新しい働き方を取り入れている企業を紹介していくこの企画。今回は営業標準化システムを開発・提供するスタートアップ「株式会社Sales Navi(セールスナビ)」をご紹介します。
株式会社Sales Naviとは?
▲「営業の道しるべ」を指し示してくれる営業標準化システム「Sales Navi」のサービスイメージ
「『だれもが』『いつでも』成果にたどり着ける社会を。」をパーパスに掲げる株式会社Sales Naviは、AIコーチが営業パーソンに「営業の道しるべ」を指し示してくれる営業標準化システム「Sales Navi」を提供しています。
「Sales Navi」では、ペンギンイラストのAIコーチが対話形式で営業パーソンに商談の前後にさまざまな気付きをもたらすことで、営業活動をナビゲートします。また、独自の対話アルゴリズムを用いて、1人ひとりの営業パーソンの営業シーンや課題に応じた的確なコーチングを行います。
これにより、誰もが成果をあげられる状態を目指し、営業パフォーマンスの最大化をサポートしています。
■「Sales Navi」のサービスサイト
https://lp.salesnavi.co.jp/
「Sales Navi」のような営業標準化の取り組みは「セールスイネーブルメント」と呼ばれ、先行する欧米ではSFA(営業活動自動化)、CRM(顧客関係管理)とともに、営業成果向上のために欠かせないものとなっています。
株式会社Sales Naviのメンバーは「セールスイネーブルメント」を日本に普及させ、将来的には「Sales Navi」が営業職にとって欠かせないインフラになることを目指しています。
会社名 | 株式会社Sales Navi |
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住所 | 大阪府大阪市北区曽根崎2丁目8-5 3階 |
事業内容 | ・セールスイネーブルメント事業 ・DX事業 |
設立 | 2021年4月9日 |
公式ページ | https://www.salesnavi.co.jp/ |
働き方 | フルリモート 10:00~19:00(フレックスタイム制あり) |
今回は「Sales Navi」のプロダクト開発を支えるエンジニアの乗田さん、大谷さんと、人事部マネージャー川村さんに、チームの働き方や会社のカルチャーについて聞きました。
AIコーチが会話形式で営業指導をサポート
▲「Sales Navi」は入力された活動データをもとに受注・失注要因の解析などを行う。使うほどに、顧客独自の営業の道しるべが完成していく
編集部
御社のセールスイネーブルメント事業というのは、聞きなれない読者も多いと思います。どのような事業なのかご紹介いただけますか?
川村さん
「セールスイネーブルメント」の「イネーブルメント」が耳慣れない言葉だと思います。これは英語の「イネーブル(enable)」から来ており、「~できるようになる」という意味です。つまり、セールスイネーブルメントとは「営業」が「できるようになる」という意味になります。
弊社はそんな日本国内では極めて新しい分野に挑戦している企業です。
編集部
セールスイネーブルメントを実現するためのシステムとして、自社で「Sales Navi」を開発されたのですね。プロダクト開発背景についても教えてください。
川村さん
営業の仕事には体系化された教育方法がないため、多くの営業パーソンが感覚的な営業活動を行なっています。例えば新卒で入社した人が営業部門に配属されたとき、上司が極めて感覚的にマネジメントを行い、新人営業パーソンも感覚や根性で頑張ってしまう、ということがありますよね。その結果、成果をあげられる人とあげられない人のバラつきが大きくなります。
そこで、私たちは営業の標準化を図ることで、成果のボトムアップを追求し、高齢化の進む日本の生産性向上に貢献したいと考えました。そこで生まれたのが、誰でも営業ができるようになるSaaSのプロダクト「Sales Navi」です。
編集部
「Sales Navi」を使うと、どのように成果があげられるようになるのでしょうか?
