「人は財産」と考えるニラクの働き方と地域貢献への思い

魅力的な働き方やワークライフバランスを実現している企業を紹介する本企画。今回は福島県を基盤にパチンコホールやホテル、飲食店の運営を手がける株式会社ニラクにお話を伺いました。

印象的だったのは、ニラクが人と地域をとても大切にしているということです。 その思いはCSR活動や人事制度、福利厚生などに現れていました。

株式会社ニラクとは

株式会社ニラクは「明るく 楽しく 面白く」を経営理念に掲げ、福島県を中心にパチンコホールやホテル、レストランなどを運営する企業です。

地域とのつながりを大切に東日本エリアで全49店舗のパチンコホールの運営をする一方で、持ち株会社「ニラク・ジーシー・ホールディングス」は香港やベトナム等に進出するなどグローバルにも展開しています。

会社名 株式会社ニラク
住所 福島県郡山市方八町一丁目1番39号
事業内容 ・パチンコホールの経営および管理
・スペインバルレストランおよびホテルの経営
・喫茶店チェーンFC加盟
創業 1950年7月
公式ページ http://www.niraku.co.jp

今回は、株式会社ニラク人財開発部キャリア開発課課長の齋藤倫子さんにお話を伺いました。「Active Local Engine」と名づけたCSR活動への思いや、「人材」ではなく「人財」として社員を大切にする数々の制度についてお聞きしました。

本日お話を伺った方
株式会社ニラク人財開発部キャリア開発課課長の齋藤倫子さん

株式会社ニラク
人財開発部キャリア開発課課長

齋藤 倫子さん

パチンコホール、ホテル、飲食事業など、人々の楽しい時間を創造する企業

ニラクの経営理念を示した図
▲ニラクさんは「明るく 楽しく 面白く」という経営理念を掲げている(公式サイトから引用)

編集部

まずは、ニラクさんの事業内容からご説明いただけますか?

齋藤さん

ニラクは「明るく 楽しく 面白く~Happy Time Creation~」を経営理念に掲げ、福島県を中心に49店舗のパチンコホールの運営・管理を行っている会社です。

また、パチンコホールの運営で培ったエンターテインメントのノウハウやホスピタリティを活かして、多角的に事業を展開しています。

具体的にはビジネスホテル「郡山シティホテル」の運営、スパニッシュレストラン「LIZARRAN」や喫茶店「コメダ珈琲店」のフランチャイズ運営等です。また、ニラクには障がい者雇用を推進する特例子会社「株式会社ニラク・メリスト」があります。

編集部

やはり、地元福島に密着して事業を行っているのでしょうか?

齋藤さん

パチンコホール「ニラク」は全49店舗のうち20店舗が福島県内にありますが、同時に山形や宮城、新潟、茨城、栃木、群馬、埼玉、東京、神奈川などへも展開しています。パチンコ事業については福島を基盤にしつつ、さらに他エリアへ拡大していく計画です。

一方で、持ち株会社「ニラク・ジー・シー・ホールディングス」は、ベトナムおよびカンボジアの子会社を通じてゲームセンター事業も手掛けています。現在、ベトナムにドリームゲームズ6店舗、ドリームキッズ4店舗、カンボジアにドリームゲームズ3店舗、ドリームキッズ1店舗を展開し、ゲームやボウリング、カラオケなどを中心とした日本式のアミューズメント施設を展開しています。

編集部

ニラクさんはローカルを大切にしながら、グローバルにも展開されているのですね。

地域社会との共存・発展のために「Active Local Engine」を行う理由

ニラクさんのCSR活動「Active Local Engine」のロゴ
▲ニラクさんではCSR活動を「Active Local Engine」と名づけ積極的に行っている(公式HPより)

編集部

ニラクさんはCSR(企業の社会責任)活動にとても力を入れてらっしゃるそうですね。

齋藤さん

弊社では「CSR基本指針」を掲げていて、そこで「会社、店舗、そして一人ひとりが良き企業市民として社会全体および各地域社会との関係の中で、相互に持続可能な発展に貢献していきます」と宣言しています。

このCSR基本指針のもと、地域とのつながりを創っていこうと、「Active Local Engine」と名づけて地域に密着したさまざまな社会貢献活動を行っています。

編集部

地域の方々とのつながりを強く意識されているのはどうしてでしょうか?

