若手の活躍を促し、独自のビジネスを展開しながら成長を続ける企業をインタビューする本企画。今回は、企業のグローバル化・クロスボーダープロジェクトの支援事業を展開している株式会社エナジャイズにお話を伺いました。
株式会社エナジャイズとは
▲企業がグローバルビジネスを展開する上で障壁となりがちな分野について支援サービスを展開している(公式ページより)
株式会社エナジャイズは、外国籍高度人材雇用支援事業やグローバルビジネスの展開を考えている企業の人財育成・組織開発事業支援事業などを展開しています。
掲げているビジョンは「ONE SMALLER GLOBE By Contributing to Education & Talents worldwide」。人財採用や風土の構築など、企業がグローバル化する上で浮上する課題を解決するべく総合的に支援しています。
会社名 | 株式会社エナジャイズ |
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住所 | 東京都新宿区新宿一丁目18番9号 パディアイルカテリーナビル6F |
事業内容 | ・外国籍高度人材雇用支援事業 ・人財育成・組織開発支援事業 ・大学国際化支援事業 ・海外視察・進出支援事業 ・多言語翻訳・デザイン/クリエイティブ事業 |
設立 | 2009年4月 |
公式ページ | https://www.energize.co.jp/ |
株式会社エナジャイズはシンガポールなど海外に3拠点を持っており、年齢に関係なく当たり前のように社員が海外を飛び回っています。社員それぞれがさまざまな国で活動しているため、自然とリモートワークも普及しているのです。
同社のカルチャーや、受け入れているインターン生の活躍ぶりなどについて、代表取締役の尾崎太朗さんにお話を伺いました。
企業のグローバル化で障壁となる分野について一括で支援
▲「採用」「研修」「大学」という3つの軸でサービスを展開している(公式ページより)
編集部
初めに、エナジャイズさんの事業内容について伺わせてください。
尾崎さん
エナジャイズはグローバルビジネスを展開している企業向けの支援事業を展開しています。サービスの軸は「採用」「研修」「大学」の3つです。
まず、採用において手掛けているのが、外国籍の高度人材雇用支援事業です。グローバルビジネスを展開する上で必要となる人財像についてクライアントにお伺いし、要望に合わせて世界中から外国籍人財の採用のお手伝いをさせていただいております。
例えば、創業時からコアサービスとして取り組んでいる、海外在住の外国籍人財を各クライアント企業ごとのニーズに即して世界中から迎えるプロセスをプロデュースしたり、海外に留学している日本人留学生を採用するためのプロジェクトの企画・設計や、世界各国の大学で開催されているキャリアイベントを活用した選考プロセスの構築を支援するなどしています。
編集部
一般的な人財採用支援サービスでは難しい外国籍の人財採用という分野で支援サービスを展開されているのですね。ほかのサービスの軸についてもお教えください。
尾崎さん
研修の分野で展開しているのが、企業のグローバル化を視野に入れた人財育成・組織開発支援事業です。外国籍の人財を採用できたとしても、日本文化への理解や一定のレベルの日本語を習得していないと定着できないでしょう。
エナジャイズでは、提携している外国の日本語学校などと協力しながら、外国籍の人財が日本のグローバル企業で活躍できる支援を手掛けております。
また、逆に、グローバル展開を志される企業の既存社員がビジネスを展開する地域や国についての理解を深めることを目的とした、海外現地で実施する研修プログラムの設計・実施も担わせていただいております。
最後に、大学の分野については、日本企業と外国の大学の産学連携アドバイザリー・サポートを展開しております。
エナジャイズ自身が世界の大学と提携することもあり、例えばインドネシアの大学のビジネススクールと協力し、日本企業の社員に向けたリーダーシッププログラムを共同で提供していたりします。
編集部
あらゆる分野で、企業のグローバル化支援を手掛けているのですね。
尾崎さん
エナジャイズのコアメンバーは、人財採用・育成の分野に軸足を置いて経験を積んできた者が多いです。採用や育成の課題を事業戦略と関連付けて、企業のグローバル化において必要な支援をワンストップで請け負っているというのがエナジャイズのスタイルです。
採用軸はエナジャイズへの共感、20代のメンバーが集まる
編集部
エナジャイズさんの社員さんの年齢構成について伺わせてください。
尾崎さん
エナジャイズは私も含めた役員2名が40代ですが、それ以外のメンバーは全員20代です。ただ、若い人だから優先的に採用しているというわけではありません。エナジャイズはビジョンやミッション、私たちの事業内容について共感できるかというのを採用の軸に老若男女を問わず仲間として迎えています。
そういった観点で採用を進めた結果、今は若い方が多く採用されているという現状です。
編集部
エナジャイズさんの目指しているものに共感する人財を採用することで、結果的に若い方が多く在籍することになったということですね。企業のグローバル化を支援する事業を手掛けているということで、やはり外国籍の人財も多いのでしょうか?
