ホワイトヘルスケア株式会社とは
ホワイトヘルスケア株式会社は、ヘルスケアの未来をつくるため、三菱商事と東京海上ホールディングスの合同出資により2020年7月に設立されたジョイントベンチャー(※)です。
(※)ジョイントベンチャー:新たな事業を行うため、複数の企業が出資して立ち上げられた会社。
事業の目的は、超高齢社会に伴う医療費の増加等によってさまざまな課題を抱えている健康保険組合や医療関係者に対して、テクノロジーやデータを活用した支援を行うことです。その結果として、一人ひとりが自らの健康に向けて行動できる社会の実現を目指しています。
会社名 | ホワイトヘルスケア株式会社 |
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住所 | 東京都中央区日本橋大伝馬町17番5号 グランド日本橋小伝馬町 2F |
事業内容 | ・保険薬局向けデジタル化支援 ・健康保険組合向けセルフメディケーション支援 ・健康保険組合向け業務オペレーション支援 ・自治体向け地域医療連携支援 |
設立 | 2020年7月 |
公式ページ | https://whitehealthcare.co.jp/ |
働き方 | 出社とリモートのハイブリッド勤務型 フルフレックスタイム制 |
今回は、そんなホワイトヘルスケア株式会社の代表取締役である池本多賀正(いけもとたかまさ)さんに、事業内容や設立から成長を続けている組織の内側について、また必要としている人材などのお話を聞かせていただきました。
主事業は「健康保険組合の課題解決」のためのサービス提供
▲健康保険組合向けのサービス「あなたの薬箱」。お薬選びをサポートし、セルフメディケーションを推進する。
編集部
最初に、ホワイトヘルスケアさんが手掛けていらっしゃる事業についてお教えいただけますでしょうか。
池本さん
私たちがメインとしている事業は、ひとことで説明すると「健康保険組合の課題解決のためのサービス」ということになります。
健康保険組合は加入する組合員(企業で働く社員とその家族)の健康を守る存在ですが、医療費の増大により、その多くで財政悪化が続いています。弊社はセルフメディケーション(※)関連のサービス提供や、業務オペレーションの改善をお手伝いすることで、健康保険組合の持続的かつ健全な運営を支援しています。
(※)セルフメディケーション:自らの健康に責任を持ち、正しい知識を身につけた上で健康管理をおこない、軽い不調は自分で治していくこと。市販薬をうまく使うと医療費控除が受けられるケースも。
一例を挙げると、「あなたの薬箱」というサービスでは、お得かつ適切に市販薬を購入するために、薬剤師が監修した各種機能を利用していただけます。また、組合員のデータを分析することで、より効果的なセルフメディケーション推進の取り組みをしていただけるようなサポートもおこなっています。
▲健康保険組合のほか、保険薬局や自治体向けに事業を展開(公式サイトの採用資料から引用)
編集部
健康保険組合に向けたもののほかには、どのような事業を展開されているのでしょうか。
池本さん
保険薬局の方々に対するDX化の支援があります。具体的には、電子お薬手帳やオンライン服薬指導の導入などのサポートです。
また、自治体に向けては「地域医療連携(※)」を支援するための事業をおこなっています。この内容は幅広く、関係者が調剤情報を共有するためのインフラ構築や、データ分析により課題を抽出し、解決するためのアプローチを提案しています。
(※)地域医療連携:地域の中で異なる役割を持つ病院・クリニック・薬局などが連携し、切れ目のない医療を受けるためのしくみ。
健康保険組合は日本の医療にとって重要な役割を果たしている
編集部
ホワイトヘルスケアさんが、健康保険組合の課題解決を中心に事業を展開されている背景についてお教えいただけますでしょうか?
池本さん
それをお話しするには、私たちの健康を支えてくれている健康保険組合の役割について、説明が必要かと思います。
私たちが病院や薬局で医療サービスを受けてお金を支払うとき、窓口ではお支払いするお金は基本的には3割(※)ですよね。残りの負担分は、非常に重要なプレーヤーである「健康保険組合」が、被保険者から納付された保険料をもとに、病気やお薬の内容もしっかりと審査した上で支払いを決定しているんです。
(※)年齢等の条件により1割〜2割負担のケースもある。
医療を扱ったドラマなどでは、だいたい医師や看護師が活躍していますよね。一方で健康保険組合にフォーカスした作品は、私自身見たことがありません。でも実は、健康保険組合は目立たないのですが主役級の働きをしています。蓄積した膨大なデータを活用することで、よりリーズナブルな、そして早期発見・早期治療につながるような医療を提供するべく、法改正にも対応しながらさまざまな取り組みをしているんですよ。
編集部
病院で普段なにげなく保険証を出していたのですが、健康保険組合はそんな役割を果たしてくれているんですね。
池本さん
そうなんです。ただ、健康保険組合が単独で努力していくだけでは、あまりにも多い課題を解決するのは難しいという現状があります。把握している受診データをどう活かして、医療費を適切にコントロールしていくためにどんなところを工夫すべきか、外部からのサポートが必要な部分も多いです。
たとえば、この国にはお薬を必要以上に服用しているんじゃないかという人が、何百万人もいるといわれています。これはデータを俯瞰して参照可能な健康保険組合だけが知っているということもあります。そういったときに、私たちがお手伝いすることで、ご本人の健康にも、組合の財政にも貢献できるというケースがあります。
ホワイトヘルスケアの事業をまとめると、医療に関するお金と情報を一元的に把握している健康保険組合の役割について、その一部をお引き受けすることでもっと活躍してもらいたい、いわば「健康保険組合さんを健康にしていきたい」ということなんです。
編集部
健康保険組合が置かれている状況、そしてホワイトヘルスケアさんの事業の目的や意義について、すごくよく理解できました。健康保険組合に対してソリューションを提供することで、巡り巡って私たちが受けられる医療サービスにも反映されてくるんですね。
薬の知識とIT技能をあわせ持ったプロ集団
編集部
続いて、ホワイトヘルスケアさんの組織としての強みについて伺えればと思います。どんな点に特徴がありますか?
