未経験エンジニア大歓迎のナスカコンピュータ。社員を大事にする風土と育児サポート

若手の採用や育成、社員の子育てのサポートなどに積極的な企業を紹介している本企画。今回は自治体や金融業界を中心にソフトウェア開発を行っている株式会社ナスカコンピュータを取材しました。

株式会社ナスカコンピュータとは

「確かな技術力で理想をカタチに。」という株式会社ナスカコンピュータのモットー
▲株式会社ナスカコンピュータは「確かな技術力で理想をカタチに。」というモットーを掲げている(公式サイトから引用)

「確かな技術力で理想をカタチに。」というモットーを掲げるナスカコンピュータは、未経験からエンジニアを育て、多くのクライアントの要望を叶えてきました。

同社は若手や女性社員の活躍でも注目を集め、「ユースエール」や「くるみん」(※)といった政府からの認定も取得しています。
(※)ユースエール:若者の採用や育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を厚生労働大臣が認定する制度。
くるみん:一定基準を満たした「子育てサポート企業」を厚生労働大臣が認定する制度。

会社名 株式会社ナスカコンピュータ
住所 札幌市中央区大通西3丁目11番地 北洋ビル10F
事業内容 ・ソフトウェア開発
・システム構築
・アウトソーシング
設立 1994年6月
公式ページ https://www.nazcacomputer.com/
働き方 主に客先常駐、もしくはオフィス出社(オプションで在宅勤務のケースあり)

今回は未経験から一人前のエンジニアを育てるための人材育成の方法や、高い新卒定着率の秘密などについて、ナスカコンピュータの人事管理部課長である伊川篤(いかわあつし)さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
株式会社ナスカコンピュータ人事管理部課長の伊川篤さん

株式会社ナスカコンピュータ
人事管理部課長

伊川 篤さん

北海道を拠点に自治体などのソフトウェアを開発

株式会社ナスカコンピュータのオフィスがある北洋ビル
▲ナスカコンピュータのオフィスは札幌の地下鉄大通駅から直結している。

編集部

まず最初に、ナスカコンピュータさんの事業内容について教えてください。

伊川さん

私たちは、主にソフトウェア開発、システム開発、プログラム作成などを行なっているシステム開発会社です。また、設計だけでなく開発導入にまで携わることで、1つのプロジェクトに一貫して関わっているのも特徴です。

ソフトウェア開発と聞くとスマートフォンのアプリなどを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、ナスカコンピュータがつくっているのは、組織内の連携強化を目的としたシステムなど内部向けのものが多いですね。

編集部

どのような業種のクライアントが多いのでしょうか?

伊川さん

主なクライアントは自治体や、保険や銀行などの金融業界ですが、ほかには食品メーカーや物流業界などからのご依頼もあります。長年同じクライアントを担当することも多く、一定の信頼はいただけているのではないかと思っています。

編集部

ナスカコンピュータさんは本社の所在地が北海道札幌市ですが、クライアントも北海道の会社が多いのでしょうか?

伊川さん

クライアントの半分が北海道、残り半分のほとんどが東京の会社といった割合ですね。ただ、東京のクライアントでも作業自体は札幌で実施しています。

若手が活躍中!未経験から一人前のエンジニアに

デスクワークを行う株式会社ナスカコンピュータの社員

編集部

ナスカコンピュータさんでは若手の活躍もめざましいとお聞きしました。会社としては、どのあたりの年齢層の方が多いのでしょうか。

伊川さん

2023年6月の時点で、ナスカコンピュータに在籍している社員が46人いて、平均年齢は38歳です。その中で20代から30代前半が全体の約半分の20人程度います。

編集部

活躍中の若手のみなさんは、どのようなポジションで働いているのですか?

伊川さん

プロジェクト全体のリーダーとなるとどうしても豊富な経験が必要で若手では難しいのですが、プロジェクトリーダーの補佐であったり、プロジェクト内のチーム単位のリーダーであったり、一部の統括を担当している若手社員がいます。

編集部

ポジションを与えられる若手は即戦力として、ある程度の知識やスキルを持って入社してくるのでしょうか?

伊川さん

そうではないんです。ナスカコンピュータの新入社員はほとんどがエンジニア未経験からの入社です。2023年時点で、直近7年間の未経験入社の割合は9割を超えています。未経験からでも戦力になってもらえるよう、社員育成にはかなり力を入れています。

外部研修を利用し、若手が自ら奮起する育成環境を整備

編集部

ナスカコンピュータさんでは、ジョインした社員に対してどのような育成を行っているのですか?

伊川さん

入社後は、まず45日間の外部研修に通ってもらいます。この研修はプログラミングに関する知識やスキルを学ぶだけでなく、講師がクライアント役になって折衝のシミュレーションをするなど、実務の流れを網羅したものです。

私は研修に出る新入社員に「失敗して帰ってこいよ」とよく言うのですが、本当にみんないろいろな失敗をして、講師に厳しい言葉をもらって帰ってきます。そのときはつらく感じるかもしれませんが、実務で失敗してクライアントに迷惑をかけるわけにはいかないので、「研修の間に失敗していて良かった」と思えるようになってほしいですね。

編集部

未経験から厳しい研修を経験すると「途中でくじけてしまわないかな」とも思うのですが、ナスカコンピュータの皆さんはしっかりと研修をクリアされているのですよね?

