ユナイテッド株式会社が展開する投資事業の強みと「若手が劇的に成長できる環境」とは

上場企業の躍進や魅力を、若手や女性活躍の視点から掘り下げるこの企画。今回はインターネットビジネスの黎明期から20年以上にわたって数々のベンチャー・スタートアップ企業に投資を行う、ユナイテッド株式会社を取材しました。

スタートアップ企業を支援するユナイテッド株式会社

ユナイテッド株式会社は、投資、教育、人材マッチング事業をコア事業として展開する企業です。投資事業においては、1998年の設立以来、20年以上に渡って数々のベンチャーやスタートアップ企業に投資を行い、投資先企業の成長およびEXITに寄り添ってきました。

現在は国内のシードからアーリーステージのベンチャー&スタートアップ企業を主な投資対象としており、自己資金による投資で柔軟かつスピーディーな意思決定を実践しています。

会社名 ユナイテッド株式会社
住所 東京都渋谷区渋谷1-2-5 MFPR渋谷ビル
事業内容 ・投資事業
・教育事業
・人材マッチング事業
・アドテク・コンテンツ事業
設立 1998年2月
公式ページ https://united.jp/

投資実行後も長きにわたって企業を支えるユナイテッド株式会社には、意欲あるキャピタリストやストラテジストが在籍しており、投資先も、そして自社も成長し続けられるよう活躍しています。その飛躍の背景には、どのような支援体制やカルチャーが根付いているのでしょうか。

そこで今回は、若手キャピタリストの代表である投資事業本部キャピタリストチームの清水石(しずいし)貴子さんと、同部署バリューアップチームの矢部凌太さんに、ユナイテッドが手掛ける投資事業の特徴や会社の魅力についてお聞きしました。

本日お話を伺った方
ユナイテッド株式会社のキャピタリスト清水石貴子さん

ユナイテッド株式会社
投資事業本部キャピタリストチーム
キャピタリスト

清水石貴子さん

ユナイテッド株式会社のストラテジスト矢部凌太さん

ユナイテッド株式会社
投資事業本部バリューアップチーム
ストラテジスト

矢部凌太さん

自己資金で柔軟な意思決定をするのがユナイテッドの投資スタイル

編集部

ユナイテッドさんは、投資を全て自己資金で行っていると伺っております。自己資金による投資のメリットなど、御社の投資事業の特徴やベンチャーキャピタル(以下、VC)との違いについて、まずは清水石(しずいし)さんよりお聞かせいただけますでしょうか。

清水石さん

自己資金による投資には、出資額や株式取得比率・投資決定プロセスをフレキシブルにできることや、成長に時間を要する事業領域にも投資が可能になるというメリットがあります。

ファンド運営をする一般的なVCの場合、新規投資の際に1回あたりの投資金額(チケットサイズ)や株式取得比率の制限、投資意思決定をする場(いわゆる投資委員会)の開催頻度など、様々な制約があります。加えて、事業フェーズや事業領域まで限定的になることも考えられます。

一方、当社はこのような制約がないため、出資の条件や事業領域なども含めて案件ごとにフレキシブルな投資判断が可能です。例えば、農業の領域など事業成長までに時間を要するものの将来の大きなリターンを見込めるような事業領域にも積極的に投資し、投資後のバリューアップ支援ができることを最大の特徴としています。

編集部

投資する領域や企業の規模に左右されず、ユナイテッドさんの視点から将来性があると感じたもの、そして社会全体の課題解決につながる支援を実施できるのですね。

新たなパーパスが示すユナイテッドの“本気”

株式会社ユナイテッドのロゴが入ったペットボトル飲料水
▲パーパスと共に会社ロゴも刷新。オレンジ色の情熱的なコーポレートカラーと、成長をイメージした「連鎖する円」が特徴。

編集部

ユナイテッドさんが掲げる“意志の力を最大化し、社会の善進を加速する。”というパーパスは、2022年4月に策定されていますが、これまでとの変化を実感されることはありますか?

