トゥモローゲート株式会社「マイビジョンマップ」でつなげる自己成長。“大阪で一番オモシロイ会社を目指す”組織の実態に迫る

企業成長の背景にあるカルチャー、若手の活躍などを紹介するこの企画。今回は企業理念を設計し、ビジョンに向かう組織づくりをコンサルティングとデザインで提案するトゥモローゲート株式会社を取材しました。

デザインだけではなく内側から“オモシロイ会社づくり”を支援する

トゥモローゲート株式会社は、企業の付加価値を高める企業ブランディングを主軸に事業を展開する企業です。企業の課題を抽出し、理念の構築から浸透、発信までを一気通貫で行うことで、魅力的な会社創りを提案しています。

会社名 トゥモローゲート株式会社
住所 大阪市中央区西心斎橋1-6-32 アニーズビル2階
事業内容 ブランディング事業
  • 経営理念設計(ミッション、ビジョン、バリューの言語化)
  • アウターブランディング(Webデザイン、グラフィックデザイン、映像制作)
  • インナーブランディング(人事評価制度設計、社内制度設計、働き方改革)
  • 採用ブランディング(採用サイト、採用パンフレット、採用ムービー)
  • SNSブランディング(YouTube、Twitter、Instagram、TikTokの運用)
設立 2010年4月
公式ページ https://tomorrowgate.co.jp/

企業キャッチコピーである「ブラックな企業」や、中期ビジョンに掲げる「大阪で一番オモシロイ会社を目指す」など、斬新かつ、ユニークな言葉には、どのような思いが込められているのでしょう。

大阪オフィス移転、東京支社設立に伴う人員増加など、トゥモローゲート株式会社の躍進の背景にあるカルチャーなどについて、人事総務部の浦下歩さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
トゥモローゲート株式会社人事の浦下さん

トゥモローゲート株式会社
人事総務部

浦下歩さん

クライアントの想いを言葉と行動でカタチにする

トゥモローゲート株式会社の社員の仕事風景

編集部

最初に、トゥモローゲートさんの事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか。

浦下さん

私たちは、「オモシロイ会社づくり」を提案するブランディングの会社です。企業の理念設計からビジョンに基づく企業づくりをコンサルティング&クリエイティブの両軸でバックアップしています。

お客様、求職者、社員、3つのブランドターゲットに対する企業ブランド戦略を企画立案。WEBサイト制作や会社案内、パンフレット、PR動画などをデザインしながら、事業戦略や社内制度設計、人事評価構築など一貫してつくりあげています。

編集部

ブランディング事業における、トゥモローゲートさんの強みについてお聞かせください。

浦下さん

ブランディングの根幹となる経営者の想いや考え方をビジョンマップに落とし込み、そのビジョンに沿った組織作りを営業戦略や採用戦略、人事評価や社内制度設計まで踏み込んで企業づくりを支援できることが強みです。

加えて、内製化されたクリエイティブチームが、設計したブランドコンセプトに合わせた各種ツール(Web、グラフィック、映像など)の企画、立案、制作などを全て自社で担える点も特徴です。

単純にデザインとして魅力的なものをつくるためのデザイン提案ではなく、会社の想いを伝え体験してもらうためにはどのようなクリエイティブが必要なのかという視点で提案します。中身から魅力的な企業をつくる提案です。

例えば、コーポレートサイトのリニューアルをしたいという相談があったとしても、「どのようなサイトをつくるか」という手段を聞く前に、「どんな会社を目指しているのか?」「自分たちが大切にしている価値観や判断軸はなんのか?」という背景をヒアリングすることからスタートします。

編集部

丁寧なヒアリングから始まり、一気通貫でブランディングをすることで、トゥモローゲートさんのサイト内にある実績紹介のような、惹きつけられる企業づくりを実現することができるのですね。

組織を強くした「ビジョンマップ」

トゥモローゲート株式会社の「ビジョンマップ」
▲会社のミッション・ビジョン・バリューを具体的な行動に落とし込んだ「ビジョンマップ」

編集部

成長著しいトゥモローゲートさんですが、成長のきっかけとなったエピソードなどがあればぜひ、お聞かせいただけますでしょうか。

浦下さん

2018年に、先ほどお話ししたビジョンマップを自社で創ったことがきっかけとなりました。当時の社員数は15名。組織が大きくなるにつれて会社の想いが届きにくくなり、社員が向く方向がバラバラだった時期がありました。

「今後さらに人が増えていくなかで、このままではまずい」そんな危機感から、これまで抽象的だったミッション(存在意義)、ビジョン(目指すゴール)、バリュー(行動基準&判断基準)を定め、具体的なアクションプランに落とし込みを行ったことで、ビジョンマップが生まれました。

編集部

ビジョンマップを作成したことによって、社員数など物理的な変化はありましたか?

