フードテックに挑むアジアインタートレード株式会社の「完全リモート&会議なし」の働き方

注目企業の革新的な働き方やインターンシップ制度などを紹介するこの企画。

今回は、業務用野菜を飲食店などに最安値で販売するアジアインタートレード株式会社にお話を伺いました。

アジアインタートレード株式会社とは

2012年創業のアジアインタートレード株式会社は、野菜の卸業者の販売価格を一括比較して、最安値の食材を購入できるサービスを飲食店向けに展開しています。

原材料価格の高騰などを背景に、多くの飲食店がコストの増加に直面するなか、全国の100を超える卸業者のなかから最低価格の商品を見つけることができるこのサービスは食材の仕入価格を抑えられると評判で、口コミなどで利用が広まっています。

会社名 アジアインタートレード株式会社
住所 東京都千代田区九段南1-5-6りそな九段ビル5階
事業内容 ・青果・鮮魚の販売
・規格外野菜の販売
設立 2012年4月
公式ページ https://www.apconsulting.jp/
働き方 ・完全テレワーク
・フレックス勤務

アジアインタートレード株式会社は、業務用野菜の最安値販売のほかにも完全栄養パンの開発や、廃棄予定の食品を購入できるマッチングサイトの開発など、フードテック分野で複数の事業を行っています。

また、「足ではなく頭で稼ぐ」という考えから訪問営業を基本的に行わないほか、フルリモートで全国から働ける環境を推進するなど、新しい時代の働き方を取り入れる会社でもあります。

今回は、アジアインタートレード株式会社の代表取締役社長を務める高木潔さんに詳しくお話を伺いました。

本日お話を伺った方
アジアインタートレード株式会社の代表取締役社長を務める高木潔さん

アジアインタートレード株式会社
代表取締役社長

高木 潔さん

低価格&新鮮な野菜で届けることで飲食店の経営をサポート

アジアインタートレード株式会社の公式サイトに掲載されたサービス説明
▲アジアインタートレード株式会社は飲食店などに最安値で野菜を卸す事業を手がけている。(公式サイトから引用)

編集部

まずはじめに、アジアインタートレードさんの事業内容について教えてください。

高木さん

弊社は、飲食店をはじめとするお客様に対して、野菜などの業務用食材を最安値で提供する事業をメインに行っています。具体的なサービス内容としては、100を超える全国の卸業者の販売価格を一括検索し比較することで、最低価格の商品を見つけ、仕入れることができるというものです。

編集部

どのような経緯でこのビジネスを思いついたのでしょうか?

高木さん

実は、当初は農家が廃棄する規格外の野菜を飲食店に安値で販売するビジネスをしていました。しかし、品質の担保がとても難しいことがわかり、事業の転換を考えるなかで着目したのが「卸業者の価格差」でした。

卸業者は全国に何百とあり、同じ大根1本でも例えばA社は100円で売っていたり、B社は120円で売っていたりします。小規模な飲食店の場合、仕入れ価格の小さな違いがお店の利益に大きく影響するため、このようなサービスが必要だと考えました。

また、規模の大きな飲食店の場合は大量に食材を仕入れることが多いので、最安値で購入することができればコストを大幅に抑えることにつながります。

編集部

卸価格のわずかな差が、飲食店の経営を大きく左右するのですね。

高木さん

はい。飲食店の経営では食材の価格だけでなく品質も大事ですが、弊社のサービスは自分のお店の近くの卸業者を見つけて買いつけることができるので、鮮度の確保も可能です。

編集部

原材料費やエネルギー価格の高騰で飲食店の負担が大きくなっているので、新鮮な食材が安く手に入るサービスは貴重ですね。事業の評判や業績はいかがですか?

高木さん

お問い合わせをきっかけに始まったお取引を中心に、これまでに1,000件ほどご利用いただいています。青果の卸価格は一般に公開されていないため、比較購入ができる弊社のサービスに興味を持っていただけるのだと思います。

フードテック事業を拡大し「完全栄養パン」も開発

アジアインタートレード株式会社が開発した完全栄養パン
▲「食の未来を切り拓く」をミッションに掲げるアジアインタートレード株式会社は、完全栄養パンの販売にも乗り出している。(プレスリリースから引用)

編集部

ほかには、どのような事業を手がけていますか?

高木さん

糖質に配慮しながら1食に必要な栄養を摂取できる完全栄養パン「Perfect Bread」の開発を2022年から行っています。

弊社は野菜の卸事業がメインなので食品開発のノウハウがなかったのですが、日本中のパン工場に連絡を取り、興味を持っていただいた富山県の製造会社と共同で開発しました。試験販売では2,000個が完売し、手応えを感じたことから、これから本格的に販売したいと考えています。

ほかにも、食品ロスの削減に貢献する事業として、スーパーが廃棄する予定の商品を一般の消費者が購入できるマッチングアプリの開発も行っています。

弊社のミッションでもある「食の未来を切り拓く」をテーマに、今後もフードテックに関わるビジネスを展開していきたいと思っています。

編集部

注目が高まるフードテックの分野で事業拡大を狙っているということで、アジアインタートレードさんの今後の展開が楽しみです!

「食」を取り巻く環境を改革し、フードロスを減らしていきたい

編集部

先ほど、アジアインタートレードさんのミッション「食の未来を切り拓く」を伺いましたが、なぜこのようなビジネスをスタートされたのでしょうか?

