物流業界のSDGsを推進。株式会社トヨコンは若手が中心となり社会課題の解決に挑む

SDGsを意識した事業を行い、社会課題の解決に取り組む企業を紹介する本企画。今回は、包装資材の販売や省人化機器の導入支援などを通じて物流をサポートする株式会社トヨコンをインタビューしました。

株式会社トヨコンとは

株式会社トヨコンは、包装資材の販売や省人化機器の導入支援、包装設計、物流業務の効率化を実現するシステム開発など通じて、製造業をはじめとする企業の物流改善をワンストップでサポートしています。

顧客の要望に合わせて包装資材をオーダーメイドで設計する技術を持ち、精密機器や医療機器などのメーカーからも高い信頼を得ているほか、自動検品や自動梱包する機器の提案などを通じて人手不足に悩む物流現場の課題解決にも貢献しています。

会社名 株式会社トヨコン
住所 愛知県豊川市川花町2-62
事業内容 ・包装資材及び物流機器販売
・包装設計
・システム開発
・倉庫管理業務
・梱包業務
・組立事業
設立 1964年9月
公式ページ https://www.toyocongroup.co.jp/

株式会社トヨコンはSDGsへの取り組みにも力を入れており、環境にやさしい包装製品を積極的に取り入れているほか、若手社員が中心となってSDGsをテーマにした新規事業プロジェクトを進めています。

今回は、DX推進課長の高柳祐一朗さんと若手社員の皆さんに、若手の活躍やSDGsの取り組みについてお話ししていただきました。

本日お話を伺った方
株式会社トヨコンの高柳祐一朗さん

株式会社トヨコン
DX推進課

高柳 祐一朗さん

梱包からシステム開発まで「物流の課題」をワンストップで解決

株式会社トヨコンの本社外観

編集部

はじめに、トヨコンさんの事業内容について教えてください。

高柳さん

弊社は、製造業を中心としたお客様の「物流の課題」を解決する会社です。包装資材の販売、包装設計、省人化機器の導入支援、倉庫管理、梱包・組立業務、システム開発の6つのサービスを通じて、包装資材のコスト削減から物流の効率化に至るまで、ワンストップでサポートしています。

編集部

1964年創業のトヨコンさんだけに、積み上げたノウハウを活かして幅広い領域で物流の改善をサポートしているのですね。

高柳さん

トヨコンは梱包事業から始まった会社なので、包装に関する深い知識や高い技術力に自信があります。段ボールやポリ袋、緩衝材などさまざまな資材からお客様が運びたい製品に最適なものをご提案するだけでなく、お客様専用の包装資材をオーダーメイドで設計することもできるため、複雑な形状で繊細な扱いが必要な精密機器や医療機器などのメーカー様からは弊社の包装技術を高く評価いただいています。

また、人材不足が深刻化するなか物流業界ではDXの取り組みが欠かせません。弊社は自動検品や自動梱包といった省人化機器の提案や、梱包作業などのアウトソーシング、物流業務の効率化を実現するためのシステム開発を通じて、物流現場の変革をサポートしています。

若手社員によるアイディアの提案や挑戦を歓迎

株式会社トヨコンの若手社員6名が談笑するようす
▲談笑する株式会社トヨコンの若手社員の住田さん、吉田さん、内藤さん、岡田さん、井上さん、北河さん

編集部

ここからは、若手社員の活躍について伺いたいと思います。内藤さんと北河さんは2020年に入社されたということですが、担当しているお仕事について教えていただけますか?

内藤さん

私は包装資材や緩衝材を使い、お客様の製品が破損しないように梱包する業務を担っています。

北河さん

私は営業を担当しています。工場内で部品を自動で運ぶ機械や段ボール箱を自動で組み立てる機械などをお客様に提案し、物流工程の省人化や効率化をお手伝いしています。

編集部

トヨコンさんでのお仕事にやりがいを感じるのは、どのような時ですか?

内藤さん

若手のアイディアが歓迎され、提案の実現に向けて挑戦する機会を与えてもらえる時です。私が担当する梱包業務では、さまざまな種類の製品を効率的に包装する必要があります。製品ごとの最適な梱包方法を見つけるためにトライアンドエラーを繰り返しながら効率改善を提案できることに、やりがいを感じています。

北河さん

弊社は「単なる物売りにならない」という姿勢を大切にしています。私も営業職として、単に省人化機械を売るのではなく、まずはお客様の困りごとをしっかり聞き取り、解決に導くための提案をすることが求められています。

お客様ごとに異なる課題やニーズを理解することは大変な部分もありますが、20代のうちから責任ある仕事を任せてもらうことは成長につながっていると思えますし、お客様に自分の提案を採用してもらった時は大きなやりがいを感じます。

