革新的な事業で成長を続ける企業を取材し、カルチャーや社員活躍の秘訣に迫るこの企画。今回は総合PR事業を展開する株式会社ベクトルにお話を伺いました。
株式会社ベクトルとは
株式会社ベクトルは、PR事業をはじめ、プレスリリース配信事業やデジタルマーケティング事業など、コミュニケーションに関わる幅広い事業を展開しています。
「いいモノを世の中に広め、人々を幸せに」を理念に、革新的なサービス展開や新規事業開発を通じて事業を拡大しており、世界有数の広報業界専門メディア「PRWeek」(イギリス)が発表した2023年のPR会社ランキングでは、アジア圏トップ、世界7位に選出されました。
会社名 | 株式会社ベクトル |
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住所 | 東京都港区赤坂4-15-1赤坂ガーデンシティ18階 |
事業内容 | ・PRコンサルティング事業 ・総合マーケティング事業 ・ブランディング業務 ・デジタル広告事業 ・IRコミュニケーション事業 ・キャスティング事業 ・リスクマネジメント事業 ・マーケティングリサーチ事業 ・イベント事業 ・SNSコミュニケーション事業 等 |
設立 | 1993年3月 |
公式ページ | https://vectorinc.co.jp/ |
株式会社ベクトルには若手社員の活躍を後押しするカルチャーがあり、入社して間もないうちから大きなプロジェクトを率いたり、新規事業を立ち上げたりすることが可能です。また、誰もが働きやすい環境をつくるため、ダイバーシティの推進にも力を入れています。
今回は、株式会社ベクトルのPR事業部門で活躍する鋤崎貴斗さんと、グループ広報・IR室の安間有里さんに、企業成長の秘訣や若手社員の活躍などについて伺いました。
変化を捉えた革新的なサービスでPR業界をリードするベクトル
▲株式会社ベクトルは「いいモノを世の中に広め人々を幸せに」というビジョンを掲げている(公式サイトから引用)
編集部
まずはじめに、ベクトルさんの事業内容について教えてください。
安間さん
私たちは、戦略PR事業を中心に、デジタルマーケティング事業やキャスティング事業など、クライアント様の商品やサービスをターゲットに届けるための施策をワンストップで提供しています。
編集部
総合PR会社として国内最大の規模を誇るベクトルさんですが、事業の特徴はどのような点にありますか?
安間さん
私たちは、「いいモノを世の中に広め人々を幸せに」というビジョンの実現に向けて、時代の変化を捉えた革新的なPRサービスを展開しています。
従来のPRは、テレビや新聞といったメディアへの露出を通じて認知を広める方法が一般的でした。しかし、技術の発達や、SNSで個人が発信力を持つことができるようになった今、私たちはインフルエンサーの起用や動画クリエイティブの活用、テクノロジーを駆使したPRなど、さまざまな手法を最適な形で掛け合わせながら戦略的にPRを行っています。
時代をリードするPRの取り組みを評価され、イギリスのHaymarket Media社が運営する世界有数の広報業界専門メディア「PRWeek」が2023年5月に発表したPR会社の総合ランキング「Agency Business Report 2023:Ranking table」で世界7位、アジアの国としてはトップに選出されました。
編集部
SNSの普及などでコミュニケーションの方法が大きく変わるなか、ベクトルさんは新しい時代のPRで業界をリードしているのですね。
過去最高の業績を達成。ベクトルが成長を続けられる理由とは
編集部
近年のベクトルさんは新規事業にも積極的で、目覚ましい成長を続けていますね。
安間さん
はい。弊社は2014年に東証1部(現プライム市場)に上場して以降、新型コロナウイルスの影響があった年を除いて右肩上がりで成長を続けています。2023年2月期の売上高は前期比14.8%増の552億円となり、過去最高を達成しました。
クライアント様の数も順調に増えており、2015年度に1,000件だった年間プロジェクトの数は、2022年度に2,600件まで拡大しました。
PRの手段が多様化するなか、総合PR会社として満足いただけるサービスを提供するために新規事業の参入や事業拡大を行っており、グループ会社の数は46社まで増え、従業員数は合わせて約1,400人にのぼります。(2023年2月末現在)
変化に前向きなマインドが事業拡大を支える
編集部
右肩上がりの成長を続けることができる一番の要因は、どこにあるとお考えですか?
安間さん
従来の手法にとらわれずに、時代に合わせて事業を変革できることが大きな理由です。時代に合わせてサービスの形を進化させるためには、社員一人ひとりが常に新しい考えや手法を取り入れることに積極的であることが必要です。弊社にはそのようなカルチャーがあるからこそ、成長を続けられるのだと思います。
編集部
グループの規模が拡大すると、社内の意思統一が難しくなったり、社員が新しい事業やサービスを把握することが難しくなったりしませんか?