尾崎さん
エナジャイズは日本以外にシンガポール、スリランカ、フィンランドに拠点を持っており、日本人以外にも、フィリピン、トルコ、ベトナム、ドイツなど外国籍のメンバーも多数在籍しております。日本の拠点にいるのは、私を含め9名のみです。
また、少なくともこれまでは、外国の拠点に日本人を駐在させるという方法は取っておらず、現地のことをよく知る外国籍のメンバーが海外拠点で勤務しております。
編集部
社内では日本語と英語どちらでやり取りをしているのでしょうか?
尾崎さん
エナジャイズのクライアントは、ほとんどが日系企業です。そのため、業務について8割は日本語でやり取りをしています。ただ、社内は日本語と英語のどちらも飛び交っていますね。
ただ、採用において英語スキルは必須としておりません。やはりエナジャイズへの共感が一番で、必要であれば入社後にツールとしての言語(英語)のスキルを身に付けていけば良いと考えています。
編集部
あくまでエナジャイズさんへの共感が採用の軸ということですね。
新入社員が海外に出かけるのは当たり前の風景
編集部
若い社員の方々が多いエナジャイズさんですが、入社経験の浅いうちから海外に出張することができるのでしょうか?
尾崎さん
エナジャイズでは新入社員でも海外に行く機会が多くあります。ただ、一般的な企業の「海外出張」とはイメージが異なるかもしれません。
一般的に海外出張というとある程度社歴を経て、スキルもあるような方が行くイメージがあると思うのですが、エナジャイズは日常の業務として海外に赴きます。
東京に拠点がある企業の新入社員が新宿や大手町などに仕事のために行くといっても、特別なイメージは湧きませんよね。エナジャイズで海外にいくというのは、ごく当たり前のことなのです。
そのため、メンバーは「海外の特定のこの場所で仕事をしたい」ではなく「世界中のどこでも仕事をする」という感覚で仕事に取り組んでいますね。
編集部
海外に出かけるのは特別な体験ではなく、日常的なものとして定着しているのですね。入社間もなく海外に出かけるというのは貴重な経験ですが、どう動けば良いか分からず尻込みしてしまうこともあると思います。エナジャイズさんの社員さんは海外でも積極的に動ける人財が揃っているのでしょうか?
尾崎さん
エナジャイズはまだ確立したものがないグローバルなマーケットでサービスを展開しています。そのため、全てのメンバーがアンテナを高く張って、現地で気づいたことや「こうすれば良い」という考えを持ち帰って共有し、社歴関係なくディスカッションすることで今後の発展に繋げることを大事にしています。
エナジャイズにいるメンバーは、自分を成長させるためにどうすれば良いかというのを自分ごととして捉え、実際に取り組む意欲に溢れた方々と言えます。
編集部
自分の成長のために自走できる社員さんが多いということですね。
社員それぞれの個性や強みを大切にすることで若手が躍動する
編集部
多くの若い社員さんが活躍されていますが、若手の活躍を促すようなエナジャイズさんのカルチャーや考え方はございますでしょうか?
尾崎さん
エナジャイズは決して大きい会社ではありません。そのため、すでに社内にある機能を活用して成長するだけでなく、一人ひとりが持っている強みを生かして会社にインパクトを与えてくれることをメンバーに期待しています。
エナジャイズの事業に貢献する領域を、社員自ら作ってほしいと考えていますね。
先ほどもお伝えした通り、エナジャイズが携わっているマーケットでは確立した答えというものはありません。そんな中で私も含め、社員は自分の足りないものを自分で、そしてメンバー間で補っていく必要があるでしょう。
エナジャイズのメンバーは、自分のことを振り返ってみて、一度した失敗は繰り返さない、またはうまくいったことはもっと大きな成功に結びつける意識を持つという文化が、根強く浸透しています。
編集部
社員の強みを活かすという姿勢が伺えます。さまざまな国籍の方が在籍されているということからも、社員さんを画一的な見方で評価しないという姿勢でいらっしゃるのでしょうか?
尾崎さん
グローバルなフィールドにおいては、一律で日本人らしさを掲げてもうまくいかないことが多いため、日本らしさに固執せず、さまざまな国籍のメンバーを迎えています。
もちろん評価の一定の目安値というのは設けていますが、それぞれの良さや個性を認めながら事業を進めていくということを大切にしています。
編集部
それぞれの個性を大切にしているからこそ、多くの若手社員が活躍されているのですね。
リモートワークをする上で大切にしている「説明責任」
▲必要に応じて積極的にミーティングをするなどして情報発信することを社員に求めている
編集部
社員さんが海外に飛び回っているということで、基本的にリモートワークで仕事を進めることになるのでしょうか?
尾崎さん
エナジャイズのメンバーは海外に移動することが多いので、日本拠点にいるメンバー全員が一堂に会するという機会は少ないですね。なので、コロナ禍前から基本的にリモートワークでも品質高く仕事に取り組むことを求めています。
エナジャイズは「成果責任」「成長責任」「説明責任」という3つの責任を社員に大切にしてもらいたいと考えています。例えリモートワークで誰にも見られず仕事をしていたとしても、責任を持って成長し、成果を上げ、コミュニケーションを取ってほしいと思っており、評価の軸にも含めております。
編集部
説明責任とは社員間でのコミュニケーションに関わる部分だと思いますが、もう少し詳しく伺わせてください。
尾崎さん
説明責任については、社員に「こちらから何かアクションをしなくても他の人に気づいてもらえるという考え方に頼らないようにしよう」と伝えています。
何かをわかってもらうためには、発信する必要があります。何か目的があれば会議の場を設けていますし、必要に応じて自分から社員同士の打ち合わせの機会を作ってほしいと考えています。
編集部
自分から発信することを大切にしてほしいということですね。日常的に発信する場を設けているのでしょうか?