川村さん
「Sales Navi」には各業界のトップセールスパーソンの心構えやスキルが入っており、社内のナレッジも蓄積されていきます。これに基づき、ペンギンイラストのAIコーチがマンツーマンで営業パーソンに指導やコーチングを行います。そして、ローパフォーマーの人を底上げし、組織全体の生産性を上げていきます。
▲「Sales Navi」の画面一例。AIコーチと会話するように選択肢をタップするだけで、報告が完了する
▲「Sales Navi」には現役トップセールスたちの1,000項目を超えるセールスインサイトが入っており、AIコーチが商談フェーズごとにアドバイスする
キーエンス、プルデンシャル生命のトップ営業マンだった代表が創業
▲「Sales Naviの強みは代表が営業のトップとして圧倒的な成果を挙げてきたこと」と語る川村さん
編集部
日本でもセールスイネーブルメント市場は広がってきているのでしょうか?その中での御社の強みはどこにありますか?
川村さん
営業分野のテクノロジー活用は進んでおり、他社でもセールスイネーブルメントをうたったサービスが出てきています。その中で弊社の強みは、圧倒的な営業力で知られるキーエンス、プルデンシャル生命保険で営業のトッププレイヤーとして走り続けた代表(代表取締役の田中大貴さん)が創業した会社であることです。
田中はプルデンシャル生命にスカウトされ入社した後、2017年~2021年度MDRT TOT会員(※)に認定されました。TOTはトップ・オブ・ザ・テーブルの略なので、まさに保険営業マンのトップ中のトップともいえる人物です。
(※)MDRT TOT会員: MDRTという保険営業のプロフェッショナル組織の中で、さらに上位0.01%の営業成果をあげた会員のこと
田中が自身の営業ナレッジを細かくまとめたエクセルシートが「Sales Navi」の原形でした。それを後に弊社のCTOとなる下地が「田中さんの考えているプロダクトはこういうことですか?」とパワーポイントでイメージを作ったところから、「Sales Navi」がスタートしました。
編集部
御社のWantedly記事で田中代表が「セールスイネーブルメントこそ私がやるべき分野」と語るストーリーを拝見しました。営業で確固たる実績があること、セールスイネーブルメントを日本で広めていくという信念から起業したことがSales Naviさんの独自性であり、強みなのですね。
■代表取締役の田中大貴さんのストーリー記事
キーエンス→プルデンシャル→スタートアップ、営業の最前線を走り続ける男が創るSalesTechとは。
入社1年目で設計業務も。若手エンジニアが感じる醍醐味
▲入社1年目で活躍するSales Naviエンジニアチームの大谷さん
編集部
ここからは、Sales Naviさんの若手活躍について、エンジニアチームの最若手メンバーである25歳の大谷さんにお聞きしたいと思います。現在のお仕事や、入社からを振り返って成長できたと感じることを教えてください。
大谷さん
「Sales Navi」のバックエンドの開発を担当しています。独学でプログラミングを身に付け、1年前に入社しました。エンジニアチームは20~40代のメンバーからなる少数チームで、意見交換をしながら、良いプロダクトを目指しています。
成長を感じるのは、設計にも関わることができたことです。ソフトウエア開発にはさまざまな工程がありますが、大事な工程の1つに設計があります。設計は「こういう方針でプログラムを作ります」という基礎になる工程ですので、入社1年目で担当させてもらえることはなかなかないと思っています。未経験の挑戦なので大変なこともありますが、結果として実力はすごく付きました。
編集部
大谷さんが挑戦できたのは、なぜだったのでしょう?
大谷さん
CTOの下地に相談し、「やってみたら?」と言ってもらえたことです。入社当初は具体的に決まった仕事を一つひとつやっていきました。そこで仕事を認めてもらうことができ、すぐにいろいろなことに携わらせていただくようになりました。
編集部
仕事ぶりを見て、挑戦を後押ししてもらえたのですね。大谷さんが他に貢献できたと思う点はありますか?
大谷さん
私はどちらかというと手を動かすよりも知識を付けることの方が得意なようなので、チームに対していろいろな観点出しはできたと思います。1年近く仕事をしてきて、経験もやっとそれに追いついてきたところです。
編集部
チームは年齢に関わらず意見交換ができるような雰囲気なのでしょうか?
大谷さん
はい。チーム内には、良いプロダクト作りのために「最適であるか」「より良いものであるか」という観点だけで判断しようという文化が作られています。ですので、意見交換に経験や年齢は関係なく、誰でも「こうした方が良いのでは?」という意見は遠慮せず言えます。みんなのアイデアをどんどん共有して、論理的に判断するようにしています。
編集部
良いプロダクト開発にフォーカスする「Sales Navi」開発チームの様子が伺えます。失敗を恐れずに挑戦できる、フォローし合うような環境ですか?