編集部

トヨコンさんには、年齢に関係なくアイディアを出したり難しい仕事に挑戦したりできる雰囲気があるのですね。

北河さん

そうですね。私は入社するまで「この仕事がしたい」というイメージがありませんでしたが、会社説明会や面接でトヨコンの人たちが就活生の私の話を真剣に聞いてくれる姿を見て、「こんな雰囲気の会社なら私も何かチャレンジができそうだ」と感じ入社を決めました。

学生の頃は物流や省人化機械の販売に関わるとは想像していませんでしたが、入社後は若手が挑戦できるカルチャーのもと、自分の仕事に興味とモチベーションを持って働いています。

社員が自主的に若手を育てるカルチャーがある

編集部

新入社員教育など、若手社員の成長を支える仕組みはありますか?

高柳さん

新卒で入社した社員の場合は、拠点ごとに専属の教育係がいます。基本的に新入社員はそれぞれ異なる拠点に配属されるため、ほとんどの場合、マンツーマンで教育係のサポートを受けることができます。

拠点に配属されてから半年ほどで教育期間が終了し、営業職ならひとりで営業に行くようになります。独り立ちするなかで課題に直面することもあるため、困ったことがあればいつでも教育係だった社員や周りの社員に相談できるような雰囲気を作るように心がけています。

編集部

不安や悩みを一緒に解決してくれる先輩がいるのは心強いですね。

高柳さん

私は長年採用に関わってきたため、インタビューに参加しているメンバーのことは就活生だった頃から知っています。みんなに会うたびに成長を感じることができるのは、周りの先輩社員のサポートがあるからこそだと思います。

教育係を設ける以外に特別な人材育成の制度があるわけではありませんが、社員が「新入社員に成長してほしい」という思いを持って自主的に仕事を教えたり、活躍の場を提供したりするのが弊社のカルチャーだと思います。

編集部

先輩が自主的に後輩を育てるカルチャーがあるから、若手社員のうちから活躍することができるのですね。

有休で度々海外旅行に行く社員も。プライベートも充実させられる環境

編集部

社員が能力を発揮し前向きに仕事に取り組むためには、働きやすい環境を整えることも欠かせないと思います。トヨコンさんのワークライフバランスや働きやすさについても教えていただけますか?

井上さん

弊社は仕事だけでなくプライベートも充実させられる環境があります。例えば、有休を取得しやすい雰囲気があるため、私は定期的にまとまった休みを取って趣味の海外旅行を楽しんでいます。そして、それがまた仕事のモチベーションにもつながります。

また、トヨコンは一人ひとりの事情にしっかり向き合っている会社だと思います。私は結婚を機に会社から離れた場所に引っ越すことになったのですが、会社にそのことを相談したところ、通勤の負担を軽くするために在宅勤務をメインに働けるようになりました。

今挙げたのは私のケースですが、私だけでなく、さまざまな社員がそれぞれの事情に合わせて柔軟な働き方をしています。

編集部

そのような環境があると、家庭の事情やライフステージの変化があっても安心してキャリアを継続することができますね。

脱プラを目指した段ボール製緩衝材の開発でSDGsを推進

「プロギング」の参加者らが集合するようす
▲株式会社トヨコンは、ジョギングとゴミ拾いを掛け合わせたSDGsスポーツ「プロギング」のイベントを開催する。

編集部

トヨコンさんは、SDGsへの取り組みに力を入れていると伺いました。

高柳さん

弊社は、環境負荷の低いSDGs製品の開発を推進しています。代表的な製品としては、段ボール材で作った立体紙緩衝材「ワッフルパッド」があります。

株式会社トヨコンの「ワッフルパッド」
▲「ワッフルパッド」は世界的な大手IT企業の製品の梱包にも使われている。(プレスリリースより引用)

高柳さん

家電製品などを購入すると、箱の中に製品を守るための白い発泡プラスチックが入っていると思います。「ワッフルパッド」は、発泡プラスチックの代わりにリサイクル可能な段ボール材を用いた緩衝材なので、脱プラにつながります。また、従来の緩衝材に比べて容積を4~6割減らす事ができるため、輸送や保管スペースの削減も期待できます。

編集部

「ワッフルパッド」の開発のきっかけを教えてください。

高柳さん

大手メーカー様から「環境先進国に製品を輸出するため、プラスチックを使わないで包装してほしい」という要望を受けたことがきっかけです。SDGsという言葉が浸透する前の2017年頃のことでしたが、営業担当者が紙を立体加工する技術を持つメーカー様と協力してプラスチックと同じくらいの緩衝力を持つ段ボール製の包装を実現しました。