尾崎さん
エナジャイズでは、代表である私を含めメンバー全員が社内チャットで自分のやった仕事の成果やプロセス、あるいは気づき等について共有する文化があります。そうすることで、同じ場所にいなくとも、互いが今どんな仕事に取り組んでいるのか知ることができるのです。
メンバー同士の思いや考えがわかることで、従来経験していないことだとしても、何か判断をしなければならないときに多様な観点から判断し新たな価値を生み出しやすくなると考えています。
編集部
「あの社員が何をやっているのかわからない」という状況は極力起こらないようにしているのですね。
▲社内チャットで自分の近況について発信することを大切にしている
インターン生は「学生」ではなく一人のメンバーとして接する
編集部
エナジャイズさんはインターンシップの受け入れもされているとのことですが、現在何名の学生さんが参加されていて、どういった形で受け入れているのでしょうか?
尾崎さん
エナジャイズには現在2名の学生がインターンシップに参加しています。インターンシップに参加する方はエナジャイズに入社することを前提としていることもあれば、そうでないケースもあります。
エナジャイズは、決してわかりやすいサービスを展開しているわけではありません。そのため、入社前にどんな事業をしているのか体験してみたいと考えてインターンシップに参加される方もいらっしゃいます。
たとえ入社する意思はなくても、やる気にあふれていて自分のやりたいことがエナジャイズの事業とマッチしているという方は、1~2年次の方でも受け入れていますね。
編集部
インターンシップに参加される方は、どんな業務を担うのでしょうか?
尾崎さん
エナジャイズのインターン生には、業務体験というよりも実務を担ってもらっています。あまり「学生」という見方はしておらず、エナジャイズの立派なメンバーとして活躍してほしいと思っています。
もちろん最初は業務を支援する立場で活動してもらいますが、徐々に実務に取り組んでもらいます。これまではセールスマーケティング系の業務を担ってもらった方が多いですね。
ただ、少ないケースではありますが適性を考えた結果、世界各国のクライアントやパートナーに接する業務を担ってもらったこともあります。
インターン生については、これといった固定的な業務を任せるのではなく、その方のやりたいことや事業の展開具合の兼ね合いを見ながら適切なポジションを見つけていくことを大切にしています。
インターン生の提案は積極的に聞くなどヒエラルキーがない組織
編集部
インターン生とのコミュニケーションで心掛けていることはございますでしょうか?
尾崎さん
インターン生とのコミュニケーションにおいては、提案を積極的に聞くことを心掛けています。つい先日もインターン生からWEBマーケティングの施策について提案があったのですが、「どんどんやってほしい」と伝えました。
たとえ若くて経験がなくても、何かに気づくということは大切なことで、経験が長いメンバーでも気づかない新鮮な発想も数多くあります。そのため、インターン生には遠慮することなくどんどん提案してほしいですね。
編集部
社員やインターン生と尾崎さんとの距離の近さというのも提案しやすい雰囲気を作っている要因なのでしょうか?
尾崎さん
社員からは「代表との距離が近い」とよくいわれるのですが、それはエナジャイズがそれほど大きい組織でないため自然とそうなっているのだと思います。エナジャイズにはヒエラルキーはありません。それぞれ役割が違うだけで、プロジェクトごとにフラットに連携しています。
新入社員であれ私であれ、在籍何年目であれ、コミュニケーションを積極的に取っていこうというカルチャーが根付いています。
編集部
非常にフラットな組織にあるといえるのですね。
自分自身で成長する機会を作れる人財を求める
▲「新しいものを一旦受け入れて、その上で物事を考えられる方を歓迎したい」と話す尾崎さん
編集部
最後に、エナジャイズさんに興味を持っている方に向けてメッセージをお願いいたします。
尾崎さん
エナジャイズは、自分自身で成長する機会を作る意欲がある方を求めています。ただ口を開けて成長させてもらうのを待っているという方は、あまり向いていないでしょう。貪欲に自分の成長を追い求め、結果的に事業にも貢献できているという形が理想です。
また、自分の考え方に固執してほしくないとも思っています。エナジャイズはグローバルに事業を展開していますので、新しい価値観に触れる機会も多いです。新しいものを一旦受け入れて、その上で物事を考えられる方を歓迎します。
編集部
積極的に自分から動き、新しいものを貪欲に吸収していく方がエナジャイズさんで活躍できるのではないかと感じました。本日はありがとうございました。
■取材協力
株式会社エナジャイズ:http://energize.co.jp/
採用ページ:http://energize.co.jp/careers/