清水石さん

パーパスをはじめ、ロゴやコーポレートカラーまで変わったことで、会社の本気を強く感じました。

以前は“日本を代表するインターネット企業になる。”というビジョンを掲げていたのですが、インターネット産業の成熟や時代の変化なども踏まえて、今の時代とは少しズレることもあると感じていたので、新しいパーパスが発表された際にはこれからの企業姿勢を示す力強い思いが込められていると感じました。

投資対象企業においても、IT系の企業が中心だったのに対し、パーパス策定後は当社としての期待リターンは目指せる前提で、農業分野や女性の社会進出を支援する企業など、より社会性の高い事業領域にも積極的に投資を行っています。

これまでと違った分野の新規投資に携わり、検討を進めるようになったことは、私としても知見を広げる良い機会になっています。

編集部

社会に前向きな成長の連鎖を生み出すことを目的とするユナイテッドさんのパーパスは、毎日の業務にも良い影響をもたらしていることがわかりました。

ストラテジスト・キャピタリストとしてスタートアップを支援

ユナイテッド株式会社の清水石貴子さんと矢部凌太さん

編集部

清水石さんは2020年、矢部さんは2021年にユナイテッドさんにジョインされたとのことですが、入社から現在までの経歴についてお聞かせいただけますでしょうか。

矢部さん

私は、1年目は自社の新規事業開発に、2年目は大手法人企業に向けたDXコンサルティングに従事していました。

現在は投資事業本部のバリューアップチームに所属し、主に、投資先スタートアップに対してのバリューアップ支援をするストラテジスト(※)として活動しています。
(※)ストラテジスト:バリューアップチーム、キャピタリストチームメンバーによって構成される投資先スタートアップのハンズオン支援部隊UVS(UNITED Venture Success)にて支援プロジェクトをリードする役割のバリューアップチームメンバー

清水石さん

新卒で入社した私は、アドテクの自社プロダクトを販売する事業部に配属されました。しかし、会社の方針変更もあり、入社後半年ほどで大手法人向けDXコンサル事業の部門に異動しました。

ウェビナーの企画やオウンドメディアの立ち上げに関わりつつ、企業支援のプロジェクトにも携わった後、2021年4月からは投資事業本部のキャピタリストチームに所属し、キャピタリストとして活動しています。

投資事業本部の役割は投資実行後も伴走し、支援すること

編集部

投資事業本部とはどのような部署なのでしょう。役割や目的などをお聞かせください。

清水石さん

ユナイテッドはCVC(※1)という形態ですが、投資の際にグループ会社との事業シナジーは必須でなく、独立系VCと同様、純粋に投資リターン・キャピタルゲインを目的とした投資を行っています。そのため、投資事業本部の主な役割は、有望なスタートアップの発掘・投資実行・IPO(※2)やM&AなどのEXITに向けた事業成長の伴走です。
(※1)CVC:コーポレート・ベンチャー・キャピタル。事業会社が自社の戦略として社外のベンチャー企業に出資する投資活動のこと
(※2)IPO:新規株式公開。企業が新たに株式を株式市場に上場し、一般投資家から資金を集めること

これまではキャピタリストが単体で活動をしていましたが、パーパスの策定も経て、資金提供にとどまらない支援を行うことでユナイテッドとしても事業成長に貢献していきたい想いから、バリューアップチームを立ち上げました。

編集部

お2人とも異動を経て現在は投資事業本部に所属されているとのことですが、異動の際はキャリアパスなど人事からのヒアリングなどはあったのでしょうか。

矢部さん

2年目後半から、スタートアップに向けてのバリューアップ支援を担当していた私は、もともと投資事業が第1希望でした。

自分が進みたいキャリアパスについてはカジュアルな場や面談でも常に伝えており、その意向を汲み取ってもらったかたちで投資事業本部に異動しました。

清水石さん

私の場合は、チャンスがあればなんでも挑戦したいというスタンスで仕事に向き合っていました。

正直、その時点ではキャピタリストという仕事について詳しく把握していたわけではありません。でも、話を聞いて強い興味を抱いたので、投資事業本部の異動の話が出た時は「ぜひやらせてほしい」と伝えました。

