”家事代行”が時間を創る。株式会社CaSyが後押しする女性の活躍と社会的意義とは

社会的意義の高い事業に取り組み成長を続ける企業を特集するこの企画。今回は家事代行サービスを提供する株式会社CaSyにお話を伺いました。

家事代行業界をリードする株式会社CaSy

株式会社CaSyの家事代行サービスのイメージ

株式会社CaSyは家事代行サービスを提供する企業です。近年、働き方改革や女性の社会進出を背景に家事代行はニーズを拡大しており、市場も成長を続けています。その中でも株式会社CaSyはテクノロジーに注力した家事代行のマッチング・プラットフォームを提供することで業界をリードしています。

従来、家事代行業者による依頼者とサービスの提供者のマッチングは人手によって行われていましたが、株式会社CaSyでは自社で独自開発したマッチングシステムによりそのIT化を実現しました。オペレーションレス・管理コストの最適化により、家事代行業界最安値水準の価格を実現しています。

さらに家事代行を行う「キャスト」の採用と育成にも注力することで、依頼者に対する高い品質でのサービス提供も実現しており、顧客の信頼と支持を得ながら企業としての成長を続けています。

会社名 株式会社CaSy
住所 東京都品川区上大崎3-5-11MEGURO VILLA GARDEN6階
事業内容 ・家事代行、ハウスクリーニング
・オフィス・店舗・ビル清掃
・WEBサービスの開発及び運営
設立 2014年1月30日
公式ページ https://corp.casy.co.jp/
働き方 ・フルリモートワーク
・フルフレックス(コアタイムなし)

今回は、株式会社CaSyが成長を続ける背景や、女性の社会進出や活躍においてCaSyの事業がもたらす意義などについて、取締役CHROの白坂ゆきさんにお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
株式会社CaSy取締役CHRO白坂ゆきさん

株式会社CaSy
取締役CHRO

白坂 ゆきさん

「大切なことを、大切にできる時間を創る」ための家事代行サービス

株式会社CaSyの家事代行サービスのイメージ

編集部

まず読者の方に向けて、CaSyさんの事業内容をご説明いただけますでしょうか。

白坂さん

CaSyは「大切なことを、大切にできる時間を創る。」をミッションに掲げ、ご家庭に向けた家事代行サービスをメインに事業を展開している会社です。創業は2014年なので、まもなく創業10周年を迎えます(取材は2023年9月実施)。

CaSyが大切にしているのは、ミッションにもある「時間を創る」という点です。暮らしの中にある「誰かがやらなくてはならないけれど、必ずしもその人でなくても良いこと」というのは、掃除や料理以外にもたくさんあります。

それらをすべてCaSyで引き受け、大切な時間を過ごしていただけるようにすることがCaSyの目標です。今はまだ掃除や料理を中心とした家事代行が主軸となっていますが、暮らしのサービス全体に拡張していくことが中長期戦略の柱の一つになっています。

株式会社CaSyのビジョン・ミッション・バリュー
▲大切にしているビジョン・ミッション・バリュー(公式サイトから引用)。

編集部

家事代行のサービスを実施されたのには、どのような背景があるのでしょうか。

白坂さん

CaSyは、代表取締役CEO兼CFOの加茂(雄一さん)、代表取締役の池田(裕樹さん)など男性メンバーにより創業された会社です。

元々家事が苦手だった彼らが、家事による「負担」や「失う時間」を減らし、大切な人たちとのかけがえのない時間を過ごしていくために何かできることはないかと考え、CaSyのサービスが生まれました。

我々は時間を命そのものだと考えています。人は自分の人生を終える瞬間に、走馬灯のようにこれまでの人生を思い出すものだと言われていますが、そんなときに思い返されるのは何気ない日常の一瞬一瞬なのではないでしょうか。その瞬間に味わわなければ流れ去ってしまうようなかけがえのない、儚い時間が自分の人生をつくり、命そのものとなっているのだと思います。

自分でなければできないこと、自分がやりたいと思っていることに時間を割くことができるように実施しているのが、CaSyのサービスです。「大切なことを、大切にできる時間を創る。」というミッションの先に、CaSyがビジョンとして掲げる「笑顔の暮らしを、あたりまえにする。」という未来の姿を実現していけたらと思っています。

