注目企業の躍進の理由や新しい働き方などについて、企業インタビューをしていくこの企画。今回は、IoTとFinTechを融合し世界の低所得層が金融サービスを受けられるようになる金融包摂型FinTechサービスを手掛けるGlobal Mobility Service株式会社にインタビューしました。
世界的に高い評価を得ている「Global Mobility Service株式会社」
Global Mobility Service株式会社は、「真面目に働く人が正しく評価される仕組みを創造する」をビジョンに掲げ、金融包摂型FinTechサービスを展開しているスタートアップ企業です。
グローバルに事業展開をしており、日本国内以外にASEAN各国(フィリピン・カンボジア・インドネシア・韓国)に拠点を持ちます。
事業活動がSDGsに貢献していると、G20で「持続可能かつ包括的な成長に貢献する国際ビジネス事例」として採択されるほか、2019年にグッドデザイン金賞、2020年に経済産業大臣賞を受賞するなど、高い評価を得ています。
会社名 | Global Mobility Service株式会社 |
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住所 | 東京都千代田区神田紺屋町15 グランファースト4F |
事業内容 | 車両遠隔起動制御IoTデバイス「MCCS®」、データ分析プラットフォーム「MSPF®(モビリティサービスプラットフォーム)」を活用した金融包摂型FinTechサービスの提供 データの二次活用サービスの提供 |
設立 | 2013年11月25日 |
公式ページ | https://www.global-mobility-service.com/ |
今回は、Global Mobility Service株式会社の小田さん、長尾さん、藤元さんにお話を伺いました。SDGsと直結した事業内容や、グローバルな環境でのエンジニアの働き方などについて尋ねています。
SDGsに直結した、唯一無二のビジネスモデルを構築
編集部
Global Mobility Service(以下、GMS)さんの事業は、SDGsとの関わりが深く、社会からも高い評価を得られています。まず、御社の事業の特徴を教えてください。
藤元さん
特徴はいくつかありますが、その中でも最大の特徴だと考えているのが、SDGsと事業の結果が直結していることです。
世界銀行の調査によると、世界には銀行口座がなく、金融サービスにアクセスができない貧困層や低所得層の方が約14億人もいます。その方々がGMSのサービスによって金融サービスへのアクセスができるようになると、いずれは貧困からの脱出に繋がります。
弊社では、低所得・低与信の人たちをターゲットにしており、SDGsの「貧困をなくそう」をはじめ7つの目標達成に直結貢献するようなビジネスモデルになっています。
従来では、経済合理性と社会課題解決を両立させた「社会貢献型ビジネス」は非常に難しいものでした。
GMSの事業は経済合理性と社会課題解決が両立できる、持続可能なビジネスモデルということで、国内外から評価していただいております。
編集部
GMSさんの事業内容について詳しくお聞かせいただけますか?
藤元さん
車両のエンジンを遠隔で起動制御できるIoTデバイス「MCCS」、車両状況をリアルタイムで管理し、様々なデータを集めて分析・可視化する「MSPF」を独自開発し、これらを用いたFinTechサービスを提供しております。
我々がターゲットとしている、貧困層や低所得層の中には、車さえあれば働くことができるという方がいます。しかし、信用がないためにローンが組めず、車を持つことができません。
GMSのサービスを活用することで、従来ローンやリースを利用できなかった方も自動車ローンを組むことができます。
万が一返済が滞っても「MCCS」でエンジンを起動制御し、支払いを促し与信につながる行動につなげます。多数の金融機関と連携しているので支払い完了後には、すぐに車が使用可能になります。
そして、「MCCS」から取得した様々なデータを「MSPF」で分析して、ドライバーの働きぶりを可視化します。そのデータがドライバーの与信に繋がり、将来的に教育ローンなど金融サービスを活用する機会を創造しています。
「MCCS」「MSPF」は特許を取得しており、唯一無二の事業を構築しています。
事業内容と仕事を通して実現したいことが一致している社員が多い
編集部
御社で働くやりがいはどんなところが挙げられるでしょうか?実際に社員さんからの声があれば教えてください。
藤元さん
弊社には、社会課題に対して熱い思いを持った方が入社してきております。自分がやっていることと、それによって実現することが一致しているため、モチベーションが高いメンバーが揃っていると思います。
お客様と直接関わる営業職などのメンバーは、特に自分の仕事がターゲットの方や社会に貢献していることを実感しやすく、やりがいを得ることができています。
エンジニアなど仕組みを形にするメンバーも、難しいことに挑戦するモチベーションを感じたり、自分なりのやりがいを見出したりしています。
編集部
ユーザーの方のリアルな声を聞くことができる機会もあるんですよね?
