多くの若手社員や女性社員が活躍し、独自のビジネスを展開している企業をインタビューする本企画。今回は、企業の事業創造支援事業を展開している株式会社ゼロワンブースターにお話を伺いました。
株式会社ゼロワンブースターとは
▲株式会社ゼロワンブースターが掲げているミッション(公式ページより)
「事業創造の力で世界を変える」をミッションに掲げる株式会社ゼロワンブースターは、ベンチャー企業から大手企業、または行政や大学などの事業創造に関する支援事業を展開しています。
展開しているサービスは起業家や社内起業家の事業化支援のほか、ベンチャーと大手企業の連携支援などです。顧客と伴走しながら、新しいビジネスを生み出し続けています。
会社名 | 株式会社ゼロワンブースター |
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住所 | 東京都千代田区丸の内3-3-1 新東京ビル |
事業内容 | ・起業家支援事業 ・新規事業開発支援事業 ・ベンチャー投資事業 |
設立 | 2012年3月22日 |
公式ページ | https://01booster.co.jp/ |
多くの企業から相談を受けているという株式会社ゼロワンブースターでは、より多くの企業の課題解決に取り組むべく、現在採用に力を入れています。
今回は、求職者が知りたくなるような若手社員や女性社員が活躍できるカルチャー・制度について、シニアマネージャーの武田清誉さん、事業創造ソリューション部の大城摩希子さんにお話を伺いました。
アクセラレータープログラムや起業家教育事業を展開
▲運営するコワーキングスペース「有楽町SAAI Wonder Working Community」内のバーカウンター
編集部
はじめに、ゼロワンブースターさんの事業内容についてお教えください。
武田さん
ゼロワンブースターは企業などの新規事業開発支援事業を展開しています。企業といってもさまざまで、大企業や中小企業、スタートアップまで幅広く支援いたしております。
また、ご相談をいただいているのは民間の企業だけではありません。地方自治体さんや中央省庁、大学などの教育機関からお話をいただくこともありますね。
支援の形としてはさまざまですが、メインとなっているのは大企業をスタートアップ、もしくは行政機関などと結びつける「アクセラレーター(※)プログラム」です。大企業とベンチャー企業が結びつくことで、大企業はベンチャー企業の新規事業のアイデアや機動力、ベンチャー企業は大企業の資金力やノウハウを共有し合えます。
(※)accelerator。意味は「加速させるもの」。起業家やスタートアップを支援し、事業成長を促すこと、または支援事業者のことを指す。
編集部
新規事業を生むために企業や行政機関などの橋渡し役を務められているのですね。
武田さん
アクセラレータープログラムはゼロワンブースターが長く展開しているサービスではありますが、それだけに固執していません。起業家を育成するという視点も持っています。個人の起業家だけでなく、大企業であれば社内起業家を育てるためのプログラムも提供しています。
また、ゼロワンブースターはコワーキングスペース「有楽町SAAI Wonder Working Community」を運営しています。こちらで起業家向けのイベントを開催するなどし、起業家同士が交流できる場を提供しています。
編集部
法人、行政といった組織だけでなく、個人の教育にも力を入れられているのですね。
武田さん
起業家の育成という観点でいうと、ゼロワンブースターでは出向という形で他社からのベンチャー留学を受け入れています。つい最近では、大企業の社員さんを2人受け入れました。ベンチャー留学に来ていただいた方は、現在、商品開発や本格的な実証実験、ECなどでの商品発売に取り組んでいます。
SAAIには多くの起業家が会員としておいでです。この起業家コミュニティと近接した環境で、事業創造のプロフェッショナルのサポートを受けながら事業開発を進めることができるのは、社内起業家にとっても良い刺激になるのではないでしょうか。
編集部
ありがとうございます。ミッションである「事業創造の力で世界を変える」を体現するような幅広いサービスを展開されていることがわかりました。
強みは顧客の課題を抽出できる傾聴力
編集部
ゼロワンブースターさんの特徴は何でしょうか?
武田さん
新規事業開発を支援する企業はいろいろありますが、ゼロワンブースターの特徴は「相手の課題を抽出できる傾聴力」だと思います。
私たちは「新規事業はこうあるべき」という立場で前のめりにコンサルティングするというスタイルではありません。新規事業についての知識は企業、行政ともにある程度持っていることも多いですし、積み上げてきたノウハウもそれぞれ異なります。
なので相手の課題をしっかり聞き、「信頼資産」を積み上げたうえで提案するというスタイルを大切にしています。
編集部
相手の話をじっくりと聞く姿勢を大切にしているのですね。社員さんもそのような方が多いのでしょうか?
武田さん
ゼロワンブースターの社員は傾聴力やコミュニケーション能力が優れている方が多いですね。採用においても、新規事業開発の経験よりは、そういった部分を重要視しています。
「地方を底上げしたい」という想いを持つ若手が活躍
▲「日本全体のために地方を良くしていく、そのお手伝いができる仕事がしたい」という思いで入社した大城さん
編集部
ゼロワンブースターさんの社員さんの平均年齢はどのぐらいでしょうか?
