「メンタルヘルスのインフラ」をつくる株式会社cotreeのエンジニアに迫る

フルリモートでの自由な働き方を採用する企業をご紹介する本企画。

今回は、オンラインカウンセリングとコーチングで現代人のメンタルヘルス向上に寄与する「株式会社cotree」にインタビュー。

柔軟で活発な企業運営と、エンジニアの働き方についてお話を伺いました。

株式会社cotreeとは

株式会社cotreeは、オンラインカウンセリングのサービス「cotree」を開発・運営する企業です。

このサービスではウェブサイトの簡単な質問に答えるだけで最適なカウンセラーとマッチングすることができ、仕事での対人関係や将来への不安や悩みなどを、ビデオ・電話/テキストメッセージから自分に合った方法で相談できるサービスを提供しています。

ミッションとして「やさしさでつながる社会をつくる」を掲げているcotree。誰もがお互いのことを受け入れ、臆することなく当たり前にメンタルヘルスケアに向き合える社会を目指しています。

会社名 株式会社cotree
住所 東京都港区六本木4-8-5 5階 Kant. co-office 507
事業内容
  • 個人向けオンラインカウンセリングサービス「cotree(コトリー)」
  • 個人向けコーチングサービス「cotreeアセスメントコーチング」
  • 法人・団体向けオンラインカウンセリングサービス「cotree法人・団体向けプラン」
  • 大学向けオンラインカウンセリングサービス「cotree大学向けプラン」
  • 法人向けサービス「メンタルヘルス研修サービス」
設立 2014年5月14日
公式ページ https://cotree.co/
働き方 フルリモートワーク(オフィスへの出社も可能なハイブリッド型)

今回は、プロダクト開発室の責任者である茂木愛美さんと、同エンジニアの小林幸司さんにインタビューを行いました。

フルリモートを採用しながら自由闊達なコミュニケーションが実現しているcotreeの働き方の特徴や、エンジニアの仕事についてお話しいただいています。

本日お話を伺った方
株式会社cotreeの茂木愛美さん

株式会社cotree
プロダクト開発室 CPO、PdM

茂木愛美さん

株式会社cotreeの小林幸司さん

株式会社cotree
プロダクト開発室 エンジニア

小林幸司さん

オンラインカウンセリングとコーチングサービスの「cotree」

株式会社cotreeが提供する「話すカウンセリング」の様子
▲cotreeの「話すカウンセリング」で、専門家のオンラインカウンセリングを受けているようす

編集部

まず、cotreeさんがどのような事業を行われているのか、お話しいただけますか?

茂木さん

2014年に創業したcotreeは、オンラインカウンセリングサービス「cotree」をメインの事業としてご提供している会社です。

実施しているカウンセリングにおいては、ビデオ・電話を通じた「話すカウンセリング」と、テキストメッセージによる「書くカウンセリング」からお選びいただけます。また、専属のコーチとの面談で、お客さまが具体的な目標設定・行動計画を目指せるようなコーチングサービスも行っています。

個人向けの事業だけでなく、企業の福利厚生や大学の相談窓口などとして活用いただける「法人・公共団体・大学向けプラン」の提供も行っています。

cotreeが提供するオンラインカウンセリングのトップページ
▲オンラインカウンセリング「cotree」は、ウェブを通じて最適なカウンセラーとマッチングを行う(公式サイトより引用)

編集部

この数年、とくにコロナ禍などがあり社会情勢は大きく変化してきましたが、御社の事業に大きな変化はありましたか?

茂木さん

かなり大きく変化しましたね。コロナ禍で企業の業務も、大学の授業なども、一気にオンライン化が加速したことが影響したのか、「オンラインカウンセリングへの抵抗感」のようなものが一気に薄れてきた印象があります。

加えて、人と直接コミュニケーションする機会が減ったことで、カウンセリングを必要とされる方が増え、多くのユーザー様に登録いただいたということもあると思います。

編集部

オンラインカウンセリングというcotreeさんが提供されているサービスは、いわば時代の流れに沿ったものだったんですね。

事業で社会をよくするcotreeのミッション・ビジョン・バリュー

株式会社cotreeの掲げるミッション
▲オンラインカウンセリングをおもに提供するcotreeが事業の中心に据えるミッション(公式サイトから引用)

編集部

cotreeさんのミッションは「やさしさでつながる社会をつくる」というものですね。さらにビジョンとして「メンタルヘルスのインフラを創造する」、バリューとして「想像力 創造力 2つのそうぞうりょくを大切にする」というメッセージをウェブサイトに掲げられています。これらについてご説明いただけますか?

