「人と仕事」が幸せな関係性を築く三井物産。個人が活躍できる仕組みづくりとは

性別・年齢などを問わず多様な人材が活躍されている企業に、そのカルチャーや制度などをお聞かせいただくこの企画。今回は日本を代表する商社であり、「人の三井」という社風が旧法人(※)を創業してから150年近く経つ今でも強く根付いている、三井物産株式会社にお話を伺いました。
(※)法的には旧三井物産と現在の三井物産には継続性はなく、全く別個の企業体である。

三井物産株式会社とは

三井物産株式会社のミッション・ビジョン・バリュー
▲力強い言葉が並ぶミッション・ビジョン・バリュー(公式サイト掲載の会社案内から引用)

三井物産株式会社は、「世界中の未来をつくる」というミッションのもと、さまざまな分野に進出しビジネスを拡大している総合商社です。主力である金属資源分野が好調なほか、インフラやウェルネス事業にも投資をおこない、新たな価値を生み出すために進化を続けています。

組織の特徴としては、いわゆる五大商社(※)の中でも、組織をつくる個人こそが重要な資産だと位置づけていることが挙げられます。元会長の橋本栄一氏が残した「人が仕事をつくり、仕事が人を磨く」という言葉があらわすように、仕事により社員が成長していけるような環境・制度を整えています。
(※)五大商社:三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅の5つの総合商社を指す。

会社名 三井物産株式会社
住所 東京都千代田区大手町一丁目2番1号
事業内容 金属資源、エネルギー、プロジェクト、モビリティ、化学品、鉄鋼製品、食料、流通事業、ウェルネス事業、ICT事業、コーポレートディベロップメントの各分野において、全世界に広がる営業拠点とネットワーク、情報力などを活かし、多種多様な商品販売とそれを支えるロジスティクス、ファイナンス、さらには国際的なプロジェクト案件の構築など、各種事業を多角的に展開
設立 1947年7月25日
公式ページ https://www.mitsui.com/jp/ja/
index.html

今回は、人事総務部採用企画室兼ダイバーシティ経営企画室の多和田さんとモビリティ第二本部の平賀さんに、三井物産の「人」を重視する姿勢や、育児など幅広いライフステージを迎えながらチャレンジできる仕組みなどについて、お二方ご自身の体験をもとにインタビューをさせていただきました。

本日お話を伺った方
三井物産株式会社の人事総務部採用企画室兼ダイバーシティ経営企画室・多和田容子さん

三井物産株式会社
人事総務部 採用企画室 兼 ダイバーシティ
経営企画室

多和田 容子さん

三井物産株式会社のモビリティ第二本部・平賀涼子さん

三井物産株式会社
モビリティ第二本部 輸送機械第四部
宇宙事業開発室プロジェクトマネージャー

平賀 涼子さん

現場で経験を積み、現在は人事で活躍する多和田さん

三井物産株式会社の多和田さんがインタビューで話しているようす

編集部

本日はお時間をいただきありがとうございます。多和田さんは新卒で入社されたとのことですが、なぜ三井物産さんを選ばれたのでしょうか?

多和田さん

「運」と「縁」があったのかなと思います。就職活動で志望したのは外資系のコンサルティング業界が中心で、総合商社は考えていませんでした。商社だと「毎日飲まないといけないのでは」というイメージもありましたので(笑)。

ただ、たまたま招待いただいた就職関連のイベントに参加したところ、弊社の採用担当と話が合い、彼がとても仕事を楽しんでいる様子に興味を持ったんです。コンサルティングファームと比較して、何をやるかよくわからなかった一方、「新卒だからこそ得られたご縁かもしれない」と考えて、入社を決めました。

編集部

入社されてから、現在に至るまでの経歴についてお話しいただけますか?

多和田さん

入社後、最初にヘルスケア・サービス事業本部(現ウェルネス事業本部)に配属されました。そこでは医療やウェルビーイング(※1)など「人々がより笑顔で豊かな生活を送るためのビジネス」に取り組んでおり、その中でも教育・人財方面やホスピタリティ事業(※2)に多く携わりましたね。
(※1)ウェルビーイング:身体的・精神的・社会的に満たされている状態を指す。
(※2)ホスピタリティ事業:ホテルやレストラン、健康に関する施設など、人的接客サービスを提供する業種の総称。

そのときの案件をひとつご紹介すると、給食を提供している会社に出向という形で異動したことがありました。法人営業としてパブリックの大型案件を受注し、アルバイトを約5,000人という規模で採用して研修企画をおこなうなど、大きな現場を回す準備の一端に携わりました。