安間さん
子会社設立や業務提携に積極的な弊社では、毎年10個ほど自社サービスが増えているのですが、新しくグループになった企業について理解するための勉強会などを開くことで、グループ間の連携強化やノウハウの共有を図っています。
鋤崎さん
弊社では、社員それぞれが常に世の中のトレンドや動向にアンテナを張っています。そのため、新しいグループ会社や新規サービスが加わったときに「全く知らないものを受け入れる」という感覚はありません。ベースとなる知識をすでに備えたうえで新サービスに触れるので、「世の中が求めるサービスを実現するための武器が、またひとつ増えた」とワクワクする気持ちが大きいです。
編集部
変化を恐れず、前向きに取り入れようとする姿勢が、ベクトルさんの成長を支えているのですね。
20代で部長に抜擢!?若手に「どんどん任せる」カルチャーあり
編集部
ベクトルさんでは20代のメンバーが多く活躍しているということですが、グループの平均年齢について教えていただけますか?
安間さん
「株式会社アンティル」「株式会社プラチナム」「株式会社イニシャル」という、ベクトルグループでPR事業を手がける3社の平均年齢は、20代が6割、30代が3割です。
編集部
鋤崎さんも20代ということですが、どのようなお仕事に携わっているのでしょうか?
鋤崎さん
私は、1年半の前職勤務を経て、2021年2月にベクトルのPR部門に入社しました。現在はクライアント企業様へのPRコンサルティングや、新規のお客様にPRのプランを提供する営業活動を行っています。
誰もが知るような国内の大手企業様や、外資系のスマートフォンメーカー様などを担当しており、責任とやりがいを感じながら働いています。
編集部
入社間もないうちから、大きなクライアントさんを担当するチャンスがあるのですね。
鋤崎さん
はい。若手社員にどんどん任せるカルチャーがあると感じています。安間の話にもあったように、弊社は従来の形にとらわれない手法でPRを革新する会社なので、前例がないことへの挑戦が歓迎されます。クライアント様に提案を行う際も、どうすれば新しい価値の提供ができるかを常に考えています。
もちろん、任せてもらえることが多い分、失敗したりすることも多いのですが、失敗した時は先輩が「なぜ失敗したのか」を一緒にしっかり考えてくれるので、次につながる学びを必ず得ることができます。
編集部
先輩のサポートのもと、成功も失敗も早いうちから経験することが、社員の成長と活躍につながっているのですね。
入社2〜3年で一大プロジェクトのリーダーや部署の立ち上げを経験
▲PRコンサルタントなどとして活躍する鋤崎さんは、入社2年目で食品メーカーの新ブランド立ち上げプロジェクトを担当した。
編集部
鋤崎さんがこれまでに関わったプロジェクトで、印象的だったものはありますか?
鋤崎さん
たくさんあるのですが、自分が大きく成長したと感じるプロジェクトとしては、冷凍食品メーカー様をクライアントとしたお仕事があげられます。新しいブランドの立ち上げに伴い弊社がPRを支援することになり、私がチームリーダーとして戦略づくりから携わりました。
消費者に届けたいメッセージを考えるところから、SNSを活用したブランド戦略まで、何ヶ月もかけてクライアント様と設計しました。ブランドの立ち上げという、企業が命運をかけたプロジェクトを担当できたことは、成長につながる貴重な経験でした。
編集部
若手社員にまかせるカルチャーがあるベクトルさんならではの、大きな飛躍につながる経験ですね。
新規事業についても若いメンバーが活躍した事例はありますか?
安間さん
はい。入社3年目の社員の提案をきっかけに、新しい部署が設置されたことがあります。その社員は、消費者と企業のコミュニケーション手段としてTikTokやYouTubeが重要な役割を持つようになると数年前に見越し、動画を活用したPRを積極的に提案していました。その結果、動画に特化した部署が社内に創設されることになりました。
編集部
提案から部署の新設まで、どのくらいの期間で実現したのでしょうか?
安間さん
アイデアが生まれて約1ヶ月後には、部署の体制や利益のイメージをまとめた提案書を会社に出し、半年後には新部署が立ち上がりました。
編集部
動画に特化した部署の業績や成長率はいかがですか?
安間さん
今では企業のコミュニケーションの一環として動画コンテンツの活用が当たり前になっているので、とても多くのプロジェクトを担当しています。誰もが知る大手企業様をはじめ、国や地方自治体様からもご依頼いただいており、社内有数の成長部署になっています。
スキルアップ研修や社内起業家の育成制度も
編集部
若手の成長と活躍につながるような評価方針や制度はありますか?
安間さん
まず、弊社では”出る杭を伸ばす”というカルチャーがあるので、自ら手を挙げて挑戦する人、意見を言える人が評価される傾向にあります。
また、ベクトル社員の行動指針を示すものとして、「vector’s Rock」という14の項目があります。そのなかに、立場に関わらず率直に伝えることを推奨する「シンクストレート、トークストレート」というものがあります。このような考えが浸透していることも、若手社員が恐れずにチャレンジできるカルチャーにつながっていると思います。
鋤崎さん
「vector’s Rock」の指針には、ほかにも「素直」や「アクション」などがあり、ひとつひとつがとてもシンプルです。目指すべき姿がシンプルでイメージしやすいので、中途入社した社員であってもベクトルのカルチャーを理解し、活躍できる存在になれるのだと思います。
編集部
スキルアップを目的とした研修制度はありますか?