浦下さん

ビジョンマップをもとに2019年にオフィスを移転し、10数名だった社員数も50名規模に拡大しました。2022年には新たな拠点として東京支社を立ち上げています。

他にも、たくさんありすぎてすべては挙げきれないのですが、以下のような変化がありました。

  • 営業利益率が4.8%(2017年度)から26.24%(2022年度)と約5倍になった
  • 新規事業立ち上げ2件、新しい社内制度28件、選べる働き方など変化する組織になった
  • モチベーションクラウドの全社スコアが84.6まで上がった ※アルバイト・契約社員は除く 

編集部

東京支社を立ち上げたのは、事業や販路拡大が目的ですか?

浦下さん

もちろん事業や販路拡大も目的の1つですが、一番は社員の要望です。現在、東京支社長を任されている社員が、代表に「東京に行って支社の立ち上げがしたい」と提案したことがきっかけです。

「やりたいひとがいるからやらせる」というのが会社のやり方で、その判断基準は「オモシロイかオモシロクないか」です。やりたいと言ってるのにやらせてもらえないのはオモシロクないですよね。そんな理由で東京支社を立ち上げることが決まりました。

また、ビジネスの中心である東京に拠点を置くことでさらに成長したいという社員の声が多かったことも、支社設立のきっかけになりました。

会社と社員のベクトルを合わせる明確な判断基準が成長を後押し

トゥモローゲート株式会社の社員の仕事風景

編集部

新たな拠点を設け、社員数も増えているトゥモローゲートさんの成長を後押しした理由についてもお聞かせいただけますでしょうか。

浦下さん

会社が目指す方向性や判断基準が社員にしっかり伝わっていることが、一番の成長理由に挙げられます。具体的に言うと、「会社と社員が同じ方向に向かって進んでいること」「目的・考え方にズレがないこと」「仕事をやらされるのではなく、自発的に動く組織に変化したこと」が大きいと考えています。

先ほどお話ししたビジョンマップの中には、会社の判断基準として「ささる×あがる=ひらく」という方程式があります。

トゥモローゲート株式会社の「ビジョンマップ」の中の判断基準

ビジョンマップに掲載されている判断基準。「ささる×あがる=ひらく」の方程式で言語化されている

これは、「心に突き刺さる(感情的に心を揺さぶる要素)」「定量的な成果が上がる(仕事として成果につながる要素)」の2つを満たしているかどうかという判断基準が明確に記しているもので、社員はこれに沿って企画を立案します。会社の経営、社員の日常業務、企画、すべてがこの判断基準に則って行われているんです。

また、個人で作成する「マイビジョンマップ」の存在も大きいです。マイビジョンマップとは、会社のビジョンではなく社員のビジョンから逆算して実業務に落とし込んでいくもので、キャリア形成のために独自で設計したロードマップになります。社員はキャリアパスを明確に描くことで、目標に向かって邁進することができます。

トゥモローゲート株式会社の「マイビジョンマップ」のイメージ画像
▲夢の実現に向けたロードマップである「マイビジョンマップ」

編集部

マイビジョンマップができる以前と現在とでは、社員の仕事に対するモチベーションに変化はありましたか?

