若手が活躍するランニングホームランの「快」を大切にする働き方とは

独自のカルチャーや、社員一人ひとりの個性を大切にしながら成長を続ける企業をインタビューする本企画。今回はコーポレート、事業、採用などの領域のブランディングやクリエイティブ事業を展開するランニングホームラン株式会社にお話を伺いました。

ランニングホームラン株式会社とは

ランニングホームラン株式会社のロゴ

「逆転だらけの面白い世界を楽しむ。」をカルチャーに掲げるランニングホームラン株式会社は、企業のブランディングに関する課題について、クリエイティブ×コーチングの力を活用したソリューションを提供しています。

同社には創業者でコピーライターの恩田貴行さん(代表取締役)のほかさまざまなクリエイターが在籍していますが、もともとはクリエイターでなかった人材も入社し、活躍されているということです。

会社名ランニングホームラン株式会社
住所東京都豊島区西池袋2-31-26
事業内容・コーポレートブランディング、事業ブランディング、商品/サービスブランディング
、採用ブランディング
・Web制作、グラフィック制作、映像制作
・オウンドメディア『I am CONCEPT. 』運営
・ワークショップ・イベントの企画運営
設立2014年11月1日
公式ページhttps://running-hr.co.jp/

創業以来黒字を続けているというランニングホームラン株式会社ですが、社内に営業担当はいません。お客様の課題を解決し続けたことで評判が広がり、ブランディングに関する企業からの相談が続いているという背景があります。

また、20代を中心とした若手社員が中心メンバーとして活躍しており、社員一人ひとりが自分自身について深く理解し、自分を表現しているのも特徴です。自分自身を理解していることで、お客様に適切なソリューションを提供できています。

そんなランニングホームラン株式会社の成長の秘密について、経営企画室の澤海渡さんとクリエイティブ室の望月さやかさんに語っていただきました。

本日お話を伺った方
ランニングホームラン株式会社経営企画室の澤海渡さん

ランニングホームラン株式会社
経営企画室

澤 海渡さん

ランニングホームラン株式会社クリエイティブ室の望月さやかさん

ランニングホームラン株式会社
クリエイティブ室

望月 さやかさん

クライアントが涙する「ブランディング」サービスを展開

「自走ブランディング」を提供するランニングホームラン株式会社のメッセージ画像
▲独自のスタンスのもと、企業のブランディングに関する事業を手掛けている(公式ページより)

編集部

はじめに、ランニングホームランさんの事業内容について教えてください。

望月さん

ランニングホームランの事業領域は「ブランディング」「クリエイティブ」の2つです。それぞれの領域が分かれているわけではなく、関連しあっています。

編集部

ブランディングの領域ではどのようなサービスを提供しているのでしょうか?

望月さん

ブランディングの領域では、例えば企業の創業期から第二期に向かう際などに企業のブランドを再定義する「リブランディング」の分野でお手伝いをさせていただいております。

また、採用ブランディングに関するご相談もいただいていますね。「どんな人材が必要か」というところから携わらせていただいており、「どんな採用サイトを作るか」「どんなツールを活用するか」など根本の部分から提案しています。

編集部

実際にブランディングを手掛けてきた事例を教えてください。

望月さん

ブランディングの事例としては、創業100周年を迎える専門商社のMVV(ミッション、ビジョン、バリュー)策定プロジェクトが挙げられます。社員さんにワークショップに参加いただくなどし、5カ月かけてMVV策定の伴走を務めました。

MVVを発表する経営方針発表会では、先方の社長様が涙されるシーンもあったそうで、私たち自身も胸が熱くなった仕事でした。MVVの浸透に向け、いまも引き続きサポートを続けています。

駅広告からボードゲームまで幅広くクリエイティブを届ける

編集部

続いて、クリエイティブ領域の事業内容と事例について教えていただけますか?

望月さん

クリエイティブの領域ではBtoC向けの広告などを制作しています。駅で見かけるような広告を手掛けることもありますね。

クリエイティブ領域の例としては、商業施設「二子玉川ライズ」のコンセプトメッセージの制作などが挙げられます。二子玉川ライズが開業から10周年を迎えた際に、社会情勢が変化する中での商業施設のあり方をメッセージにしました。

編集部

企業の外側に向けた言葉だけでなく、内側に発信するメッセージを作る現場に携わっているのですね。

望月さん

ランニングホームランの仕事は、クライアントの「快」を探す仕事といえるかもしれません。

そういった観点でのサービス例が、映像制作会社のエレファントストーンさんと共同で開発した企業の価値観を紐解くボードゲーム「THE KACHINKO」です。THE KACHINKOは、言語化されていない自社の価値観をカードを使いながら発見していく内容になっています。