編集部

確かに忙しい毎日の中で、家事などの「やらなければならないけれど、自分でなくてもできること」に費やしている時間は多いなと実感します。その大切な時間を守っていけるよう、CaSyさんでは事業領域を拡大しながらサービスを展開されているんですね。

業界の市場成長を背景に、CaSyでも年平均成長率は20%を継続

株式会社CaSyのオフィス

編集部

CaSyさんは、登録されているお客様の数やキャストの数が増えているなど順調に成長されていますよね。具体的な成長率などが分かれば教えてください。

白坂さん

売上は2019年から右肩上がりに伸びており、2023年には15億円が見込まれています。毎年平均20%以上の成長を続けており、順調に推移していますね。

編集部

コロナ禍を経ながらも成長を続けられている背景にはどのようなことがあるのでしょうか?

白坂さん

家事代行業界自体が成長市場であることは、CaSyの成長にとっても大きな要因です。日本においては比較的新しい業界ではありますが、経済産業省の発表資料によると市場規模は2017年度で906億円、2018年には1,400億規模となっており、将来的には8,000億円まで成長すると予測されています。

また、市場が成長している背景にあるのは、働き方改革や女性の社会進出です。加えて介護領域の需要も抱き込む形で成長を続けています。さらに昨今国が提唱している「異次元の少子化対策」の中でシッター事業や家事代行事業に対する追い風が吹いているため、今後のさらなる成長も見込まれています。

テクノロジーに強みを持つCaSy。スピードと価格面で優位性を保つ

株式会社CaSyの自社開発アプリのイメージ
▲マッチングのためのアプリも自社開発を実施し、常に改善を続けている。

編集部

家事代行業界自体が成長市場となっている中でも、CaSyさんは市場の成長率と同等以上の成長を続けていらっしゃると思います。CaSyさんならではの事業の特徴、強みはどのような部分だとお考えですか?

白坂さん

CaSyでは事業の提供価値を“Omotenashi × Technology”と表現しています。この「テクノロジー」と「おもてなし」の2つを高度に両立させていることに、CaSyの成長の要因があるのだと考えます。

まずテクノロジーについてですが、CaSyでは2014年の創業以来2つのイノベーションを実現しています。それは家事代行サービスを「速く」、そして「安く」したという点です。

CaSyは家事代行の依頼者とプレイヤー(キャスト)をITでマッチングしはじめた業界内では先駆けの会社です。従来の家事代行は派遣型のビジネスモデルが一般的でした。家事代行の依頼があると、自社の営業担当がその依頼者のご自宅に伺い、営業担当がご自宅の状況を把握した上で会社に持ち帰り、自社で雇用しているスタッフと手動でマッチングを行う、という方式です。

この方式だと、営業担当が人力でマッチングをする分、マッチング自体に時間がかかります。さらにそこからスタッフを派遣するため、ご依頼から2週間程の時間がかかってしまっていました。

しかしCaSyのITマッチングにより、最短で3時間後からのご利用が可能になったのです。さらにシステムを通じて24時間365日依頼可能になり、変更やキャンセルも容易にできるようになりました。これがCaSyの起こした「速さ」のイノベーションです。

また、従来の方式だと営業担当や自社で直接雇用するために人的コストが価格に跳ね返るという難点がありました。しかしCaSyではITマッチングを取り入れることで、およそ半額での提供を可能にしたのです。これがCaSyの「安さ」のイノベーションです。

CaSyのミッションである「時間を創る」というのは、家事代行サービスの提供そのものはもちろんのこと、手続きの簡便化も含めて実現されます。CaSyの「テクノロジー」の力でそれを叶えることができるのが強みだと考えています。

会社の想いに共感する高いレベルのキャストがもうひとつの強み

株式会社CaSyのキャストとのミーティング風景

編集部

なるほど。もう1つの強みである「おもてなし」についてはいかがでしょうか。

白坂さん

家事代行というのは依頼者様のご自宅に入れていただくサービスなので、「安かろう悪かろう」では駄目なんですよね。だからこそ家事代行を行うキャストのおもてなし品質を保てるよう、CaSyではキャストの採用と育成に重点を置いています。

