注目企業の躍進の理由や新しい働き方などについて、企業インタビューをしていくこの企画。今回は、クライアントのDX化を一気通貫で支援する「株式会社プロジェクトホールディングス」にインタビューしました。
「株式会社プロジェクトホールディングス」とは
株式会社プロジェクトホールディングスは、「プロジェクト型社会の創出」をミッションに掲げ、クライアントのDX化を戦略策定から実行・改善まで一気通貫で支援する、コンサルティング事業会社です。
2016年に「株式会社プロジェクトカンパニー」として設立後、ビジネスコンサルティング、HR、テクノロジーの3領域で事業を展開。さらに、M&Aや投資、新規事業開発で事業領域を拡大しています。
創業5年で東証マザーズ市場(現在グロース市場)に上場し、2022年にはデロイトトーマツグループが発表した「Technology Fast 50 2022 Japan」において7位を受賞するなど、右肩上がりで成長している企業です。
そして、更なる事業領域の拡大と継続的な企業価値向上を目的に、2024年1月に純粋持株会社体制へ移行し、「株式会社プロジェクトホールディングス」に社名を変更しました。
会社名 | 株式会社プロジェクトホールディングス |
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住所 | 東京都港区麻布台1丁目3−1 麻布台ヒルズ森JPタワー24階 |
事業内容 | ・デジタルトランスフォーメーション事業 ・DX×テクノロジー事業 ・DX×HR事業 |
設立 | 2016年1月4日 |
公式ページ | https://phd.co.jp/ |
働き方 | 原則として出社(顧客先または自社オフィス) |
今回は、株式会社プロジェクトホールディングスの代表取締役である土井さんに、企業成長を実現する事業内容や戦略方針、若手社員が活躍できる環境などについてお話を伺いました。
創業5年で上場達成など、順調な企業成長を実現した背景
編集部
プロジェクトホールディングスさんは創業から5年で上場達成したり、2024年に持株会社化したりと、スピード感を持って成長されていらっしゃいます。御社がこれだけ早い成長を実現できた背景を教えてください。
土井さん
企業成長を連続してできている背景には、弊社が大事にしているイズムがあると思っています。
プロジェクトホールディングスのイズムの一つとして「勝ちにこだわる」というものがあり、「小さな目標から必達で」を意識してきたことが企業成長の根幹にあると考えています。
小さな目標から勝ちぐせをつけていくと、目標の規模が大きくなっても、その目標に向かって一生懸命やるのが組織として当たり前になるものです。そして弊社ではいずれの目標に対しても勝ちにこだわる風土が醸成されています。
編集部
創業から社員さんの数も増えていますが、御社が大事にしているイズムはどう浸透させていらっしゃいますか?
土井さん
まず採用時点で、我々のカルチャーをお伝えした上で、カルチャーに共感した方に入社いただくという採用プロセスを作っています。
入社いただいてからもカルチャーやイズムを伝える機会として、週次で社長朝会というものがあります。これはイズムの背景やどう業務に生かされていくのかを、私から社員の皆さんに伝える時間です。また、社員がカルチャーやイズムに関して自らアウトプットする時間も設けています。
あとは常にイズムブックを携帯してたり、全社会やアワードでイズムにちなんだ表彰をしたりと、イズム中心に組織設計がされているのはすごく大きいかなと思いますね。
M&Aなどでサービスの間口を広くする、成長戦略の方針
編集部
売上高も順調に右肩上がりで推移されていらっしゃいますが、これはM&Aの影響も大きいのでしょうか?
土井さん
そうですね。今後1年半ぐらいのトップライン成長は、まさにM&Aの影響があると思います。
断絶的な成長を目指す中で、コアなDX事業に関しては、採用をレバレッジしていくことがポイントです。しかし、それ以外でも事業を作っていくことを考えると、M&Aであったり、社内から新規事業開発であったり、そういったところに力点を置いていく必要があります。
こうした中で、「上場以降はM&Aも積極的に取り入れながらトップラインを作っていこう」という戦略方針がありました。
編集部
様々な角度からお客様にDXのソリューションを提供しようという方針ですか?
土井さん
そうですね。我々も含めて、日本を代表する企業の中で次世代に生き残るには、企業変革をしていかないといけないと思っています。そして、今が次世代に生き残るために大事な時期だと考えています。
次世代に生き残るためには、事業面でのDX化を果たすだけではなく、会社自身もHR領域や経営の考え方そのものをDXしていくことが必要です。
事業の一気通貫だけではなく、組織・経営も含めてトータルで支援できた方が日本企業を変革できるのではないか、という思いの中で事業ポートフォリオを増やし、一社のなかでもいろんなとこに深く入り込みながらサービス提供できるように体制を構築しています。
当事者意識を持ち、顧客に寄り添った支援が魅力
編集部
一気通貫での支援が御社の魅力だと思いますが、改めて事業やサービスの魅力等を教えていただけますか?