その後、新型コロナウイルスの流行もあって給食事業の主力だった社員食堂の多くがクローズしたので、本社に戻って「飲食を介さない企業向けサービスを提供できないか」など、クライアントと一緒に新しい事業を立ち上げていったんです。

編集部

そして、現在は人事総務部の採用企画室にいらっしゃるんですね。

多和田さん

はい。ウェルネス事業本部内でいくつかの部署を経験したあと、2022年2月に人事総務部に異動し、キャリア採用の業務を約1年間担当してきました。2023年5月からは、ダイバーシティ経営企画室も兼務しています。

実は、私は以前からD&I(※)に関心がありました。それで講演会の情報提供などを積極的におこなっていたところ、このようなチャンスをいただきました。現在はキャリア採用と入社後の研修などのサポートをしながら、多様性を持った経営を全社的に推進していくため、日々トライしています。
(※)D&I:ダイバーシティ&インクルージョンの略。多様な人材を受け入れ、個人の能力を発揮させながら組織運営をしていくという概念。

キャリア採用でジョインし、宇宙事業開発室で活躍する平賀さん

三井物産株式会社の平賀さんが笑顔で話しているようす

編集部

続いて、宇宙事業開発室に所属されている平賀さんにも、入社までの経歴について伺いたいです。

平賀さん

自分の場合、多和田とは異なりキャリア採用で三井物産に入社しました。おっしゃるとおり現在は宇宙に関連した仕事をさせていただいているのですが、そのモチベーションの源泉をたどっていくと、学生時代にさかのぼります。

私は子どもの頃から空が好きで、高校時代に理系だったこともあり「将来は飛行機を作りたい」という夢を持ちました。エアバスやボーイングなどの海外大手航空機メーカーに憧れ、エンジニアリングと英語を学ぶため海外(アイルランド)の大学に進学しました。

ただ、いろいろな知識に触れていく中で、エンジニアとは異なるマネージメントという形でも航空機産業に携われることに興味を持ったので、新卒でコンサルティングファームに入社しました。

編集部

実際に現場で手を動かすのも好きだけど、組織全体で結果を出すことにも関心を抱いたんですね。

平賀さん

そうですね。数年間ビジネスコンサルをしていて、航空や宇宙に関連する部署にも配属してもらったのですがもう少し技術寄りの仕事や自社事業として同産業に携われる仕事がしたくなったんです。

その結果、一旦会社を辞めて大学院に進学し、修士課程を修めてから宇宙ベンチャーにジョインするという道を選びました。そのベンチャーでは宇宙に関する知識やエンジニアリング、またビジネスサイドの経験もあるということで、評価いただきました。

仕事はすごく楽しかったのですが、一方で、宇宙産業をお茶の間にまで広げるためにはある程度の規模感を備えた事業化が必要で、それができる環境で新たなチャレンジをしてみたいと思い始めたんです。結果として、新しい事業を創造するバックグラウンドを持った三井物産に、2022年春に転職したという経緯です。

編集部

現在はどのようなお仕事をされているんですか?

平賀さん

宇宙事業開発室は10人ほどのチームで、他のメンバーはISS(国際宇宙ステーション)の活用について提案する仕事などをしています。私がいま担当しているのは「人工衛星の撮影データを地上産業でどう役立てるか」というものです。幅広い領域に事業を広げる総合商社ならではという感じですね。

三井物産は金属資源の分野に強みを持っていますが、たとえば、その採掘現場は都市部からは離れた場所にあるので、なかなか状況を把握できないというケースもあるんです。人工衛星を使えば、そのモニタリングも可能になります。我々はこのような事業を「宇宙ソリューション事業」と呼んでいます。

編集部

多和田さん、平賀さんのお二人が歩まれてきた道のりは異なりますが、三井物産という広大なフィールドの中のご自身が関心を持つ領域で、それぞれ活躍されているんですね。

新卒1年目からグローバル。「仕事が人を磨く」会社

三井物産株式会社の多和田さんと平賀さん

編集部

続いて、新卒での入社から複数の部署を経験してこられた多和田さんに伺います。三井物産さんでは「人が仕事をつくり、仕事が人を磨く」という理念が浸透しているかと思いますが、それを体現するようなエピソードを教えてください。

多和田さん

いろいろとお話ししたいことはあるのですが、人事に異動する前と異動してからの2つの事例を紹介させてください。

1つ目は、ウェルネス事業本部時代に教育事業者との共同事業を模索したときのことです。その事業者では、当時まだ珍しく授業がすべてオンラインで実施され、扱う科目も既存のものではなく「生きる力について」「これからのリーダーに求められるスキル」などすごく斬新な内容でした。

私は入社1年目だったのですが、先輩と2人で「どうやれば先方も弊社もWin-Winの形でビジネスを成立させられるか」を本気で考えて、お互いすごい熱意で議論しながらプランを詰めていきました。そして、アメリカに出張して相手側のトップの方々にプレゼンしました。

編集部

世界を相手にビジネスを展開している三井物産さんだからこそ、入社初年度から海外でのプレゼンという機会も与えられたのですね。その後、どうなったのでしょうか?