武田さん
平均年齢はおおよそ30歳前後です。今後は採用に力を入れ、ゼロワンブースターとして拡大期に入っていく予定ですので、平均年齢は下がっていくことが予想されます。
編集部
大城さんは若手メンバーの一人になると思うのですが、現在のご状況について伺わせてください。
大城さん
私はもうすぐ入社して1年になります。いくつか案件に携わらせていただいて、ようやく年間の動き方の全体像が分かってきたという段階です。武田が申し上げた通り、これからゼロワンブースターは拡大期に入っていきますので、これから会社が良くなるためのアイデアを社員みんなで考えていきたいと思っています。
編集部
大城さんは現在どんな業務を担当されているのでしょうか?
大城さん
私は事業創造ソリューション部という部署に配属されているのですが、主に地方自治体のアクセラレータープログラムに携わっています。もちろん地方自治体だけでなく民間の企業もクライアントですので、そこは線引きせず業務に取り組んでいます。
編集部
もともと地方に携わることに関心を持たれていたのでしょうか?
大城さん
私は両親が沖縄出身です。以前から沖縄の方と話す機会が多かったのですが、話していくうちに東京などの首都圏と地方の格差を実感したのです。
なので、地方から日本のGDPを底上げしていきたいという思いを持っています。地方を良くしていくことで日本全体が良くなる、そのお手伝いができる仕事はないかということで、ゼロワンブースターに入社することになりました。
編集部
大城さんが持っていた情熱とゼロワンブースターのビジネスがリンクしたということですね。
メンター制度など、さまざまな人に相談できる環境がある
編集部
高い志を持った若手社員が活躍されていますが、若手のサポート体制についてはいかがでしょうか?
武田さん
サポート体制としては、若手が相談できる人を多面的にしています。OJT担当や上司はもちろんですが、相談役であるメンターや経営陣と定期的に1on1で面談する機会を設けていますね。今後は人数も増えていく予定ですので、サポートに関する制度も整えていきたいと考えています。
編集部
大城さんは実際にサポートを受けられてみていかがだったでしょうか?
大城さん
私は入社して半年ぐらいまで2人のメンターに付いていただきました。業務時間だけでなく、困ったことがあれば時間を取ってもらえましたね。キャリアの相談からプライベートのことまでいろいろな話を聞いてもらいました。入社して心細かった時期にそんな環境を作ってもらえたのはありがたかったですね。
また、代表取締役CEOの合田(ジョージさん)が力を入れている部分ですが、ゼロワンブースターには社内教育向けの動画が用意されています。事業についての理解を促すものだけでなく、ゼロワンブースターの文化や会社で使われている独自ワードの解説などもあります。
編集部
会社の独自ワードについての解説は細かい部分ですが、あると助かるものだと感じました。サポート体制以外に若手が活躍できている要因としては何が挙げられるでしょうか?
武田さん
若手の成長要因としてほかに挙げられることは、多様な事業者の方に出会えるということではないかと思います。ゼロワンブースターには、起業が目標でそのステップアップとして入社される方もいらっしゃいます。なので実際に起業家と交流し、さまざまな話を聞けるのは貴重な経験です。
起業するときに浮かびがちな疑問について無料で生の声を聞けるのは、ゼロワンブースターで働く上で大きなメリットなのではないかと考えています。
編集部
自分のキャリアをステップアップさせるためのノウハウが働きながら身に着けられるというのは、若手のモチベーション向上にも結び付きそうですね。
子育て中の女性社員が活躍できる柔軟な働き方

編集部
ゼロワンブースターさんの社員の男女比はどれくらいでしょうか?
武田さん
ゼロワンブースターの社員の男女比は半々ぐらいです。インターンも受け入れているのですが、参加者は女性が多いです。なので、オフィスを見てみると女性の方が多い印象を受けると思います。
編集部
多くの女性社員が活躍されていますが、その要因は何でしょうか?
大城さん
女性が活躍できている要因について働き方という観点で言えば、ゼロワンブースターがフルフレックス勤務制を採用している点にあるのではないかと思います。武田もお子さんがいるのですが、実際にお子さんのお迎えのために早めの時間に退勤して、夜落ち着いたタイミングで仕事に戻るというケースもあるようです。
働き方の自由度が高いのは、女性はもちろん、子育て中の社員が活躍できる理由として挙げられると思います。
編集部
採用に力を入れていくとおっしゃっていましたが、今後は子育て中の社員も増えてくると予想されるでしょうか?
武田さん
つい最近、3歳のお子さんがいる女性社員が入社しました。代表の方針としても、子育て中の社員もしっかり受け入れていくとしています。
ゼロワンブースターはまだ新しい会社です。また、在籍中に母親になったという女性社員は今のところいません。そんな背景もあり、制度としてまだ未整備の部分があります。しかし、産休育休というのは気兼ねなく取ってほしいという思いを持っていますので、今後は制度の整備に力を入れていきたいと考えています。
女性起業家による勉強会を実施し、男女の相互理解を促す
編集部
働き方以外で女性が活躍できている要因として挙げられるものはあるでしょうか?