大谷さん
そうですね。設計をする際も自分1人で全てをやりきるわけではなく、先輩方と問題点を1つひとつ検証しながらやっています。起こりそうな問題や、それにどう対処したら良いかをすべて明らかにしたうえで開発を行っていますので、安心感があります。おかげで致命的な失敗は防げますし、問題が起きたときにも粛々と対応することができます。
プロダクトにかける情熱に惹かれて入社
▲Sales Naviの挑戦的な風土に惹かれて入社したという大谷さん
編集部
大谷さんはもともと、Sales Naviさんのどんな点に魅力を感じて入社されたのですか?
大谷さん
1つは、Sales Naviのビジネスが面白そうだと感じたことです。プログラミングは道具でしかなく、誰かの役に立つソフトウェアを作って初めて価値が出るのだと思っていたため、Sales Naviのビジネスに興味を持てたことは大きな理由です。
もう1つは、Sales Naviが挑戦的であったことです。セールスイネーブルメントという今までにないものを創るという、代表の強い思いに魅力を感じました。また、そのためのプロダクトにかける情熱を語るCTOの下地にも惹かれて入社しました。
編集部
ビジネスに興味を持ち、挑戦的な風土や創業メンバーの情熱に惹かれたのですね。今も仕事上でビジネスサイドと対話されることもありますか?
大谷さん
週1回全体ミーティングがあり、各部門の現在の状況を知ることができます。営業サイドの話や人事の話なども、全部聞けます。そこで自由に質問もできるんですよ。ですので、お互いの状況を共有できる場は毎週必ずあるような状況です。
編集部
挑戦的なところに魅力を感じてジョインした大谷さんが、チーム内で強みを発揮され、1年目で大きな挑戦もされていることがわかりました。
「自由×協働」の働き方。フルリモートでも心地よい一体感
▲エンジニアチームの仕事風景。普段はフルリモートでスムーズなコミュニケーションができている
編集部
続いて、Sales Naviメンバーの働き方や社内カルチャーについて、乗田さんにお伺いしたいと思います。みなさん、どのような働き方をされていますか?
乗田さん
弊社は部署に関わらずフルリモート勤務ですので、メンバーは全国各地で働いています。私自身は青森に住んでいます。働く時間はフレックスタイム制を採用しており、コアタイムは10時から17時です。開始時間や終了時間は自由に決められるので、私も朝8時や8時半から始めることもあれば、朝用事を済ませて10時から始めることもあります。
編集部
フルリモート下でのメンバー同士のコミュニケーションはどうされていますか?
乗田さん
全社でのコミュニケーションはビジネスチャットのTeamsを使っています。開発チームはさらにGatherというバーチャルオフィスを使っています。自分のアバターを操作して、バーチャルオフィス内を自在に行き来できるツールです。
普段はここにバーチャル出社し、用事があったらその人の席に行って話しかけます。チーム内ではわからないことがあってもすぐに聞きに行けるような空気感ができており、とても助かっています。皆が忙しそうなときはTeamsで連絡をしておいたり、毎日夕方4時には開発チーム全体でオンラインミーティングをしたり。いろいろなツールを最大限活用してコミュニケーションしています。
エンジニアの業務上、画面共有をしたり、ソースコードを見てもらったりすることが多いのですが、リモートワークだととてもやりやすいなと感じています。
▲エンジニアチームのバーチャルオフィスの様子。Sales Naviさんではさまざまなツールを使ってリモートワーク下のコミュニケーションをはかっている
編集部
ツールを使って話しかけやすい、相談しやすい雰囲気があることで、コミュニケーション不足は感じないのですね。
乗田さん
はい。離れて仕事をしている感じがしませんし、コミュニケーション不足は全く感じません。私は前職では普通にオフィスに出社していたのですが、出社していた頃よりもむしろ今のフルリモートの方がコミュニケーションはよくとれているなと感じるほどです。
編集部
そうなのですね!リモートワークで生産性も上がったと感じますか?
