前年比170%の急成長を支えるMintoの価値観「家族を大切にしよう」

独創的な事業展開や優れた成長性、そして独自の価値観などで注目されている企業を紹介する本企画。今回は「コンテンツの新たな可能性を開拓するプロデュースカンパニー」を掲げる株式会社Mintoをインタビューしました。前年比170%を実現した要因や事業の概要、女性メンバーの活躍状況、そして採用のポイントをお聞きしています。

株式会社Mintoとは

株式会社Mintoは2022年1月に、株式会社クオンと株式会社wwwaapとが経営統合して設立されました。「マンガ・アニメを軸とした、コンテンツの新たな可能性を開拓するプロデュースカンパニー」を標ぼうしており、売上高は統合から1年で、前年比170%もの急成長を実現しています。

そして最近注目されているのは、ブロックチェーン技術を活用したコンテンツ事業です。その一環として「キャプテン翼」や「北斗の拳」など大人気アニメとのコラボレーションを実現しており、The Sandbox(※)上での世界初のメタバース向け展開をプロデュースしたことで脚光を浴びています。
(※)メタバースでプレイするNFTゲーム。ゲーム内には個人・法人が所有できる土地が存在する。

会社名株式会社Minto
住所東京都港区北青山 2-14-4 the ARGYLE aoyama 6F
事業内容コンテンツソリューション事業

IPプロデュース事業

Web3事業
設立2022年1月
公式ページhttps://minto-inc.jp/
働き方フレックスタイム制(コアタイム11:00~17:00)、リモートと出社(週2日)のハイブリッド型を導入

独自の事業展開で注目されている株式会社Mintoは、会社の価値観として「家族を大切にしよう」を重視しています。今回は、この価値観についてお聞きするとともに、女性の活躍状況や中途採用メンバーのオンボーディング、採用におけるポイントなどを、株式会社Mintoの樋渡さんにお伺いしました。

本日お話を伺った方

株式会社Minto
人事 広報部

樋渡 由香利さん

経営統合から1年で前年比170%もの急成長を実現

株式会社Mintoの売上推移を示した棒グラフ

編集部

Mintoさんは2022年1月に、株式会社クオンさんと株式会社wwwaapさんとが統合して設立された会社だと伺いました。

樋渡さん

そうです。2社の事業を引き継いだうえで、新たな事業へのチャレンジを開始したのが株式会社Mintoです。

編集部

資料を拝見すると経営統合後、1年で前年比170%もの急成長を実現しています。これほどの成長率を実現できた要因はどんなことでしょうか?

樋渡さん

いろいろな要因があると思います。しかし一番は、お互いの強みがうまく組み合わさって、シナジー効果が生まれたことではないでしょうか。例えばwwwaapが手掛けていた事業は、国内のみの展開でした。ところが海外支社を持つクオンと経営統合したことで、事業領域が海外にまで一気に広がりました。

また人的なシナジー効果も非常に大きいと思います。例えば編集チームの場合、wwwaapで編集を担当していたメンバーの中に、クオンでキャラクターのプロデュースを担当していたメンバーが加わりました。これによりチームとしての厚みが増し、アウトプットのクオリティが格段に高まっています。

編集部

「1+1」が2ではなく、3にも4にもなったということですね。

コンテンツの新たな可能性を開拓するプロデュースカンパニー

株式会社Mintoの事業内容「課題と提供価値」を示した図

編集部

では次にMintoさんの事業の概要について、ご説明をお願いします。

樋渡さん

弊社の事業を一言でいうと「マンガ・アニメを軸とした、コンテンツの新たな可能性を開拓するプロデュースカンパニー」となります。マンガやアニメ、キャラクターなどの「コンテンツ」と、SNSやwebtoon(※)、Web3といった「新領域」とを掛け合わせながら、ビジネスをプロデュースしています。
(※)画面を縦にスクロールしながら読み進められる、スマホで読むことに特化したコミックコンテンツ。