池本さん
私たちの強みは、「お薬の専門家」を多数抱えている点ですね。現メンバーのおよそ3分の1が薬剤師の資格を持っていて、なおかつ統計分析やプログラミングができます。だから、「薬を使いすぎる人が多くて医療費が高くなる」というような、健康保険組合が直面している課題を解決するための適切なプロダクトを提供できるわけです。
国内にも海外にも、医療とテクノロジーを掛け合わせたいわゆる「ヘルステック」の先輩企業はたくさんいらっしゃいます。多くのプレイヤーがそれぞれ得意分野を持っていて、棲み分けながら効果検証をおこない、人々の健康に寄与するようなサービスを生み出しています。
その中でもホワイトヘルスケアは医薬品に特化していて、医師や大学教授、弁護士などとも相談した上で「本当に効果的なお薬の使い方はどういうものか」というような知的作業に取り組んでいます。このような個の効果検証の分野では、我々はトップランナーなのではないかと自負しております。
編集部
健康保険組合単独では、その分野の課題はなかなか解決できないわけですね。
池本さん
そうですね。日本の医療は、約10年前に閣議決定された「日本再興戦略」によってグランドデザインが定められました。そこで決まった「データヘルス計画(※)」に沿って運営していく必要があるのですが、健康保険組合にとってそのあたりは得意な領域とは言いづらいんです。
(※)データヘルス計画:人々が健康に過ごす期間を長くするため、診療や健診で得たデータを分析することで保健事業を効果的に実施するための計画
そこで、健康保険組合の課題をヒアリングした上で日々の業務をお手伝いし、主にデジタル領域の新しい事業も提案していくことで、単なるコンサルティングではなく伴走して結果を出すことができると考えています。
しかも、それをタイムリーかつスピーディーに進めていくのも我々の強みです。たとえば「こういう部分が足りない」と言われたら「わかりました。来週に適した人材を派遣して動きます。見つからなければ我々が直接伺います」というようにすぐ動き、対応するんです。
ホワイトヘルスケアは2020年に設立したまだ若い会社ですが、データ分析からソリューション提供まで、一気通貫で価値提供できるのが強みだと自負しています。
編集部
なるほど。単なるコンサルティングだけではなく、サービスの提案から実装までおこなうことが特徴なんですね。
2020年の設立から、売上も取引先数も急成長中
編集部
続いて、ホワイトヘルスケアさんが設立以来どのように成長されてきたかお聞きしたいです。
池本さん
私たちは、売上でいうと毎年おおよそ150%から200%くらいの成長を遂げてきています。もちろん設立してそれほど経っていないことや、金額の規模感もそれほど大きくないということはあるのですが、今のところおかげさまで順調に伸びてきているかなと思います。
編集部
取引されているクライアントも、やはり比例して増えているのでしょうか。
池本さん
そうですね。メインのお客様となる健康保険組合は、日本に1,400組合近くあります。その中で一定数の組合に依頼していただけるので、まずそれだけでかなりの数となってきます。
それから、先ほどお伝えした医薬品に関する効果検証やサービスの実装に関連して、街にある薬局のみなさんもパートナーになっていただいています。その中で仕事を依頼されることも多くて、すでに600〜700の薬局の方々と取引をおこなっているんです。
現在、社員数は35名程度なのですが、どんどん事業が成長している状況ですので、メンバーも比例して増やしていかなければと感じていますね。
大切にしている3つのバリュー
▲大切にしている3つの価値観(公式サイトの採用資料から引用)
編集部
急成長をされてきているホワイトヘルスケアさんですが、社内で共有する価値観や考え方はあるのでしょうか。
池本さん
我々は、バリューとして「Think Giant」「Speed 5×」「Output & Outcome Driven」を掲げています。
まず、巨大なステークホルダーである国や医療関係者と組むことで自社をどんどん成長させること。そして最終的には、必要であれば巨人とも立ち向かって、社会を変えていくという大きな目標を持って日々働いています。
成長するためにはスピード感が大事です。5倍の速度で事業を、そして自身も成長させ、古い思考に縛られずに本質を捉えて現状を変えていきます。また、スピードがあっても目標がずれていてはどうにもならないので、目標から逆算して行動を決定する必要があるんです。
常に相談できる環境を整え、スピード感を持って仕事に取り組む
編集部
実際の働き方についても、先ほどおっしゃった価値観が反映されているのでしょうか。
池本さん