編集部

クリエイティビティを発揮してクライアントの課題を解決するうえでは幅広い手法があると思うのですが、ボードゲームの開発まで手掛けているのは驚きでした。既存の方法にとらわれないというのが、ランニングホームランさんの特徴なのですね。

ランニングホームラン株式会社が映像制作会社と共同で開発したボードゲーム「THE KACHINKO」
▲映像制作会社と共同で開発したボードゲーム「THE KACHINKO」(公式ページより)

顧客と自分たちの「快」を大切にし、黒字経営を維持

ランニングホームラン株式会社が大切にしている考え方「快」のイメージ画像
▲クライアントの「快」だけでなく制作サイドの「快」も大切にしている(公式ページより)

編集部

お客様が涙されるほどのサービスを提供されているランニングホームランさんですが、業績はいかがでしょうか?

澤さん

ランニングホームランは2023年で創業から9年となりますが、黒字経営が続いています。2022年度は新卒で入社した社員の活躍などもあり、売上高・粗利ともに最高となりました。

編集部

順調に成長し続けておられるのですね。成長の要因としては、どんなものがあるでしょうか?

望月さん

会社の姿勢として、ランニングホームランが大切にしている考え方である「快」が浸透し、結果として求められていることが理由として挙げられると思います。

私たちはクライアントの課題や問題の背景を伺ったうえで、「クライアントが一番気持ちよいことは何か」という「快」を探っていきます。同時に、私たち制作サイドの「気持ちよいこと」である「快」も大切にしているのです。

クライアント、制作サイドの「快」が合わさることを、ランニングホームランでは「ドンズバ」と呼んでいます。それぞれの快が重なることで、優れたクリエイティブが可能になるという考え方です。

クリエイターは、クライアントの御用聞きになってしまったり、クライアントの手足となってしまったりしがちです。しかし、ランニングホームランは立ち上げ当初からこちらの考えをクライアントに投げかけるスタイルを貫いています。

クライアントが課題を話しても「それは本当に課題ですか?」というところから始まりますし、課題がないというクライアントには「本当に課題がないんですか?」という疑問を投げかけます。

クライアントだけでなく、ランニングホームランとしても「快」を持っている。「クライアントと弊社の快が重なる『ドンズバ』がなければ案件は進められない」というスタイルを、立ち上げ当初から貫いていますね。

「商業クリエイティブで自我を出す」ために必要な深い自己理解

オフィスで話し合うランニングホームラン株式会社の社員たち

編集部

クライアントの「快」と自分たちの「快」を重ねるために、ランニングホームランさんではどのようなことを大切にしているのでしょうか?

澤さん

ランニングホームランでは、クリエイターが自我を出すことを大切にしています。

一般的なクライアントワークでは制作サイドが自分を出さず、「いかにお客さんが言っていることを反映していくか」ということが求められがちです。同じクリエイティブでも、アーティストは自我を出すものですが、私たちのような商業クリエイターは自我はいらないとされています。

そういった意味で、ランニングホームランでは一般的なクリエイティブから見ると「逆の動き」をしていると言えますね。

編集部

商業クリエイティブの分野で自我を出すことは、私のような素人から見ると勇気がいるように思えます。

澤さん

自我を出すためには、自分のことについて徹底的に理解しておかなければなりません。自分が何を望んでいて、どのように世界を見ているのかについて言語化できているからこそ、お客様が望んでいることも解像度高く言語化できると考えています。

例えばですが、何かしらの悩みを聞くカウンセラーで考えてみましょう。「自分のことはよく分かりませんが、相談には乗ります」というカウンセラーがいたとしても、相談しにくいですよね。

ランニングホームランには営業社員がいません。しかし、社員それぞれが自分自身の軸を持っていて、その軸をちゃんと体現しているからこそ、クライアントから再度ご依頼をいただいたり、代理店に案件を任せていただけたりしているのだと思います。

クライアントが共感しているのはバリューではなく世界観

編集部

ランニングホームランさんのスタイルとして「自分を出す」ということが挙げられると思います。クライアントは、ランニングホームランさんのスタイルに共感しているのですね。

澤さん

ブランディングやクリエイティブに関するサービスを提供している企業はいくつもあります。そんな中で、クライアントにはランニングホームランが提供するバリューというよりも、世界観に共感いただいていると思います。

そういう意味で言うと、ランニングホームランはマーケティング的な差別化ではなく、ブランディングにおける差別化に近いかなと思います。マーケティングは市場をセグメントで分けて、空いているポジションを狙いに行くアプローチです。しかし、ブランディングは「結果的に差別化される」というものだと思います。

ランニングホームランが伝えているのは、「こんな価値を提供しています」ではなく、「こんな世界を作りたくて、こんなことがしたい」という世界観です。同じサービスを提供していても、「提供する意味」が違うということを伝えています。

編集部

クライアントの世界観とランニングホームランさんの世界観が合致するからこそ、クライアントが感動するサービスを届けられているのですね。

社員のポテンシャルを信じることで若手が躍動する

ランニングホームラン株式会社のオフィス外観

編集部

ランニングホームランさんの社員数は現在何名で、平均年齢は何歳でしょうか?