伊川さん

もちろんです。実は、この新入社員研修には他社のエンジニアさんも参加しています。その方々はある程度の知識や実務経験をもって研修に臨まれるので、ナスカコンピュータの新入社員はスタート時点で「自分たちがエンジニアとしてどれだけ知識不足なのか」をはっきりと認識するんですね。

悔しさが発奮材料となって、「頑張らなきゃ」という気持ちになるんだと思います。だからこそ途中で挫折することなく、すべての新入社員が見事、研修をクリアしてくれます。実際に、全くの未経験から研修に参加した新入社員が、最後の総合テストで経験者を追い抜いて3位を獲得した例もありますよ。

未経験者の採用にあたっては、「今後エンジニアとしてやっていく覚悟がどれくらいあるのか」という本気度は重視しています。「やる気のある人が研修で現実を知って、さらにやる気を高める」というサイクルができているので、みんな最後まで研修をやり遂げてくれるのだと思います。

なお、もちろん入社前には経験者と未経験者でどうしてもスキルの差が生じることは伝えています。マイナス面もはっきりと伝えた上で、それでもチャレンジしてくれる方が集まってくれているんです。

編集部

本気度の高い新入社員を採用されているからこそ、厳しい研修が効果的にはたらき、その後の活躍につながっているんですね。

能力が認められれば若手でもキャリアアップが可能

編集部

ナスカコンピュータさんに入社された方は、研修を終えたあと、ポジションを得るまでにどういったキャリアを歩むのでしょうか?

伊川さん

エンジニアとして確かな実力をつけてもらうためにも、最初の5年間くらいはまずは開発などの実務に集中してもらいます。研修だけで全ての力が身につくわけではありませんからね。

エンジニアとしての業務がそつなくこなせるようになれば、1人だけ部下をつけて指導やマネジメントも経験してもらいます。その後は適正を見ながら指導する部下の人数を増やしていき、能力に合わせてリーダーなどのポジションを担ってもらうという形です。

そして、その人の育成能力が認められると課長や部長などの役職が与えられて自然と組織ができあがっていくというイメージが近いと思います。実際に30代の部長が2名、私を含め課長が2名いますので、若手のうちからポジションを任せてもらえる環境があります。

編集部

育成能力が評価された若手にポジションが与えられるとのことですが、自分のスキルを極めたいという人は別の観点で評価を受けられるのでしょうか?

伊川さん

もちろんです。指導や育成が苦手だけど、プログラム作成は得意という人もいますからね。育成力のある人だけが出世し、プロフェッショナルとしてのキャリアを考えている人は会社から評価されないということはなく、各人の長所に応じた評価制度を導入しています。

編集部

客観的に見ても、「若手が活躍されている組織だ」という実績があるのでしょうか?

伊川さん

弊社は、若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を厚生労働大臣が認定する「ユースエール」の認定を受けました。年功序列の評価ではなく、能力に応じて若手でもポジションを与えられる環境が国に認められたのではないでしょうか。

自分たちで「うちはいい会社ですよ」と言ってもそこまで信じてもらえないかもしれませんが、第三者が認定することにより、ナスカコンピュータがどんな会社かを判断していただければよいなと考えています。

編集部

指導力もエンジニアとしての能力も両方が評価される環境だからこそ、若手の方でもそれぞれ強みを活かして成長できるのですね。

子育てサポートの充実によって女性社員も増加中

くるみんの認定書が飾られている株式会社ナスカコンピュータの社内
▲社内には、外部から受けたさまざまな認定の証が飾られている。

編集部

ナスカコンピュータさんでは、女性社員の活躍も増えていると聞きました。どのような背景があるのでしょうか?

伊川さん

まず採用について言うと、2023年直近で入社した男女の比率はほぼ1:1です。2017年に「くるみん認定」を取得して女性の採用にも積極的になったばかりなので、女性の管理職というのはまだ少ないのですが、ここ数年で入った女性社員の方が徐々に活躍し始めたという背景があります。

編集部

「くるみん認定」とはどのようなものなのでしょうか?

伊川さん

「子育てサポート企業」として厚生労働大臣に認められた証です。ナスカコンピュータでは男女問わず、育休の取得を積極的に勧めています。実際に私も育休を取得しましたし、2023年8月には男性社員が1人、育休を取得予定です。

女性については2023年以前の過去10年、育休対象者の取得率は100%ですし、復帰率も100%です。時短勤務なども上手く活用しながら、みなさん仕事と子育てを両立しています。

編集部

子育てのしやすさに魅力を感じた女性からの求人応募が多いから、採用の割合も自然と上がっていくのでしょうか?

