ひとつの企業にフォーカスして、新しい働き方についてお伝えしていくこの企画。
今回は、若手の活躍が目覚ましい株式会社デジタル・ヒュージ・テクノロジーを取材させていただきました。「物を生み出す」「後輩の指導を行う」「声を出して人前で話す」の3つの柱を教育の基盤とし、幅広いフィールドで戦えるマルチプレイヤーを育成しています。
株式会社デジタル・ヒュージ・テクノロジーとは
「株式会社デジタル・ヒュージ・テクノロジー」は、ハードからソフトまで網羅したITのワンストップサービス企業です。「歌って踊れるプログラマ」というユニークな教育方針を掲げ、技術職だけでなく営業や講師など幅広いフィールドで活躍できる環境・制度を用意しています。
今回は、情報経営イノベーション専門職大学教員の顔も併せ持つ代表取締役・鵜川さんにお話を伺いました。株式会社デジタル・ヒュージ・テクノロジーの若手育成を中心に、新たな事業の取り組みや社内カルチャー、採用についても詳しく紹介します。
会社名 | 株式会社デジタル・ヒュージ・テクノロジー |
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住所 | 東京都千代田区岩本町1-4-4 神田第四パークビル3F |
事業内容 | ・コンピュータシステムの導入コンサルティング ・Webシステム構築 ・Webアプリケーション開発 ・Linuxのシステム設計・開発 ・クラウドソリューション ・AI技術・ハードウェア・ファームウェア・ミドルウェア開発 |
設立 | 1998年8月12日 |
公式ページ | https://kusanagi.dht-jpn.co.jp/ |
働き方 | ・リモートワーク(フルリモート相談可) ・副業可 |
「コンピュータの何でも屋」として、企業のIT課題をワンストップでサポート
▲コンサルからアプリ設計・開発までワンストップで企業活動を支える(引用元:コーポレートサイト)
編集部
はじめに、株式会社デジタル・ヒュージ・テクノロジーさんの事業内容をお聞かせいただけますでしょうか。
鵜川さん
株式会社デジタル・ヒュージ・テクノロジーは、一言で表すなら「コンピュータの何でも屋」ですね。Linuxによるソフト開発やシステム構築を中心に、ソフト・ハード、アプリ、デバイスの設計・開発など幅広く手掛けており何でも対応できます。
プライム・ストラテジー社が開発したWordPress専用OS「KUSANAGI」のパートナーに2015年の黎明期から参加し、協業体制を築いている点も特徴ですね。
エレクトロニクスやメカトロニクスの専門知識を持つ社員もいて、社内でコンピュータシステム一式を構築できるほどの高い技術力が強みですね。「縁の下の力持ち」としてIT技術を駆使し、企業の課題をワンストップでサポートしています。
高い技術力と豊富な知識で、研修サービスやコンサル事業も展開
▲システム構築や開発に関する数々の認定・実績を持つ
編集部
開発や設計などの技術面以外にも、幅広くサポートされているようですね。
鵜川さん
そうですね。技術面以外に、OSSを活用したシステム構築のノウハウを活かして、LPI(Linux Profetional Institute Japan)のアカデミック認定校の指定を受け、OSSに強い人材を育成する研修サービスを展開しています。
また、DHT・OSS導入コンサルも手がける事業の一つです。Webサイトを構築するOSSのノウハウだけでなく、主要なOSSの設計思想や操作・運用方法、さらには、人材育成の研修も提供していますね。
編集部
専門性の高い技術者がそろっているからこそ、網羅的なサービスを提供できるんですね。
ニッチ分野で負けない組織を確立。5G・半導体など新たな分野にも挑戦
編集部
企業で新たな取り組みを行っていると伺いましたが、詳しく教えてください。
鵜川さん
2019年頃から5Gと半導体の分野に挑戦しています。半導体は3年後5年後という長期スパンになりますが、そこに向かって人材育成を行っている途中です。
5Gに関してはソフトウェアやIT領域だけでなく、電波による通信系も含めてワンストップでサポートしています。大手企業からマーケティング戦略についてアドバイスを求められることもあるんですよ。
編集部
大企業から頼られるというのは、信頼と実績があるからこそですね。
鵜川さん
そうですね。インテルやヨーロッパのボッシュが研修で日本に来た際には、弊社に寄ってくれたりするんです。
デジタル・ヒュージ・テクノロジーは企業規模こそ小さいものの、大企業から頼られるくらいコンピュータの技術と知識を網羅していると自負しています。
編集部
鵜川さんご自身も常に新しいことに挑戦していると伺いましたが、最近はどのような挑戦をされましたか?