望月さん

2023年6月現在では社員数は8名で、半分が新卒での入社です。平均年齢は25~26歳ぐらいだと思います。

編集部

平均年齢からも伺えますが、とても若い組織ですね。若手が活躍できる要因としてはどういったことが挙げられるでしょうか?

澤さん

若手活躍の要因としては、仕事の自由度が高いこと、そして社員のポテンシャルを代表の恩田が信じてくれているということが挙げられるのではないでしょうか。

今のランニングホームランのブランディングメソッドは私が作ったのですが、実は入社前のインターンの時期に携わったものです。インターンではWebマーケティングに関する業務全てを担当することになったのですが、「Webマーケティングよりも、そもそも会社のブランディングをしっかりしなければならないのではないか」と考えたのです。

なのでインターン1~2週目ぐらいに100ページの資料を作って代表に提案したら、「面白いね。プランニングを任せよう」と言ってくれたのです。普通に考えると怒られると思うのですが、代表は社員の可能性を信じる度量を持っていると感じますね。

若手活躍の要因は多様な世界観が混ざる「カオス」な環境

編集部

インターンのメンバーに会社の根本となるブランディングを任せるのは思い切った決断だと思います。「この人に任せてみよう」と代表が決断できるだけの経験やノウハウを澤さんが持っていたのでしょうか?

澤さん

実は、私はもともとクリエイティブについて全く知識がありませんでした。入社前は、経営者などの社会人や学生の課題解決を手助けするプロコーチのような活動を続けていたのです。1,000人以上の悩みや課題を聞いていたと思います。

編集部

ブランディングやクリエイティブとは全く違う分野でご活躍されていたのですね。なぜランニングホームランさんに入社することになったのでしょうか?

澤さん

プロコーチの活動を続けていくうちに、「自己啓発のような言葉をかけるだけでは救われない人もいる」と感じました。私がコーチングすることで前向きになる方はいるのですが、よい状態が一時的であることが多かったのです。もっと根本的なところに携わりたいと思いました。

マイナスの状態にある人をプラスに変えるというアプローチではなく、それぞれが持っているおもしろい世界観を生かせるような、多様な選択肢があふれている世界を作ればよいと考えたのです。そんな世界であれば、強引に前向きにならなくても大丈夫ですよね。

そういった物事の本質に触れて、表現できる仕事はないかと探していたときに、ブランディングというものを知りました。

編集部

ランニングホームランさんのホームページを拝見すると、澤さんの「哲学者」、望月さんの「小説家」をはじめ「マクドナルド愛好家」などさまざまな世界観を持った方がいらっしゃいます。若手が活躍しているのも、多様な世界観を受け入れる環境にあるからこそだと感じます。

澤さん

ランニングホームランの社員は、それぞれが自分の世界観を持っています。世界観が混ざり合って、一言で言うと「カオスな状態」にあると言えますが、そんな状態だからこそ一人ひとりが自分の世界観を許せていると思うのです。

自由に自分のやりたいことができる環境なので、ノンストレスで働けていますね。

社員の「やりたいこと」を大切にする代表の姿勢

ランニングホームラン株式会社のオフィス内にあるコタツ

編集部

望月さんがランニングホームランさんに入社した経緯についてお聞かせください。

望月さん

私はもともと「言葉に携わる仕事がしたい」と考えていました。同時に「若手のうちからどんどん活躍したい」という思いも持っていましたね。もう一つの軸が「スーツ必須ではないこと」でした。

3つの軸で就職先を探してたところ、会社の色が一番ストレートに伝わってきたのがランニングホームランだったのです。

編集部

早くから活躍したいと思われていたとのことでしたが、入社後はどんなお仕事を担当しましたか?

望月さん

入社してすぐの仕事は、大手企業の社員インタビューでした。代表の恩田は「あなたがやりたい仕事をまずやってごらん」という姿勢でしたね。

恩田は自分のコピーのような社員を作ったり会社のメソッドを叩き込んだりというのではなく、「あなたがやりたいことをやればいい」という姿勢で一貫しています。また、社員の「やりたいこと」をおもしろがってくれますね。

編集部

澤さんのお話しからも分かるように、社員の思いを大切にするというのがランニングホームランさんの特徴なのですね。現在はどんなお仕事を担当されているのでしょうか?