乗田さん
出社時に比べると、今の方がパフォーマンスが良いと感じています。ちょっと定量化するのは難しいのですが、体感的には倍くらいのパフォーマンスを発揮できているのではと思います。私の場合は、コアタイムの時間帯がパフォーマンスを出しやすい時間なので、リモートでフレックスタイムという働き方が自分にとてもフィットしていると感じています。
▲「リモートワークでパフォーマンスが上がった」と話す乗田さん
編集部
大谷さんも働き方の面で良いなと感じている点があれば教えていただけますか?
大谷さん
乗田さんと同じく、メンバーに気軽に相談できることです。オフィス出社の場合、誰かに状況を見てもらいたかったら、その人に物理的に移動してもらうか、情報をまとめた資料を作って持っていくしかありません。ですが、リモートワークでは仮想空間でアバターが移動するだけですので、物理的な移動は発生しません。気軽に「ここに悩んでいるんです」と相談できます。
開発をしていて、一番コストがかかるのがコミュニケーションだと思います。リモートワークでは物理的な移動や書類作成などを全部データで完結できるので、コミュニケーションコストが削減できます。
編集部
開発者視点からリモートワークのメリットを感じていらっしゃるのですね。
急拡大期のスタートアップでダイナミズムを味わいたい方へ
▲「謙虚で素直で勉強熱心な方と働きたい」。採用について語る川村さん
編集部
Sales Naviさんは2023年3月にプロダクトを正式リリースされ、1.7億円の資金調達も実施されました。今後、メンバーを増やしていくにあたり、どんな方を求めていらっしゃいますか?
川村さん
新たなメンバーに求めていることは2つあります。1つ目は急拡大期のダイナミズムを味わいたい方です。Sales Naviはまだシード期(※)のスタートアップですので、これから組織もプロダクトも急拡大していきます。その変化を一緒になって作り上げる経験をしたい方、ダイナミズムを味わいたい方にはぜひ応募いただきたいです。
(※)起業前、あるいは起業後間もない段階にある企業の成長ステージを指す言葉
2つ目は、謙虚で素直で勉強熱心な方です。弊社の採用ではスキルよりもカルチャーに合うかどうかを重視していますので、ここは外せないポイントです。
「与えあい称え合う」が浸透する社内。設立2年で退職者はゼロ
編集部
現メンバーは謙虚で素直で勉強熱心な方が多いのですか?
川村さん
はい。謙虚で素直で勉強熱心で、人柄も素晴らしい人が多いです。稚拙な表現で申し訳ないのですが、うちの会社はめちゃめちゃいい人ばかりなんです。Sales Naviは会社設立から2年ほど経過したところで社員数は16名ですが、退職者はまだいないんですよ。入れ替わりの多いスタートアップの中では珍しいかもしれません。そんな環境ですので、スキル面はあまり気にせず、純粋な気持ちで来ていただければと思います。
編集部
乗田さん、大谷さんからも、Sales Naviさんのカルチャ―や働く魅力について一言ずついただけますか?
乗田さん
私たちが大切にしているカルチャ―は「プロでありプロになる」「与えあい称えあう」「働くを楽しく」です。コミュニケーションがよくとれる職場ですので、「与えあい称えあう」というカルチャーは特に実感しています。自分の得た知識を伝えたり、みんなで共有し合ったりするのは、とても良い文化だなと思っています。
大谷さん
Sales Naviはいいものを作りたい、いいものを提供したいという気持ちがとても強い会社だなと感じています。人の役に立つソフトウエアを作りたい、良いプロダクトを世の中に提供したいと考えている人には、とても合う会社だと思います。
編集部
ビジョン、プロダクト、メンバーと、さまざまな面からSales Naviさんの魅力を伺いました。お話からはカルチャ―にある通り、皆さんがプロとしてスキルを磨きながら、互いに支え合い、楽しく働くことを大切にしている姿勢も感じられました。
乗田さん、大谷さん、川村さん、本日はありがとうございました!
■取材協力
株式会社Sales Navi:https://www.salesnavi.co.jp/
採用ページ:https://www.salesnavi.co.jp/recruit