事業ドメインとしては、アニメーターさんやイラストレーターさん、そして漫画家さんなどをフォローしながら一緒にお仕事をする「デジタルの創作領域」に位置しています。

編集部

今後のさらなる伸びが期待されている、日本の成長分野ですね。

樋渡さん

そうです。デジタルコンテンツは日本の国家戦略として、グローバルに売り出そうとしています。そしてマーケット自体も、世界的にみて急成長が見込まれています。Mintoはそういった外部環境を追い風にしながら、クリエイターさんたちとチームを組んで、この事業を展開しています。

それぞれが独自に強みを持つ三つの主力事業

株式会社Mintoの三つの事業を紹介した図

編集部

では具体的に、どんなサービスを展開しているのですか?

樋渡さん

大分類でいいますと、「コンテンツソリューション事業」と「IP(知的財産)プロデュース事業」、そして「Web3事業」の三つです。まずコンテンツソリューションですが、この事業はwwwaapから引き継ぎました。「SNSコンテンツ×マンガ広告」を主軸として、広告主さんのマーケティングやプロモーションの課題を解決しています。

二つ目のIPプロデュースは、クオンから引き継いだ事業です。かわいいキャラクターの企画プロデュースを行っており、NFT(※)化したり、スタンプ化したり、グッズ化することなどで収益を生み出しています。スタンプの累計ダウンロード数は、世界No.1の60億(2023年2月時点)に達しています。また2021年にはwebtoonの制作スタジオを開設し、IP創出力を強化しました。
(※)鑑定書や所有証明書が付いた偽造できないデジタルデータのこと。

そして三つ目のWeb3事業ですが、こちらは経営統合後にスタートしました。ブロックチェーン技術などを活用した「Web3×クリエイター/コンテンツ」の新規事業です。具体的にはメタバースの受託開発やNFTのプロデュース、そしてNFTプラットフォームの開発などを行っています。

編集部

Web3事業には、経営統合後に取り組んだのですね。

樋渡さん

本格的に参入したのは経営統合後ですね。MintoがWeb3事業に参入した理由は、クリエイターさんたちを継続的に支援するためです。彼らの活躍の場は、時代の変遷とともに変わってきています。紙からWebサイト、ブログ、そして今はSNSです。

そしてこれからもWeb3、webtoonのプラットフォーム、さらにはAIと、新領域へ次々に変化するはずです。ただし、そういう新領域について、クリエイターさんが個人でキャッチアップし続けることは簡単ではありません。ですからMintoが間に入ってプロデュースできるように、新規事業としてWeb3に参入しました。

編集部

クリエイターさんを支援するという思いが強いのですね。

樋渡さん

はい。Mintoがなぜ成長性を意識しながら、お客様の課題を解決して収益を上げ続けていくのかというと、クリエイターさんや作家さん、IPホルダーさんなどへの還元を重視しているからです。適正な対価が得られる「循環」を提供することで、彼らは安心して仕事ができます。結果として、さらに魅力的なコンテンツが増え続けることになります。それが弊社の目指している世界なのです。

ひと際優れた成長性を示す「Web3事業」

株式会社Mintoのメンバー3名によるミーティング風景

編集部

Mintoさんが手掛けている3事業は、それぞれに成長中であり、黒字化も果たしていると伺いました。その中でもWeb3事業は、この分野のパイオニア的な存在として優位性を発揮できているのではないですか?統合前の2018年5月に株式会社クオンさんがリリースした「CryptoCrystal(※)」は、日本初のブロックチェーンゲームだと聞いています。
(※)宝石をモチーフにしたキュートなキャラクターを発掘するゲーム。約1万点のNFTがブロックチェーン上に生みだされた。

