展開しています。行動指針として掲げているのは「達成・成長・尊敬」の三つのキーワード。『役割ごとに目標を「達成」し、その結果「成長」に繋がり、そうした仲間を「尊敬」する企業文化』を会社として大切にしています。

会社名 株式会社Globee
住所 東京都港区東麻布1丁目7番3号 第二渡邊ビル4F
事業内容 アプリ事業:AI英語学習アプリ「abceed」

英語学校事業:AI英語スクール「ABCEED ENGLISH」

学習支援事業:反転学習プラットフォーム「abceed for school」
設立 2014年6月
公式ページ https://www.globee.io/

 

株式会社Globeeの特徴は、まず各チーム・各役割ごとにプロフェッショナルイズムを持ち、目標をやり遂げることを重要指針としながら、そうした仲間を尊重し、助けあえる文化が根付いていることです。

その一例として、会社で初めて育児休業を申請した男性エンジニアへのサポート状況や、子育て時間に配慮したフレックスタイム制などについて伺うとともに、独自のテレワーク体制や採用で求めている人物像などもあわせてお聞きしました。

本日お話を伺った方
石渡幹大さん

株式会社Globee
経営企画室採用広報マネージャー

石渡幹大さん

蔵下雅之

株式会社Globee
プロダクト開発部フロントエンドエンジニア

蔵下雅之

AIを活用して英語学習を効率化・最短化するアプリを開発

株式会社Globeeが提供する英語学習アプリ「abceed」の画面イメージ画像
▲英語学習アプリ「abceed」の画面イメージ

編集部

まずは事業内容からご説明をお願いします。

石渡さん

弊社はミッションとして「個人の可能性を最大化する」を掲げています。そのミッションを達成するため、AIをフル活用して効率的に英語を学習できるアプリやツール、サービスなどを開発しています。

その中でもメインの事業がAI英語学習アプリ「abceed(エービーシード)」です。これは市販されている700以上の英語教材コンテンツにアクセスできるアプリで、2022年12月には登録ユーザー数が300万人を突破するなど急成長しています。

この他にも反転学習プラットフォーム「abceed for school」を活用した学校法人・法人企業への展開や2021年からはAI英語スクール「ABCEED ENGLISH」(英語学校事業)を展開しています。

編集部

「abceed」は、どんな強みを持つ英語学習アプリなのでしょうか。

石渡さん

abceedは、英語学習サービスという側面を持ちながら、他の英語学習サービスと異なる点は、「コンテンツプラットフォーム」という立ち位置でサービス展開していることです。ここが一番の強みだと思います

英語教材の音声を無料で視聴出来る「無料モデル」と教材を1冊ごとに購入できる「単品課金モデル」の他、200以上の英語教材が使い放題になる「サブスクリプションモデル」を用意しております。

編集部

映像や音楽のサブスクリプションサービスの、英語教材版というイメージでしょうか。

石渡さん

そんな感じですね。英語教材を出版している企業各社様からライセンスをお借りして、そのコンテンツをユーザーの方にご提供しています。それに加え、AIを活用することでより効率よく学習成果をあげていただけます。主にTOEIC®︎や英検®︎でスコアアップを目指す方にご利用いただいており、トレーニングメソッドは基本的に試験の形式に対応しています。

また、学習最適化エンジン「abceed AI」を活用し、問題のレコメンドやスコア予測などを可能にしています。弊社が行った調査によれば、TOEIC®︎受験者様の85~90%の方にご利用いただいています。

2023年3月14日からは株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(以下 SPEJ)と業務提携し、SPEJが配給を行う映画やドラマを活用した英語学習機能もリリースしました。