編集部

カジュアルな会話やキャリア面談の中で希望や適性を見極めたうえで、力を発揮できる部署に配属されるのですね。

スタートアップの将来性を見極めるキャピタリスト

ユナイテッド株式会社のキャピタリスト清水石貴子さん
▲キャピタリストとして活躍する清水石貴子さん

編集部

では、お二方それぞれのお仕事について詳しく伺っていきます。キャピタリストは、具体的にどのような業務を担っているのでしょう。

清水石さん

スタートアップを発掘し、投資実行、その後の支援、EXITまで長期にわたって伴走するのがキャピタリストの仕事です。

スタートアップとの出会いはイベントでの出会いやVCからの紹介など、さまざまですね。VCは「競合」でありながらも「協業」関係でもあるので、他社ファンドの投資先が次の資金調達を行うタイミングで紹介してもらうことも多いです。もちろん、スタートアップからホームページの問い合わせフォームを介してご連絡いただくこともあります。

編集部

どのように投資実行が判断されるのですか?

清水石さん

資金調達を希望するスタートアップと面談をし、当社の投資方針との合致、将来性などを判断します。面談数のうち投資に至る割合は約5%と狭き門ではありますが、起業家の方へのリスペクトを忘れず、私も日々学ばせて頂いています。

あらゆる手段でバリューアップを目指すストラテジスト

ユナイテッド株式会社ストラテジストの矢部凌太さん
▲ストラテジストとして活躍する矢部凌太さん

編集部

バリューアップチームにおけるストラテジストの役割についてもご説明いただけますでしょうか。

矢部さん

投資実行後に経営体制の構築やテクノロジーの導入、セールス・マーケティング領域の施策出しなど、投資支援先のスタートアップが次のステージにステップアップをするために経営者と一体となり、あらゆるハンズオン(※)支援を行うことがバリューアップチームのストラテジストの役割です。
(※)ハンズオン:出資した後、戦略の立案など積極的に経営に介入して支援を行う手法。

基本的なアプローチとしては、スタートアップの経営者のお悩みや課題感を伺ったうえで、ソリューションを提供していきます。弊社の介在価値が発揮できそうな領域には積極的に支援をし、そうでない場合はその領域を得意とする会社と接続して解決へと導くといったように、スタートアップにとって最適な形になるよう、あらゆる手段でのバリューアップを目指しています。

有機米栽培で農業を魅力的な産業に導く「ビジョン」に共感

ユナイテッド株式会社の清水石貴子さんと矢部凌太さん

編集部

ユナイテッドさんが実際に支援されている企業の事例をご紹介いただけますか?

矢部さん

国内外における有機米市場の拡大に向け、田んぼの自動抑草ロボット「アイガモロボ」の開発と、有機米の生産支援および流通・販売の事業を展開する有機米デザイン株式会社に対し、当社はリード投資家として、上流から下流まで一貫した支援を行っています。

編集部

ユナイテッドさんと有機米デザインさんが出会ったきっかけについてお聞かせください。

清水石さん

当社のグループ会社であるキラメックス株式会社から紹介を受けたことがきっかけです。もともとキラメックスでは、有機米デザイン株式会社の代表取締役を務める山中(大介)さんが展開する山形県庄内地方を拠点に街づくり事業を行うヤマガタデザイン株式会社の教育事業と協業していました。

有機米デザインとしても、人口減少や高齢化等で課題の強い農業領域でさらなる事業成長を目指すために追加の資金調達に動くタイミングでキラメックスから紹介いただき、農業系企業の担当経験がある私がキャピタリストとして投資検討することになりました。