樋渡さん

確かにそういう優位性はあるかもしれませんね。おかげさまでWeb3事業は、Mintoとして事業化してから1年で黒字化を果たしています。

編集部

それはすごいですね。

樋渡さん

例えばMintoは世界最大のWeb3メタバースである「The Sandbox」と提携しており、NFTやメタバースのプロデュースを事業として行っております。

そのThe Sandboxで土地を買った企業さんが、「買ったのはいいけれど、この後はどうしたらいいんだ」となったときが、プロデュース会社である弊社の出番なのです。この手法でかなりの実績をあげているのは確かです。

Mintoは元々、IPとのコラボやIPへの理解に強みを持つ会社なので、「IP×Web3」という領域は非常に得意なんです。そのうえで、技術の積み重ねや検証、ノウハウの蓄積などを実施してきました。しかもこれらをマネタイズするということを、ものすごく手堅く堅実にやってきました。うまくいっている要因はこれらのおかげだと思います。

「キャプテン翼」や「北斗の拳」のメタバース向け展開をプロデュース

株式会社Mintoのメンバー3名によるミーティング風景

編集部

クオンさんが「CryptoCrystal」に着手したきっかけは、どんなことだったのでしょうか。

樋渡さん

当時、クオンの代表だった水野(現株式会社Minto代表取締役の水野和寛さん)が「ブロックチェーンゲームは、自分たちが得意とするIPとの相性がいいのではないか」と気が付いたことです。そこで制作に取りかかり、日本初のブロックチェーンゲームとしてリリースしたところ、ヒットしたんです。

編集部

CryptoCrystalは息の長い人気コンテンツになっているようですね。2021年9月には当時の価値で日本円で5億円もの売買が発生したと伺いました。

樋渡さん

そうなんです。以前作ったコンテンツが、急激に人気を復活させるということで、「ヴィンテージNFT」と呼ばれています。

2022年6月にはThe Sandbox上で、「キャプテン翼LAND」のプロデュースをしたことを発表しました。これは「キャプテン翼」として世界初のメタバース向け展開であり、NFT向けの展開と販売になります。今後はThe Sandboxを中心に、さまざまなコラボや企画を進めていきます。

さらに2023年1月には、「北斗の拳」とコラボしたThe Sandbox「世紀末LAND」のプロデュースを発表しました。こちらも「北斗の拳」としては、世界初のメタバース展開になります。「北斗の拳」の世紀末的な世界観を楽しんでいただけるイベントなどを計画しています。

第一線で活躍している女性メンバー・樋渡由香利さんの働き方

株式会社Minto 人事・広報部の3名のメンバーと、その執務室風景
▲樋渡さん(左)が所属する人事・広報部の3名のメンバーとその執務室。

編集部

公式ページなどを拝見するとMintoさんでは多くの女性が活躍しているように感じます。例えば樋渡さんは普段、どういったお仕事をされているのでしょうか。

樋渡さん

私は2022年9月に入社し、人事を担当する人事・広報部に配属されました。メインの業務は中途採用で、これに関連した施策や企画などを立案・実行しています。

編集部

どんな施策を打っているのですか?

樋渡さん

いろいろとありますが、コミュニケーションの促進策についてかなり念入りに実施しています。特に入社半年以内のメンバーに対して、できるだけのコミュニケーション施策を打っています。例えば入社してからの6か月間は、人事によるフォローアップ面談を毎月実施しています。そして7か月目以降も、本人の希望があれば継続しています。

また、2023年2月からは「パイセンランチ」をスタートしました。新しく入ったメンバーにとっては、仕事以外でコミュニケートできる先輩は大切だと思うんです。そこで部署をまたいだ先輩と半年間、2か月おきにランチに行ってコミュニケーションを図ってもらっています。ランチ代はもちろん会社が負担しています。

編集部

パイセンランチですか。ネーミングもユニークで親しみやすいですね。

樋渡さん

最初はメンターランチというオフィシャルな雰囲気の強い名称で提案したんです。ところが経営会議でより気軽な名称にしようと盛り上がりまして(笑)。そこで「パイセンランチでいいじゃないか」との声が上がったので、そのまま使わせていただきました。

