働き方に関する先進的な取り組みや、女性のキャリアアップをサポートする施策などで注目される企業にインタビューし、その魅力や特徴についてお届けする本企画。今回は産業医の紹介サービスを中心に、企業の健康経営をトータルサポートする株式会社ドクタートラストにお話を伺いました。
株式会社ドクタートラストとは
株式会社ドクタートラストは、「健康で、楽しく元気にはたらく人を増やす」を理念に、企業で働く従業員の健康管理に関連した事業を展開しています。
職場で労働者の健康管理などにあたる産業医を企業に紹介するサービスのほか、保健師や管理栄養士、公認心理師、精神保健福祉士などによる医療・健康管理事業、職場のストレスチェックの実施と、ビッグデータを用いて職場環境の改善策を提案するコンサルティング事業を手がけています。
会社名 | 株式会社ドクタートラスト |
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住所 | 東京都渋谷区道玄坂1-14-6ヒューマックス渋谷ビル2階 |
事業内容 | ・産業医による企業の健康管理指導 ・産業保健師・看護師による企業の健康相談 ・ストレスチェック実施者業務 ・心身の健康に関するセミナー業務 ・健康経営・人材育成・組織開発などのコンサルタント業務 |
設立 | 2004年9月 |
公式ページ | https://doctor-trust.co.jp |
様々な企業の健康経営を支えるドクタートラストでは、自らの職場でも率先して働き方改革を推進するための取り組みを行っています。
今回は、ドクタートラストで人事労務を担当する柳迫さんと、産休・育休を経て同社ストレスチェック研究所の課長として活躍する服部さんに、ワークライフバランスを促進するために導入されたユニークな制度や、職場の約7割を占める女性社員の活躍について伺いました。
産業医から職場環境コンサルまで、健康経営をトータル支援
編集部
まず最初に、ドクタートラストさんの事業についてお聞かせいただけますでしょうか?
柳迫さん
私たちドクタートラストは、企業で働く人たちの健康管理をサポートする事業を行っています。
メインとなる事業は、2004年の創業時から提供している産業医紹介サービスです。産業医とは、医学に関する専門的な立場から職場で労働者の健康管理などを行う医師のことで、健康診断の結果に基づいて、対象者への指導や面談などを行います。弊社では、上場企業から官公庁まで、様々な事業者様に産業医を紹介しています。
2015年には労働者のストレスチェック実施サービスにも参入しているほか、弊社で実施した160万人を超えるストレスチェックのデータを分析して職場環境の改善につなげるコンサルティング事業も行っています。
また、労働安全衛生法で労働者50人以上の事業場に義務付けられている「衛生委員会」の設置支援を実施しており、産業保健師などが衛生委員会で役立つ情報を発信する動画の配信も行っています。
編集部
近年、経営的な視点から従業員の健康管理を戦略的に実施する「健康経営」への関心が高まっていることもあり、働く人の健康を守るサービスの重要性もさらに増していきそうだと感じました。
ドクタートラストが重視する「企業と産業医のマッチング」
▲ドクタートラストさんの動画コンテンツでは、保健師などが企業の健康経営に役立つ情報を発信している
編集部
同様のサービスを展開する企業がほかにもあるなかで、ドクタートラストさんの強みはどのような点にありますか?
柳迫さん
産業医紹介サービスにおける一番の強みは、企業様と産業医のマッチングを大切にしている点です。
通常の紹介サービスの場合、紹介会社が産業医を1人選んで企業側に紹介するケースが多いのですが、弊社では、企業様のニーズや社風を理解したうえで、登録いただいている産業医の中から、その要望に応えられる先生を複数ピックアップし、企業様による書類選考や面談を通じて最も合う産業医を選んでいただいています。
編集部
ドクタートラストさんに登録している産業医の数は、全国1位の2,500人以上にのぼるということですが、様々なバックグラウンドの産業医を数多く抱えていることも、ミスマッチが生じない紹介を可能にしている理由のひとつかもしれませんね。
服部さん
そうですね。また、職場の健康に関するサービスをトータルで提供できることも、弊社の強みと言えます。産業医や保健師の紹介だけでなく、ストレスチェックの実施や職場環境の改善コンサルティングまで、健康経営に必要なサポートをまとめてご相談いただける体制が整っています。
編集部
健康経営を重視する企業が増えるなか、全国No.1の実績を持つドクタートラストさんの果たす役割はさらに大きくなりそうですね。
まずは自社から!ワークライフバランスへの取り組み
編集部
ドクタートラストさんは「健康で、楽しく元気にはたらく人を増やす」という企業理念のもと、職場の健康管理を支援していますが、自社でもワークライフバランスを意識した取り組みを率先して行っているそうですね。
柳迫さん
はい。働く人の健康を支える事業を行うのであれば、まずは自社の従業員から始めなくては、ということで働き方改革につながる様々な制度や福利厚生を導入しています。
弊社独自の時短制度や休暇制度、社員の要望を受けて設置した社内託児所、プレミアムフライデーやノー残業デーの導入などがあり、従業員1人ひとりに合った働き方を選んでもらうことで、「生産性向上」と「仕事と余暇の充実」を実現したいという思いがあります。
編集部
健康経営をサポートするドクタートラストさんだからこそ、自らがお手本となるような取り組みを率先して取り入れているんですね。
執筆活動をする人も!時短制度で副業・兼業を後押し
編集部
まず、時短制度について詳しく教えていただけますか?