伊川さん

そうですね。実際に「休みが取りやすく、残業が多くない」という環境がある一方で、技術に関するサポートはしっかりとしてくれて、未経験からでもエンジニアに挑戦できるという特徴に安心感を覚えて採用試験を受けられる女性は多いと思います。

また、2022年度実績で月の平均残業時間が7.3時間と少なめなほか、有給取得も年間平均15.1日としっかりと活用されています。プライベートと仕事のバランスが良いライフスタイルを実現できているのではないでしょうか。

編集部

仕事でもプライベートでも会社が寄り添ってくれる環境だから女性も安心して働くことができ、それが活躍につながっているのですね。

平均勤続年数と新卒定着率が示す高い満足度

編集部

ナスカコンピュータで働きたいと思っている人に向けて会社の魅力を伝えていただきたいのですが、実際にいま働いている社員の方々の満足度は高いそうですね。

伊川さん

2022年度実績で、平均勤続年数が10年、直近3年間の新卒定着率が8割と、客観的に見ても高い数字ではないでしょうか。

編集部

社員の高い満足度が維持できているのにはどのような理由があるのですか?

伊川さん

大きく分けて2つの理由があると思います。1つ目は「福利厚生の充実」ですね。先ほど育休には触れましたが、そのほかにも有給休暇の取得推進やメンタルヘルスケアの専門家の設置など、社員ができるだけ健康に働けるような福利厚生制度を整えています。

メンタルヘルスケアの取り組みに関しては、カウンセリングの中で会社として改善した方がよい事例が見つかれば専門家からフィードバックを受ける体制も整っています。

編集部

必要な時に休める環境や、悩みを1人で抱えなくてよい環境が高い満足度につながっているのですね。

社長をはじめ社員全員で作り上げる「フレンドリーな雰囲気」

株式会社ナスカコンピュータの社員旅行の集合写真
▲社員旅行でトマムを訪れたときの集合写真。お互いの家族を含めた仲の良さが伺える。

編集部

それでは、ナスカコンピュータさんが社員の高い満足度を維持できている2つ目の理由も教えてください。

伊川さん

2つ目の理由は「風通しの良さ」だと考えています。ナスカコンピュータには社員で構成された「社員会」という組織があります。「こういう制度を導入してほしい」「こういったイベントをやりたいから、会社にサポートしてほしい」など、会社に対する様々な要望を取りまとめているのです。

社員会があることで、入社して間もない若手でも意見が言いやすいので、全員が満足する方向に進むことができているのではないでしょうか。実際に社員会を通して、これまで1日単位でしか取得できなかった有給休暇を、もっと細かい単位で取得できるようになった実績があります。

ちなみに2023年7月現在では、女性社員が社員会の代表を務めています。

編集部

たとえ従業員主体の組織があったとしても、必ず機能するわけではないと思います。会社全体に意見を言いやすい雰囲気が浸透していると思うのですが、いかがでしょうか?

伊川さん

会社全体の雰囲気はとてもフレンドリーです。しかし、それは誰かが意識してフレンドリーにしようとしているわけではなく、全員の人柄によって自然と形成されたものだと思います。特に社長が親しみやすく、その雰囲気が浸透していますね。

社員とその家族が集まってバーベキューをしたことがあるのですが、社長が率先して肉を焼いているんですよ(笑)。それを見た社員の家族が「ちょっと、社長さんが肉焼いているじゃん」って注意しても、社員たちは「まぁ、それもいいんじゃない」と言えるような雰囲気なんです。

ほかにも、例えばゴミ捨てなどは若手が当番制で行っている会社もあると思いますが、うちでは取締役が「若手は頑張ってるから、おれが捨てとくよ」と言って率先してやってくれることもあります。

だからといって、社長や取締役を軽んじている雰囲気があるかといわれると、決してそういうわけではありません。上の人たちがフレンドリーに接してくれるからこそ、ナスカコンピュータ独自の風通しのよい雰囲気があるのだと思います。

編集部

社長や取締役の方々が率先して動くというのは、とても印象的なエピソードですね!お話を聞くだけでもフラットな雰囲気かつ良好なコミュニケーションが取れていることを伺い知ることができます。

未経験でもOK。仕事も家族も大事にしたい人はぜひ応募を

編集部

最後に、ナスカコンピュータさんに興味を持った方にメッセージをお願いします。

伊川さん

ナスカコンピュータでは未経験からエンジニアを育てているのですが、ゼロから始める以上、どうしても大変な場面もあります。なので、まずは会社のことをしっかりと知ってほしいと思っています。

育休を推奨していたり、社員旅行に家族が参加可能であったりと、社員はもちろんその家族も大切にする風土がある会社なので、仕事も家庭も大事にしたいという人には向いていると思います。

ナスカコンピュータは離職率の低い会社ではありますが、まだまだ下の世代を増やしていきたいと考えているので採用にも積極的です。「この会社は自分には合うのか」ということを自分で判断した上で、もし「挑戦してみたい」と考えていただけたのなら、ぜひ応募してほしいです。

編集部

未経験からエンジニアに挑戦できるよう、研修制度を含めたサポートが充実しているのが印象的でした。社員もその家族も大切にする環境が、高い定着率につながっているのですね。本日はありがとうございました。

■取材協力
株式会社ナスカコンピュータ:https://www.nazcacomputer.com/
採用ページ:https://www.nazcacomputer.com/recruit/