望月さん

今はクリエイティブ室にいて、案件の制作進行を担うディレクション業務を担当しています。そのほかにも私が一番携わりたい分野であるコピーライティングや、取材執筆のライティング業務、SNS施策など、クリエイティブに関する幅広い業務を担っています。

ランニングホームランは、働く上でのレールは特にありません。「クリエイティブ室だからコピーだけ書いてください」というわけではなく、本人の適正を見極めたうえで、大切にしている「快」を実現するにはどんな仕事がその社員に合っているかという視点で担当業務が決まっています。

編集部

社員一人ひとりの世界観を大切にし、「快」を何よりも優先されているランニングホームランさんならではのスタイルだと言えますね。

成長を促すサポートと「快」を大切にする評価制度

編集部

お二人のお話から若手が活躍するカルチャーが垣間見えたのですが、若手の成長を後押しする制度や仕組みはあるのでしょうか?

望月さん

ランニングホームランに入社して最初の1年間は、基本的に先輩社員に付いて一緒に案件を動かすというようなアシスタント業務をします。1年間といっても、入社して半年後には自分で案件を動かしていくという形にはなりますね。

2年目からはメインでディレクション業務を担っていきます。また、新人一人に上司が固定で一人付いて徹底的にサポートするメンター制度もあります。

再びカルチャーの話になってしまうのですが、大前提として「失敗してきなさい」というのが若手に対するランニングホームランのスタンスですね。任せる側は「失敗しても大丈夫!」と思って若手を送り出しますし、カバーする準備もできています。その大前提が若手活躍において大きい部分ですね。

編集部

業務上勉強が必要なこともあると思いますが、そちらのサポートについてはいかがでしょうか?

澤さん

勉強に関しては、特にこれを学んでという縛りはありません。逆に、「快」を実現するために必要であればサポートもするしお金も出すという姿勢です。「快」がすべての出発点になっていますね。

社内の評価制度でも「快」を大切にしています。自分にとっての「快」を定めてもらって、その「快」を達成するための半期の目標を定め、それぞれが自分の「快」を追求していくのです。

評価の割合は「快」に関するものが4割、行動指針が3割、数値目標が3割です。数値目標が評価の大きな割合を占めていないので、伸び伸びと働けています。

編集部

ランニングホームランさんは「快」を非常に重視していますが、何が「快」にあたるのかを自分で見つけるのが大変な方もいらっしゃると思います。それぞれの「快」を見つけるためのサポートもあるのでしょうか?

望月さん

社員全員が、個人の「快」を紐解くために時間を割いてくれますね。誰かと一対一で自分の「快」について深堀する時間を作ることもありますし、普段の仕事の合間でも自分の「快」について話す時間があります。自分にとっての「快」がよく分からないという方でも、必ず見つけられると思います。

自分の「快」をもとにやりたい案件に立候補できる

ランニングホームラン株式会社のオフィス外観

編集部

ランニングホームランさんの働き方について伺っていきたいと思うのですが、案件の担当はどのように決まっていくのでしょうか?

澤さん

ランニングホームランの特徴の一つだと思うのですが、案件の担当については立候補制です。案件のメンバーについて社内のチャットで募集があり、それぞれが手を挙げています。

案件を選ぶ際も「快」が基準になりますね。自分の「快」と案件がどのように重なるのか、また自分の成長にどうつながるのかというのを主張してもらい、メンバーを募集した人がその主張をもとにメンバーを決めます。

もちろん、「この案件で手が足りていないから頼みたい」というパターンもありますが、何度も繰り返しているようにやりたいことを尊重するというカルチャーがランニングホームランにはあります。

編集部

案件について自分で選べるとは驚きです。澤さんが自分で選んだ案件の例について教えていただけますでしょうか?

