株式会社メンタルヘルステクノロジーズの主体性とフェアネスを重視する文化が育むリーダー人材

事業拡大やM&Aによって成長する上場企業の成長要因にスポットを当て、企業の魅力を探るこの企画。今回は企業向けのメンタルヘルス対策支援からスタートし、メディカル事業領域に新規参入することでさらなる飛躍が期待される株式会社メンタルヘルステクノロジーズを取材しました。

心身の健康管理に関するクラウド型サービスを提供する株式会社メンタルヘルステクノロジーズ

株式会社メンタルヘルステクノロジーズは、クラウドの活用と企業における最適なメンタルヘルスケア体制の構築により、“心身の健康問題を考えることが身近になる世界”の実現を目指す企業です。

産業医や保健師による役務提供サービスと労働者の心身の健康管理に関する各種クラウド型サービス「メンタルヘルスソリューション事業」を主軸に、大規模急性期病院向けの看護補助者領域における人材サービス「メディカルワークシフト事業」、医師のキャリア形成を支援する「メディカルキャリア支援事業」等の事業を展開しています。

会社名 株式会社メンタルヘルステクノロジーズ
住所 東京都港区赤坂3-16-11 東海赤坂ビル4階
事業内容
  • メンタルヘルスソリューション事業 (親会社、子会社)
  • メディカルワークシフト事業(子会社)
  • デジタルマーケティング事業(親会社、子会社)
  • メディカルキャリア⽀援事業(子会社)
設立 2011年3月
公式ページ https://mh-tec.co.jp/
働き方 ハイブリッド勤務(オフィス勤務+在宅勤務)
※在宅勤務については所属長の許可が必要

株式会社メンタルヘルステクノロジーズは2022年3月に東京証券取引所マザーズ(現グロース市場)へ上場、2024年2月には看護補助者領域における人材サービスのパイオニア、タスクフォース社を子会社化するなど、メディカル事業領域に新規参入。メンタルヘルスソリューションサービスとメディカルワークシフトサービスのダブル成長エンジンにより、2025年12月期には連結営業利益10〜15億円を目指しています。

そこで今回は、同社の成長要因を探るべく、代表取締役社長の刀禰(とね)真之介さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
株式会社メンタルヘルステクノロジーズ代表取締役社長 刀禰 真之介さん

株式会社メンタルヘルステクノロジーズ
代表取締役社長

刀禰 真之介さん

成長ドライバーはメンタルヘルスケアの重要性の高まりとM&A

編集部

メンタルヘルスソリューション事業の成長や、タスクフォース社の株式取得により、大幅な増収が見込まれるメンタルヘルステクノロジーズさんですが、成長の要因はどこにあると思われますか?

刀禰さん

企業でのメンタルヘルスに起因する休職者の増加による労働力不足、医師を含む医療人材の不足が顕著化したことが最も大きな要因と分析します。

2016年からメンタルヘルスソリューション事業を開始した当社は、産業医と企業のマッチングからスタートしました。その後、メンタルヘルス不調に関する原因分析と予防対策などにサービスをシフトし、休職者の復職支援の取り組みを強化するソリューションサービスへと移行したことも成長要因の1つと思われます。

加えて、タスクフォース社以前にも、2022年11月に明照会労働衛生コンサルタント事務所をグループ化しているように、M&Aが成長のドライバーと考えています。2023年12月期の売り上げが当社より1億円を上回る27億円のタスクフォース社の株式取得を実現することで、ヘルスケア全体の成長マーケットへフィットすることを目指しています。

永続的な増収増益を実現するメディカル領域のDX化

編集部

「メンタルヘルスソリューションサービス」を主軸にさまざまな事業を展開されているメンタルヘルステクノロジーズさんですが、御社の強みはどこにあると思われますか?

刀禰さん

戦略的なところで申し上げると、大手企業においてはコストリーダーシップ戦略と差別化が成り立っている状態なので、メンタルヘルスソリューションを導入する際、当社のサービスを採用するか、採用しないかの二択しかないのが実情です。

当社のサービスを採用した場合、医師や看護師による保険診療を、企業や自治体のお金で行うことになります。限られた予算で最大のパフォーマンスを出すためには、生産性の向上が重要です。しかし、健康経営®対策としてさまざまなサービスがあるのに対し、何が健康経営を進める上で最も効果的であるかが不明確でした。

そこで当社は、健康経営を推進する上で“「永続的な増収増益」を狙うためには生産性の向上がカギになるという結論に至りました。

編集部

生産性を上げるための、具体的な施策についてお聞かせいただけますでしょうか。

刀禰さん

例えば、これまでアナログだった部分をデジタル化することで作業工数を2ヶ月から数週間、数日にまで抑えることができます。このような合理化を含めたサービスを提供しているのが当社の強みです。

休職率や退職率をいかに下げるかにコミットしながらサービス展開をしている当社は、メンタルヘルスに関するノウハウや構造的なやり方も含め、運用支援を行っています。IT業界に例えると、コンサルティング要件を提示し、運用モードに入ったらPDCAをチェック、ちょっと違うとなったら次の要件を提示することを地道に繰り返しながら実現しています。

