テクノロジーの力でより良い社会づくりに挑戦する企業を紹介する本企画。今回は、食品製造業向けのDXソリューション「ツクルデSaaS」の開発・運営を行う「株式会社カンブライト」にインタビューしました。
株式会社カンブライトとは
株式会社カンブライトは、2015年に設立したテックベンチャーで、食品製造業向けのDXソリューション「ツクルデSaaS」の開発・運営を行っています。
「ツクルデSaaS」は、衛生管理の国際基準である「HACCP」に基づいた衛生記録や製造記録の管理から、生産管理、在庫管理、請求書の発行まで、食品製造業に必要な機能をワンストップで提供しており、小規模な食品工場を中心に導入が広がっています。
| 会社名 | 株式会社カンブライト |
|---|---|
| 住所 | 京都府京都市中京区朝倉町富小路通三条下る540-309号 |
| 事業内容 | 食品製造業向けクラウドシステム「ツクルデSaaS」の開発、販売、運営 |
| 設立 | 2015年9月 |
| 公式ページ | https://canbright.co.jp/ |
| 働き方 | ・フルリモート ・フルフレックス |
株式会社カンブライトには、「えらい人が言ったことが正しいのではなく、正しいことを言った人がえらい」と考えるカルチャーがあり、年齢や役職に関係なく活躍することができる環境が整っています。また、「メンバーに楽しく働いてほしい」という思いのもと、フルリモート、フルフレックス、副業OKという自由な働き方を取り入れています。
今回は、人事広報を担当する原田さんに、若手の活躍を後押しするカルチャーや、フルリモート環境での働き方などについて聞きました。
「ツクルデSaaS」で日本の食品工場をスマート化する
▲食品製造業界の課題を解決する「ツクルデSaaS」（公式サイトより引用）
編集部
はじめに、カンブライトさんの事業内容について教えてください。
原田さん
弊社は、食品製造業向けのクラウド業務システム「ツクルデSaaS」を開発・運営しています。
日本では、衛生管理の国際基準「HACCP」の導入が2020年に義務化され、食品製造業もこれまで以上に厳密な食品安全管理が求められるようになりました。「ツクルデSaaS」では、HACCPに基づいた衛生記録や製造記録の管理から、生産管理、在庫管理、商品企画管理、受注管理、請求書の発行など、食品製造卸業に必要な機能をワンストップで提供しています。
編集部
食品業界向けのSaaS事業を手がけることになったきっかけは何だったのでしょうか？
原田さん
食品工場はデジタル化があまり進んでおらず、記録を紙で管理している事業者もたくさんいます。しかし、HACCPの義務化によって様々な管理が必要となるなか、手書きの紙やExcelでの管理には限界が来ています。
特に、20名以下程度の小規模事業者は対応が追いついていないことが多く、高額な管理システムを導入することも難しい現状があるため、小規模な食品工場様にも使っていただけるようなDXソリューションが必要だと考えました。
編集部
カンブライトさんは、日本の食卓を支える中小の食品製造業者を、テクノロジーを活用してサポートしているのですね。
未経験からエンジニアのリーダーに。カンブライトの若手育成術
編集部
カンブライトさんでは、若手社員の方々が多く活躍していると伺いました。
原田さん
はい。弊社は従業員数が30名ほどで、平均年齢は約30歳です。20代の若手も多く、未経験で入社したエンジニアがリーダーとして活躍している例もあります。
編集部
その方のご活躍について、詳しくお伺いできますか？
原田さん
彼は、前職では管理栄養士として働いていたのですが、エンジニアを志し、弊社に入社しました。現在、「ツクルデSaaS」のフロントエンドの開発を担当しており、チームリーダーとしてエンジニアへの指示やフォローアップを行っています。
編集部
未経験からチームリーダーになれた背景には何があるのでしょうか。
原田さん
弊社は、缶詰製造事業を展開していた時期があり、彼が入社した頃は缶詰の梱包や試作などを手伝ってもらうことが多かったのですが、エンジニアへの熱意を持ち続け、自主的に学びながらコツコツとスキルを積み上げていったことが成長につながったのだと思います。
また、弊社の代表の井上がエンジニアということもあり、直接プログラミングを教えてもらえる環境があったこともスキル向上に役立ったと思います。
編集部
本人の熱意と、スキルアップを支える環境があったことで、チームリーダーまで成長できたのですね。
原田さん
はい。今では、「分からないことは、この人に聞けば大丈夫」と思われるような存在で、周りから「兄貴」と呼ばれています（笑）。
スキルアップに使える月5,000円の補助あり
編集部
未経験や若手の社員の成長を後押しするような社内カルチャーや制度はありますか？
原田さん
弊社はリモートワークを導入しているのですが、メンバー同士がいつでも質問できるようにSlackの音声会話を常時繋いで仕事をするなど、チームごとに工夫しながら業務をしています。
