株式会社アルファの時代の変化に合わせた人事制度。若手を支えるクリアな評価基準とは?

企業の若手活躍を支える背景や、ワークライフバランスへの取り組みについて紹介するこの企画。今回はPOP(※)広告事業を全国に展開する、株式会社アルファを取材しました。
※POP:Point of purchase advertising。売り場に設置されている広告や展示物

POP広告でポジティブな買い物体験を提供する株式会社アルファ

株式会社アルファは、あらゆる素材・形態のPOP広告ツールの企画からデザイン、販売を担う岡山県岡山市に本社を置く企業です。メーカーや小売店から発信される情報をPOPで表現し、購買客を「買いたい」モードにシフトさせるポジティブな買い物体験を提供しています。

会社名 株式会社アルファ
住所 岡山県岡山市中区桑野709番地6
事業内容 販売促進用品の企画・製作・販売ならびに情報の企画・編集・販売
設立 1984年1月
公式ページ https://www.popalpha.co.jp/

全国の主要都市に拠点があり、さまざまな業種を対象にPOP広告事業の可能性を追求した事業活動を展開する同社には、20代から30代の若手社員が多く在籍しています。そこで今回は、若手の活躍を支える社風や人事制度、ワークライフバランスについて、3名の社員にお話を伺いました。

本日お話を伺った方
株式会社アルファ総務部部長の桑木野智穂さん

株式会社アルファ
総務部部長

桑木野 智穂さん

株式会社アルファ人事課係長の池本千尋さん

株式会社アルファ
人事課係長

池本 千尋さん

株式会社アルファ人事課の奥山璃子さん

株式会社アルファ
人事課

奥山 璃子さん

“伝わるPOPコミュニケーション” で販促業界を牽引

株式会社アルファの事業イメージ画像
▲株式会社アルファは、

消費者の楽しい消費生活を創造し、明るい社会の実現に貢献することを目指している。(公式サイトから引用)

編集部

はじめに、アルファさんの事業内容についてお聞かせください。

桑木野さん

“伝える、伝わる、笑顔になる、をPOP(POWER OF POP)で実現したい”をビジョンに掲げる当社は、POPを通して消費者の購買意欲を高める事業を展開しています。その為、店舗に来店されるお客様に『「買いたい」という気持ちをつくり続けること』が我々の使命となります。

スーパーマーケットで買い物をする際、デジタルサイネージ(※)や紙に表示された商品のセールスポイント、説明などを伝えるPOPの概念は幅広く、例えば土用の丑の日に売り場に飾る大きな鰻のオブジェ、ドラッグストアなどに置かれた芳香剤のテスターもPOPになります。
※デジタルサイネージ:ディスプレイなどのデジタル映像機器を用いた電子看板

当社ではあらゆる素材・形態のPOP広告ツールを企画からデザイン、販売をするほか、POP広告を制作するためのツール、販売促進に必要なバルーンやのぼりなどのデコレーションアイテムを提供しています。

編集部

おしゃれで楽しいPOP関連の商品を多数扱われているアルファさんですが、1984年の設立から、どのように発展されてきたのでしょう。

桑木野さん

かつてのスーパーマーケットの販促ツールには紅白幕が多く使用されていたのですが、大きな布は重く、催事のたびに取り付けをするのは手間がかかるという声が多くありました。

そこで当社は、業界で初めて軽い素材のビニールで紅白幕を作ることに着手しました。このアイデアは非常に喜ばれ、多くの小売店に採用いただきました。

店舗の売り場担当の方や店長様と話をするうちに「特売日のポスターを作って欲しい」、「店内ディスプレイにこんな物が欲しい」などのご依頼をいただき、全国の地域に根差した食品小売り業者様やそこに商品を卸しているメーカー様からの声に応えるかたちで事業を展開し、今日に至ります。

池本さん

いま、人口の減少についても社会的な課題になっておりますので、当社では子育て世帯の親子をターゲットに、食品小売店の売場を「次世代社会創造の場」にするべく注力しています。具体的には、親子で買物をしながら、楽しく「食育」や「フードロス」について学ぶことができるコンテンツを用意しております。

これは、地場の食品小売企業がSDGsに取り組むきっかけとなり、企業価値の向上にもつながります。また、お子様が気軽に楽しみながら参加できるコンテンツは、ストアロイヤルティ向上にもつながり、未来の顧客創造の実現にも貢献できると考えております。

入社2年目で社長賞受賞。若手活躍の背景にある“声かけ”文化

編集部

アルファさんでは20代、30代のスタッフが多く在籍されていると伺っております。全体の比率はどのようになっていますか?平均年齢と合わせてお聞かせください。

池本さん

全従業員の約3割が20代、30代です。20代から70代と、幅広い世代が働いており、平均年齢は男性42.6歳、女性34.4歳となっております。

株式会社アルファの若手社員
▲全従業員の約3割が20代、30代の株式会社アルファでは若手の活躍が目覚ましい

編集部

アルファさんの公式サイトや採用サイトを拝見すると、若手スタッフが精力的に活躍されている様子が伺えます。若手の活躍に関する印象的なエピソードをご紹介いただけますか?