大城さん
ゼロワンブースターでは半年に1回ほどのペースで女性起業家をお招きし、勉強会を開催しています。勉強会で、男女関係なくフラットに働けるよう意識づけをしている点は女性が活躍できる要因として挙げられるのではないでしょうか。
編集部
勉強会では実際にどんなことが行われているのでしょうか?
大城さん
勉強会は、女性ならではの悩みを理解する場となっています。例えば更年期や生理などの女性特有の悩みから、女性のキャリアの向き合い方などについて講師の方にお話しいただいています。男性社員は女性についての理解を深め、女性社員は講師に悩みを相談するといった内容です。
武田さん
女性が抱えている悩みは、男性も理解しなければなりません。理解したうえで、社員のマネジメントに生かしていきます。勉強会は男女間の認知ギャップを埋めるという役割を担っているのです。
編集部
フラットな職場を作るために相互理解を重視しているというゼロワンブースターさんの姿勢が伝わってきます。事業の特徴にあった「傾聴力」を感じる事例だと思いました。
社内間コミュニケーションを促進するイベントを開催
編集部
社員間コミュニケーションを促進するために取り組んでいることはあるでしょうか?
武田さん
社員同士のコミュニケーションを活発化するための方法の一つとして、定期的に社内イベントを開催しています。最近は予算達成時にバーベキューを実施していますね。新型コロナウイルスの影響が出る前は、社員の家族も参加して台湾旅行に出かけるなどしていました。
大城さん
他部署とのコミュニケーションも取れています。半期に一回のペースで、部署をミックスして何人かのチームに分け、ランチに行っていますね。人数が増えてきてチームも増えてきたので、なかなか違う環境にいる社員と話す機会が取れません。なので、このランチ会は他部署の方と話す良い機会になっています。
編集部
コロナ禍によって中断せざるを得ないイベントもあったと思いますが、今後のイベントはどのようにしていくとお考えでしょうか?
武田さん
なかなか大人数で集まるという形は難しいかもしれませんが、いろいろ考えながら今後もイベントは続けていきたいと考えています。
スタートアップを「支える」姿勢がある人を歓迎
▲「スタートアップの成長を見ることができる点がやりがい」と話す大城さん
編集部
ゼロワンブースターさんではどんな方が活躍できるのでしょうか?
武田さん
ゼロワンブースターのミッションは「事業創造の力で世界を変える」です。この課題感が心に刺さるのが、活躍できる人材の大前提です。
このミッションを達成するためには「起業家になる」「起業家を支援する」の二つの選択肢があると思います。選択肢のうち、起業家を支援するという方向でミッションを達成したいと思える方が活躍できる人材です。
「起業家になる」という視点ももちろん大切です。しかし、ゼロワンブースターで起業家の話を傾聴することで起業のための勉強になります。お話の中から、しっかり課題を抽出できるという方は活躍できるでしょう。
大城さん
ゼロワンブースターの仕事のやりがいとしては、スタートアップの成長を見ることができる点です。なので、どんな経験でもいいので自分が積み上げてきたスキルを活かしてスタートアップに貢献したいと考えている方はゼロワンブースターに向いているのではないかと思います。
ゼロワンブースターのホームページを見てみると、MBA(経営学修士)を取得している社員もいて、ハードルを感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。しかし、大切なのは「困り事を助けたい」「いろいろな業界の方と話したい」という思いです。
なので事業開発にこれまで関わったことがない方でも、このような思いを持った方が入社してきていると感じます。
編集部
大切なのはあくまでも「スタートアップを支援する」という思い、そして相手の課題を聞く傾聴力にあるということですね。最後に、ゼロワンブースターに興味を持っている方に向けてメッセージをお願いいたします。
武田さん
先ほども大城が申し上げた通り、スタートアップの課題を一緒に解決したり伴走したりすることに喜びを感じる方に来ていただきたいです。「自分が自分が」という姿勢だとゼロワンブースターのスタイルと相反することがありますので、「支える」というところに力を入れられる方を歓迎します。
大城さん
市場の変化は速いため、事業開発のスピードはものすごく速いです。なので、常に自分のスキルを磨き続けたいという思いを持った方はゼロワンブースターに合っていると思います。例えば最近ではAIの台頭が著しいです。そんな新しい分野に興味がある方に来ていただきたいですね。
編集部
「スタートアップの縁の下の力持ちになるべく自分を磨き続ける」ことに、ゼロワンブースターさんが大切にしているプロフェッショナルの姿を感じました。本日はありがとうございました。
■取材協力
株式会社ゼロワンブースター:https://01booster.co.jp/
採用ページ:https://www.wantedly.com/companies/01booster2