編集部

心の健康を保つためには体制整備を整えるだけではなく、休職から復職までの道筋など、きめ細かな対応が企業には求められているのですね。

チャレンジング環境が整うジョブ型雇用

編集部

次に、メンタルヘルステクノロジーズさんの企業風土について伺います。御社ではどのような方が活躍されているのでしょうか。

刀禰さん

ジョブ型雇用の当社は、ポジションによってチャレンジングの内容が異なります。そのため、やりたいことが明確な方に非常にマッチする企業風土だと思います。

社員の仕事内容を見ても、毎年前と同じ業務をやっている者は少ないことからもわかるように、新規事業、M&A、コーポレート業務、メンタルヘルスソリューションサービスなど多岐に渡る業務内容に対し、チャレンジできる環境を用意しています。同じ業務でもウェルビーイングに関するニーズは変化が早いため、それにアジャストできるような変化力が求められます。

主体性重視&昇格基準を明確にしたランク評価制度

株式会社メンタルヘルステクノロジーズ刀禰社長と社員の談笑風景

編集部

メンタルヘルステクノロジーズさんの人事評価制度はランク評価制度を実施されていると伺っております。具体的な指標などについてお聞かせください。

刀禰さん

実力をランク分けしたランク制度における昇格条件は、自ら昇格の意思を伝えることです。現在の能力やスキルだけではなく、会社への貢献を期待できそうな人材も積極的に昇格を行っています。年齢・勤続年数にかかわらず昇格するため、若手でもリーダーになれるチャンスがあります。

評価の考え方やベーシックスキル、業務遂行スキルは部門ごとに異なります。特徴としては評価軸をフェアにするため、チームの責任者が毎年評価軸をチューニングしていることです。お客様のニーズやマーケットが変化するのに対し、評価基準が据え置きではモチベーションの低下につながることがその理由です。

編集部

市場が求めるニーズに合わせて評価基準をチューニングすることで、メンタルヘルステクノロジーズさんの社員はクリアな評価を得ることができるというわけですね。

経営者目線で業務を遂行する人材を育てる「刀禰塾」

株式会社メンタルヘルステクノロジーズ代表取締役社長 刀禰 真之介さん

編集部

メンタルヘルステクノロジーズさんではスキルアップを目的とした多彩な研修制度があると伺っております。なかでも社長である刀禰さんが研修を担当する「刀禰塾」は大変人気とのことですが、研修の目的や内容についてお聞かせください。

刀禰さん

経営者と同じ目線で業務を遂行できる人材の育成を目的とする「刀禰塾」を月1回のペースで行っています。組織論、マネジメント論、コーチングといった知識を指定図書を用いながら研修を行うこの勉強会は、希望者が指定本を読み、指定のフォーマットでまとめ、マネジメントとリーダーシップを学びます。

編集部

刀禰塾に参加した社員の感想や声などがあればぜひ、お聞きしたいです。

刀禰さん

Day1〜10までがひとつなぎになっているため、世の中にあるビジネス書などを読み漁るよりも学びは多く、組織人である前に個人としての成長の糧にもなるという感想を寄せた社員がいます。

他にもグループの考えを理解し、自分の立ち位置を振り返るとても良い機会だと感じる者、課題を作成することで自分の言いたいことや考えを言語化する良い訓練になったと感じた者、日々の業務で発生する課題や、すべての利害関係者との関わり方について、自分自身の直感や経験に頼っていることに気づけたなど、さまざまな感想が寄せられています。

編集部

参加者からの率直な感想からは、参加者それぞれが大きな学びや気づきがあったことが伺えますね。

フェアネスに、道を極められる”仕事オタク”を歓迎

株式会社メンタルヘルステクノロジーズ代表取締役社長 刀禰 真之介さん

編集部

成長市場であるウェルビーイング領域のなかでも、驚異的な成長を遂げているメンタルヘルステクノロジーズさんに興味を抱き、チャレンジしたいと考える読者は多いと思われます。最後に、御社が求める人物像など、採用におけるメッセージをお願いします。

刀禰さん

コンサルや投資銀行出身の私のように、当社はウェルビーイングとは異なる業界からジョインした仲間が多いので、新しい領域にチャレンジしたい方にもチャンスがある会社です。

経験や年齢、社歴などに干渉することはなく、合理的な意見は全て取り入れる環境が整っている当社はフェアネスを重視しています。フェアネスだからこそ怠慢な者に対しては厳しい環境とも言えます。

私たちは“ウェルビーイングのスタンダードを作る”という、ビジョンを掲げています。スタンダードを作ることは並大抵のことではありません。そこで当社が求めるのが、好きなことを極めたいと思っている人、「仕事オタク」です。大好きなことのために自ら研鑽を積み、ヘルスケアマーケットを共に開拓する、そんな仕事オタクと共に働きたいと考えています。

編集部

メンタルヘルステクノロジーズさんの実力に応じたクリアな評価制度やスキルアップのための研修、フェアネスな環境は働く全ての人の指標になることを、今回の取材を通して感じました。

本日はありがとうございました。

■取材協力
株式会社メンタルヘルステクノロジーズ:https://mh-tec.co.jp/
採用ページ:https://mh-tec.co.jp/recruit/

※「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。