藤元さん
はい。弊社では、ローンを完済したドライバーに向けてパーティーを開催しています。
そのパーティーでは、ドライバーの方やそのご家族に、GMSのサービスを活用したことによってどのように困難を乗り越えられたか、どのように生活が変わったかをスピーチしていただいています。
我々がずっと取り組んできた社会貢献の成果が、目に見える形で感じることができる機会です。
編集部
パーティーの動画を拝見しましたが、GMSさんのサービスで貧困から抜け出せたり、お子さんに教育を受けさせることができたりと、ユーザーの方々の抱える課題の本当の解決に繋がっていることがわかりました。
グローバル展開を行うGMSだからこそのエンジニアの魅力とは
編集部
では、エンジニアというテーマについて、詳しく伺っていきたいと思います。GMSさんで技術者として働く魅力をお聞かせください。
長尾さん
自分たちが運営しているサービスの裏に、きちんと人がいて、その方々の役に立っていることを感じられることですね。
利用者が増えていることがデータでもわかるし、対外的にプレスリリースも出てるところから、自分たちは社会的に意義があるものを開発していることを実感できています。そして、そのことが折に触れてわかるのは非常に良いところだと思います。
小田さん
個人的に一番強く思うのは、日本だけでなく様々な国で事業展開をしていて、グローバルに役立つようなサービスを作れるというやりがいを感じられる点です。
また弊社はフィリピンやカンボジア、インドネシアをはじめ、世界でも事業展開しています。各拠点にも技術者の方がいますので、その方たちと国を超えたやりとりをしています。
グローバルな環境の中でコミュニケーションをとりながら働くのは難しい部分もあります。しかし、エンジニア視点での新たな気づきややりがいを得ることができたり、自分の価値観を見直すきっかけにもなっています。
ユーザーと関わる機会の少ないエンジニアも、直接生の声が聞ける
編集部
グローバルな環境だからこそ得られるやりがい、魅力はなんでしょうか?
小田さん
やはり、先ほどお話にも上がっていた完済パーティーですね。主にエンジニア目線からは、普段の仕事の中で一般のユーザーの方に感動を与える機会や、リアルな声をきくことはなかなか貴重なことだと思います。
日本のサービスの中で、そうした機会があるというのは聞いたことがありませんでしたし、実際に機会を得ることはありませんでした。
GMSはグローバルに事業展開をしており、貧困層の方や「生活を良くしていきたい」という思いがある方たちがメインターゲットです。
GMSのサービスに対して本当に強い思いを持っていただいていますが、それは日本だけでは感じづらいのではと思うこともあります。
しかし、グローバルに展開することで、自分たちがやっている仕事を待ち望んでいる人がいて、事実そうした方々や社会に貢献できていることを感じられているのだと思います。
アジャイル開発を採用。開発からサービス提供まで一気通貫で行う
編集部
では次にGMSさんの開発スタイル、開発手法、どういう言語を使っているのか、どういった開発環境でいらっしゃるのか教えていただけますか。
小田さん
開発手法の話をしますと、弊社ではいわゆるアジャイル開発のようなスタイルを取っています。
GMSではものづくりからリリースまで、一貫して自社で行っています。そのため、事業に関わるメンバーが近くにいながら、サービスの構築ができるような環境です。
エンジニアの立場からは、実際に仕組みを作る際に社内からいろいろな意見をもらうことができるというメリットがあります。
多様なメンバーの意見をスピーディーに取り入れながら、短期間で見せられる形のものを作って、フィードバック・改善を繰り返して開発を進めております。開発期間としては、大体1〜2ヶ月ほどです。
編集部
アジャイル開発となると、スピード感を持って次々に新たなことに挑戦していける環境だなと思います。そうした環境だからこそ、成長の機会が得られる面もあるのでしょうか?