土井さん
プロジェクトホールディングスの最大の魅力だと考えている点は、真に顧客に寄り添ったサービス提供をしていることです。なので、伴走力・寄り添いといったコンセプトが、我々の事業に一番ふさわしいと思っています。
最近ではBPOに近いところもありますが、いわゆるコンサルファームは、知識の還元だったりアドバイザリーだったりと、スペシャリティで応えていくことが強みです。
しかし、それだけでは真のビジネスパートナーになりきれていない、一部のプロセスのアウトソースにしかなれていないと考えています。
弊社の基本スタンスは、ビジネスの成功やプロジェクトの成功に対して、当事者意識を持ってコミットすることです。なので、お客様の元に常駐して寄り添い、その企業の一社員であるように当事者意識を持ちながらプロジェクト推進をするスタイルをとっています。
寄り添いや当事者意識が我々のサービスのキーワードであり、他サービスとの差別化、そして魅力的な点だと思っています。
編集部
クライアントさんに寄り添って一気通貫した支援を提供されるとなると、プロジェクト単位での期間も長くなると思うのですが、いかがでしょうか?
土井さん
1プロジェクトでコンサルフェーズからマーケティングフェーズ、UI、UXと一気通貫して行うため長期間になりますが、お客様単位で見た時も非常に長いお付き合いのケースがほとんどです。
1つのプロジェクトが終わりかけのときに「これもやって欲しい」「この部門だけじゃなくてあっちの部門もお願いします」とご依頼いただくことが多いんですね。
お客様単位で見たら大体4〜6年と長くお付き合いしてる会社がほとんどで、1つのプロジェクトを機に長いお付き合いになっていくのは弊社の特徴だと思います。
拡大するDX市場での他社との差別化・優位性とは
編集部
国内のDX市場規模が拡大している中で、御社の優位性、強みを改めて教えていただけますか?
土井さん
DXのプレイヤーが増えてきたからこそ、非常に我々の特徴が際立ってきていると感じています。
DXはスペシャリティが非常に多様で、どの企業・サービスと付き合えばいいのかがわかりづらいものです。選択できない、最適なコラボレーションを考えられないという点は、ユーザー企業さんにとっても課題だと考えています。
そこでDX事業を長らくやってきて、様々な企業様とお付き合いもある我々がユーザーサイドに入らせていただきます。
そうすることで、「このプロジェクトであればこういった企業と付き合った方がいいのでは」「こういう比較の中でやっていきましょう」と、プロジェクト組成やチーム組成がかなりスムーズにできます。
スペシャリティが高いところとユーザー企業のナレッジの差分もあり、その差分を我々が埋めるような活動も可能です。
スペシャリティとの接着剤的な立ち位置であることが他の企業との違いであり、DX領域でのプレイヤーが増えれば増えるほどその需要が高まるイメージです。
編集部
DX化についてまだ遅れ気味の日本企業も多い中で、クラインアントさんのDX化をスムーズに推し進められる理由はなんでしょうか?
土井さん
やはりサービス提供品質ではなく、信頼関係構築に事業の結果として重きを置いている点だと思います。
普通のパートナー企業ですと、自分たちのアウトプット品質にこだわりがあります。もちろん、それもプロフェッショナリズムだと思います。
ただ、我々は人間関係・信頼関係でビジネスは成り立っていると考え、信頼関係構築ベースで仕事をしています。だからこそ選んでいただけていますし、なかなか意思決定しづらいことであっても、「プロジェクトホールディングスが提案したから」という理由で通るケースもあります。
スムーズにDX化を推進できているのは、私達がちゃんと当事者意識を持って発言していることをご理解いただいて、納得感を持ってもらえていることが大きいですね。
編集部
クラインアントさんとちゃんと信頼関係を築くことができているからこそ、スムーズにDX化を推進でき、他のプロジェクトにも次々に派生したり、ストック収益や大口顧客化に繋がったりが可能なのですね。
若手でも企業から信頼され、活躍できる社員が育つ背景とは
編集部
企業様から信頼を得ることの大切さをお話いただきました。どうしたら信頼を得られるような社員さんが育つのでしょうか?
