ボトムアップを奨励するメディックス。若手や女性の活躍を引き出す理念とは?

独創的な社員育成や手厚い福利厚生、そして独自の社風などで注目すべき企業を紹介する本企画。今回は、デジタルマーケティングの総合コンサルティング事業を手掛ける「株式会社メディックス」にインタビューしました。事業概要や理念、若手の育成方法や福利厚生、そして採用のポイントをお聞きしています。

株式会社メディックスとは

1984年3月に設立された株式会社メディックスは、デジタルマーケティングの総合コンサルティング事業を手掛けています。インターネット広告やリスティング広告の分野は特に定評があり、近年ではデジタルマーケティング全体の一貫したプランニングでも高く評価されています。

また「人が最大の資産」との考え方のもと、人材教育にも力を入れています。新入社員には半年間で約200時間以上の研修を実施しており、デジタルマーケティングを体系的に学習させています。また社員の「後輩を育てる」という意識が非常に高く、若手社員が続々と活躍する会社としても注目されています。

会社名 株式会社メディックス
住所 東京都千代田区神田神保町1-105 神保町三井ビルディング 19階
事業内容 デジタルマーケティングの総合コンサルティング
・インターネット広告の代理店業務
・インターネット広告の企画/制作
・インターネットフォローマーケティングの企画/提案
・Webサイトの構築
・Web解析の運用コンサルティング業務
・EC事業コンサルティング
設立 1984年3月
公式ページ https://www.medix-inc.co.jp/
働き方 フレックスタイム制(コアタイムなし)、出社50%・在宅50%

株式会社メディックスは理念に「自由と責任、そして信頼」を掲げています。この理念についてお聞きするとともに、理念に基づいた若手社員の育成体制や、理念が育んだ会社の三つの特徴、そして2パターンある若手活躍の状況を伺いました。

さらには女性活躍や出産・育児の手厚い支援制度をお聞きするとともに、採用におけるポイントも伺いました。

本日お話を伺った方
株式会社メディックス広報の徳田裕美子様

株式会社メディックス
広報

徳田裕美子さん

デジタルにおける顧客の課題を解決する会社

株式会社メディックスの事業内容
▲メディックスさんの事業内容

編集部

まずは事業概要のご説明からお願いいたします。

徳田さん

メディックスは「デジタルマーケティングの総合コンサルティング」事業を展開しています。データ分析を中心として、広告や集客、そこにまつわるクリエイティブの作成、そしてサイトの分析や、その後のフォローであるCRM(※)などですね。そういった施策を駆使しながら、クライアントの課題を解決している会社です。
(※)CRM:Customer Relationship Management/顧客関係管理

編集部

資料を拝見すると、メディックスさんのメンバーは、皆さん幅広い業務を担当しているように感じました。例えばアカウントプランナーという職種の場合、どんなお仕事をされているのでしょうか。

徳田さん

アカウントプランナーというと、一般的には営業職ですよね。しかしメディックスのアカウントプランナーは営業活動だけではなく、運用から分析までを一貫して行っています。他社さんですと営業、運用、分析はそれぞれ別の担当者が対応することが多いようです。

弊社では一人の担当者が対応しますので、そのクライアントをより深く理解することができます。そして何よりも、お客様に寄り添った提案を行えることが大きなメリットです。

株式会社メディックスの主な提供サービス
▲メディックスさんの主な提供サービス

若手の活躍を引き出すことが会社としての「理念」

株式会社メディックスの理念
▲メディックスさんの理念(会社紹介資料より引用)

編集部

公式ページには若手メンバーの活躍に関する記事が多く掲載されています。若手の活躍を、どのように引き出しているのでしょうか。

徳田さん

メディックスの場合、若手が活躍しやすい環境整備の重要性を、理念として掲げていることが大きな特徴といえます。弊社の理念は「自由と責任、そして信頼」です。ここに掲げている自由と責任とは、「常に当事者意識を持って事に当たり、立場にとらわれずに正しいと信じることを提案・発言しながら仕事に取り組む」ということです。この考え方が若手に成長機会を与えたり、仕事のしやすい環境を整備するためのキーワードになっています。

編集部

若手の活躍を引き出すことは、会社の理念なのですね。

徳田さん

そうです。そしてメディックスにはこの理念をもとにした、三つの特徴があります。まず一つ目は弊社の営業活動が「ソリューション営業」であるということです。いわゆるプロダクトを持った営業ではありません。

「これを売らなければいけない」とか「これを売れば利益率が高い」といったプロダクトを営業するのではなく、クライアントに合わせたオリジナルのソリューションを、常にその都度考えて提案しています。これがクライアントに寄り添うための、とても重要なポイントになっています。