茂木さん

ウェブサイトのミッション・ビジョン・バリューは2023年の3月に刷新されたものですが、「やさしさでつながる社会をつくる」というミッションは、2014年から創業者の櫻本真理が大切にしてきたものです。

心の問題は、日本では向き合いにくいテーマですし、カウンセリングを受けるということもかつては一般的でなかったと思います。

そこで、気軽に心のことを相談できる場所、あらためて自分の心や人生と向き合える場所をつくりたいということで、cotreeは設立されました。こうした櫻本の価値観に共感して入社したメンバーも多いんですよ。

編集部

なるほど、そのビジョンはずっと中心に据えてこられたものだったんですね。

茂木さん

はい。この数年、とくにコロナ禍という外的要因もあって、ユーザー様も社内のメンバーも増えました。

私たちはそんな急速な変化に対応してきたのですが、その外部環境が少し落ち着いてきたタイミングで、私たちがこれからどの方向に進んでいくのか、改めて社内の認識を一つにするために、このミッション・ビジョン・バリューによって具体的な道筋を設定したんです。

フルリモートのcotreeにはオランダ在住のメンバーも

株式会社cotreeが入居しているシェアオフィスの個室フロアの内観
▲株式会社cotreeは「すこやかに働く」をコンセプトにしたシェアオフィスが拠点

編集部

では、続きまして、本日のテーマのひとつであるリモートワークについて伺いたいと思います。現状、cotreeさんは、六本木にオフィスを構えながらリモートワーク中心でいらっしゃいますよね。

茂木さん

はい。私は今、愛知県からこのインタビューに参加しています。

小林さん

私は神奈川県からです。

編集部

なるほど、小林さんはエンジニアをされているので、リモートでもお仕事しやすいと思うのですが、職種によっては出社必須のような方もいらっしゃるのですか?

茂木さん

いえ、ポジションは正直まったく関係ないですね。たとえば、営業部門などは対面でのミーティングが必須などと言われることもありますが、弊社にはフルリモートで働いているオランダ在住の営業部員がいます。

また出社頻度が高いといわれるバックオフィスのコーポレート業務の担当者にも、宮崎在住のメンバーがいたりと、職種によって出社を強要することはなく、問題なく業務ができています。

編集部

なるほど、非常にフレキシブルな体制ですね。社員の方は今何名いらっしゃるんですか?

茂木さん

社員は9名で、業務委託を合わせると20名程度です。うち、東京近郊在住のメンバーなどは、「自宅よりも集中しやすい」ということで、自主的に出社している者もいます。実は我が会社ながら、すごくオフィスがおしゃれで快適なんです。

編集部

2022年9月に、六本木のシェアオフィスに移転されたんですよね?

茂木さん

そうなんです。予約制の個人用ブースやミーティングルームにカフェもあって、用途に合わせて使いやすい空間になっていますよ。そもそもフルリモートで働いている私たちが出社するのは「みんなとコミュニケーションをとりたい」という理由が一番なので、全社会議の時は広いイベントスペースにみんな集まってワイワイやっています。

「六本木のおしゃれなオフィス」なんていうと、いかにもギラギラしていそうですが、とても落ち着いていて、私たちの働き方に本当に合っているオフィスだと思います。

編集部

そうした“リモートを前提としながら、用意されているオフィス”という考え方は非常に新鮮ですね。

ツールと対面イベントによって、リモートでも活発に交流

株式会社cotreeで毎月1度開催される全社会議「コトる会議」の様子
▲株式会社cotreeでは、毎月1度「コトる会議」と題した全社会議が月末に開催される

編集部

フルリモートの方あり、自主的に出社される方あり、といった自由なリモート環境において、より働きやすくするための工夫やシステムなどはありますか?