CaSyのキャストは、本人確認や、犯罪歴等を含む経歴の確認を行っています。さらにCaSyで活躍するトップキャストからなるキャスト育成講師陣によるオンラインでのガイダンスで審査を行います。その上で採用し、研修をクリアしたらデビューとなります。また我々が「クレド」と呼んでいる、サービスを行う上での考えや行動の基準を全キャストに提示し、共有しているのもポイントです。

さらにキャストとしてデビューした後もエンゲージメント高く働き続けられるよう、CaSyでは「マズローの欲求5段階説(※)」に基づき、キャストの「自己実現欲求」まで満たせるような仕組みづくりを進めています。キャストにとって「CaSyだからこそ働き続けたい」と思える場になっていることが、提供する家事サービスの品質を支えるものとなっているのではないでしょうか。
※マズローの欲求5段階説…人間の欲求を「生理的」「安全」「所属」「承認」「自己実現」の5つの階層に分かれるものとする心理学理論。

株式会社CaSyの進めるキャストのマズローの欲求を満たす仕組みづくり
▲CaSyが目指すキャストの「自己実現欲求」とは、「CaSyが目指すことと自分の目指すことが重なり充実感を感じられる状態」(株式会社CaSyのnoteから引用)

編集部

テクノロジーを活用した仕組みの部分のイノベーションと、お客様に喜んでいただくためのサービス水準の維持を高い次元で実現されているからこそ、CaSyさんの今の成長につながっているのだということが良く分かりました。

「お客様側」「キャスト側」の二つの側面で女性活躍に貢献

株式会社CaSyのメンバーの勤務風景

編集部

続いて女性活躍のテーマに移らせていただきます。CaSyさんの場合、CaSyさんの取り組む事業自体が、日本社会全体の女性活躍に寄与するものとなっていますよね。そのあたりの白坂さんの考えについてお伺いできますか?

白坂さん

私自身、CaSyの事業がめちゃくちゃ好きなんですよ。女性をはじめとする「働き続けたい」と願う人の応援ができる、すごく意義のある事業だなと思っています。

日本では正社員で就職したけれど、妊娠出産を経て退職を余儀なくされる女性の方がまだまだ多いのが現状です。そして管理職比率や生涯年収も、男性に比べて女性はなかなか上がっていきません。先進国の中でもそのような状況があるのは日本くらいなんです。

そのような中でCaSyの事業は、家事代行を依頼される「お客様側」と「キャスト側」の二つの側面から意義のあるものとなっています。

CaSyをご利用いただくお客様の多くは共働き世帯の方です。妊娠や出産といったライフイベントを経ても働き続けたい、仕事と家庭を両立させたいと願う女性が、CaSyの家事代行サービスを利用することで、その願いを叶えることができる。それがお客様側から見たこの事業の意義であると思います。

そしてキャスト側についてですが、CaSyのキャストは6割が専業主婦をしていた方となっています。専業主婦をずっとされていた方は「自分には何もできない」というようなことをおっしゃることも少なくありません。

しかし彼女たちが家族のためにやってきた家事は、スキルでありキャリアなんです。キャストの方が培ってきた家事スキルを社会に還元し、それに対して経済報酬を確保するという点でもCaSyの事業は意義のあるものになっていると思います。

同席の武田さん(広報)
実際にCaSyのキャストには、「専業主婦としてやってきたことが人に喜ばれることであり、活かせるスキルである」ということに喜びとやりがいを感じる方が多くいらっしゃいます。また50代、60代の方も多くいらっしゃるのもポイントです。年齢制限のために働く場所に制限が出ている方も、CaSyのキャストとしてどんどん活躍されていますよ。

白坂さん

CaSyの事業はお客様側から見ても、キャスト側から見ても、「働き続けたい」と願う女性の願いを叶えるということにコミットするものです。日本社会の抱える女性活躍の課題の改善にも寄与するものとなっていけたらと思っています。

キャスト向けの感謝祭「キャストセッション」ではお客様の生の感謝の声を聞く機会も

株式会社CaSyの元トップキャストの講師2名

編集部

CaSyさんの事業がお客様に対してもキャスト様に対しても価値を提供するものだということが分かりました。お客様からそういったお声をいただくことはありますか?