奥山さん

新卒で入社し、2年目を迎えた営業職の者が予算達成1位を獲得、社長賞を受賞しています。本人の頑張りももちろんあるのですが、活躍の要因は所属する営業チームの支えが大きかったように思われます。

社歴や年齢が大きく異なる者が同じチームに在籍することが多い当社は、それぞれを気にかけ、声をかけるシーンが多く見られます。また、先輩から意見をもらうだけではなく、若手も忌憚なく意見を述べられる社風が結果として若手の活躍を後押ししているように感じます。

社長賞を受賞した若手スタッフも、意見を聞くだけではなく、自分も発言できる環境だからこそのびのびと仕事ができ、自分の裁量でスケジュールをコントロールできたことが成長につながっていると申しておりました。

編集部

意見交換がしやすいアルファさんの社風や環境が、成長の一番の要因になっているのですね。

さまざまなセクションと密に関わることで自然に発言できる

株式会社アルファのマーケティング部の仕事風景

編集部

社風のほか、若手活躍の要因に挙げられることはありますか?

奥山さん

当社では営業が受注した案件に対し、企画を考える営業推進部、映像や商品デザインを制作するメディア・デザイン部、発注・受注・発送を対応する業務部や営業事務部などの各セクションがワンチームになってその案件に取り組みます。さまざまなセクションとコミュニケーションを密に図ることで、自ずと自分の意見を発信する機会が多くなっていることも、成長要因の1つと分析します。

また、お客様からは若年層をターゲットとしたアイデアが欲しいという声が上がることが多く、若手目線の意見や経験談を提供することで自発性が高まっていることも、若手活躍を後押ししていると思われます。

ハロウィンのPOP類の前で話す株式会社アルファの若手社員

若手ならではの視点が活かせるPOP広告事業の魅力

編集部

若手目線の意見や経験談は、アルファさんの事業にどのように活かされているのでしょう。

池本さん

購買意欲促進を営業目的としている当社では、女性の買い物意欲を刺激することがメインターゲットになります。SNSや動画サイトなど販促ツールがさまざまある昨今、どのような広告を打てば女性や若い世代に訴求できるかがとても重要になります。

お客様からもどのような売り場であれば商品を手に取ってもらえるかといった相談が多く、当社の20代、30代のスタッフの意見やアドバイスが活かされています。

社員の状況に合わせた的確なマネジメントによる教育制度

編集部

続いてアルファさんのカルチャーについてお伺いします。先ほど、お互いを気にかけ、声をかける社風と伺いましたが、どのような場合に声をかけあっているのでしょう。

池本さん

年の近い社員や身近な先輩が部署異動や退職をした際に声をかけることで、メンタル面での不安を自然にサポートする様子が多く見られます。

部署やチームが異なるスタッフも、廊下ですれ違う時に声をかけたり、いただいたお菓子を分けあったりすることで話しやすい環境を作り、いつでも相談できる関係性が築かれているように感じます。

編集部

アットホームなアルファさんの雰囲気が伺えます。声かけをすることは会社の方針として掲げているのでしょうか?

池本さん

特別な方針を掲げてはいませんが、本社、支店を問わずアルファ全体に根付いているカルチャーだと思います。

他社を経験した中途入社のスタッフからも、当社に対して「雰囲気の良さを感じている」という声や、「働き方および社内の取り組みをよりよくするアイデアが出る」「若手の声に対する行動力がある」というところが好きだという意見を耳にします。

株式会社アルファの東京オフィスの社内風景
▲東京オフィスの社内風景。声かけを積極的に行うカルチャーが会社全体に根付いている

池本さん

具体的なエピソードとしては、営業職で他業種から中途入社した者は、キャリア採用であることを理由に即戦力を期待されているのではと、不安を抱えていたそうです。経験者、未経験者に関わらず会社全体で声かけなどを積極的に行い、業務を身につけていく当社のカルチャーを知り、不安は杞憂だったと申しておりました。

編集部

業務の指導過程や、マネジメント方法についても教えていただけますか?