柳迫さん
まず、特徴的な制度として、時短勤務があります。時短勤務というと、「育児中の社員が利用するもの」というイメージがあるかもしれませんが、弊社の場合は子育て社員だけでなく、副業や兼業をしたい人を後押しするための制度として、積極的に活用されています。
具体例としては、「時短正社員」として週20時間働きながら、それ以外の時間にエッセイやコラムを書いている社員もいます。入社当時はフルタイムで働きながら空いた時間に執筆していたのですが、次第にそちらのボリュームが大きくなってきたことから、時短勤務に切り替えたのです。
時短で働く曜日や時間は自分で決めることができ、この社員の場合は火曜と木曜がフルタイム、金曜は5時間出勤というスケジュールで勤務しています。
ほかにも様々な理由で時短で働くスタッフがおり、会社全体として副業や兼業に対して寛容な雰囲気が醸成されています。
編集部
こうした制度の促進には周囲の理解と後押しも必要になってくると思いますが、ドクタートラストさんのように一人ひとりに合った働き方を認め合う社風があれば、安心して利用できますね。
「元気がないとき」に使えるユニークな休暇あり
編集部
休暇についてもドクタートラストさん独自の制度があるということですが、どのような内容でしょうか?
柳迫さん
疲労回復やメンタルヘルスの不調を未然に防ぐことを目的に、有休とは別途、年5日利用できる「元気回復休暇制度」というものがあります。
この制度は「疲労蓄積時に休暇取得を推奨する社内文化醸成」、「疲労蓄積を早期に緩和することで、長期にわたる体調不良を予防」などを目的としており、業務に起因する心身の疲労以外にも、失恋やペットロスといった個人理由で取得することも可能です。
なお、本人が疲労や不調に気づいていない場合、上司が休暇の取得を促すこともできます。
編集部
時短や休暇の制度が充実しているので、それぞれの事情に合わせてメリハリをつけて働くことができそうですね。
第2金曜日はプレミアムフライデー。ノー残業デーの取り組みも
編集部
労働時間を減らす取り組みについては、どのようなものがありますか?
柳迫さん
まず、弊社では2017年に始まった「プレミアムフライデー」を現在も継続して実施しています。本来は月の最終金曜日ですが、弊社では繁忙期を考慮して毎月第2金曜日をプレミアムフライデーにして、15時終業としています。
編集部
みなさん、どのようなアフター3を過ごしているのでしょうか?
柳迫さん
私は子どもとゆっくり遊ぶ時間にしていますが、社内の仲間同士で買い物に行く人や、ジムに行く人など、それぞれの時間を満喫しているようです。
このほか、「ノー残業デー」を毎月2回設定していて、その日は積極的に声を掛けあって定時退社できるようにしています。また、「インターバル制度」というものもあり、勤務終了後から翌日の勤務開始までは11時間30分の休息時間を設けることを定めています。
編集部
健康経営をサポートする企業として、自社の社員の健康増進につながるような取り組みはありますか?
柳迫さん
オフィスでは毎日14時半になるとみんなで体操をしています。初めはラジオ体操をしていたのですが、今は動画を流しながら簡単にできるエクササイズで体を動かします。座りっぱなし解消になるだけでなく、社員からは「眠気覚ましになる!」という声も聞かれます。
また、法人契約しているスポーツジムの利用が月4回まで無料なので、利用している人が多いですね。
編集部
時短制度から社員の健康づくりまで、ドクタートラストさんには心も体もリフレッシュできる取り組みが整っていますね。
女性が7割の職場で、安心して活躍できる環境を整備
▲保育士が常駐する社内託児所「よつば保育室」は、子育て社員の要望から誕生した
編集部
ドクタートラストさんは、社員の約7割が女性だということですが、女性社員の活躍を後押しする取り組みとしてはどのようなものがありますか?