小田さん
そうですね。あと弊社のエンジニアは幅広い業務範囲を担当しますので、多様な経験を積むことができ、成長できる機会がたくさんある環境だと思います。
弊社が求めているのは、ソフトウェアエンジニアと言われる、ソフトウェアで仕組みを作っていく技術者です。
ただ物を作るだけではなくて、実際に仕組みを使うユーザーにヒアリングして、その要望からどういう仕組みを作ればいいかを考えるところから携わります。
早い段階からものづくりに関わり、ユーザーのことを考えながら仕組みを作っていきますので、知識や経験、スキルをどんどん培うことができます。
自主的に資格取得や勉強会を行うなど、成長意欲が高い人が集まる
▲実際に行われている勉強会の画面
編集部
エンジニアの皆さんの雰囲気や、チームの雰囲気はいかがでしょうか?
小田さん
結構若いメンバーもいて、成長意欲が高い方が多い環境です。自ら資格取得のために勉強していたり、自主的に集まって勉強会を開いたりしているメンバーが多いですね。
ソフトウェアエンジニアの場合ですと、社外で勉強会が開催されています。社内に何か取り入れられないか、改善できるようなことがないかを考えて、自分の意思で参加するメンバーも少なくありません。
弊社はスタートアップ的な側面もあるので、仕組みとしては整っていない部分もあります。それをデメリットとして捉えるのではなく、むしろ整っていないところを「自分で切り開いていく、構築していこう」という思考を持った人たちが多いと思います。
なので、自分で勉強して会社や事業を変革していく、自らを成長させていく、といったモチベーションを持っているメンバーがたくさんいる環境だと感じています。
編集部
資格取得や社外の勉強会への参加に関して、会社から何か支援はあるのでしょうか?
小田さん
はい、資格取得支援制度がありますので、受験費用や教材・書籍の購入費を補助しています。
また、社外の勉強会に関しても、参加目的や社内へ還元できることを確認して、有用性を認められれば参加費用の補助がされます。
編集部
成長意欲が高い方々がいて、かつ勉強等を後押しする制度が用意されていて、相乗効果で社員さんとしても企業としても成長することが出来ているのだろうと思いました。
”7つのバリュー”に沿った行動・体現しているメンバーが多い
▲社内イベントの様子
編集部
エンジニアさんに限らず、御社の雰囲気や根付いている文化について教えてください。
藤元さん
GMSでは「モビリティサービスの提供を通じ、多くの人を幸せにする。」という経営理念の下に、行動指針となる7つのバリューを定めております。私たちは「7Spirits」と呼んでおり、それに沿って行動しているメンバー、体現しているメンバーが多いです。
例えば、7Spiritsの中に経営者意識があります。よく「経営者意識を持って」と言われても、拒否反応が出てしまう方もいらっしゃると思います。
GMSという会社では、本当に社員1人1人が経営者的な目線で社会課題を捉えて、「自社がしていくべきことは何か」という考えを持って業務に取り組んでいます。そういった意味でも、挑戦心が根付いている組織だと思います。
編集部
エンジニアさんの中では、どのように7Spiritsの体現がなされていますか?