編集部

キラメックスさんから紹介を受けてからどのようなかたちで投資実行の検討が進んだのでしょう。

清水石さん

まず実際に、有機米デザインさんの拠点である山形県を訪問し、完全無人で圃場(ほじょう)を自立走行する「アイガモロボ」の動きを見学しました。その際に山中代表の有機米栽培や生産者の思いに寄り添ったピッチを拝聴し、国内の有機米栽培や有機米流通を加速させていくことで日本の農家をより魅力的な産業へと進化させるという構想に、思わず拍手をしてしまうほど感銘を受けたことを覚えています。

会食の場でさらに具体的な事業計画やビジョンを伺い、投資実行に向けた検討が具体的に進んでいきました。

自動抑草ロボット「アイガモロボット」に感じた将来性

編集部

実際に「アイガモロボ」を見た際の率直な感想をお聞かせいただけますか?

矢部さん

農業用ロボットと聞き、大きくてがっしりしたイメージを持っていたのですが、「アイガモロボット」は、田んぼにぷかぷかと浮かぶ小型の可愛らしいフォルムであることに驚きました。月並みではありますが、これなら農家さんもとても楽に扱うことができそうだなと思いました。

有機米栽培時の主要課題である、除草の作業工数を大幅に削減できる「アイガモロボ」は、スクリューの水流で水の濁りを生むことで太陽光を遮って光合成を防ぎます。巻き上げられた土を雑草種子を出芽できない柔らかい土の層に埋没させることで、雑草を抑制する仕組みになっています。

編集部

日本の農業を魅力的なものにしていく有機米デザインさんの取り組みは、ユナイテッドさんのパーパスとの親和性を感じます。

リターンを生むカギは投資実行までの綿密な分析力

ユナイテッド株式会社のキャピタリスト清水石貴子さん

編集部

ユナイテッドさんと有機米デザインさんの最初の出会いから、投資実行までの期間やプロセスについてお聞かせください。

清水石さん

通常の投資案件はファーストコンタクトから2〜3ヶ月で投資実行まで至るのですが、今回はリード投資で出資額も当社としてはそれなりに大きかったこともあり、約4ヶ月をかけて検討をしました。

投資実行のプロセスは大きく分けて2段階あり、1段階目ではビジネスモデルを整理し、外部環境や内部環境からマーケットにおける競争力や将来性の分析をします。加えて、当社が期待するリターンが得られるかも見ていきます。

意思決定のプロセスが挟まる2段階目ではクロージングに向けた損益計算書や貸借対照表などの財務関係の精査、特許などの知財にまつわる法務、契約関連などを詳しくチェックしました。

編集部

1段階目で競争力や将来性の分析はどのように進めていったのでしょうか?

矢部さん

正直に申し上げますと、私自身はそれまで有機米を購入したことがなく、有機市場についても明るくなかったため、有機米を購入する人が今後増えるのか疑問でした。そのため、有機米を購入するターゲットの特性や、どのような農家が有機米を生産したいと思っているかなど、丁寧に有機米のニーズについて調査しました。

また「想定通り顧客を獲得できるのか?」等のビジネス論点や「事業をグロースさせる体制は整っているのか?」等の組織論点を重点的に見極めていきました。加えて、「類似企業が市場でどのような評価を受けているのか?」を基準に、出資額を踏まえた想定リターン金額を算出し、採算性の観点でも当社なりの見立てを立てるという形で進めていきました。

現地訪問で事業の解像度が高まり、自信を持って事業計画を作成

ユナイテッド株式会社の矢部凌太さん
▲ストラテジストとして客観的に分析を行うことで、当初の懐疑心を払拭した矢部さん

編集部

農業の支援というと難しそうに感じますが、具体的にどのような支援を行っているのでしょうか。

矢部さん

今回の場合、農業領域ということで、農家さんがどのような考えを持っているかも含め、現場に行って、ヒアリングする必要があると感じました。現地訪問をした際にヒアリングを実施することに加え、肥料を作ってる現場への訪問、株主様から直接お話を伺う機会を設けました。