日々の業務に関しては、スピード感は間違いなくあると思いますね。
ホワイトヘルスケアは2020年設立ということもあり、リモートワークは当たり前に取り入れていて、比率としては7割くらいが在宅で勤務しています。また、フルフレックスも導入しているので、比較的働く環境は柔軟だと思います。
そのようにリモートワークが多い中で、できるだけ密にコミュニケーションをとることを意識しています。常にオンラインで顔を突き合わせているわけではないのですが、音声はつながっていたり、アバターで状況が把握できたりして、いつでも話しかけられる環境があります。
この前、入ったばかりのメンバーが「まさにベンチャーという熱気とスピード感がありますね」と言っていたのですが、まさにそのとおりです。小規模なスタートアップがガレージで熱く経営を語り合っているような雰囲気があると思います。
「池本さん、予定が埋まってるから相談はまた今度にしよう」ということは避けたくて、いつでも話しかけて仕事を進めたいんです。いちいち会議をするのにアポをとっていたら、スピードが5倍どころか5分の1になってしまいますから。そういうところは意識していますね。
編集部
設立以来、そのような働き方はずっと継続されているんですね。
池本さん
はい。実は、このワークスタイルはうちのエンジニアが提案してくれたんです。「仕事はコミュニケーションの量と質で決まるから、できるだけそれを邪魔しないようにしよう」ということで、いつ意見交換が始まってもいいような仕組みを、ボトムアップで取り入れました。
もちろん、今後メンバーが増えて150人になっても同じ方法を継続できるかどうかはわからないのですが、スピード感を持って事業を成長させるためにも、ベースとなる考え方は変わらないようにしていきたいです。
編集部
リモートワークかつフルフレックスを導入されているのは、社員の働きやすさを考慮したこともあると思うのですが、スピーディーに仕事を進めるために通勤などの無駄な時間を減らし、集中して仕事に取り組もうという意図もあるんですね。
「どんどん意見を出してくれる専門家」はぜひ応募を!
編集部
採用に関してですが、こんな方にジョインしてもらいたいという想いや、ホワイトヘルスケアさんに興味を持たれた方へのメッセージはありますでしょうか。
池本さん
メッセージは2つあって、1つ目は「専門能力を持った人の力を必要としています」ということです。
冒頭にお話ししましたが、私たちはこれまであまり光が当たってこなかった健康保険組合の皆様をフルサポートしています。この方たちが頑張ることで、この先100年の日本の医療が強靭なエコシステムになっていくと考えているのですが、正直なところ、この業界にはお金も人材も不足しているんです。
ホワイトヘルスケアは、医療に関するお金や情報について、特に医薬品の分野について、医師と対等かそれ以上に議論をしていけるような組織です。健康や医薬品に関する専門的な知識を持ち、なおかつデータを扱う能力、プログラミングができる能力がある人というのは、絶対数が非常に少ないです。
それはあくまで例ですが、自信があるスキルを持っていて、私たちのミッションに共感していただけるのであれば、本当に力を貸していただければと考えています。
編集部
ありがとうございます。残りの1つについてお聞かせください。
池本さん
もう1点お伝えしたいのは、「どんどん意見を出して、一緒にしのぎ合って仕事をしていける人に加わってほしい」ということです。
私たちは、年齢構成でいうと30代が中心で会社を運営しています。そのメンバーの多くは、大企業も経験した上で弊社に参加しました。年齢としても前歴としても、いわば「腕に覚えあり」という人材が揃っているんです。そこは自負しています。
私自身もいろいろな企業で苦しい時期や、会社が急成長して面白い時期を経験してきましたが、今いるメンバーたちは、これまでの経験を振り返っても見たことのないパフォーマンスを出してくれています。
「これくらい仕事にコミットできるんだ」という驚きを持ってもらえるはずなので、気になった方はぜひカジュアル面談でも、「近くに来たから顔を出してみました」という形でもいいので、お話しする機会をいただければと思います。
編集部
ホワイトヘルスケアさんが、日本のヘルスケアの未来について本当に深く考え、自分たちが良い方向に変えていくんだという強い決意を持って仕事に取り組まれていることがよくわかりました。その志に賛同される方は、ぜひご連絡していただければと思います。本日はありがとうございました。
■取材協力
ホワイトヘルスケア株式会社:https://whitehealthcare.co.jp/
採用ページ:https://hrmos.co/pages/whitehealthcare