齋藤さん

我々が提供しているのはレジャーや娯楽の領域で、生活になくてはならないものではありません。しかし、生活必需品ではないけれど、地域のみなさんにとって身近な存在でありたいと思っています。
理想は地域に溶け込み、自然なかたちで「ここにあってもいい」と思ってもらえる存在であることです。

地域に貢献し、還元するようなかかわりを大切にしていきたいですし、地域社会に受け入れられ、ともに発展していくことを目指して活動しています。

編集部

お客さんに来ていただくだけでなく、自ら地域に出て行き関係性を築くことで、地域とのつながりを強くしていきたいという思いがあるのですね。

依存(のめり込み)問題対策の勉強会を開催

ニラクさんが行うパチンコ依存(のめり込み)問題対策勉強会の様子
▲ニラクさんでは、地域や地元学生とともにパチンコ依存(のめり込み)問題対策勉強会を行っている

編集部

ニラクさんが行っている「Active Local Engine」は、具体的にどのような活動をされているのですか?

齋藤さん

店舗周辺の清掃は各店舗で定期的に行っていますし、最近では、地域を明るく元気にする情報を配信するYouTubeチャンネル「アクティブ・ローカル・エンジン」を開設しました。

また、弊社は「依存(のめり込み)問題」に取り組んでおりまして、パチンコ依存対策勉強会を地域の方々や福島大学の学生さんと行ったりしています。

編集部

以前は、東京と郡山を結ぶ無料シャトルバスを運行していたそうですね。

齋藤さん

2012年12月から2016年3月まで、就職活動中の学生を対象に東京-郡山間のシャトルバス『Smile Express』の運行を行っていました。

学生当時は福島を訪れるのがとても難しい時期でしたので、福島で働きたい学生さんの就職活動を支援し、同時に地元企業の活性化を目的に取り組んだものです。

バスの中では弊社の会社説明を行い、ニラクに興味をもってもらえたらいいなとの思いもあって実施していました。

編集部

地元企業と学生さんを結ぶバスだったのですね。当時のご時世を考えると、多くの人が助けられたと思います。

■「Active Local Engine」のYouTubeチャンネルはこちらから!
https://www.youtube.com/@ale_ch29

社員が縁日でおもてなし!花火大会では店舗敷地を無料開放

須賀川市釈迦堂川花火大会の様子

無料開放されたニラク須賀川店の敷地で花火鑑賞する地元住民のみなさん
▲釈迦堂川花火大会では店舗の敷地を開放している

編集部

ニラクさんが実施している、地域に向けたCSR活動は以前から行われているのですか?

齋藤さん

そうですね。たとえば、須賀川市釈迦堂川花火大会における当社主催イベントは、社会情勢の影響で中止となった期間もありましたが、2023年8月26日(土)に4年ぶりに開催されました。2002年の開始からは通算18回目となります。

編集部

地元の花火大会でニラクさんは何を行うのでしょうか。

齋藤さん

福島県須賀川市の釈迦堂川花火大会は、福島県内最大規模の花火大会です。この日、ニラク須賀川店は休業して、店舗すべての敷地と駐車場を花火観覧スペースとして無料開放します。

お店の従業員に加え、本部からも応援が入って総勢60〜70人の従業員が地元の方をおもてなしします。24時間チャリティ募金活動や、清掃活動をはじめ、ニラク従業員が主催するイベントでは、輪投げやスーパーボールすくいなどの縁日を開いたりして、とても盛り上がります。

花火大会の縁日で子どもと触れ合うニラク社員

齋藤さん

花火大会は、地域の方々と交流を深める大切な機会ですし、社員にとっても楽しいイベントなんです。合いの手を入れるのがとてもうまい社員がいたり、普段とは違う姿を見ることができて、社員間のコミュニケーションを深める場にもなっています。

編集部

そうした地域社会貢献について、社員の方々はどのように思っているのでしょうか?

齋藤さん

みんな、「Active Local Engine」の活動を楽しんでいますし、活動することに喜びを感じています。社員はみんな、お店に来てくださるお客様とのコミュニケーションも含め、この仕事が大好きで誇りをもって働いています。

まだまだ、憩いの場よりもギャンブルのイメージを持たれている方も多く、だからこそ、地域の方々に理解してもらえるのがうれしいのです。

編集部

花火大会というイベント時に、お店を休業してまで地域の方に楽しんでもらうというのは本当にすごいと感じました!ニラクさんの「Active Local Engine」の活動に込めた思いは、地域の方々にも伝わっているのではないでしょうか。

地元・全国の選択も。個人の希望にあわせてチャレンジできる人事制度

ニラクの社員

編集部

ニラクさんの働き方について教えていただけますか。

齋藤さん

働きやすい環境や制度は充実していると思います。たとえば、弊社では人事制度を「ナショナル社員」「エリア社員」「ブロック社員」の3コースに分けています。

ナショナル社員は全国勤務で経験を積みたい方向けで、エリア社員は勤務地が関東か東北に限定され、ブロック社員は通える範囲での勤務になります。社員はコースを自ら選択し、選択したコースの中で3年~4年に1回程度、配置転換をして成長していきます。