株式会社Globeeが提供する英語学習アプリ「abceed」でアクセスできる英語教材のイメージ画像
▲「abceed」は700以上の市販英語教材にアクセス可能

社員数は2018年の2名から4年で20倍以上に拡大

編集部

事業の成長にともなって、社員数も急拡大中のようですね。

石渡さん

はい。2018年は2名でしたが、私が入社した2019年に5名になりました。そして2020年に13名、2021年に28名と増加し、2022年末で41名まで増えました。だいたい年間2倍ぐらいのペースで推移しています。とはいえ、まだ小さな規模ですし、拡大はこれからが本番だと思っています。

編集部

石渡さんは創業メンバーだけだった時代の、その次の時代に入社されたんですね。蔵下さんは何年に入社されたのですか。

蔵下さん

私は2021年に入社しました。先ほどご紹介したabceedの、WEB版のフロントエンド開発を担当しています。そして、このアプリを学校などの教育現場で使う際の、管理画面の開発にも携わっています。

3カ月の育児休業取得を会社が全面バックアップ

株式会社Globeeの社員3名によるミーティング風景

編集部

蔵下さんは、2022年に会社として第1号の育児休業を取得されたそうですね。

蔵下さん

はい。2022年5月から7月までの3カ月間、育児休業をいただきました。我が家は二人とも地方出身なので、育児で頼れる親戚や知り合いが東京にいないんですよ。

しかも共働きですし、「育児休業を取得したい」という話を以前から妻としていました。育児では先輩に当たる友人たちからは、「生後3カ月まではとにかく大変」や「夫婦二人でやらないと厳しいよ」と聞かされていたこともあって、取得するなら3カ月はいただきたいと思っていました。

編集部

会社にはどのタイミングで、育児休業取得の相談をされたんですか。

蔵下さん

入社前の面接のときです。代表の幾嶋(代表取締役社長の幾嶋研三郎さん)に、思い切って相談しました。そうしたら「会社として育児休業の実績はまだない。けれども取得するのなら、全力で応援する」と言ってくださったんですよ。とても心強かったですね。

編集部

取得第1号が男性というのは画期的ですね。実際に取得する段階になって、周囲のメンバーの方の反応はいかがでしたか。

蔵下さん

メンバーみんなが「ウェルカム」という雰囲気で、本当にありがたかったです。休業に入る前の準備段階でも、ずいぶんと協力いただきました。私が進めていたプロジェクトもすべて引き継いでくださったので、休業中は仕事のことを考えずに育児に携わることができました。

幸せを本当に実感。家族3人で過ごした3カ月

編集部

実際の育児はいかがでしたか。

蔵下さん

いやあ、大変でした。当時の社会情勢もあって、例えば自治体が主催する両親学級(※)にしても、参加は夫婦のどちらか1名のみに限られていました。私はあまり参加できず、そのまま育児に突入したので、最初のうちは失敗ばかりでした。
(※)妊婦とそのパートナーに、赤ちゃんの世話や出産、育児などの基本知識などを教えてくれる教室。

また、沐浴(※)のやり方にしても、YouTubeなどで事前に情報は仕入れていたのですが、実際にやるのとではまったく感覚が違いました。赤ちゃんの首がこんなにグラグラするとは思いもよらず、最初は本当に怖かったですよ。インターネットで情報を仕入れて、実際にやってみて、また調べ直しての繰り返しでした。
(※)ベビーバスなどにお湯を溜めて赤ちゃんの体を洗うこと。

編集部

初めてのご経験だけに、さまざまな苦労がおありだったと思います。それでも家族で一緒に過ごした3カ月間はいかがでしたか。

蔵下さん

育児の最初の段階から妻と二人でスタートを切れたことは、とてもよい経験になりました。お互いにわからないことを話し合ったり、工夫しあったりできました。それと、娘の日々の成長を間近で見られたのは大きかったです。それを一日中目の当たりにしながら、一緒に過ごすことのできた3カ月間は本当に幸せでした。