高木さん

弊社のビジョンとして「フードイノベーションを通して、人々の食生活に新たな価値を提供していく」を掲げているとおり、農家や市場、購買者の方々など「食」を取り巻く環境にイノベーションを起こし、食品ロスの課題を解決していきたいと考えたからです。

私は、ゼロからビジネスを生み出すことに喜びを感じています。これまでも衣料品やペットの関連商材、医療機器などさまざまな業界において、新規事業の立ち上げをおこなってきました。

その経験を活かしながら、今後は海外展開を含めて新しいチャレンジを続けていきたいと思います。

編集部

近年、SDGsについての取り組みが広く進められていますが、アジアインタートレードさんはまさにその目標達成につながるような事業を展開されているのですね。

アジアインタートレードは全国からフルリモート可能&オンライン会議ゼロ

アジアインタートレード株式会社が取り扱うトマトやパプリカなどの野菜
▲アジアインタートレードでは、テレワークを推進しており、社員は全国から勤務している。(公式Instagramから引用)

編集部

アジアインタートレードさんでは、テレワークを導入していると伺いました。

高木さん

弊社には約10名の従業員がおり、全員がフルリモート勤務をしています。住む場所も自由なので、メンバーの居住地は北海道から九州までバラバラです。

編集部

完全なリモート環境ということですが、どのようにしてスムーズな業務を可能にしていますか?

高木さん

社員とのコミュニケーションについては、FacebookのMessengerを使って個別やグループでやり取りしています。

編集部

定期的にオンラインミーティングで顔を合わせることもあるのでしょうか。

高木さん

弊社では、オン・オフに関わらずミーティングを行いません。私自身がミーティングにあまり価値を感じていないこともあり、2012年の創業から一度も行ったことがありません。

弊社は、Aさんは入力業務、Bさんは入金管理、Cさんは経理など、社員それぞれの役割をしっかりと決めています。自分の責任の範囲が明確なので、それぞれがやるべきことをやるというカルチャーのもと働いています。

編集部

みんなで相談しながら働くというよりは、それぞれが担当業務のプロとして自立した働き方をしているのですね。

高木さん

働く時間についても、個人に任せています。子育て中のメンバーもいますので、自分の判断で早めに勤務を開始したり、短い勤務時間の日を作ったりしながら状況に合わせて働いています。

もちろん、求められたアウトプットをすることが前提ですが、先ほどお話ししたように弊社ではやるべきことを明確にしているので、問題なく業務を進めることができています。

足ではなく頭で稼ぐ!営業スタイルも現代的

編集部

地方からリモート勤務をしている場合、営業でお客様のところに出向く必要がある時はどうしているのでしょうか。

高木さん

私たちは「足」で稼ぐより「頭と口」で稼ぐことを重視しています。そのため、訪問営業をほとんどせず、弊社のウェブサイト経由でお問い合わせをいただいたお客様とのやり取りを中心にビジネスをしています。

また、弊社を利用していただくお客様には、若い方が経営する飲食店が多いこともあり、お問い合わせ以降のご連絡も全てメールやLINEで完結します。このように、弊社ではお客様のもとに出向いて対面でやり取りをする業務はほとんど発生しないのです。

編集部

働き方も営業の方法も、時代に即した形を取り入れていらっしゃるのですね。自分の業務に責任を持って黙々と仕事に取り組みたい人に合っている職場だと感じます。

インターンでは社長のもと営業の流れを全て経験できる

アジアインタートレード株式会社が取り扱う野菜
▲アジアインタートレード株式会社のインターンでは、業務用野菜に関する営業を経験できる。(公式サイトから引用)

編集部

アジアインタートレードさんは、学生インターンの受け入れを積極的に行っているということですね。

高木さん

はい。常にインターンがいるというわけではないのですが、弊社の仕事に興味を持った学生さんからご連絡をいただいた場合は、積極的に受け入れています。

編集部

インターンでは、どのような業務を経験できますか?

高木さん

私と一緒に営業を担当していただきたいと思っています。初めはアシスタントとして仕事の流れを一通り経験し、その後は独り立ちして裁量を持って活躍してもらうことを想定しています。

編集部

営業を通じて、どのようなスキルが身につきますか?

高木さん

お問い合わせいただいたお客様とのご連絡、交渉、契約締結までを経験できるので、営業に必要なノウハウを学ぶことができます。

また、弊社の営業は全てオンラインで完結するので、今どきの営業スキルを身につけることができると思います。ここで経験したことは、ほかの企業で働く場合も役に立つと思います。

編集部

会社の売り上げにつながる営業という仕事に関わることができるのは、インターンとしてはとても貴重な経験になると思います。

現代的な働き方をしながら食の未来を切り拓きたい人を歓迎

アジアインタートレード株式会社の高木社長が仕事仲間と飲食店で乾杯するようす
▲アジアインタートレード株式会社の高木さんは、事業内容だけでなく働き方から営業スタイルまで最先端のアイデアを取り入れている。(公式Facebookから引用)

編集部

最後に、この記事を読んでアジアインタートレードさんでインターンや社員として働くことに興味を持った人にメッセージをお願いします。

高木さん

弊社ではそれぞれが自宅で自分のペースで仕事をしているので、子育てや介護をしている方にとっても働きやすい環境だと思います。ビジネスライクな職場なので、人間関係のストレスがなく、エネルギーを自分の業務に集中したい方に向いていると思います。

営業に関わる方は、1から10までを自分で完結できる醍醐味がありますし、インサイドセールス中心なので猛暑のなか飲食店を訪問するようなこともありません。現代的な営業スタイルに共感していただける方、テクノロジーを活用しながら食の分野で新しい取り組みをしたい方がいらっしゃいましたら、ぜひ一緒にお仕事したいです。

編集部

「食の未来を切り拓く」をミッションに、革新的な事業や働き方を取り入れるアジアインタートレードさんでは、若い世代のメンバーもアイデアを出しながら活躍できそうだと感じました。

本日は、ありがとうございました。

■取材協力
アジアインタートレード株式会社:https://www.apconsulting.jp/