編集部

自分が望む働き方に合わせて、コースを選ぶことができるのですね。

齋藤さん

コースは変更することもできますので、ライフスタイルに合った働き方を選択することができます。

編集部

3年~4年に1回程度の配置転換とのことですが、たとえば、パチンコホールから飲食など、別業態への異動も希望できるのでしょうか。

齋藤さん

基本、配置転換に関しては会社の事業計画にのっとって決まります。ただ、定期の配置転換とは別に「ここに人が欲しい」となったとき、社内公募が行われるケースもあります。「やってみたい!」という仕事であれば、自ら手を挙げることもできます。

編集部

じっくりとキャリアを積むことができる一方で、社内公募に応募してチャレンジすることもできるのですね。自分に適した速さでキャリアを積んでいけるのは、とてもうれしいことだと思います。

社内公募からホテル支配人に!業種を越えた多彩なキャリアアップが実現

編集部

社内の配置転換でキャリア形成をしていった事例を教えていただけますか。

齋藤さん

たとえば、飲食事業部の立ち上げプロジェクトにパチンコホールの副店長が選ばれたことがあります。海外のフランチャイズ契約から日本国内店舗のオープンまでを手掛け、引き継ぎを終えてパチンコホールに戻ってきました。

ほかにも、パチンコホールでの経験を生かして、コメダ喫茶店の2店舗のマネジメントを任されている社員がいますし、最近では、ホテル事業で社内公募があり、自ら手を挙げて審査の結果選ばれて、新たな事業で活躍している社員もいます。

編集部

多彩な事業を展開されているので、異動が転職に近いチャレンジになることもあるのではないでしょうか。

齋藤さん

持ち株会社であるニラク・ジー・シー・ホールディングスは、ベトナムとカンボジアで日本式のゲームセンター事業を手掛けていて、その社員も社内公募からでした。パチンコ事業でエリアマネージャーをやっていた社員が自ら手を挙げて、今は役員になっています。

編集部

ニラクさんでは働く場所も業務内容も幅広いですから、自然と成長する機会が多くなるのですね。

「プラチナくるみん」も取得。充実の制度は「楽しみながら働く」ため

ニラクの社員のみなさん

編集部

ニラクさんは「プラチナくるみん」の認定を受けていますね。「くるみん」は厚生労働省が「子育てサポート企業」として認定した証ですが、なかでも「プラチナくるみん」は高い水準の取り組みを行っている企業に与えられるものです。子育てサポートは充実しているのでしょうか?

齋藤さん

弊社では、出産や育児、産前産後休暇などの制度は当たり前のものとして整っています。

冒頭で、「明るく 楽しく 面白く」という弊社の企業理念を冒頭でお伝えしましたが、人を楽しませるためには、まず自社の社員が無理なく楽しみながら働くことが不可欠です。各種制度が整っているのは、こうした考えがあってのことです。

編集部

ほかにニラクさんならではの制度はありますか?

齋藤さん

特徴的なものといえば、有給休暇に関して「半年に一度、5連休以上の休暇を必ず取らなくてはいけない」というルールを設けています。つまり、年に2回、5日以上続けて休むことが“義務”になっているんです。

あと、月間平均残業時間が5時間以下でライフワークバランスをとりやすい環境だと思います。申請をすれば副業もOKですので、自分の趣味や興味のあることで充実している社員も多くいます。

編集部

一般的にアミューズメント業界では、残業時間の多さが離職につながり定着率の悪さが採用課題となっています。ニラクさんはどうして、残業をそこまで減らすことができたのですか?

齋藤さん

月の残業時間が10時間以下というのが当たり前になってしまうと、「もっと集中して、効率よく、メリハリをつけて働きたい」という気持ちになります。もう10年以上前から「しなくていい残業はしない」と決めて、みんなで努力をしてきた結果です。

編集部

二ラクさんの定着率はどのくらいなのでしょうか。

齋藤さん

ここ3年は残念ながら「家庭の事情」で止むを得ず辞めるという人が続いてしまったのですが、それ以前は入社後3年以内の離職が3割を超えたことはありません。

編集部

生活関連・娯楽業の3年以内離職率は50%前後です。そんな中にあって「3割を超えたことがなかった」というのは、驚くべきことだと思います。

■参考:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00005.html

住居費補助制度や毎月の食事補助あり

編集部

「ナショナル社員」「エリア社員」は転勤もあるかと思います。ニラクさんでは、住居費の手当についてはどのように設定していますか?