育児休業からの復帰で実感した助け合いのカルチャー

株式会社Globeeのオフィス風景

編集部

3カ月の育児休業期間を経て、復帰されたときの職場の雰囲気はいかがでしたか。

蔵下さん

復帰する少し前からSlackなどをのぞいていたのですが、「復帰直後から、すぐに即戦力になれるのか」という不安がありました。ところが実際に復帰すると、休んでいた3カ月間の出来事をチームのメンバーがまとめてくれていたんです。これを読んで、早期に復帰できました。

編集部

復帰のための準備を、事前にしておいてくれたんですね。そういうチームワークのよさに、御社のカルチャーを感じます。

蔵下さん

ありがとうございます。育児休業に入る前、チームのメンバーは5人だったんですけれど、何事もみんなで助け合いながら進めていました。その後、育児休業で私が抜けて4人になったわけですが、この穴をしっかりと埋めてくれていました。

本当はものすごく大変だったはずですが、そういう話は一度も聞かされていません。それよりも「育児はどんな感じだった?」というような、フレンドリーな対応ばかり。ブランクを気にさせない、そんな接し方をしてもらえて本当に感謝しています。

編集部

助け合いのカルチャーが根付いているのでしょうね。

蔵下さん

そうだと思います。弊社は行動指針として「達成・成長・尊敬」を掲げています。その中の尊敬の部分を、復帰してから強く感じました。お互いがやっていることを、お互いに信じあい尊敬しあっているんですね。そして助けあってゴールへと突き進む。今回はサポートしてもらいましたが、次は私がサポートする番だと思っています。

石渡さん

蔵下が話したように、弊社では「達成・成長・尊敬」という行動指針を、とても大切にしています。まずは、自分のやるべきことをしっかりとやること。それを実践していれば、会社が余計な口をはさむことはありません。

自分のなすべきことをひたむきにやり続け、その上でお互いに尊敬しあいましょうという文化なんです。掲げた目標に対してきちんとコミットをして、達成し、成長する。育児休業もその延長線上にあるということですね。

最近では、全社員に対して代表の幾嶋がビジョンやミッションなどを1時間かけて話すという取り組みも始めました。今後、組織が大きくなり、テレワークが増えて対面でのコミュニケーションが減ってくることを想定し、行動指針を新たに浸透させていく必要性を感じたからです。先日行った第1回大会では、幾嶋が自らの思いを本当に情熱的に語っていました。

子育てパパさんエンジニアによるLT大会を開催

編集部

育児に関するお話しを伺って、御社の姿勢がすごく伝わってきました。その他のエピソードがあれば、お教えいただけますか。

石渡さん

2023年1月に、子育てエンジニアたちのLT大会(※)を開催しました。弊社が主催し、うちも含めて7社が参加しました。ともに成長を目指そうという呼びかけのようなものですね。参加企業はスタートアップやベンチャーのIT関連企業ばかりでした。
(※)ライトニングトーク大会の略。短いプレゼンテーションのこと。

弊社からは蔵下が登壇し、他の企業の登壇者もみなさん、小さなお子さんを持ったエンジニアの方ばかり。子育てパパさんエンジニアに、子育てをしながらいかにIT企業でエンジニアとして働くかについて、いろいろと語ってもらったんです。一種の勉強会のようなイベントですね。

編集部

そのイベントを主催したきっかけは何だったんですか。

石渡さん

蔵下が復帰したタイミングだったことが、非常に大きなきっかけでしたね。スタートアップ企業やベンチャー企業のエンジニアが、育児休業を取得するのはまだ珍しいですし、もっと取得しやすい世の中になるべき、という思いがありました。

問題提起というとオーバーですが、同じ思いを持つ方たちと意識を共有し、ともに成長できればと考えたんです。最初はどのぐらいの方にお集まりいただけるか、見当もつきませんでしたが、結果として130人以上にご参加いただき大盛況でした。