白坂さん

お客様からは、こちらが想像しているよりも必要不可欠なサービスだと言っていただく機会が多いですね。実際に「共働きの我が家で私が仕事に邁進できるのは、家族が円満なのはキャストさんのおかげ」「いろいろとキャパオーバーだった中で、気持ちのゆとり、子供と遊ぶ時間もできて本当に助かる」などの声をいただいています。

中には「育児の相談にも乗ってもらった」「お母さんと話すような気持ち」という声もあり、本当にいろいろな面でキャストの存在が働く女性や共働き世帯の支えになっているんだということを実感しています。

これらのお客様からのメッセージは、CaSyで年に一度実施しているキャストの方向けの「キャストセッション」という感謝祭でキャストにも伝えています。

キャストの方は、このメッセージを聞くと感動して泣いてくださることもあります。皆さん、「私たちの仕事の意味はここにありますね」と言ってくださいます。そういった感想を聞くにつれて、我々としてもこんな意義のある事業をできていることが誇らしいなと感じますね。

フルリモート・フルフレックスで育児中社員も働きやすい職場環境に

株式会社CaSyのオフィス

編集部

CaSyさんの社内での女性活躍についてもお聞きします。CaSyさんでは子育てをしながら働いている方も多いのでしょうか?

白坂さん

現在6割近くの社員が子育てをしながら働いています。また小さな組織のためマネージャーは2人なのですが、その内の1人は女性です。つまり女性管理職比率は50%という状況です。

編集部

CaSyさんでは女性に限らず社員の方の働き方をサポートしていくためにどのような仕組み、制度があるのでしょうか。

白坂さん

私たちは「一般の企業で制約となってしまうことを制約にしない」というポリシーを持って働きやすい環境づくりを進めています。具体的にはフルリモート・フルフレックスの働き方を導入し、働く場所、時間を自分で選んでもらえるようにしています。

フルリモートで働く場所が自由になることで、通勤時間に要する時間を仕事に充てることができますよね。またコアタイムなしのスーパーフレックスとすることで、子育てをしている方でも柔軟に家庭と仕事の時間を切り替えながら働くことができています。

さらにポイントとなるのは、成果を出しているのであれば働く時間が8時間に満たなくても減給しないことです。月の営業日の半分は稼働することを前提に、目標を達成するのであれば働く時間も自由にしています。時間外労働の平均も、昨年では月10時間を切っていましたね。

編集部

残業時間が月10時間未満というのはすごく少ないですね!皆さんメリハリをつけて働かれているんですね。

白坂さん

そうですね。それで年平均成長率が20%以上を達成しているので、皆効率的に頑張っているんだと思います。

また、コロナ禍明けでの出社回帰の中で、再び「制約社員」になってしまう人たちも多くいる中で、CaSyでは出産や子育てが制約にならない仕組みや環境を整えているというのが、CaSyのとても魅力的な部分ではないかと思います。

CaSyの事業価値を世に広めたい、自分自身も働き続けたい希望を持つ方はぜひ

株式会社CaSyのエントランス

編集部

最後に、この記事を読んでCaSyさんに興味を持った読者の方にメッセージをお願いします。

白坂さん

これまでお話ししてきたように、CaSyは働き続けたいと思う女性の希望を叶え、一人ひとりが「大切な時間を大切にする」ことをサポートするとても意義のある事業です。また専業主婦の方、年齢の高い方の活躍の場を広げる点でもとても重要な役割を果たしています。

CaSyがターゲットにしているお客様の抱える課題は、多くの人にとって共感できるものだと思います。顧客のインサイトを自分ごとにして仕事に取り組める方は、弊社でも活躍できるのではないでしょうか。

社会に対してCaSyの事業価値を広げたいと思う方、自分自身も働き続けること、キャリアを得ることを諦めないでいたい方は、ぜひCaSyでご活躍いただきたいなと思います。興味を持った方は、お気軽にお問い合わせください。

編集部

CaSyさんでは家事を軸にして、お客様・キャストの方双方の「活躍し続けたい」という願いが叶う、本当に社会的に意義のある事業を展開されていると感じました。インタビューを通じて、白坂さんをはじめとしたメンバーの皆さんがそれを誇りに思っていることが伝わってきたのも印象的でした。

本日はお忙しい中貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

■取材協力
株式会社CaSy:https://corp.casy.co.jp/
採用ページ:https://corp.casy.co.jp/recruit/