鵜川さん
コロナ禍に入る2019年頃に5Gが話題になった際、5Gの基地局の運用ができる「第一級陸上特殊無線技士」の資格を取得しました。あとは2019年頃に情報経営イノベーション専門職大学の客員教授にもなりましたね。
編集部
幅広くご活躍していますね。今後企業として目指す方向性はあるのでしょうか。
鵜川さん
やはり私自身が新しいものにうるさいので、会社としても常に最先端に触れ、時代の流れに敏感でいたいですね。
デジタル・ヒュージ・テクノロジーは、今までニッチで希少価値の高いもの・付加価値の高い分野で戦ってきたので、これからも同じスタイルで挑戦し続けたいと考えています。
独自の教育プログラムで、1カ月でプログラミング基礎を習得
▲研修は代表取締役の鵜川さんが自ら教壇に立つ。スパルタとは言うもののアットホームな雰囲気も感じられる
編集部
独自の研修制度があると伺いましたが、どのような研修をされているのでしょうか。
鵜川さん
研修は独自のやり方なので企業秘密ですが、私が直接講師となって研修を行っています。教壇に立って25年くらい経つでしょうか(2023年時点)。長年ITスクールの講師なども務めてきましたが、自社の教育となると結構スパルタになってしまいます。
社員の教育用に制作した唯一無二の教材を使用し、一人ひとりの理解度に応じながら進めています。研修1カ月後には約95%の社員がプログラムが書けるようになりますよ。
編集部
ほとんどの社員さんが研修で基礎を習得できているんですね。スキルを習得後はすぐに現場に配属されるのでしょうか。
鵜川さん
すぐには現場に出しません。最低でも3カ月は教育して、しっかりと知識を得た4カ月目にようやく現場や受託の仕事にアサインしています。
研修後は自主的にスキルを取得し、自ら活躍の場を作る
▲資格取得に励む若手社員。研修後も自主的にスキルと知識を身につけている
編集部
研修後はどのように活躍できるのでしょうか。
鵜川さん
例えば、2021年頃に入社した社員が半年で基本情報処理を取って、AWS認定SAA(※)という資格も取得しました。さらに、2年経たないうちに応用情報処理技術者にも合格しました。
(※)AWS認定SAA:Amazon Web Servicesソリューションアーキテクトアソシエイト。AWSクラウドで適切なシステム設計が行える設計者の認定資格。
学ぶ環境はそろっているので、成長意欲さえあれば若手のうちからスキルアップが叶います。
編集部
研修後に活躍できるかどうかは、本人のやる気次第ということですね。
失敗は経験。先輩社員によるバックアップが心強い
編集部
若手の失敗はどのようにフォローしているのでしょうか。
鵜川さん
失敗はつきものだと思い、仕事はなるべく任せるようにしています。むしろ、失敗を知らないと成功しないんですよね。逃げなければ信頼関係が築けるようになるので、それまで部下のフォローを行っています。弱点を抽出するために、外部試験なども利用してしていますね。
編集部
フォロー体制が整う中で弱点が克服できるのは、若手社員にとって心強いですね。
鵜川さん
そうですね、私も若い頃は周りの人からサポートを受けて成長したので。普段は先輩社員がフォローアップをしていますが、最終的には私が直接フォローするケースも当然あります。
社員会や社外活動の実施により、フラットな環境を実現
編集部
デジタル・ヒュージ・テクノロジーさんのカルチャーや社風を表すエピソードがあれば教えてください。
鵜川さん
そうですね、日頃から社員同士でコミュニケーションをとって動いてほしいと打ち出していて、「社員会」っていうのを社員に作ってもらっています。
「君たちには団体交渉する資格がある」という話を常にしていて、1人じゃ言えないことを社員会を通して私にエスカレーションしてもらう会ですね。
編集部
社員の代表の方が開くのでしょうか。
鵜川さん
そうですね、社員会長に年1度総会を開いてもらってます。
編集部
どんなお話が上がってくるのですか?