出社は2週間に1度。子育て時間に配慮したフレックスタイム制

株式会社Globeeのオフィスにある書棚

編集部

次に、働き方についてお聞きします。御社はテレワークに積極的だとうかがいましたが、現状でどのような取り組み状況になっているのでしょう。

石渡さん

今は基本的に、全社員の出社が2週間に1回です。実を言いますと、今の弊社オフィスには18人しか収容できないという事情があるんです。社員数が40人を超えましたから、今は交代制で席を予約して出社するシステムになっています。

編集部

勤務時間はフレックスタイム制ですね。

石渡さん

そうです。コアタイムは11時から15時までです。そして所定労働時間が1日8時間なので、月間労働時間は20営業日なら160時間、21営業日なら168時間になります。この基本ルールにもとづいて、メンバーにはチームの状況や自らの生活スタイルなどに応じた勤務時間を組み立ててもらっています。

編集部

蔵下さんは子育てをしながら、どんな勤務時間にしているのですか。

蔵下さん

私は働く時間を早めにずらしていて、今は8時から17時を勤務時間にしています。17時から18時は子供をお風呂に入れたいので、それまでに仕事を終わらせています。ただ仕事中に子供が体調を崩し、病院に連れて行くこともあります。その時は中抜けして、その分、夜に働いています。

石渡さん

中抜けする方は男女を問わず多いですよ。役員の中にも17時から20時のスケジュールを常にブロックしている方がいます。子供を風呂に入れたり一緒に食事をとったりすると伺っております。

福利厚生の一つは英語を学ぶ機会が多いこと

株式会社Globeeの社員2名によるミーティング風景

編集部

福利厚生はいかがでしょう。御社ならではの制度はございますか。

石渡さん

これは福利厚生の一環と言ってもいいと思うのですが、弊社独自の制度として、英語を学ぶ機会の多さが大きな特徴になっています。まず弊社の主力事業である「abceed」を、社員は無料で使うことができます。

また、AI英語スクール「ABCEED ENGLISH」の英語コーチ陣や弊社に在籍するネイティブ社員陣、役員陣も英語が非常に堪能なメンバーが多いです。その為、全社を通して英語を学ぶ環境は潤沢にあるかと思っています。

この他には、「書籍・勉強会費用補助」や「リモートワーク手当」、「住宅手当」などの支給があります。

「自分の力を試したい」と思う方には、やりがいのある会社

株式会社Globeeの社員2名によるミーティング風景
▲メンバー全員が一人で二人分・三人分の働きをする気構え

編集部

最後に御社に興味を持った読者への、メッセージをお願いします。

石渡さん

そうですね。まず一番に言えることは「自分の力を試したい」と思っている方には、弊社は非常にやりがいのある会社だということです。先ほど言った通り「達成・成長・尊敬」という行動指針のもと、非常に筋肉質な組織運営を実践しています。

提供しているサービスに対して、常に少数精鋭で対応しているんですね。メンバー全員が一人で二人分・三人分の働きをする気構えで仕事に取り組んでいます。そういう社風に合う方でしたらメンバーとして大歓迎ですね。

弊社では「プロ意識」という言葉もよく使います。特定の分野で活躍されている方ですね。そういう方に、きていただきたいという思いもあります。プロ意識をしっかりとお持ちになった、目標達成意欲のある方にきていただけると、会社としては筋肉質の組織が、より一層レベルアップできるだろうと考えています。

蔵下さん

世の中の多くの会社にはまだ、育児休業が取りにくいという雰囲気があります。しかし、弊社では私が第1号としてその道を切り開きました。会社としては今後、二人目三人目を受け入れる体制ができあがったと思います。

ですからエンジニアに限らずですが、育児と仕事を両立させたいママさん・パパさんに、どんどんと入社していただけたらと思います。私も全力で応援しますので、その点は安心していただきたいです。

編集部

本日はありがとうございました。

■取材協力
株式会社Globee:https://www.globee.io/
採用ページ:https://globee.notion.site/