このようなプロセスを踏みながら、事業の解像度を高めてきました。最初は有機米市場の成長性に懐疑的だった私ですが、農家さんの課題の深さやニーズの大きさを知り、また、自分でも消費者目線で有機米を食すことで、ロジック的にも肌感的にも、この領域のポテンシャルは非常に高く、有機米デザインさんが「必ず成功する」と自信を持って見立てることができました。その見立てを元に売り上げなどの事業計画を作成しました。

ちなみに、有機米を最初に食したのはイベントだったのですが「冷めても甘くてすごく美味しかった」です!これは結構衝撃でした。

編集部

なるほど。これまでのお話から、ユナイテッドさんの投資事業本部では、それぞれが役割を担い、チームでプロジェクトを実行している印象を受けました。プロジェクトはどのような体制で進むのでしょう。

清水石さん

投資判断においては市場・競争環境等をふまえた事業成長戦略を踏まえて投資リターン算出や上場までのプロセスを見る資本政策等を判断していくので、明確な役割分担が難しいです。

前提条件としてキャピタリストとストラテジストが同じ情報量を担保しつつ、お互いこれまでの経験などを共有し一緒に議論しながらプロジェクトを遂行しました。

編集部

チームで情報を共有しているからこそ、先ほどの矢部さんのエピソードが清水石さんにとっても強く印象に残っているのですね。

投資の最前線で仕事に向き合うことが成長につながる

ユナイテッド株式会社の清水石貴子さんと矢部凌太さん

編集部

入社から今日に至るまで、お2人が自身の成長を実感したエピソードがあればぜひ、お聞かせいただけますでしょうか。

清水石さん

キャピタリストはEXITして初めて成果が出たと言える仕事なので、なかなか成長を感じにくい部分もありますが、例えば自分のネットワークから接点を持ったスタートアップへの投資実行や、今回のリード投資での詳細なデューデリジェンス(※)による新たな学びなど、日々少しずつ成長していくことを意識しています。
(※)デューデリジェンス:M&Aや組織再編を行う際に、対象企業の経営環境、事業内容などを調査し、法務面の問題点、財務状況・収益力について分析を行うことで、正確な企業経営の実態や事業運営の手法を把握するための精密検査

特に今回の有機米デザインさんの経験は、社内でも大型の案件だったのでプロセスやデューデリジェンスの深度も異なり沢山の学びがありました。次の企業への投資に活かせると感じています。

矢部さん

有機米デザインさんへの投資のような本格的なデューデリジェンスに初めて携われたことは、大きな財産です。

当初は企業の何を見るべきか、どう検討を進めるべきかなど、自分の中に確立された方法論がないなかでのスタートだったので、事業本部長や清水石と定期的にミーティングを重ねながらアドバイスを受けながらなんとか案件を進めていくことができました。

私にとってチャレンジングだったのは、有機米デザインさんが見積もれていないアップサイド余地を、定量的に評価したうえで事業計画を作成したことです。

有機米デザインさんの考えを考慮しつつ、当社の見立ても取り入れる必要があり、検討すべき論点やコミュニケーションをとるべきステークホルダーが多くハードなワークスケジュールでしたが、デューデリジェンスにおける一通りの検討フローの全体観が把握できました。今後は、一つ一つのプロセスの精度をあげていきたいですね。

編集部

培った知識や経験がスキルとなって身につき、次の投資につながっていくのですね。

広く浅くを“深める”マインドで、スタートアップを支援

編集部

さまざまな事業を展開するスタートアップに対し、投資検討と投資後支援をするユナイテッドさんでは、都度、担当案件の事業に関する知識の習得が求められると思われます。どのようなマインドで仕事に向き合っているのでしょう。

清水石さん

キャピタリストとして有機米デザインさんに携わることで農業に詳しくなりましたが、明日はWeb3の会社を検討するなど、全く異なる領域の知識が求められます。そのため、“広く浅い”を、どんどん深くしていくようなイメージで業務に向き合っています。

様々なスタートアップとの対話を重ねていくうちに、事業領域やビジネスモデルの特性が少しずつつかめるようになり、知識を横展開できる場面が増えていきます。まだまだわからないことばかりですが、どこかで必ず繋がっていくものなのでこれからも何事も前向きに吸収していきたいと思います。