鋤崎さん
はい。例えば「プロフェッショナル研修」という研修制度があります。PRやインフルエンサーキャスティング、危機管理広報などを、弊社で活躍するさまざまな分野のスペシャリストから講義形式で学ぶものです。
安間さん
このほか、新規事業に関連した取り組みとして、社内人材から起業家や事業責任者を育成する「ベクトルアントレプレナー制度」もあります。
創業者で会長兼社長の西江を中心とする経営メンバーが新規事業について話す会議を毎週定例で行っているのですが、希望する社員がそこに参加し、海外の新規事業やトレンドについて紹介しあったり、事業アイデアを提案したりすることが可能です。その場で可能性があると判断されれば、会社として事業化を積極的に支援します。
編集部
社員のアイデアを積極的に聞き、挑戦の場を提供する「ベクトルアントレプレナー制度」、革新を追求するベクトルさんならではの取り組みですね。
ダイバーシティを推進し、妊活に使える休暇を創設
編集部
ベクトルさんでは、女性も多く活躍している印象があります。
安間さん
はい。弊社では性別によらずマネジメントのポジションについており、PR事業会社の株式会社イニシャルや株式会社プラチナムは女性が社長を務めています。
私たちはジェンダーレスだけにとどまらない多様性を推進しており、鋤崎がダイバーシティチームとして環境づくりを進めています。
編集部
具体的に、どのような取り組みをされているのでしょうか?
鋤崎さん
あらゆる社員が働きやすいような環境を作るための活動を行っています。例えば、子育てをするお母さん社員やお父さん社員をゲストに招いたトークセッションを開催し、「もっとこうだったら働きやすい」とか、「こんなことを思いながら働いている」ということを社内で共有し、よりよい環境づくりにつなげています。
編集部
ダイバーシティチームの活動によって新しくできた制度はありますか?
安間さん
社員へのヒアリングを通じて誕生した制度として、子どもが熱を出したときなどに使える「キッズサポート休暇」や、男性女性に関わらず妊活時などに使える「エクスプレス休暇」があります。
編集部
ダイバーシティを推進する企業は増えていますが、ベクトルさんは当事者の声をしっかりと制度に反映させるなど、一歩先を行く取り組みをしていると感じました。
起業家精神を持つ学生が集まるベクトルのインターン
編集部
ベクトルさんは、以前からインターンシップに力を入れていると伺いました。
安間さん
はい。弊社では、複数のインターンプログラムを用意しています。まず、数年前から行っているのが「ワンデーインターンシップ」で、PRについての基礎的な知識やクライアント様への提案の流れを実践を通じて学べるものです。
また、会社の雰囲気やカルチャーを理解してもらう目的で、今年初めて1週間のインターンシップを実施しました。30人ほどの参加者を受け入れ、SNSを活用したPR企画や、企業から何をどのように発信したら、メディアや消費者に好意的に情報を受け取ってもらえるかの企画作りや資料作成を経験してもらい、メンターによるフィードバックを行います。
編集部
ベクトルさんのインターンに参加する学生さんは、どのような方が多いですか?
安間さん
好奇心のある学生さんが多いと感じます。PR会社はさまざまな業種のクライアント様を担当するため、仕事を通じて自分が知らなかった世界に出会うことができます。そのような部分に魅力を感じる人が多いようです。
また、先ほどお話しした「ベクトルアントレプレナー制度」のように、弊社にはアイデアのある優秀な社員を責任者や新会社の社長に抜擢するカルチャーがあるので、起業家精神を持つ学生の参加も目立ちます。
ベクトルでは「人をワクワクさせる」挑戦がしたい人を歓迎
編集部
最後に、ベクトルさんで働くことに興味を持つ読者の方に、メッセージをお願いします。
安間さん
私たちは東証プライム市場に上場していることもあり、「安定企業」というイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、カルチャーとしてはベンチャーマインドが強く、新しいことに挑戦し、企業を成長させたいという気持ちを持つメンバーがたくさんいます。このようなカルチャーに共感いただける方とぜひ一緒に働きたいと思っています。
鋤崎さん
ベクトルは、「人をワクワクさせることがしたい」と思っている人が輝ける場所です。そのような仲間がもっと増え、社内のワクワクの輪がどんどん大きくなればいいなと思っています。若手社員がチャンレンジできる環境があるので、PRを通じて実現したいことがある方は、ぜひ私たちと挑戦しましょう。
編集部
ベクトルさんには、前例にとらわれない新しい価値を生み出したい人や起業に関心のある人が、思いきり挑戦できるような環境が整っていると感じました。
本日は、ありがとうございました。
■取材協力
株式会社ベクトル:https://vectorinc.co.jp/
採用ページ:https://recruit.vectorinc.co.jp/