茂木さん

社内の基本的なコミュニケーションツールはSlackなんですが、そもそも弊社では、誰もがラフに発言しやすいカルチャーがあるんです。

あとは、Slackと連携するコミュニケーションアプリの「Colla」でキャンディを送り合ったり、トリセツで自己紹介を共有し合ったり、Slackで作れるオリジナルスタンプをアップして気軽に楽しくお互いの投稿に反応し合えるようにしたりと、リモートながらコミュニケーションは非常に活性化していると思います。

編集部

リモートでも積極的に交流して働けそうな環境を構築されていらっしゃいますね。

茂木さん

ただ、やはりみんなに会いたいという声もありまして、月に1度の全社会議はオンラインとオフィスでのオフラインのハイブリッド形式で開催しています。全社会議中は、誰もがラフにコメントできるSlackの専用チャンネル「ワイワイチャンネル」を開きながら、みんなで盛り上がったりしています。

加えて、四半期に一度の全社会議へは全員出社しようという取り組みをしています。遠方の人もなるべく出社して全員で会議を行い、お互いを称え合って、その後みんなで飲みに行くこともあります。

また、チームを超えてのコミュニケーションをしやすいように「シャッフルランチ制度」なども設けています。

編集部

そのあたりはまさにカウンセリングを主要業務にされているcotreeさんの面目躍如ですね。

茂木さん

それでいうと、入社時に弊社の「アセスメントテスト」という、コーチングサービスで利用している性格特性診断を実施しています。その方の長所や陥りやすい弱点などの特徴がわかるんですが、ご本人だけでなくみんなで共有して、最適なコミュニケーションの仕方を考えるというのも、弊社ならではの文化ですね。

これからどんどん進化していくcotreeの開発環境

株式会社cotreeの小林幸司さん
▲株式会社cotreeのエンジニア・小林幸司さん

編集部

では次に、cotreeさんのエンジニアのお仕事にフォーカスして伺いたいと思います。約20名のメンバーのうち、エンジニアの方は何名ぐらいいらっしゃるんですか?

茂木さん

正社員は、実は現時点(2023年8月)では小林だけなんです。あとは業務委託の方を入れてトータル4人ですね。cotreeとしては、まずベースとなるプラットフォームを滞りなく運用していく使命があるので、この部分を小林とともに守ってくれる正社員のエンジニアを絶賛募集中です。

編集部

現場を担っていらっしゃる小林さんに伺います。現在、どのような体制でお仕事をされていますか?

小林さん

基本的には私とプロダクトオーナー、プロダクトマネージャーでのスクラム体制で取り組んでいます。現状は1週間スプリントを回しており、基本的なスクラムのイベントは網羅しているのですが、人数的な制約もあるので、新たに来ていただく方と共にcotreeのスクラムを作っていきたいと思っています。

編集部

開発箇所はどのように分担されているのですか?

小林さん

業務委託の方を含め、フロントエンド/バックエンドといった業種ではなく、機能単位で割り振ってそれぞれ責任を持って開発し、みんなでレビューしながら作っていく体制になっています。

編集部

エンジニアリング担当以外のチームのみなさんから期日の前倒しや内容のダメ出しが頻発するような環境ではなさそうですね。

小林さん

そうですね。基本的にはみんながわれわれ開発の方を向いてくれていて、期日などで無理が出ないよう、しっかりコミュニケーションをとりながら仕事を進められている感じですね。

cotreeのエンジニアは、やりたいことをどんどん発信して成長できる

株式会社cotreeの茂木愛美さん
▲cotreeのCPO/PdMである茂木愛美さん。愛知県からリモートで参画し、事業を推進している

編集部

cotreeさんには、「成長したい」というモチベーションを持ってジョインされるエンジニアの方が多いと思うのですが、会社としてのサポート体制のようなものがありましたらお話しいただけますか。

茂木さん

「書籍購入補助制度」というものがあり、月3冊まで書籍代への補助を行っています。これはエンジニアはもちろん、他の社員も使える制度で、興味のある分野はどんどん勉強していただきたいと思います。

また弊社はスタートアップのフェーズですので、ガチガチに固まったものがなく、意見が通りやすい会社です。たとえばスクラムチーム自体、私と小林の入社以降にはじめてつくったのですが、そのための勉強会もみんなでやりました。