矢部さん

投資支援先のスタートアップ経営者の方々は、事業に一番向き合っているという前提があるので、当該事業領域における経験や知識といった側面では価値が出せないことが往々にしてあります。

ですので、他業界の知見を持ってくる、支援先のリソースやケイパビリティが足らないところを補うなど、起業家と同じ視座を持ちながらクリティカルな視点で考え、議論を通じて本質的な気づきを与えられる存在になることで価値を出すといったプロフェッショナルなストラテジストとして所作を磨きこむことに取り組んでいます。

例えば、マーケティングという閉じた領域だけを見るのではなく、それを実行することで経営にどう影響するかといった論点や、経営の見立てを元に資金繰り計画や採用計画にどのような影響があるのかなどをを立てるなど、関連付けて思考を巡らせていく必要があります。

こういった思考の広がりの幅と、それぞれの論点に対する解の質をあげるべく、日々インプットとアウトプットを繰り返すことを意識しています。

目標は長期的な企業支援とハンズオン支援の確立

編集部

ユナイテッドさんのメンバーは清水石さんや矢部さんのように早い段階でキャリアを積み、重要なポジションや、グループ会社の代表に就く方が多いと伺っております。お2人の今後の目標についてお聞かせください。

清水石さん

熱量の高いスタートアップの方々やVCと接することは刺激的で楽しく、今後もスタートアップを支援していく活動を続けていきたいと思っています。事業を立ち上げてからIPOやM&AなどのEXITを行うまでは長期に渡り、様々な困難もある中で少しでも価値になるような支援をしていきたいです。

私が当社を志望したのは、多彩な事業展開を通していろいろな経験ができ、異なる職種、業種の方と近い距離で出会えることに魅力を感じたからです。

キャリアの価値観が変わっていくなかでも根底にある思いは変わっていないので、これからもスタートアップへの貢献を軸に様々な経験を積み、スキルアップを目指す方針です。

矢部さん

当社のスタートアップに向けてのハンズオン支援は、業界としても新しい取り組みであり、まだ方法論が確立していない分野です。

支援先スタートアップにとって真に価値のある、バリューアップ支援の枠組みを確立させるべく試行錯誤しながら、バリューアップ支援に取り組んでいきたいですね。

フラットな支援がユナイテッド流の女性活躍

ユナイテッド株式会社のキャピタリスト清水石貴子さん

編集部

続いて、ユナイテッドさんにおける女性活躍について伺います。清水石さんから見て、女性の活躍を支援する施策などはありますか?

清水石さん

女性に特化した施策ではなく、性別を問わないフラットなカルチャーが根付いていることが当社の一番の特徴だと感じています。産休、育休を経て復職する女性社員へのサポートはもちろんありますし、働き方も柔軟です。

編集部

性別ではなく、個人の資質を見て、働き方やキャリアを支援されているのですね。

有志が集まる部活動制度。フットサル部は代表も参加!

編集部

若手が活躍するカルチャーや、フラットな社風が根付くユナイテッドさんですが、社内のイベントなど、社員間の交流はどのように図られているのでしょう。

矢部さん

特徴的な活動としては、同じ趣味を持つ者が集まる部活動制度があります。フットサル部に所属している清水石と私は、月に1回程度、フットサルを楽しんでいます。

フットサルと聞くと、20代の若者の趣味と思われがちですが、当社のフットサル部は代表取締役の金子が参加するなど、幅広い年代が楽しんでいるのが特徴です。そこに役職や年次は存在せず、フラットな関係でフットサルを本気で楽しみ、交流を深めています。

清水石さん

フットサル部には私を含め、女性メンバーが3名ほどいるのですが、女性が入るとやはり体格差もあるので和やかな雰囲気のプレーになります。ところが、男性メンバーだけになった途端にハードになり、会話もできないほど全力でプレーをしているようです(笑)。

もちろんメンバー同士配慮しながらも、遊びのときも本気というのは、全員に共通したマインドかもしれません。

月に1度、ユナイテッドに出現する「スナック」で慰労会を実施

編集部

部活動の他、交流を目的としたイベントや制度はありますか?