柳迫さん
代表的なものとしては、託児所を完備していることです。弊社は従業員数が100人に満たない規模の会社ですが、「早く職場復帰したい!」というお母さん社員の声を受けてオフィス内に託児所を設置しました。定員は3名で、正社員の保育士が常勤しています。
学校が夏休みの時期などに一時的に利用する社員もいて、仕事と子育ての両立や女性社員の活躍を実現するうえで大きな役割を果たしています。
編集部
子供を預けられる場所がないと職場復帰が遅れたり、離職するケースもありますが、ドクタートラストさんのような託児所があれば、安心してキャリアを継続できますね。
たくさんの女性が子育てしながらリーダーとして活躍
▲子育てをしながらストレスチェック研究所アナリストチームの課長を務める服部さん
編集部
服部さんも、産休や育休を経て、託児所を活用しながらキャリアアップした社員のひとりだと伺いました。
服部さん
私は新卒で入社して現在7年目(2023年7月時点)なのですが、入社2年目の時に産休・育休を取得しました。職場に復帰したあとは、社内託児所を利用しながら1年ほど時短勤務をし、現在はフルタイム勤務をしています。
編集部
服部さんは現在、どのようなお仕事を担当しているのでしょうか?
服部さん
「ストレスチェック研究所」という部署でアナリストチームの課長をしています。仕事内容としては、ドクタートラストでストレスチェックを実施した企業・団体のデータをもとに全国平均を集計したうえで、当該年度や業種単位の傾向を分析し、結果をプレスリリースなどで発信しています。
編集部
産休・育休を経て、現在はチームを率いる課長を務めているのですね。7割が女性のドクタートラストさんには、服部さんのように役職に就いている女性社員も多いのでしょうか?
柳迫さん
そうですね。時短勤務で子育てをしながら役職者としてマネジメントをしている女性社員もたくさんいます。
編集部
活躍する先輩ママさんが周りにたくさんいると、若手の女性社員たちも「将来のキャリア像」を描きやすくなりますね。
お互いの事情を理解し支え合うカルチャーが浸透している
編集部
託児所があること以外に、服部さんが子育てと仕事を両立するための後押しとなったものはありますか?
服部さん
周囲のサポートが大きかったと思います。まだ子どもが幼いため、熱を出して遅刻したり、早退および欠勤することもありますが、そんな時は同じチームのメンバーが快くサポートしてくれます。
初めの頃は突然休んだことで、周りに申し訳ない気持ちを抱くこともあったのですが、次の日に出社すると「娘さん大丈夫?」「看病、大変だったね」など、優しい声をかけてくれるんです。だから、私も「子どもの体調が悪い時は全力で子どものことに集中して、元気な時は全力で仕事を頑張ろう」と、メリハリをつけて前向きな気持ちで働くことができています。
柳迫さん
弊社には、それぞれが個別の事情を抱えて働くことを当たり前とする風土があると感じます。最近も役職のある男性社員が半年間の育児休暇に入りましたが、本人の希望を第一に考え、「みんなでサポートしよう!」という考えが浸透しています。
編集部
子育てをしながら働く女性として、限られた時間のなかでパフォーマンスを出すために服部さんが意識していることはありますか?
服部さん
どうすれば仕事を効率的に行えるかということを、いちばん意識しています。突発的な業務で残業が発生することもあるのですが、なるべくそのようなことが起きないように、常に物事の先を見越して動くようにしています。
編集部
課長としてチームを率いる立場になると、自分だけではコントロールできない部分も出てきませんか?
服部さん
チームのメンバーに対しては、それぞれの業務の進捗をこまめに把握して、コミュニケーションを密にとるようにしています。「この先、こういうことが起きるかもしれないから、それも考慮に入れて進めよう」と声をかけ、チーム全体として先のことを考えて動くクセをつけることで、生産性高く効率的に仕事を進めたいと思っています。
編集部
先を見越して効率的に動くという服部さんの姿勢は、子育て社員以外にも参考になりそうです。
仕事も子育ても両立できる環境で、力を発揮したい人を歓迎
編集部
最後に、ドクタートラストさんのお仕事に興味を持った読者の方に向けて、メッセージをいただけますか?
柳迫さん
私も時短勤務で仕事と子育てのバランスをとりながら働いているのですが、職場の理解を得ながら仕事を頑張っているからこそ、家にいる時は子どもと思いっきり笑い合って楽しめるという感覚があります。
出産や子育てをはじめ、様々な理由で仕事をセーブする必要が生じることがあると思いますが、弊社には働くお母さんに対するサポートが整っていますので、興味を持っていただける方には、ぜひご応募いただけると嬉しいです。
服部さん
私は新卒で入社して2年目で産休を取得し、今は課長としてチームを率いる立場にいます。時短勤務や社内託児所など、ライフステージが変わっても安心して働き続けることができる環境があるということは、自分自身の経験を通じて実感しています。
会社や仲間のサポートを遠慮することなく受けることができる環境で、自分の能力を発揮しながら一緒に楽しく働きませんか?
編集部
今回のインタビューを通じて、ドクタートラストさんの「働きやすい職場づくり」に対する真剣な姿勢が伝わってきました。産休や育休、時短勤務をしながらキャリアアップしているロールモデルがたくさんいる環境は、モチベーションの向上にもつながりそうだと感じました。
本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました。
■取材協力
株式会社ドクタートラスト:https://doctor-trust.co.jp/
採用ページ:https://recruit.doctor-trust.co.jp