編集部

入社してからの最初の半年は、やはりコミュニケーション面でのフォローが大切なのでしょうね。

樋渡さん

そう思います。人事・広報部にはメンバーが3人おり、全員が中途採用を担当しています。そして、それぞれが「ここを強化しよう」という役割を決めており、私は主にオンボーディングを受け持っています。会社に早く馴染んでいただけるような施策を打っています。そして他にも入社までの労務以外のフォローや、育休からの復職後のコミュニケーション設計なども担当しています。

編集部

中途採用のご担当といっても、その守備範囲はかなり多方面にわたっていらっしゃるのですね。

会社として重視している価値観「家族を大切にしよう」

株式会社Mintoの人気キャラクター「うさぎゅーん!」
▲Mintoさんの人気キャラクター「うさぎゅーん!」。

編集部

樋渡さんのように多方面で活躍する女性メンバーは、他にも多くいらっしゃると思います。そうした女性の活躍を、支援する制度などがあるのでしょうか。

樋渡さん

制度としては、まだ整備できていません。ただしMintoには「家族を大切にしよう」という価値観があります。特に役員の中に、これを重視する方が多くいます。実際に子育て中の役員も多いですし、中には四児の父もいるほどです。

ですから、家族をないがしろにしない働き方や、有給休暇を取りやすい雰囲気作りなどについては、ベンチャーながらもかなり意識して取り組んでいます。そして家庭の事情によっては、出社からリモートに切り替えることなどにも、柔軟に対応しています。弊社が、子育てと仕事を両立しやすい環境であることは間違いないと思います。

また、育児休暇からの復職についても、その支援をしっかりと行っています。コミュニケーション面の支援は私が担当しています。まずは部署のメンバーとカムバックランチを行ったり、オリエンテーリングをもう一度受け直してもらったり、ということを実行しています。

編集部

女性のキャリア形成については、どんな状況でしょうか?

樋渡さん

「女性だから」や「子育てをしているから」などの理由で、キャリア形成において女性が不利になることは一切ありません。例えば2023年5月に育休を終えた女性メンバーは、育休以前のポジションにフルタイムで復職しており、今はフレックスタイム制の中で勤務時間を調整しながら仕事をしています。

また、一児の母で執行役員を務めている女性もいます。Mintoでは昇格などについて、男女差がまったくありません。ネクストリーダー研修でも、性別に関係なく、次世代のリーダーになってほしいメンバーに対して研修を行っています。

採用のポイントは「コアバリュー」への共感と体現

株式会社Mintoが掲げている四つの「コアバリュー」
▲Mintoさんの「コアバリュー」(公式ページ「採用候補者向け会社説明資料」より引用)

編集部

では最後に採用について伺います。この記事を読んでMintoさんに興味を抱いた読者に向けてメッセージをお願いします。

樋渡さん

コンテンツの可能性を信じている方でしたら、Mintoとの相性はとてもいいと思います。そして弊社の「コアバリュー」に共感していただき、これを私たちと一緒になって体現していきたいと考えてくださる方に、ぜひともご応募いただきたいと思っています。

編集部

やはりコアバリューへの共感が重要なポイントですね。

樋渡さん

その通りです。Mintoは今後とも、クリエイターのビジネス機会、創作機会を提供し続けます。クリエイターの活躍の場は、SNSや動画サービスなどテクノロジーの進化で変化してきました。そしてこれからも変化し続ける中、私たちはコンテンツの新たな循環を作るためのプロデューサーとして、存在し続ける必要があります。

そのためには事業の成長が不可欠です。弊社のコアバリューは、これを実現する指針なのです。自分たちの存在価値を考え、常に新しいことにチャレンジする。そして成果を創り、それを積み上げていく姿勢が大切なのです。Mintoで活躍しているメンバーはすべて、これらを体現しています。

編集部

共感するだけでなく、体現していくことが大切なのですね。本日はありがとうございました。

■取材協力
株式会社Minto https://minto-inc.jp/
採用ページ https://minto-inc.jp/recruit/