多和田さん

結果としては、領域としてかなり新しかったこともあり、案件自体が優先順位的に先送りとなってしまったためプロジェクトはストップしてしまったんです。

でも、「教育の未来をつくろう」という想いでひたすら前に進んだことと、実際に学生さんとも交流しながら仕事を展開できたというのはすごく刺激的な体験でしたし、私にとって初めてともいえる大きな挑戦だったと思います。

もし予定通り外資系のコンサルティング企業に入っていたら、こういう仕事はできなかったはずです。私は非営利団体の担う社会的な活動にも関心があったので、どちらかといえば地道で泥臭くも感じられるような経験をいきなりできたというのは、振り返ると成長につながったのかなと思います。

多様性のある組織を目指すべく、個人の想いを中心に周囲を巻き込む

三井物産株式会社の多和田さんと採用企画室のメンバー
▲多和田さんと、所属する採用企画室の皆さん

編集部

多和田さんの2つ目のエピソードとして、人事総務部に移られてからの体験をお聞かせいただけますか?

多和田さん

2022年5月に開催された「Climbers Diversity & Inclusion Summit」という講演イベントに弊社の人事総務部長が登壇したのですが、このときのことは強く印象に残っています。イベントの登壇にあたっては、協賛の打診から広報部署との連携、講演の内容を考えるところまで、部長に都度相談しながら進めていきました。

そのときはダイバーシティ経営企画室に所属していなかったので、「なぜ採用の人間がこのタイミングでD&Iに取り組むのか」という問いかけもありました。しかし、私の考えやD&Iの重要性について話すことで応援してくれる人も増えていき、最終的には広報との2部門協賛という形で無事成功したんです。

ひとつのイベントへの参加ということで、規模としては小さいものかもしれません。ただ、周りのメンバーを多数巻き込みながら、自分の想いを形にできたという意味で、得がたい経験ができたと感じています。

編集部

先ほども「非営利領域に関心がある」とおっしゃっていましたが、D&Iの領域についても会社として、そして個人として携わりたかったということですね。

多和田さん

そうなんです。学生時代から、本人の意思決定が及ばない範囲で、幸福感を得られにくい環境に身を置く人を減らしていきたいと考えていました。

在籍していたのは法学部だったのですが、そういった状況は法律やルールを設定するだけで変わるものでもないと思ったんです。ビジネスの形で利益が生まれるからこそ、実際の行動につながっていくという側面は間違いなくあるので、民間企業に就職したといえるかもしれません。

編集部

三井物産さんという非常に大きな組織の中で、会社として多様性をもっと打ち出すべく、多くの人と協力しながら仕事を進めていくという体験をされたんですね。

イベントの推進に関しては難しいこともあったと想像するのですが、多和田さんの目的意識の強さに加え、年齢や立場に関係なく「やりたいこと」を受け止めてくれる環境があったからこそ成功したのだと感じました。

課題を設定し、それを実行するのが「プロ」の仕事

三井物産株式会社の多和田さんがインタビューで話しているようす

編集部

長年「人の三井」と評されてきた三井物産さんには、さまざまな分野のプロフェッショナルが集まっていらっしゃるかと思います。多和田さんが考える「プロフェッショナル」とは、どういったものでしょうか。

多和田さん

特に新卒で入社した私のような人間にとっては、他社と比較できないので困る質問ではありますね(笑)。もし「あなたは何のプロですか?」と聞かれたら今は「採用や育成のプロです」と答えると思いますが、本質はまた別のところにあると感じています。

具体的に言葉にすると、三井にとってプロの仕事とは「目の前の状況に対して自分で課題を設定して、人を巻き込み、行動に移して変えていく」ことだと、現時点ではとらえています。このことは、役職や事業分野を問わず共通しているのではないでしょうか。

編集部

海外を含めたいろいろなプロジェクトに携わることができる三井物産さんでは、プロになるための機会が多く与えられているといえそうですね。

多和田さん

本当にそのとおりだと思います。もちろん、部門や部署によって業務の種類も異なるほか、個人の考えがどこまで反映されるかも違ってきます。私よりもっと金額的な規模が大きく、関わる人が多い案件にチャレンジしている同期もたくさんいます。