浦下さん

マイビジョンマップを設計することで、目の前の仕事を「なぜやるのか?」が明確になり、言われてやる仕事から「自分の将来のためにやる仕事」に変化しました。

やはり、やらされる仕事よりも、自らやりたいことに向かった仕事のほうが自発的になり、より高いパフォーマンスを発揮できるんじゃないでしょうか。実際に、マイビジョンマップの運用開始前と現在を比較すると、トゥモローゲートは売上で2.3倍、営業利益においては3.4倍に伸びています。

編集部

やるべきこと、改善すべきことが全てビジョンマップに掲げられた判断基準に沿っているので、社員としても納得しながら次のステップに進むことができますね。

平均年齢30歳。「大阪で一番オモシロイ会社」に向けて邁進中

トゥモローゲート株式会社の社員の仕事風景
▲フリーアドレスを導入しているトゥモローゲート株式会社では、社員が思い思いのスタイルで業務に当たっている

編集部

トゥモローゲートさんのビジョンマップで、“2025年までに「大阪で一番オモシロイ」と言われる会社へ”という中期ビジョンを掲げているのを拝見しました。日本や世界ではなく“大阪”としているのはどのような理由なのでしょう。

浦下さん

トゥモローゲートのビジョンは「世界一変わった会社で、世界一変わった社員と、世界一変わった仕事を創る。」ですが、今後やるべきことを考える中で、「世界一」は少し規模が大きすぎたことが理由です。そのため、「2025年」までに「大阪で一番オモシロイ」と言われる会社になろうと中間ゴールを設定しました。

そのビジョンを達成すべく、定量目標を8つの要件として定めています。要件をクリアする手法にはオフィスの移転の他、認知度を高めるという観点から、X(旧Twitter)やYouTubeなどSNSによる情報発信に新たに取り組んでいます。

トゥモローゲート株式会社の「ビジョンマップ」の中の定量目標
▲2025年までに中期ビジョンを達成するための要件とアクションプラン

個性が混ざりあった“ブラック”なメンバー

トゥモローゲート株式会社の大阪本社のオフィス

編集部

「大阪で一番オモシロイ」を目指すトゥモローゲートさんには、どのような方がジョインされているのでしょう。メンバーの平均年齢とボリュームゾーンを教えていただけますか?

浦下さん

平均年齢は30代となっており、若手では20代、ベテランは40代と幅広い年齢層でチームが構成されています。

編集部

トゥモローゲートさんではさまざまな年代層の方が活躍されているとのことですが、どのような資質を持っている方が活躍されているのでしょう。

浦下さん

営業やディレクター、デザイナー、映像編集者などそれぞれ違う強みを持ったメンバーが揃っており、それぞれのメンバーによって強みも異なります。まさに個性的だなと感じるのですが、共通点を挙げるとするならば、何かひとつ突き抜けたものを持っているということです。

具体的には誰にも負けないスキルがあるというだけではなく、「誰よりも顧客と向き合える」「成果に対して貪欲」「熱い想いを持っている」など、人によってさまざまですね。

当社は完全な成果主義となっており、年功序列による昇進はありません。そのため、入社3年目の者や、26歳くらいのメンバーが役職者になることもあります。

自己評価に基づいた評価の数値化によるクリアな評価制度

編集部

トゥモローゲートさんの評価基準はどのようになっていますか?

浦下さん

トゥモローゲートは、“スキル”と“実績”に加えて“マインド”と“ビジョンへの貢献度”の4軸で評価しています。これらの評価は期末に行われ、自己評価をもとに上長と役員による評価を実施します。

トゥモローゲートの人事評価で大事にしていることは、次のとおりです。

  • フィードバックをしっかりと入れること
  • 自己評価をつけさせること
  • 基準をしっかりとすり合わせること
  • 対象者のことをしっかり見ている人の意見を吸い上げること

自己評価をすることで、自分が思う評価と、会社から見た自分の評価を照らし合わせることが可能です。そして、会社の評価基準は何なのかを理解した上で、自己評価を踏まえてフィードバックが明確にできるため、「どうやったら次のステップに進めるか」が明確になるという点でモチベーションに繋がります。

編集部

感覚的な部分も自己評価と会社の評価とすり合わせることで、自己研鑽や成長につながる評価制度になっていることがよくわかりました。

最終週月曜は15時出社、専任シェフによる無料社食などユニークな制度あり

トゥモローゲート株式会社のオフィス内にあるフリードリンクバーの様子
▲18:00以降はオフィスのバーカウンターでアルコールを無料で楽しむことができる

編集部

クリアな評価制度のほか、トゥモローゲートさんならでは社内制度があればお聞かせください。

浦下さん

当社の社内制度は社員が考え、制定しています。社員が一緒になって会社をつくっていっているという感覚が近いかもしれません。

具体的なものをいくつか上げると、月末の最終週の月曜日、昼3時に出社する“ブラックマンデー”という社内制度があります。例えば金曜日の夜から旅行に出かけ、月曜日に帰ることも可能なので、制度の利用は個人の自由ですが、活用率は高いと感じています。