小田さん
エンジニア視点での7Spiritsの体現というと、「機会提供」というメンバーが自主的に何か取り組むことに対して、特に制限を設けず、むしろ支援するところですね。
勉強会に自主的に取り組んだり、各メンバーそれぞれが日頃の業務の中で得られた技術的な知識や社外の勉強会で得られた新しい情報のアウトプットをしたり、ということを盛んにやっています。
情報のアウトプットだけではなくメンバー間での共有も行っています。ドキュメント管理ツールの「Notion(ノーション)」で、オープン記事の形で公開しており、他のメンバーからフィードバックを得る機会にもなっています。
こうした取り組みは上の方から言ったわけではなくて、各メンバーから自主的に「やりたい」と提案があり、始まった取り組みです。
▲実際にナレッジ共有を行っている画面
周りからの応援もあり、チャレンジがしやすい風土がある
編集部
お話をお伺いしていると、社員さんが積極的に挑戦されていると感じます。チャレンジがしやすい風土が醸成されているのでしょうか?
藤元さん
そうですね、本当にチャレンジがしやすい環境です。よく代表(Global Mobility Service株式会社の代表取締役社長CEOの中島徳至さん)も「やりたいと手を挙げた場合には、本当にそれをやれる場所」と話しています。
往々にして新しく始めたことは、うまくいかないことの方が多いです。弊社では「うまくいかないのは当たり前」という考え方が根付いているので、挑戦して失敗したとしてもそれについてどうこう言うことはありません。
むしろ「これに困ってるんだけど、ちょっと手伝ってほしい」と声をかけると、協力してくれるメンバーばかりです。本当に挑戦することについては、みんな応援してくれる風土があるように感じます。
編集部
チャレンジを後押ししたり、失敗しても責めたりしない環境があるからこそ、社員の皆さんが自主的に動けていて、成長する機会をたくさん得ているのだと感じました。
「明るさ・素直さ・プラス思考」を持つ人を採用していきたい
編集部
それでは最後に採用についてお伺いしたいと思います。GMSさんにフィットする人物像や、一緒に働きたい人物像をお聞かせください。
藤元さん
まず、理念に共感してくださる方が大前提です。弊社事業の社会貢献性の高さを理解してくれて、かつ「これから一緒にGMSを盛り上げていきたい」「世の中の貧困をなくしていきたい」という思いを持っている方に来ていただきたいです。
弊社のバリュー「7Spirits」に当てはまるものが多い方は、特に活躍できるのではと思っています。
我々の事業は、世界の190の国、地域のどこへ行っても通用すると思います。しかし、手が足りておらず、まだまだ全世界への展開は実現できていません。
当事者として「自分が事業をどんどん大きくしていくんだ」「世界の貧困問題、社会問題を解決するんだ」という強い思いの方が来てくださると非常にありがたいです。
今のフェーズだからこそ、10年後や20年後にその効果が感じられると思います。それをチャンスだと捉えて、スタートアップの段階を楽しんでいただける方に、ご参画いただければ嬉しいです。
藤元さん
採用の時には、必ず社長が面接に参加しています。常々、社長からは「必ず三つのものを持ってることをベースとしてほしい」というオーダーをされます。
三つのものとは、”明るさ”と”素直さ”と”プラス思考”です。もちろん理念共感は前提で、加えてこの三つを持っている人を部署に関わらず求めています。私達が掲げている「7Spirits」を体現するためには、そういった要素が必要であると考えています。
GMSでは、答えのないものにチャレンジしているので、失敗することも多々あります。失敗したときに、いかに自分を再度奮い立たせられるか、めげずにチャレンジしていけるかが重要です。
ですので、先ほどの三つの要素を持っている方、そしてチャレンジ精神をお持ちの方がGMSにフィットしますし、ぜひともご一緒したい人物像です。
編集部
GMSさんには社会貢献がしたい方、成長意欲が高い方が揃っていて、発言を恐れる必要がなく自信を持って挑戦できる環境が根付いていらっしゃいます。
だからこそ、本当に世界中が欲しているサービスを提供でき、高い評価を得ることが出来ているのだと感じました。
GMSさんで働くことに興味がある方やSDGsに深く関わる事業に携わりたい方は、ぜひ公式ホームページなどをチェックしてみてはいかがでしょうか。
本日はありがとうございました。
■取材協力
Global Mobility Service株式会社:https://www.global-mobility-service.com/
採用ページ:https://recruit.global-mobility-service.com/