数字以外にプロセスを評価する独自の人事評価制度

株式会社メディックスのメンバー3名によるミーティング風景

編集部

二つ目の特徴はどういったものでしょうか。

徳田さん

二つ目は「人事評価制度」です。アカウントプランナーの場合、数字だけでなく、その結果に至るまでのプロセスもしっかりと評価しています。

もちろん目標数字を達成することはとても重要なことですが、仮に達成できなかった場合でも、そこだけで評価をするわけではありません。

目標を達成するために、クライアントに対してどういう働きかけをしたのかや、クライアントの課題を解決するために、どんな提案をしたのかという定性的な部分も、しっかりと評価に加えています。

編集部

それは心強いですね。

徳田さん

ですからメディックスのアカウントプランナーは、クライアントの利益を最大限に考えた提案や運用ができるんです。数字を追い求めることが、先にくるのではありません。クライアントの課題を解決することで「数字は後からついてくる」という考え方を徹底しています。

編集部

プロセスの評価にあたっては、どんな指標を用いているのですか。

徳田さん

独自の評価シートを使っています。シートにはいろいろな要素にわかれた項目があり、その項目ごとに「このクライアントに対してこういうことをした。だから自分としては、この項目に何点をつけます」といったことを上司にプレゼンする機会があるんです。

上司はそのエピソードや点数、自分がつけた点数などをもとにして「確かに頑張った」といえる項目には評価点を加算しています。さらには日々の仕事の状況などを見て、それも評価点に加えています。

文化として根付いている「ボトムアップ」

株式会社メディックスのオフィス風景

編集部

では三つ目はいかがでしょうか。

徳田さん

「ボトムアップを奨励する社風」です。これは言葉としては、いろいろな会社が使っていると思います。メディックスの場合は、これが文化として根付いているんです。

年次に関わらず後輩が先輩に提言をするとか、上司の意見とは異なる自分の意見を発言するとか。あるいは上司のほうから「あなたはどう考えているのか」と部下の意見を聞きにいくとか。そういうやり取りが日常的に行われており、文化として根付いていることを強く感じます。

編集部

どんな場面で、そういうやり取りが行われているのですか。

徳田さん

やはり実務に近い場面ですね。例えばクライアントから「こういう目標を実現したいので、そのための提案をしてほしい」と投げかけられたとしましょう。

そこでメンバーは上司に「こう考えたのですけれど、どう思いますか?」と相談します。上司はいろいろな形でフィードバックをしますが、その際のやり取りが、本当に真剣そのものなんです。お互いに本気で意見や考え方を交わしあうということが、メディックスでは普通に行われています。

編集部

そうやって提案の内容をブラッシュアップしていくのですね。

徳田さん

そうです。時には考えがまとまらないまま、上司に相談するケースもあります。そういうときに上司は「こうした方がいい」という言い方はしません。ヒントは出しつつも、「あなたはどうした方がいいと思う?」と必ず本人の意見を聞き出します。

編集部

自主的な考え方を促す問いかけですね。

徳田さん

そうです。メディックスでは「あなたはどうしたいの」が共通言語になっているんです。若手は上司や先輩から意見をもらいながら、自分の考えをまとめあげる。その考えを上司に投げて、それが戻され、また考えて、また投げて、ということの繰り返しです。これが若手を成長させている土壌になっていると思います。

編集部

若手を育てる手法が、社風として根付いているのですね。それがメディックスさんの強みのように感じます。

二つのパターンがある若手の活躍状況

株式会社メディックスのメンバー2名によるミーティング風景

編集部

メディックスさんの理念を通じて成長した若手のメンバーは、今どんな活躍をしているのでしょうか。

徳田さん

活躍している若手には二つのパターンがあります。一つは「やりたいことがある」というその方の熱意に応じて、役割を託しているパターンです。もう一つはもともと高い能力をお持ちの方が、上司などのサポートによってさらに成長するパターンです。その方の能力に合わせて、ポストをお任せしています。

若手に活躍のチャンスを与える「メディコン」

株式会社メディックスのオフィス風景

編集部

まず「熱意に応じて役割を託す」パターンについては、どのようなケースがあるのでしょうか。

徳田さん

これについては、年に1回開催している「メディコン(メディックスコンテスト)」がきっかけとなることが多いですね。

メディコンとは、全メンバーを対象にした新規事業提案制度です。最終プレゼンで選ばれた新規事業案は、発案者が主体となって事業化を進めることができ、会社はこれを全面的にサポートします。年次や役職、職種などに関係なく、アルバイトでも正社員でも誰でも提案できます。