でも、私がこれまでやってきた仕事は、どれも自分にとってすごく情熱的に取り組めましたし、いろいろな人に意見をもらいながら進めることができました。いま振り返っても、すごく恵まれていたと思います。今後もプロとして成長していくために、努力し続けたいと思います。

編集部

ありがとうございます。多和田さんの体験を通して、個人の意志と行動を重視することが三井物産さんの成長を支えてきたのだと改めて感じました。

長期出張や海外駐在もある環境で、育児と仕事を両立すること

三井物産株式会社の平賀さんがインタビューで話しているようす

編集部

ここからは、三井物産さんでの女性の活躍というテーマでお話を伺えればと思います。平賀さんはお子さんがいらっしゃると伺いましたが、ぜひそのあたりからお話しいただけますでしょうか?

平賀さん

わかりました。我が家は子どもが1人いて、いま2歳と9ヶ月ですね(2023年6月時点)。夫と共働きで、育児と両立しながら勤務しています。

世の中に同じ悩みを持つご家庭はいっぱいいらっしゃると思いますが、大変なのはやっぱり急に熱を出して保育園にお迎えに行ったりと、イレギュラーなことがどうしても起きてしまうことです。あと、商社ならではということでいうと、出張の機会も結構あるんですね。

現在は営業部の立場で宇宙事業に携わっているので、現場に行って情報を取ってくるということも多いんです。2週間海外に出張することもあったので、夫や両親などいろんな人の力を借りながら働いています。

編集部

出張だけではなく、海外に駐在するというケースもありますよね。

多和田さん

人事から申し上げると、たしかにご家族で海外に移るという事例も大分増えてきています。ただ、現地でいろいろとサポートしている拠点もあれば、制度が整っていないところもあります。

先日、アジアに駐在している現地メンバーが有志でウェビナー(※)を開いて、「海外で暮らすノウハウをみんなで共有しよう」という取り組みをしたところ、海外に住んでいる人だけじゃなく私を含めた東京のメンバーもかなり参加していました。
(※)ウェビナー:ウェブとセミナーをあわせた言葉で、オンラインで開催するセミナーを指す。

たとえば「こういうふうにベビーシッターさんを探すといいよ」なんてアドバイスも聞けたりして、有意義な会でしたね。

平賀さん

子育て中メンバーのコミュニティでもチャットツール内でグループができているので、私はそちらに参加しています。やっぱり海外と日本では制度が違うので、海外転勤時に子どもの転校の手続きはどうするかなど、将来的なところも含めて先輩方に教えてもらえる場をいただけてすごくありがたいです。

ライフステージの変化があっても、活躍できることを実感

編集部

子育てをしながら働いている女性の立場として、平賀さんは三井物産さんの社内制度やサポートについてはどうお考えでしょうか。

平賀さん

三井物産に入って感じたのが、「働き方についてすごく工夫しているな」というものだったんです。拘束時間が長かったり、逆に勤務時間の融通は利いても子育てに関する補助があまりなかったりと、育児との両立に苦労しそうな要素は予想以上に少ない印象を受けています。

三井物産では、フレックスや各種手当など福利厚生に関して制度がきっちりと整っていますし、今はメンバーに「17時半から22時まで稼働できない」などと前もって相談するなど、状況を理解してもらえる様に自分自身も工夫をしながら協力し合えるよう働いています。

編集部

そういった環境だと、まさに育児中の方や、これからライフステージの変化を迎える方も安心して働けますね。

平賀さん

そうですね。三井物産の良さでいうと、社内に幅広いポジションが存在していることも挙げられるのではないかと思います。働く環境によっては、産休・育休から復帰すると別の人がいて、時短勤務で再度同じ仕事がしたいと思っても言い出しづらく、他の部署に移ろうにも席が空いていないようなケースもあるかと思います。

弊社の場合、同じポジションで働くことも検討できますし、意欲や適正に応じた異なる部署での勤務にチャレンジすることも可能と理解しています。その際は「子どもが2人いるので出張は厳しいです」というような相談をすることもできると聞いています。

一番嬉しいのは、復帰後に多少勤務条件に制限があったとしても、「自分に活躍できる場所があるんだ」と実感しながら仕事ができることですね。「いま離れると思い描いたキャリアが実現できない」「子どもと一緒にいたいけど長期間の育休は取れない」という悩みを抱える女性は多いと思うのですが、弊社ならその悩みが多少緩和されるのではないかと思います。

先ほど多和田がD&Iの話をしましたが、多様性のひとつの形として、子どもを育てながら仕事をする人も当てはまると思うんですね。それぞれの社員が、育児中でもバリューを発揮できる仕組みを整備しているのが、三井物産のストロングポイントだと感じています。

編集部

休暇取得や手当などのサポートだけでなく、人生においてどんなシーンを迎えても活躍できる場を設けることが、女性の働きやすさにつながっているんですね。前述の「人の三井」の姿勢とも通じるところがあると思いました。

自ら学び、自ら動くことが三井物産のカルチャー

三井物産株式会社の平賀さんと多和田さん

編集部

お二人は、「三井物産」はどんな社風の企業だと感じていますか?