鵜川さん
特に意見が上がったことはないですね。ただ、年1回そのような総会があるということを社員が認知しています。
総会の準備として社員会を開いて、年度予算の立て方などを社員たちで決めていますね。過去の事例で言うと、お台場の施設でバーベキューなどを開催しレクリエーションをしたようです。
編集部
なるほど。社員会は社員同士がコミュニケーションを図る機会にもなっているわけですね。
大きな舞台を経験できる社外活動への参加。若手社員がリーダーに抜擢
▲若手のうちから社内外の活動を通して経験値を積める環境(社外の著名な方を招いてのセミナー風景)
編集部
他にも独自のカルチャーはありますか?
鵜川さん
私が行っている社外の活動を社員に協力してもらっています。主に団体の役員を勤めるNPOなどの活動ですね。
編集部
例えばどのような活動でしょうか。
鵜川さん
例えば、2023年3月中旬に行う半導体のセミナーのサポートです。
日本には30年ほど前まで半導体の会社がいっぱいありましたが、バブルの崩壊で工場がなくなり、今や台湾の半導体メーカーを日本に誘致する話が進んでいます。そこで、半導体の設計者へ向けた入門セミナーを開催しようと思っているんです。
編集部
そのセミナーに社員の方を入れるわけですね。
鵜川さん
そうです。「EDA」という半導体や電子機器の設計作業を自動化するための人材を育成する目的で、入社3年目の社員をリーダーに抜擢して社外の活動をやってもらっています。
▲社外活動を通して経験者クラスの人たちと交流する機会がある。20代には珍しい貴重な体験(社外の著名な方を招いてのセミナー風景)
編集部
なるほど。いろんな経験をさせることも若手の育成の一環ということですね。
鵜川さん
はい。上場企業の部長さんクラスの中に入るのは勇気がいると思いますが、広い世界を見ることは成長過程において必要な経験だと考えています。
世の中のことがわかったり普段会えない方々とも名刺交換できたりと、視野を広げる良い機会になりますしね。20代中盤では経験できない世界を見せてあげたいですね。そして、経験を活かして自分で仕事を取ったり作ったりできるようになってほしいです。
編集部
若手を社外活動に参加させる社風は、デジタル・ヒュージ・テクノロジーさんならではの特徴ですね。
約50種類の資格手当で、多様なキャリアパスを実現できる
▲3つのIT資格取得で手当てがもらえるだけでなく、コンサルや技術職などの選択肢を広げられる
編集部
デジタル・ヒュージ・テクノロジーさんでは、若手教育のために資格手当を用意されているようですね。
鵜川さん
はい。仕事に関係する資格を追加し続けたら、50種類まで増えたという感じですね。デジタル職人として技術力を高めてもらうために「LinuC」「OSS-DB」「HTML5」の3つのIT資格の取得を推奨しています。
また、手当の対象はIT関連の資格だけに限りません。簿記検定なども手当の対象です。と言うのも、IT技術者が簿記を知ってると有利になることもあるので。
会計分野に特化したエンジニアを目指せたり、マネジメントや進捗管理ができたりと仕事の幅が広がりますよね。さらには、ビジネスの理解を深めることも可能です。
編集部
なるほど。技術以外に知識が増えると仕事の幅が広がりますね。
資格取得によって早期昇給が叶う。給与相談も可能に
編集部
資格取得はあくまで任意なのでしょうか。
鵜川さん
そうですね、資格取得は個人の自由です。ただ、挑戦する社員は資格手当がプラスされて良い給料がもらえたり、社内外問わず認められたりするので、資格取得に挑戦する社員は多いです。
資格制度をフル活用して昇給を目指す社員がいる一方で、一つも挑戦せずに昇給しない人はほとんど転職してしまいます。
編集部
成長意欲のある社員は資格手当を活用しているんですね。複数の資格にチャレンジされる方もいるのでしょうか。
鵜川さん
複数取得する社員はそう多くないです。ただ、長く勤める人は積極的に挑戦している印象です。
あとは、スペシャリストというIT系の資格を取った場合、年俸制で給与相談ができるようにしています。実績を作れば給料交渉にも乗るというように、成果に応じてバック率が高くなるしくみですね。
編集部
なるほど。努力次第でいくらでも昇給のチャンスがありますね。
採用基準はオタク気質。「歌って踊れるプログラマ」を目指す
編集部
デジタル・ヒュージ・テクノロジーさんで活躍する方の特徴はありますか?