このように、習得したほうがいい知識や会社にとって有用だと判断されたことに関しては、柔軟に向き合って、みんなで時間を作って勉強して取り入れていく文化があります。ですので、新しく入社される方も遠慮なくやりたいことや、cotreeにとって良いと思うことを、どんどんご提案いただければいいなと思っています。

編集部

新たにジョインされる方でも、有意義な発信があれば、会社として柔軟に検討されるということですね。

茂木さん

おっしゃる通りです。エンジニアの方がどんどん発信して、プロダクトをより良いものにしようという動きは、プロダクトの会社として大歓迎です。私も経営チームの一員ですし、代表の西岡もすごく近い距離感で会話ができる関係性ですので、近い距離で積極的にご意見いただけるような、意欲のある方にぜひ来ていただきたいです。

編集部

小林さんは同じエンジニアとして、どのように共にお仕事をしていこうと考えていらっしゃいますか?

小林さん

日々タスクを消化しているだけだと、これまでに培った能力は発揮できても、その先につながらないと思うんです。

エンジニアには常に腕を磨き続けてほしいので、タスクをこなすだけではなく、やりたいことを示していただきたいです。そこで積極的にコミュニケーションをとり、良いものであればどんどんサポートして取り入れていく。そんな気持ちで一緒に働いていきたいですね。

サービスをユーザー視点で愛し、成長を目指すcotree

cotreeのウェブサイトで試すことができる「タイプ診断」の質問の一例
▲cotreeのサービスの入口は、自身のタイプを導き出す「タイプ診断」と、それに応じたカウンセラーを見つける「マッチング診断」から(公式サイトより引用)

編集部

これまでお二方とも、いくつかの企業でのお仕事を経験されてきたと思うのですが、「こんなところがcotreeならでは」という点がありましたら、ぜひ伺いたいです。

茂木さん

私が入社してびっくりしたのは、みんなcotreeのサービスが大好きだということです。

それは社員がみんな、自分自身がメンタルダウンを経験したり、身近にそういう人がいたことがあったりして、cotreeのサービスが本当に世の中に必要で、社会に対していいことをしているという自信を持って仕事をしているからだと思います。

つまり、自然とみんなユーザー視点なんですよね。これはすごく特徴的で、そこがすごく素敵な会社だなと思っております。

小林さん

cotreeは社内の雰囲気がすごく柔らかいのですが、そのことが影響していると思います。攻撃的な言葉を使う方が全然いないのも、話し相手の背景を思い浮かべながら発言するからじゃないかと思います。

cotreeの事業とミッションに共感してくれた方と、ぜひお話ししたい

編集部

cotreeさんは、どのようなスキルや経験をお持ちのエンジニアを求めているのでしょうか。

小林さん

入社後、エンジニアは機能単位での開発に取り組んでいただくことになります。ですので、フロントエンドとバックエンド両方対応できる方だとありがたいですね。ただ、マストというわけではありません。

実際、バックエンド専任で入られた方が、フロントエンドも頑張りたいということで、こちらで一緒にレビューしてお互い確認しながら開発したケースもありますし、その逆のケースもあります。インフラを含め、様々な開発に取り組みたい方、さらに力を伸ばしたい方にとっては非常にいい環境ではないかと思っています。

編集部

それでは最後に、記事をご覧の方にメッセージをお願いします。

茂木さん

cotreeには、「こんなことがやりたい」という社員の発言を尊重する文化があると思っています。そんなことから、入社後に所属チーム以外の業務もやりたくなって、チームをまたいでいろいろなお仕事をしている方が多いです。

みなさんが経験されてきたことや、やりたいことを伺って、「だったらcotreeでは、こんなことができそうだね」ということを面談でも自由にお話しさせていただいています。

ですので、私たちの事業内容や「やさしさでつながる社会をつくる」というミッションに共感していただける方は、ぜひぜひご応募ください。まずは一度お話しさせていただくところからスタートしましょう。よろしくお願いいたします。

編集部

cotreeさんの組織はフットワークの軽さがあり、社内のコミュニケーションも活発でいらっしゃいますね。オフィスでもリアルでもカジュアルな対話が行われていて、領域にこだわることなく様々なお仕事を担当される柔軟性が、常にフレッシュなサービスの背景にあることもよく分かりました。本日はありがとうございました。

■取材協力
株式会社cotree:https://cotree.co/
採用ページ:https://cotree.co/recruit/member