池本さん

商品仕入れを担う業務管理課では、発注作業をある程度任せるに至った際、発注した内容や値段、スケジュールに無理がないかなどのチェック項目をリスト化し、先輩社員がチェックしています。また、発注の経緯などもこまめにヒアリングをし、気になる箇所は都度、アドバイスをしています。

チェック体制は部署ごとに異なりますが、状況をしっかり把握し、マネジメントをするのが当社の教育体制の特徴です。

編集部

中途入社の場合は、人間関係やコミュニケーション面で不安を感じる方も多いと思われますが、アルファさんでは先輩社員を中心に会社全体でしっかりフォローし、関係性を築かれているのですね。

年間120日以上の休暇に新たに加わった「ライフプラン休暇」

編集部

続いて、アルファさんの働き方について伺います。スタッフのワークライフバランスのための特徴的な休暇制度や福利厚生があればお聞かせいただけますでしょうか。

池本さん

近年ワークライフバランスの制度で加わったのが、新たな休暇制度です。従来の「リフレッシュ休暇」を含めた120日以上の年間休日に加え、バースデー休暇や年5日の休暇を取得できる「ライフプラン休暇」を新たに導入しました。

また、女性の産休育休の取得率、復職率共に100%となっており、育児休暇後は時短勤務も可能です。課題としては男性の育休取得率が低いので、促進していく方針です。

編集部

ライフプラン休暇について詳しくご紹介いただけますか?

池本さん

三大疾病、及び厚労省に指定されている難病や不妊治療などで通院や入院が必要になった場合、1年間で5日までライフプラン休暇を申請することができます。有休とは分けて特別休暇として取得できることがポイントとなります。この制度は退院後の定期検診にも使用することができます。

編集部

リフレッシュ休暇とは、どのような制度になっているのでしょう。

桑木野さん

勤続年数に応じ、年間1日から8日間の休暇を付与する制度です。例えば勤続5年の場合は1日、40年の者は8日というかたちになっており、取得の際は功労として、報奨金が支給されます。

働きやすさを重視した人事制度と、成果主義によるクリアな評価制度

編集部

休暇制度や産後育休制度、時短勤務など、ワークライフバランスに積極的に取り組まれているアルファさんですが、制度を充実させるに至った背景についてお聞かせいただけますか?

池本さん

2022年に人事制度が大きく変わったことが背景にあります。制度を改編する際に、社員がこれまで以上に働きやすい環境を整えることに注力し、休暇制度などを新たに加えました。

また、コロナ禍によって働き方が多様化する昨今、当社としてもワークライフバランスに対する取り組みを積極的に行う必要があると考えています。

桑木野さん

働き方そのものが変わりつつある今の時代、雇用を継続するための事業展開なども視野に入れ、新しいものを取り入れて行かなければならないという考えのもと、制度を導入しています。

編集部

事業とともに制度の方も時代に合わせて運用されているのですね。休暇制度のほか、人事制度で大きく変わったことはありますか?

桑木野さん

大きく変わったことは、評価制度の見直しです。従来の年功序列から成果主義に変えた新たな評価制度では、主な評価の指標を目標と行動としています。この制度は勤続年数や年齢ではなく、成果に応じてボーナスの支給額が決まるというものです。

編集部

若手でも頑張れば、それに見合った報酬が得られるというわけですね。

コミュニケーションを積極的に取り、関係づくりを楽しめる方を歓迎

株式会社アルファの浴衣DAYの様子
▲社内イベントとして浴衣DAYを実施。社内の円滑なコミュニケーションに常に取り組んでいる

編集部

>アルファさんの若手が忌憚なく発言できる社風や、充実した福利厚生制度、クリアな評価制度に興味を持った読者は多いと思われます。最後に、求める人物像など採用に関するメッセージをお願いします。

池本さん

私からは、募集が多い営業職についてお話させていただきますね。

当社の営業職は、お客様のお困り事に耳を傾け、提案することが業務となるため、信頼関係を築くことが求められます。その関係づくりを苦とせず、楽しめる方は、当社の社風にもフィットすると思われます。自分の関わった仕事を、生活の中で店頭や店内で見ること・触れることができるのでモチベーションに繋がるという声も多く聞きます。

編集部

奥山さんは新卒でアルファさんに入社されたとのことですが、入社1年目の視点から読者に向け、メッセージをお願いしたいです。

奥山さん

入社1年目の私が日々感じるのは、社員の明るく、温かい人柄です。所属する部署だけではなく、会社全体がアットホームな環境は、働きやすさにもつながっています。

部署を超えたコミュニケーションを通じ、1つの案件にワンチームで取り組むことで達成感を得ることができますよ。また、トレンドやSNS関連など時代の流行を取り入れることが多いので、常に新鮮な情報に触れながら仕事に取り組めると思います。

編集部

アルファさんの社風やカルチャーにフィットするのはどのような方でしょう。

桑木野さん

お客様に対するコミュニケーション力を、社内でも発揮できる方を歓迎します。1つの案件に対して全ての部署が携わる当社の業務はある意味、社内営業の動きが求められます。

手前味噌ではありますが、当社は本当に温かい人柄の者が多いです。同じ価値観を持つ方とぜひ共に働きたいですね。

編集部

若手の活躍を後押しするアットホームなアルファさんのカルチャーは、やりがいにもつながる文化だと感じます。また、旧態依然のままではなく、時代の変化に合わせて制度の改編に取り組む姿勢にも感銘しました。

本日はありがとうございました。

■取材協力
株式会社アルファ:https://www.popalpha.co.jp/
採用ページ:https://www.popalpha.co.jp/rec/rectop/