多和田さん

私が感じているのは、成長すること、そして変わっていくことにポジティブな人が多いということでしょうか。

弊社は研修制度が非常に充実していて、特に総合職に対しては定期的に集合研修を設けています。現在の業務に直接関わることだけでなく、もっと広い視野で仕事の目的について考えたりしますし、オンラインの講義でも実践的なスキルから中国古典まで興味を持ったものに対して幅広く学ぶことができます。

実際に私も、現在オンラインで海外の大学院に通っているんです。より良い意思決定をするための心理学や統計学についての分野で、すごく楽しく続けられています。新しい知識や経験を通して、さらに仕事で貢献できるように成長していこうというのは、三井物産のカルチャーだと思います。

編集部

会社が人を大事にするからこそ、それぞれの社員の方も成長してそれに応えようとされているんですね。平賀さんはいかがでしょうか。

平賀さん

「プロとは何か」というトピックで多和田がお伝えしたこととも重なるのですが、新しいマーケットを創造するために自分たち発信で動いていくという文化は間違いなくありますね。宇宙開発事業はその最たるもので、宇宙というフィールドを通してどんな価値が提供できるか、宇宙を使うユーザーの視点に立って考え、動き続けています。

あとは、よく商社は体育会系と言われますけど、少なくとも自分のチームは当てはまらなかったですね。ただ日本初の総合商社だけに、歴史ある部門だと昔ながらの伝統が残っていて、飲み会も盛り上がったりするみたいです(笑)。

編集部

古き良き文化も一部に残しながら、時代に対応し、そして切り拓いていくべくアクティブに動くという行動指針は全社的に浸透しているんですね。

自分の強みを活かし、挑戦し続ける人は三井物産にフィットする

三井物産株式会社の多和田さんと平賀さん

編集部

最後に三井物産という企業、そしてその舞台で働くことに興味を持った方に対して、お二人からメッセージをいただければと思います。

平賀さん

弊社は、その方がこれまで経験してきたことがそのまま強みになる会社だと思っています。私は入社するまで宇宙事業のバックグラウンドがあって、そのまま関連する仕事に就けましたが、モビリティ第二本部に配属された時点ではどうなるかわかりませんでした。

しかし仮に違う分野の仕事をしていたとしても、組織として個人の能力を発揮させるべくいろいろサポートしてくれていたはずですし、ジョブローテーションも活発なので、その時点では発揮できなかった長所を活かせる機会も必ず与えられると思います。だから「総合商社だとこんな経験は無駄だろう」と思わず、多和田をはじめとする人事総務部員や現場の人事担当に何でも話してほしいですね。

また、女性としての立場でお話しすると、もしかすると体力的に不安があったり、キャリアプランを思い描きづらかったりするかもしれません。でも、個人の希望を考慮してくれる懐の深さがあるので、その点に関しても入社前・入社後問わず相談することをおすすめしたいです。

多和田さん

私からお伝えしたいのは、「前向きに挑戦し続ける人にフィットする会社」だということですね。実際に社内で楽しく働いている社員を見ても、みんな「まずは変えていきたい」という決意があって、その後で自身の強みやスキルがついてきているんです。そういう気質の方は向いていると思います。

また、実は採用担当として内定者に伝えていることがあるんです。それは、「三井物産はいろいろな制度が整っているけれども、すべての人にとってただ快適に過ごせる職場ではない」ということです。総合商社である以上、難しいタスクが振ってきたり、急なリクエストに対応しないといけないこともあります。

しかしながら、その中でも困難さを面白さととらえてチャレンジをしていくこと、そして社員が活躍できるようお互いサポートしあう姿勢に共感していただけるのであれば、これからより多様性がある会社にしていくため、ぜひ力を貸していただきたいです。

編集部

お二方のお話を通して、三井物産さんは性別やその他の条件にかかわらずパフォーマンスを発揮できる環境であることと、その中で活躍するために必要な心構えについて知ることができました。本日はありがとうございました!

■取材協力
三井物産株式会社:https://www.mitsui.com/jp/ja/index.html
採用ページ:https://career.mitsui.com/