土井さん
まずは、とにかくがむしゃらにやるのが一番なんですが、その上で「言われたことにちゃんと答えることにとどまらず、常にプラスアルファしていこう」とよく話しています。
要は100点を取りに行くのではなく、101点取りに行こうという姿勢です。与えられたことだけをやっているのは「タスク型」で、そこにプラスアルファして101点以上を取りに行くことが「プロジェクト型」だ、と伝えています。
若手のうちから、ただタスクをやることに一生懸命になるだけではなくて、今できることや自分なりのバリューを考えて、そこに対して向き合ってお客様にサービス提供できるかどうかがポイントです。
私の個人の事例ですが、お客様と食事に行かせてもらったりアンオフィシャルな場にも積極的に参加して、私生活の悩みや実際に組織で起こっている深い悩みなども踏まえながら、いろいろと課題解決を推進しています。
こうしたことは、いわゆるコンサルはやらないのではないでしょうか。信頼関係ベースだからこそ、タスク型ではなくプロジェクト型だからこそ行っていることだと思います。
お客様や自分のできることに向き合っているからこそ、若手からでも選ばれるような人が出てくるのだと思っております。
週次の1on1面談や社長へのプレゼンなど、多様な成長環境
編集部
プロジェクトホールディングスの社員さんが成長できる環境についてお伺いしていきたいと思います。御社で行われている研修制度やフォロー制度などについて教えていただけますか?
土井さん
初期研修は、まず入社時に1ヶ月間のみっちりとした模擬プロジェクト研修というものがあります。これは弊社なりのプロジェクト推進の仕方であったり、コンサルタントとしての所作だったりを学ぶ研修です。
そこからはコンサルランクごとに必要な研修が、定期的に講義形式で行われるように設計されています。いわゆるコンサルタントシンキングやパワーポイントの書き方、プレゼンテーション研修、プロジェクトデザインなどのテーマの研修があります。
あとは、上長との1on1面談が週次で設定されています。先ほど申したコンピテンシーベースで、どこをどのぐらいの点数にいつまで上げるか、そこから逆算すると今の課題は何か、そこからの課題解決のアクションでどうしていくか、などを話し合う場です。
弊社のフォロー体制は、コンピテンシーベースでは上長との1on1面談が活用されて、スキルベースでは講義形式の研修が存在しているイメージです。
編集部
社長へのプレゼンの機会もあるそうですが、これから実際に始動したプロジェクトもあるのでしょうか?
土井さん
はい、実際に社員からプレゼンされて、すでに何個かプロジェクトが走っています。提案ベースでいろいろとプレゼンしてもらい、いいなと思ったものはどんどんチャレンジしている状況です。
例えば、技術の発展が著しい生成AIに関するプロジェクト化を始めたり、「地方の学生の採用支援をもっとしたい」ということで実際に会社を立ち上げたりと、どれも社員のアイデアから始まりました。
あとは私のデスクが平場にあって、いつでもウェルカムの状態です。そのため、資料のフィードバックを頼まれたり、いろいろ提案や相談しに来たりと、社員が気軽に接することができる環境が作れています。
編集部
風通しがよく、プロジェクトやキャリアに関する相談が普段からできるため、チャレンジングな環境が形成され、社員さんの成長につながっているのですね。
社員の早い成長、イズムの浸透に繋がる人事評価制度
編集部
信頼の大切さが非常に伝わってきましたが、人事評価制度でもそのあたりは重視されているのでしょうか?
土井さん
人事評価制度もイズムベースで、まずはコンピテンシーが存在しています。評価は行動ベースでの評価体系と、コンピテンシー評価とMBO(目標管理制度)を掛け合わせた成果評価で成り立っています。
3ヶ月に1回の評価査定で、コンピテンシー評価でベースの給与が、MBOで基本的な賞与を決めます。
そこではお客様に対してどれだけプラスアルファの行動を取れたのか、勝ちにこだわる姿勢をとれたのか、他人を巻き込めたのか、など我々のイズムを体現したかで評価をしています。
我々なりのスタンスを表現すると、ランクが上がって評価されて、かつイズムの浸透にも繋がっている仕組みです。
編集部
新卒入社の社員さんも早い段階で利益の貢献ができているとお聞きしたのですが、これも御社の人事評価制度の影響があるのでしょうか?
土井さん
その通りですね。普通のコンサルファームだと新卒社員は議事録係であることがほとんどです。
弊社では、もちろん議事録などいわゆるコンサルの作法もしてもらいますが、最初からプラスアルファのところでちゃんと価値提供することに向き合ってもらいます。
だからこそ、早い段階でチャージアップでき、お客様からも価値を感じてもらえるのだ思います。
「他人のいいところを吸収できる素直さ」がある人が成長している
編集部
御社のように生産性が高く、クライアント様の利益にもきちんと貢献されている社員さんが多く輩出される理由はなんだとお考えですか?