これがきっかけとなり、会社としてSDGsを意識した取り組みを行うようになり、2021年には具体的な行動計画を策定して「SDGs宣言」を行いました。

最近では、使用後にサッカー盤やオセロに生まれ変わる段ボール「トラダン®」を開発し、商標登録しました。トラダンは、「トランスフォーム(変容)する段ボール」の略で、災害時に食料などを輸送する段ボールを遊び道具に転用させ、避難所の子どもたちを笑顔にしたいという思いから生まれました。

オセロやサッカー盤に変形した「トラダン®」
▲「トラダン®」は、使用後に廃棄されることが多い段ボールを遊び道具へと変身させる。

編集部

今後も新しいSDGs製品の開発を積極的に行う計画ですか?

高柳さん

はい。このインタビューに参加している若手メンバーが中心となってSDGsの取り組みを考える勉強会を開催しており、半年ほどかけてSDGsとトヨコンの技術をかけ合わせた新規事業のアイディアをまとめてくれました。

今後は、スタートアップ支援に明るい外部の講師の力も借りながら、新規事業の立ち上げを目指したいと考えています。

株式会社トヨコンの社員がSDGsに関する勉強会に参加するようす
▲株式会社トヨコンでは、若手社員が中心となりSDGsに関する勉強会を行っている。

編集部

若手社員を中心としたプロジェクトからどのような新事業が生まれるのか、楽しみです。

社会課題への取り組みが社員のモチベーションに

編集部

仕事を通じてSDGsに関わることについて、社員のみなさんはどのように感じていますか?

岡田さん

私は、空気で膨らませて箱の中の隙間を埋める「エアー緩衝材」を使った梱包を担当しており、環境に配慮したフィルムで作ったエアー緩衝材の使用をお客様に積極的に提案しています。

ここ数年は環境配慮型のフィルムに興味を示してくれるお客様も増えています。自分の仕事を通じて業界の環境負荷の軽減に貢献できていると感じられることは、嬉しいですね。

吉田さん

私は段ボールをはじめとする包装資材の営業をしており、お客様の間でもSDGsの意識が高まっていると感じます。SDGsの目標のひとつ「つくる責任 つかう責任」を意識して段ボールを大量に買うことを控えるお客様もいるので、何度も使える「通い箱」を頑丈にしたものを提案するなど、営業方法を工夫しています。

お客様の課題を解決できることはやりがいにつながっているので、今後も「SDGsの課題はトヨコンに相談しよう」と思っていただけるように、先ほど高柳が紹介したSDGs勉強会を通じてさらに知識を深めたいです。

編集部

トヨコンさんは、環境にやさしい物流の実現という責任意識を持ち、一人ひとりが積極的にSDGsに取り組んでいることがよく分かりました。

トヨコンの特徴は「風通し」と「人」の良さ

株式会社トヨコンのオフィス

編集部

トヨコンさんの社内の雰囲気や特徴についても教えてください。

住田さん

社長と気軽に話せる会社はあまり多くないと思いますが、弊社の場合は社長が社員と日常的にコミュニケーションを取っており、気軽に会話できるような関係性があります。自分の声がトップに届く風通しの良さはトヨコンの魅力のひとつです。

また、いい人が多いのも特徴です。入社前に会社見学に来たとき、案内役の方があまり案内業務に慣れていないなか緊張しつつ一生懸命説明してくれたり、各拠点の方々がすごく元気に迎えてくれたことが入社のきっかけになりました。実際に入社して働くようになっても、トヨコン社員の人の良さを日々感じています。

編集部

新しく入社したメンバーも、不安を感じることなく職場に溶け込めそうですね。

求めるのは柔軟性と自分の意見を併せ持ち、他人のために頑張れる人材

編集部

最後に、トヨコンさんの社風やお仕事にフィットするのはどのような方か、教えていただけますか?

高柳さん

北河の話にもありましたが、学生のうちから自分がやりたいことが明確になっている人は世の中にそこまで多くないと思います。トヨコンは、そういう人こそ大きな可能性があると考え、前向きに捉えます。

自分のやりたいこと、できることは明確にはなっていなくても、柔軟性や自分の意見を持ち、他人のために頑張ることに喜びを感じられる人なら、弊社で活躍していただけると思います。

編集部

私たちの生活を支える「物流」という大きな業界で、環境問題や人手不足といった課題解決に取り組むトヨコンさん。チームで力を合わせて何かにチャレンジしたいと思っている人が輝ける場所だと感じました。

本日は、ありがとうございました。

■取材協力
株式会社トヨコン:https://www.toyocongroup.co.jp/
採用ページ:https://www.toyocongroup.co.jp/recruitment/