また、スキル向上のための勉強にかかる費用を月5,000円まで会社が補助する「グローアップ制度」があります。
編集部
社員のみなさんは、グローアップ制度を活用してどのような勉強をしているのでしょうか？
原田さん
弊社で働く外国人メンバーとのコミュニケーションを円滑にするために、英会話を学ぶ人がいます。ほかにも、プログラミングやマーケティングのテキストを買ったり、資格試験を受けて資格を取ったりと幅広く活用してもらっています。
フラットな関係が若手の活躍を後押しする
編集部
カンブライトさんには、年齢や役職に関係なく活躍できるような雰囲気はありますか？
原田さん
はい。代表の井上が「えらい人が言ったことが正しいのではなく、正しいことを言った人がえらい」という考えをモットーにしていることもあり、弊社はとてもフラットでフランクな職場です。社長である井上も含め、全員のことを役職でなく「さん」付けで呼んでいます。距離が近いので、メンバーが日常的に井上さんに直接提案したり、質問したりしています。
また、「創意工夫を楽しむ」を行動指針に掲げているので、常識にとらわれず、知恵を絞って、楽しみながら挑戦できる雰囲気もあります。
編集部
「若手だから」という考えはなく、誰でも意見を言ったりアイデアを出したりできるようなカルチャーが浸透しているのですね。
カンブライトはフルリモート・フルフレックス・副業OK
編集部
カンブライトさんは、リモート勤務を導入しているということですが、社員のみなさんは具体的にどのような働き方をしているのでしょうか？
原田さん
弊社は、フルリモートに加え、フルフレックス制を導入しています。メンバーの自主性を重視しているので、業務の進捗管理などは会社が管理するのではなく、個人に任せています。病院や子どものお迎えなどがあれば、各自の判断で勤務時間をずらすなどして柔軟に働いています。
編集部
定期的なオンラインミーティングなどはあるのでしょうか？
原田さん
はい。部署やチームによって毎日行うところもあれば、週に1回程度のところもあったりと、必要に応じてミーティングを設定しています。
それ以外にも、メンバーはSlackで頻繁にやり取りをしていますし、エンジニアの場合は同じ画面上で作業しているので、離れていてもお互いの状況を把握できます。このように、リモートワークでもスムーズに業務を進行できる環境が整っています。
編集部
営業やマーケティングを担当する社員も、フルリモートで働いているのですか？
原田さん
基本的にはリモートで勤務していますが、新規のお客様へのシステム導入を支援する場合などは、必要に応じて現地に赴いてサポートしています。
編集部
フルフレックスも導入しているということなので、子育て中の社員も安心して働けそうですね。
原田さん
そうですね。弊社には、子どもが最近生まれた男性メンバーが多く、フレックス制を活用しながら子育てと仕事を両立させています。赤ちゃんを抱きながら会議に参加する人もいて、そんな光景に癒されています（笑）。
編集部
お互いの事情やライフステージを理解して、思いやりながら働いているのですね。
原田さん
はい。私はメンバーと定期的に面談を行っているのですが、弊社の一番好きなところを聞くと、その多くが「働きやすい環境」と答えます。
働きやすさは生産性の高さにもつながると思うので、誰もが働きやすい職場づくりを今後も推進したいと考えています。
社内交流の促進のため月に1回イベントを実施
▲オープンデーに実施される、バーベキューや女子会などのイベントは大盛りあがり。
編集部
フルリモートの環境下で社員同士の交流を深めるために取り組んでいることはありますか？
原田さん
チームで定期的に大阪オフィスに集まったり、あとはコミュニケーション推進策として、月に1回、参加制の交流会を設けた「オープンデー」を実施しています。
みんなで大阪オフィスに集まって情報や目標を共有するほか、終了後はバーベキューやお花見、卓球大会（オフィスに卓球台があります！）や映画鑑賞などのイベントを開催し、仕事以外の話をしながら交流を深めています。
直近では、缶詰製造体験を行いました。これも弊社ならではだと思います。多めに製造して、余った分の缶詰は他のメンバーにもお裾分けしています。
▲事業と関連した「缶詰製造体験」も実施。
編集部
全体会議だけでなく、イベントも同時に開催するというアイデアは、どのように生まれたのでしょうか。
原田さん
エンジニア同士など、同じ部署内のコミュニケーションは普段から取れているのですが、部署をまたいだ交流をもっと行う必要があると感じたことから、イベントを企画しようと思いました。2023年3月に始まったばかりの取り組みなので、これから試行錯誤しながらより良いコミュニケーションの場にしたいと考えています。
編集部
イベントは原田さんが企画しているのですか？
原田さん
はい。私は人事を担当しているのですが、堅苦しい人事は嫌だと思っており、率先してみんなを巻き込んで、交流しやすい雰囲気づくりをしたいと思っています。