土井さん
採用時点である程度見極めています。採用ではファンダメンタルな人間力を重視しており、それは弊社の特徴ですね。
「日本社会を変革したいか」「我々が目指すプロジェクト型社会の創出に真に共感してもらえているか」「個人でも非常に高い目標感を持っているか」「目標に対して一生懸命向き合えるか」「自己変革を惜しまず目標に向かって行動できるか」といった部分を特に重視して見ています。
編集部
ファンダメンタルな人間力が、御社の中でも成長の早い社員さんに共通する部分なのでしょうか?
土井さん
おっしゃる通りです。やはり目標が高くないと、どのぐらいのスピードで走ったらいいのかが決まらないと思います。どのぐらいの成長エンジンを積んでいるのかはとても大事です。
プラスアルファで成長する人の共通点は、他人の優秀な能力などを、好き嫌いせず盗めるかという点です。要は意固地にならずに、「いいな」と思った優秀な人の能力をバンバン自分に取り入れて、自己変革をし続けられることです。
それは成長させる要素として非常に大事だと思いますし、これができる人はすごく成長している印象があります。なので、自分に足りない部分を理解して、他から吸収できるような柔軟さ、素直さを持った方を採用しております。
20代で執行役員になった社員も。中には入社から3年で抜擢された事例も
編集部
御社でご活躍されている若手社員さんの中でも、印象的なエピソードがありましたらお伺いしたいです。
土井さん
若手社員の中でも印象的なのは、入社から3年ほどで執行役員になった社員です。
その社員は定期的に「どうしたら執行役員になれますか」「この役職に来年までになりたいのですが、現状との差分はなんだと思いますか」と聞いてきました。多い時には週に1回と、短いスパンで積極的に聞いてきたのが印象に残っています。
聞いて終わりではなく、目標に向けて私のアドバイスもしっかりと聞いて咀嚼して、分からなかったら再度聞いて実行に移していました。
編集部
3年で執行役員になられた方は、新卒で入社されたのでしょうか?
土井さん
その社員は第二新卒で、新卒1年目は別の会社におりました。転職して新卒2年目でうちに来て、約3年という期間で執行役員まで上り詰めたのは本当にすごいことです。
自分の目標感と照らしたときに、現時点で何が差分なのかを常に考えて、時には周りの人に聞きながら必要なことを実践できたからこそ実現できたのだと思います。
弊社でどんどん成長し活躍できている人は、若手からこうした力を持っていると感じています。
編集部
若手社員さんでも意欲があれば執行役員に抜擢された実績があることは、これから入ってくる人にとっても夢があって、良いロールモデルだなと思いました。
成長できる環境があるから、高いレベルを目指す人材にきてほしい
編集部
最後に、御社の魅力などを踏まえつつ、この記事の読者に向けてメッセージをお願いいたします。
土井さん
よく学生や新卒社員から「社長に限らず役員との距離が近くて、成長するのにとても良い環境だ」と言ってもらえます。
実際、入社1年目から役員直下にプロジェクトに参加するメンバーもいたり、年4回ある評価面談で役員級の人から直接フィードバックがもらえたりと、距離感は非常に近いです。
評価面談はキャリア形成について頻繁に考える機会になっているほか、3ヶ月間でどれくらい成長したのかを振り返り、それを生かした目標設定がしやすい機会になっています。自分の成長に向き合いやすい環境が作られていますので、高い目標を持って自身を成長させていきたい、という思いをお持ちの方にはぜひきて欲しいです。
弊社では、ビジネスにちゃんとコミットして、真にレベルの高い人材になって次世代で活躍しよう、というコンセプトを掲げています。
我々の会社が一番チャレンジングな環境だと自負していますし、高みを目指すならプロジェクトホールディングスと思っていただければ嬉しいです。
編集部
プロジェクトホールディングスさんは、会社としても社員さんも常に高い目標を持ち、チャレンジを繰り返して成長されていることが分かりました。
挑戦や成長を後押しする環境があるので、高い目標感や成長意欲を持つ方にフィットするのではと感じました。
プロジェクトホールディングスさんの事業内容や会社の雰囲気に興味をお持ちになられた方はぜひ公式ホームページなどをご覧になってはいかがでしょうか?
本日はありがとうございました。
■取材協力
株式会社プロジェクトホールディングス:https://phd.co.jp/
採用ページ:https://phd.co.jp/recruit/