編集部

退社時間ではなく、出勤時間を遅くすることで若い世代も気兼ねなく利用することができますね。他に、特徴的な制度やカルチャーがあればぜひ、お聞きしたいです。

浦下さん

フリードリンクのバーカウンターがオフィス内にある当社は、18時以降は飲酒OKというカルチャーがあります。お酒を飲みながらコミュニケーションを図り、会話の中から斬新なアイデアが生まれることを目的としています。

また、常勤のシェフが手がける昼食を無料で提供する社員食堂制度もスタートしました。食生活が乱れがちな若いメンバーに健康的な食事を提供し、英気を養ってもらうことが目的です。

編集部

お聞きしているだけでもトゥモローゲートさんのワクワクする職場の雰囲気が感じられ、こちらまで楽しい気分になります。

実践的なビジネス体験ができるトゥモローゲートのインターンシップ制度

編集部

トゥモローゲートさんではインターンシップ制度を導入されていると伺っております。まず期間についてお聞かせください。

浦下さん

期間は個人に合わせて設定しており、短い場合は1ヶ月程度ですが、長期的に参加していただくことも可能です。

編集部

インターン生はどのような仕事を担うのでしょう。トゥモローゲートさんならではの体験などがあればご紹介いただけますか?

浦下さん

基本的に当社のプロデューサー業務の一部を行っていただきます。メインとなるのが営業です。新規営業の最初のアプローチから商談の同席といった流れになります。

■トゥモローゲートのブランドプロデューサーの仕事内容(公式ブログ)
https://tomorrowgate.co.jp/blog/2943/

ビジネス志向が高い学生にフィット。自己成長につながる多彩なビジネスシーンを体験できる

編集部

トゥモローゲートさんのインターンシップ制度がターゲットとする学生や、得られるメリットについてお聞かせください。

浦下さん

例えば、早い段階から何かチャレンジしてみたい、ビジネスの現場を実践的に学んでみたい、自分の実力を試したい、就活の際にプラスとなる実績作りがしたいなど、ビジネス志向が強い学生がターゲットになると思われます。

また、トゥモローゲートのインターンシップで得られるメリットとしては以下のことが挙げられます。

  • 経営者相手に直接話せる
  • 普段なかなか聞けない話が聞ける
  • ビジネス・現場の空気を肌で感じられる
  • フィードバックを受けられ自己成長に繋げられる
  • ヒアリング力が上がる
  • 提案力、プレゼン力が磨かれる
  • 就活、ビジネス経験で語れる実績がつくれる

ビジネスの現場で仕事をするからこそ、得られる経験や考え、出会いがあると思います。

編集部

そのようなインターンシップの体験を経ると、社会に出た際の自信にもつながりますね。

誰かと同じことはやりたくない、オモシロイことをやりたい方を歓迎

トゥモローゲート株式会社人事の浦下さん

編集部

ビジョンマップによってベクトルが明確となることや、クリアな評価基準、働く意欲につながるユニークかつ、充実した社内制度に興味を持った読者は多いと思われます。最後に、転職を検討する方に向け、トゥモローゲートさんが求める人物像をメッセージとしてお願いします。

浦下さん

創業当時から徹底してこだわるポリシーは「“誰もやらない”をやる」ことです。「普通のことはやりたくない」「嫌なお客さんとも仕事しない」「値引きもしないしコンペも参加しない」と、かなりわがままな会社です。

選んで仕事をするためには「選ばれる会社づくり」をしないといけない。魅力的な会社づくりを一緒にしていきませんか?

編集部

今回のインタビューを通してトゥモローゲートさんのビジョンやカルチャーに触れたことで、御社が目指す「大阪で一番オモシロイ会社」は、想像以上に早く実現するのではと感じました。

本日はありがとうございました。

■取材協力
トゥモローゲート株式会社:https://tomorrowgate.co.jp/
採用ページ:https://tomorrowgate.co.jp/recruit/