普段からslack上で活発にコミュニケーション
▲Slackでのやり取りの抜粋。メンバー間の交流が活発なのもカンブライトの特徴。
編集部
普段はSlackでコミュニケーションすることが多いということですが、具体的にどのような使い方をしていますか？
原田さん
Slackで誰かが発言すると、みんな必ず何かしらのリアクションをつけたり、面白い返信をしたりと、自由で活発なやり取りをしています。
編集部
オンライン上でしっかりとコミュニケーションを取っているのですね。
原田さん
仕事の話はもちろんですが、面白いテレビ番組の話だったり、ポケモン好きのメンバーが多いのでポケモンゲームの話をするなど、雑談を交えながらコミュニケーションを楽しんでいます。
私はこれまで複数の会社で働いてきましたが、カンブライトは特にフランクな社風を大切にしようとするカルチャーがあると感じます。井上さんが、年齢・役職に関係なく誰もが気軽に意見できる職場づくりを目指しており、自ら率先してメンバーと対話していることが、何でも言い合える環境につながっているのではないかと思います。
編集部
カンブライトさんはフルリモートでもしっかりとコミュニケーションを取っているので、これから新しく入るメンバーも安心して職場に馴染むことができそうだと感じました。
本業にプラスになるから、副業を応援
編集部
カンブライトさんでは副業を許可しているということですが、その理由を教えてください。
原田さん
今の時代、副業が当たり前になっていますし、副業で得たスキルが本業に活きることもあると考え、許可しています。フレックス制なので、午前中に副業をして午後から働き始めるメンバーもいます。
編集部
例えば、どのような副業をしている方がいるのでしょうか？
原田さん
農業をしながら働いているメンバーがいます。弊社は食に関わる事業を行っているので、農業の副業を通じて食に対する知識が深まったり、新しい視点が生まれたりすることはプラスの影響があると感じています。余った野菜をもらったり、家庭菜園に役立ちそうな農業の知識を教えてもらったりしています。
ほかにも、動画制作やブログ制作をしているメンバーがいます。弊社は、お客様向けの提案動画をはじめとする全てのクリエイティブを自分たちで制作しているので、副業のスキルを活かして社内の動画制作やブログ記事を担当してもらっています。
編集部
リモートやフレックス、副業など、会社によってはマイナスの影響を心配して導入をためらうところもありますが、カンブライトさんはポジティブな姿勢で積極的に採用し、会社にとってプラスになるような運用をしていると感じました。
必要なのは「やる気」のみ。強みを活かして活躍したい人を歓迎
編集部
現在、営業の経験者を募集されているということですが、どのような方がカンブライトさんのお仕事やカルチャーにフィットするとお考えですか？
原田さん
現在募集している営業職の場合は、2年以上の経験があることを条件としていますが、それ以外に弊社で活躍いただくために必要なのは、「やる気」の一点だけです。
個人の能力を引き出すための周囲のサポートが整っているので、やる気さえあれば、確実に成長できます。
編集部
食品やSaaS関連の業界出身でなくても、カンブライトさんで働くことはできるのでしょうか？
原田さん
はい。弊社では、さまざまなバックグラウンドの人が働いています。私は人材派遣業界の出身ですし、広告代理店やフードデリバリー業界から転職したメンバーもいます。
異なる業種から集まった人たちが、それぞれが強みを出し合うことで、より良いサービスにつなげたいと考えています。
編集部
最後に、記事を呼んでカンブライトさんのお仕事に興味を持った読者の方にメッセージをお願いします。
原田さん
弊社はメンバーの自主性を重視し、非常に自由な働き方を取り入れているので、これまでの職場と比べるとギャップを感じる方もいるかもしれません。しかし、社内コミュニケーションはしっかり取れますし、助けてくれる仲間もいるので、心配はいりません。
また、事情があってリモートワークでしか働けない方もいると思いますが、柔軟な働き方を取り入れている弊社なら、そのような方にもご活躍いただけると思います。
フラットな職場で、年齢や役職に関係なく意見やアイデアを出していただくことができますので、ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。カジュアル面談も大歓迎です！
編集部
若手のうちから活躍しているメンバーがたくさんいるカンブライトさん。「創意工夫を楽しむ」という行動指針の通り、それぞれが自由にアイデアを出しながら食品工場のDXという大きな目標に向かって挑戦できる職場だと感じました。
本日は、ありがとうございました。
■取材協力
株式会社カンブライト：https://canbright.co.jp/
採用ページ：https://canbright.co.jp/recruit/