鵜川さん
オタク気質ですね。結局自分で学ばないと成長しないので、何かに没頭できる熱量の高い人は積極的に採用しています。1カ月の研修でプログラミング未経験者ができるようになるのはすごいことですよ。
編集部
その、熱心な性格を見るポイントはあるのでしょうか。
鵜川さん
趣味とか週末の過ごし方かな。趣味に没頭できるってことは、それだけオタク性が高いわけですから。人材育成の最終目標に「歌って踊れるプログラマ」を掲げるように、知識と技術だけでなく人間的な魅力も重要視しているので。
一つの物事に没頭できる力は伸びしろ
編集部
ここ1年間で採用になった方は、面接でどんなお話をされたのでしょうか。
鵜川さん
アニメ好き、ゲーム好き、いわゆるオタク的な人は多いですね。アウトドアな趣味だと、過去にサッカーが好きな社員もいました。何でもいいので何か一つに没頭できるオタク気質は、伸びる要素だと考えています。
趣味がサイクリングと聞いう人に「どれぐらい乗るの?」と質問して、近所のスーパーに行く程度だと答えられたときは、追求する力やこだわりを感じられませんでした。
編集部
なるほど。鵜川さんのYouTubeやブログを拝見すると、ご自身も車やキャンプなど多趣味でこだわりを持っているとわかります。1つの物事を追求して楽しめることは、専門職にとって必要な資質だと感じました。
YouTube:アジトちゃんねる ( AJITO Channel )
コラム:社長のアジト
活躍できるのは、こだわりと経験をアウトプットできる人材
▲「教育こそが投資」と話す鵜川さん。最終面接には必ず出席している
編集部
最終面接で合格を出されるときのポイントはありますか?
鵜川さん
しっかり話せる人です。好きなことや得意な分野を聞いて、目を輝かせて説明する人は魅力的に映りますね。相手が知らない話でも伝える意志がある子は、仕事でもしっかりとコミュニケーションが取れます。
なので、喋れる話題を振ってどのくらいそれに集中しているか・楽しんでいるかという点を評価の対象にしていますね。好きな物に関して自信を持って喋れれば全然OKです。面接ではぜひ趣味やこだわりを話してください。
編集部
今回の取材でデジタル・ヒュージ・テクノロジーさんは、独自の研修制度と50種類もの資格に対応した手当を用意し、若手社員の活躍をサポートしていることがわかりました。
入社を検討している方は、教育基盤である「物を生み出す・後輩の指導やフォローを行う・声を出して人前で話す」の3つが「歌って踊れるプログラマ」の要素ということを押さえておきましょう。
取材にご協力いただきありがとうございました。
■取材協力
株式会社デジタル・ヒュージ・テクノロジー:https://kusanagi.dht-jpn.co.jp/
採用ページ:https://kusanagi.dht-jpn.co.jp/saiyou/