齋藤さん

そうですね。お店の数が49ありますから、地域限定の人は別にして、ほとんどの社員が店舗近くに部屋を借りることになります。そのため住宅費の補助があります。
地域によって異なるのですが、たとえば、一人暮らしの場合、月5万円以内の物件であれば、2万7,000円を会社が補助しますので、自己負担月2万3,000円で住むことができます。そのため、一人でゆったり広い部屋に住んでいる社員もいます。

ファミリー世帯であれば、補助はさらに手厚くなります。

編集部

とくに、東京や神奈川は住居費の負担が大きいですから、手厚い住居費補助はありがたいものです。

齋藤さん

そのほか、毎月の食事補助があったり、病気やケガのときに使える有給積み立てがあったり、細かな制度はたくさんあります。

編集部

住居だけでなく食事まで、本当に「無理なく楽しみながら働く」ための制度が充実しているのですね。

後輩へのサポートが“当たり前”の社内カルチャー

ニラクの社員のみなさん

編集部

ニラクさんの会社の雰囲気、社員間のコミュニケーションはどのような感じでしょうか?

齋藤さん

弊社の社員は、自分が前に出るというよりも「縁の下の力持ち」タイプの人が多くて、穏やかで優しい人が多いと感じています

先ほど話題になった定着率の良さにもつながると思うのですが、みんな面倒見がよくて、先輩社員が後輩をサポートするのが社風になっています。

編集部

自分が優しくサポートしてもらった経験があるからこそ、後輩にも優しくできるのでしょうね。カルチャーとして根づいているのを感じます。

齋藤さん

失敗したら先輩が一緒に原因を考えてくれるし、「誰でもやることだから大丈夫だよ」と励ましてくれます。それが日常的なコミュニケーションになっています。
また、みんな店舗の近くに部屋を借りて住んでいますので、よく一緒にご飯を食べに行ったり、遊びに行ったりしています。本当、みんな仲がいいんです。

編集部

社員間の関係が良好で、会社が心理的な安全を感じられる場所なんですね。

求めるのは人とのかかわりの中で成長できる人

株式会社ニラク人財開発部の齋藤倫子さん
▲株式会社ニラク人財開発部の齋藤倫子さん

編集部

ニラクさんが求める人物像を教えてください。

齋藤さん

“何を”成し遂げるかはもちろん大事なのですが、ニラクは “誰と”一緒に成し遂げるかをすごく大事にしている会社です。お客様や地域の方、社員みんなと「協業」していきたい、という思いを強く持っています。

仕事を通じて、人とのかかわりを学び、その学びを大切にして、従業員同士がお互い思い合って仕事をつくっていく、そこがニラクのいちばんの持ち味です。

人事を担当する私の所属部署は「人財開発部」です。人材ではなく“人財”としているのは、人を大切にして個人の成長が企業の成長につながると本気で考えているからです。弊社のこうした環境の中で成長していきたいという人はぜひ、入社してほしいです。

編集部

ニラクさんでは、さまざまな部署でさまざまな経験ができますしね。

齋藤さん

持ち株会社は海外事業も展開していますので、「英語の勉強をしたい」「英語が話せるので、仕事に活かしたい」という方が活躍する場も今後出てくるでしょう。

そんなグローバルな仕事があれば、地域のお客様と触れ合い、同僚や後輩たちとコツコツと成長していくこともできます。
一つの会社ですが、振れ幅広く多様な働き方ができ、それを会社も受けとめてくれています。そこは私自身、ニラクのとても好きなところです。

編集部

この記事を読んで、ニラクさんに興味を持った方にメッセージをお願いします。

齋藤さん

ニラクの事業領域は生活必需ではなく「レジャー」です。すぐに生活に関わるものではありません。でも私たちは「遊ぶ」ことの大切さを知っています。
生きていくために必要十分なことだけでなく、それ以外の楽しさが人生を彩ったり豊かにしたりする場面は必ずあります。そして、そんな場をニラクはつくっていきたいと考えています。

もちろん、今の事業内容や枠組みにとらわれる必要はありません。「遊ぶ」大切さに共感できる方、新しい方と一緒に新たに明るく楽しい場所を作っていけたら面白いなと思っています。

編集部

ニラクさんが、地域でも社内でも「人」を大切にしている企業だということがよくわかりました。本日はどうもありがとうございます。

■取材協力
株式会社ニラク:http://www.niraku.co.jp
採用ページ:https://www.baitoru.com/op417064/alist/srt2/