澤さん

冒頭で紹介したボードゲーム「THE KACHINKO」は、自分で選んだ案件でした。しかも、入社して初めての案件です。もともと私がボードゲームが好きだったのですが、代表が「ボードゲームを作りたいと考えてるクライアントがいる」とお話していて、「作りたい」と手を挙げましたね。

編集部

基本的に業務は立候補制だと思うのですが、経験がある程度ないと手を上げにくいという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

望月さん

ランニングホームランには社内取引制度という制度があります。社内で業務を委託するという考え方に基づく制度ですが、「案件のうち何%かをお任せするので、こんな業務をやってください」というように業務を担当してもらっています。

「社外にコネクションがない」「何かしらの案件をやったことがない」という方でも安心して働くことができると思います。

情報を全て開示するからこそ実現できる自由な働き方

編集部

ランニングホームランさんの勤務形態について教えてください。

澤さん

ランニングホームランは社員が働く時間を決めるフルフレックスタイム制です。基本フルリモートなので、必ず出社しなければならないということもありません。昼に起きて仕事をしている社員もいますし、中抜けなども自由です。

「快」を追求しているのであれば、働くスタイルは自由にしてもらってよいというスタンスですね。

編集部

とても自由度の高い働き方ですが、メンバーの管理が大変なのではないでしょうか?

望月さん

もちろん、「『快』を追求してさえいれば何でもいいよ」というわけではありません。

ランニングホームランでは、社員に対して会社の数字を全て公表しています。社員それぞれの給与や成果、数値目標なども公開されています。全部オープンにしているからこそ、「自分はまだやれる」というモチベーションも生まれますよね。

休もうと思えばいくらでも休めますが、その分もしわ寄せも来てしまいます。社員を信頼しているという話を先ほどさせていただきましたが、こういうことも含めての信頼です。

編集部

それぞれの給与までメンバーに公開しているというのは驚きました。情報をフルオープンすることで、よい緊張感とモチベーションが生まれているのですね。

採用面接では求職者と何度も対話を重ねる

ランニングホームラン株式会社の社員たち

編集部

ランニングホームランさんが採用で大切にしていることは何でしょうか?

澤さん

採用においても「快」を大切にしています。自分の「快」を体現できているかというところは、採用時に見ていますね。特に面接では、「快」を体現するために必要な段階である次の5つを徹底的に聞くようにしています。

  1. 自分の「快」にふたをしていることを理解していること
  2. ふたの裏側にある自分の「快」を理解していること
  3. 「快」を表現できること
  4. 周りの人が自分の「快」をおもしろいと思って集まってくること
  5. 自分の「快」で経済が回ること

この採用方法は私が設計しており、面接も担当しています。

編集部

実際にどのような面接を行っているのでしょうか?

澤さん

私の面接まで選考が進んだ方は、基本的に落としていません。4回くらい面接の場を設けていますね。面接では、求職者の「快」について徹底的に掘っていきます。面接を受けている方からすれば「もう向き合いたくない」という思いになると思いますが、それでも向き合います。

面接には代表も入りながら、求職者の「快」と経済圏での合致点を見出してようやく採用となります。

編集部

ここまで採用において求職者と対話を重ねるのも珍しいですね。

澤さん

思考を深めるのが好きな方であれば、ランニングホームランには合うと思います。かつ、「不器用な人」が好きという社員が多いですね。

望月さん

社員について一言で言うと、「オタク気質」な人が多いと思います。とても好きなことがあったり、こだわりがあったりなど、自分の世界を持っている人ばかりです。

「根から明るくて人をどんどん巻き込んでいく」というわけではなく、他人の世界観にも興味を持っていて、もっと知りたいと集まってくるというのがランニングホームランの社員の特徴です。

求めるのは「職業=自分」を目指す人材

編集部

最後に、ランニングホームランへの応募を検討している方に向けてメッセージをお願いいたします。

望月さん

求職者の方には「自分に嘘をつかない方がよい」ということをお伝えしたいですね。ランニングホームランに興味を持ってくれた方には自分について丸裸にした状態で来ていただきたいです。

ランニングホームラン株式会社の望月さん
▲ランニングホームランに応募する際は「自分について丸裸にしてほしい」と話す望月さん

澤さん

ランニングホームランの社員は、「職業=自分」だと思っています。「職業=自分」と名乗れるほどになりたいという方に来ていただきたいです。

「コピーライターだからコピーライティングしかしない」というわけではなく、自分自身のコンセプトに従った形でスキルを組み合わせてほしいし、キャリアステップを歩んでほしいですね。

また、私がそうであったように、クリエイティブに関わったことがない方も歓迎です。「クリエイティブ」とは、自分の中で思い描いたものを具現化しようとする意志だと考えています。

グラフィックデザインができればクリエイターというわけでもありませんので、その点は安心して応募いただければと思います。

編集部

ランニングホームランさんで働く魅力は「仕事で自分について表現する」という楽しさを味わえる点にあると感じました。本日はありがとうございました。

ランニングホームラン株式会社の澤さん
▲「『職業=自分』と名乗れるほどになりたいという方に来てほしい」と話す澤さん

■取材協力
ランニングホームラン株式会社:https://running-hr.co.jp/
採用ページ:https://running-hr.co.jp/recruit/