矢部さん

地下のラウンジで、「スナックおつかれ」と称した慰労イベントを月に1回程度実施しています。毎月テーマを設け、食べ物やお酒を用意するのですが、イベントにはグループ会社や投資先、友人なども参加することが可能な会もあったりします。

清水石さん

ちなみに過去にはマグロの解体ショーを開催しました。代表取締役の早川と金子の2名がバーテンダー的にみんなに提供するドリンクを作るなど、ここでもフラットな関係が築かれています。

編集部

仕事の面では当然ながら厳しさもあると思われますが、「メンバーを楽しませたい」という想いを代表自らが強く持っているので、それをイベントというかたちで実践されているのですね。

学ぶ機会をフル活用し、自己成長したい方を歓迎

ユナイテッド株式会社の清水石貴子さんと矢部凌太さん

編集部

ユナイテッドさんの事業やフラットなカルチャーに興味を持ったけれど、投資という分野で活躍できるのか、不安に思う方もいると思われます。研修など、育成や成長を促す仕組みについて教えてください。

清水石さん

人材育成の体制が整っている当社の場合、入社後約1ヶ月をかけてキャピタリストに必要な知識などを身につけていきます。

1日に2、3時間の研修を3週間ほど受け、前提知識の習得を目指す座学研修と並行し、スタートアップとの面談にもどんどん参加します。知識ゼロからでもキャピタリストを目指すことができ、実践の場も早期に経験することができます

OJTでの丁寧な指導もあるので、仕事上の悩みも気軽に相談ができるのも、当社の人材育成の特徴です。

矢部さん

新卒でも若手のキャリア入社でも、仕事を任せてもらうときは全てを担当できるので、当社では経験がそのままスキルになります。しっかりコミットをすればかなりの速度で成長できるため、自己成長を志向する方には当社のカルチャーはフィットすると思います。

ストロングポイントが異なる、尊敬出来る上司や先輩が当社には多いと感じるので、このような環境をフル活用することで、どんどん成長することができます。

例えば、新卒でバリューアップチームにアサインされた場合、入社から4〜5ヶ月で担当を持ち、投資先にプレゼンする機会を得ています。PDCAを高速で回せる環境が整っているのでそのあたりも当社の魅力だと思います。

どんなスキルが身につくかが、企業研究のカギ

編集部

将来、どのような会社に勤めたいのか、迷っている学生は多いように思われます。そのような学生に向け、企業研究におけるアドバイスをお願いします。

矢部さん

私自身、会社を選ぶ軸として大切に感じるのは、この会社でどんなスキルを身につけることができるかということです。やりたいことが見つかっていない段階では、やりたいことが見つかったタイミングでいつでも挑戦できるように自身の出来ることを限りなく増やしていくことが重要だと考えます。

このような軸で見たときに、当社は間違いなくスキルアップや成長につながる環境がある企業だと言えます

清水石さん

スキルを積み上げるための挑戦機会があることに加え、社員の交流も盛んな当社は、心理的安全性が高いと感じています。仕事のしやすさや、話しやすいカルチャーが自然と根付いていることは、円滑な業務の遂行にもつながるので、社風なども意識して企業を判断していただけたら幸いです。

代表取締役社長の早川自身がコミュニケーションを大切にする当社は、フリーアドレスを導入しており、オフィスにはお菓子の屋台もあります。このような環境の中で、自分らしい生き方、働き方をぜひ見つけてください!

編集部

将来性のあるユナイテッドさんで、心理的な安全を得ながら働けることは、生きがいや、働きがいにもつながると感じました。また、矢部さんの「この会社でどんなスキルを身につけることができるか」といった視点は、将来に迷っている学生の指標にもなりますね。

本日はありがとうございました。

■取材協力
ユナイテッド株式会社:https://united.jp/
採用ページ:https://recruit.united.jp/