メディコンには毎回多くの若手が参加しており、事業化に向けて本気でブラッシュアップした案を発表しています。

編集部

メディコンは若手にとって、チャンスをつかみ取る絶好の機会なのですね。

徳田さん

その通りです。メディコンは、メディックスの理念である「自由と責任、そして信頼」を体現する場であるともいえます。「当事者意識をもって、正しいと信じることを提案・発言」するのですから。

参加チーム数は年によってまちまちなのですが、5チームから10チームぐらいが多いですね。事業化を最終ゴールにしているので、審査が厳しいことは確かです。最後まで残ることは簡単ではありませんが、それでも毎年果敢にチャンレンジしているメンバーがおり、社内にしっかりと根付いた制度になっています。

台湾事業を軌道に乗せた若手メンバー岡裕太氏の事例

株式会社メディックスのメンバー岡裕太様
▲台湾事業を立ち上げた若手メンバーの岡裕太さん

編集部

もう一つの「もともと高い能力を持っている」パターンについても、お聞かせいただけますか。

徳田さん

はい。メディックスの教育担当制度では、通常の場合、新入社員に対して入社4年前後のキャリアを持つ社員がマンツーマンで教えていきます。ただ、新卒で入社して2年目で「教える側」にまわったメンバーがいました。

このメンバーはその後も成長を続け、3年目には5人ほどのメンバーをマネジメントするチーフに昇格し、5年目には10人を管理するマネジャーに任命されるという急成長ぶりでした。そういう力のあるメンバーに対しては、ポストや役割などを次々に用意して成長をサポートしています。

編集部

それは素晴らしいですね。また公式ページ(※)では、新規事業「メディックスマーケティング台湾」の立ち上げに深く関わった、若手メンバーの岡裕太さんの活躍も紹介されていました。このケースでは、会社はどのようなサポートをしたのでしょうか。
(※)岡裕太さんの新卒社員インタビューが掲載された公式ページはこちら

徳田さん

岡は2015年の入社当時から、優れた能力を持っていることはわかっていました。ただ、物事の伝え方など、さらに良くしていける点があったんですね。そこで当時の上司がそういった部分を修正しながら、持っている力をさらに伸ばすようにサポートしたんです。

岡は台湾への赴任が決まっても、当初はまだ日本での業務が残っていましたから、その両方をこなすのが非常に大変そうでした。ただ台湾については自分で希望したことですから、とにかく頑張っていましたね。それを見た上司が、台湾へ集中できる環境づくりをサポートしていました。

編集部

上司の方のサポートについて、さらに詳しくお聞かせいただけますか。

徳田さん

業務面では日本で担当していたタスクを、他のメンバーが早めに引き継げるように調整したりと、いろいろな割り振りを行っていました。また改善点についても、日々のやり取りの中でアドバイスをしながら、じっくりとサポートをしていたと思います。

女性の活躍ぶりを象徴する加藤緒都氏の事例

株式会社メディックスのメンバー加藤緒都様
▲入社当初から活躍していた若手メンバーの加藤緒都さん

編集部

拝見した資料では、加藤緒都さんという女性のメンバーも、2017年の入社当時から活躍しているそうですね(※)
(※)加藤緒都さんの新卒社員インタビューが掲載された公式ページはこちら

徳田さん

加藤も岡と同じく、新入社員の頃から決まった案件を確実かつスピーディーに実行していく能力がありました。ただ、「0から1を生み出す」ことや、こちらから提案して仕掛けていくという点ではまだ伸びしろがあったんです。そこで、難易度の高いタスクを適宜振っていくようにしていきました。

結果として、加藤自身の業務に対する視野が大きく広がり、単なる広告運用を超えた、先方の売上・利益を作るための取り組みができるようになって、クライアントからの信頼も高まったようです。

編集部

スキンケア商品のサンプリングキャンペーンを提案して、みごとに成功させたそうですね。

徳田さん

そうです。彼女の提案は、サンプル商品の製造やこれを配布する協力店舗の確保など、クライアントにもそれなりの対応を強いるものでした。しかしながら時間をかけてクライアントをじっくりと説得し、キャンペーンを見事に成功させたんです。

彼女は上司のサポートを得ながら持ち前の力を発揮し、関係者をグイグイと巻き込みながらキャンペーンを進めていきました。必要な情報は詳しいメンバーからうまくピックアップするなど、周囲をうまく巻き込んでいったんです。

クライアントの課題に真摯に向き合う社員には先輩からの手厚いサポートがあり、それがさらなる成長に繋がっていく好事例だと言えると思います。

出産や育児には手厚い支援制度を用意

株式会社メディックスのメンバー2名による業務風景

編集部

今の加藤さんのお話もそうですが、メディックスさんは女性が働きやすく、活躍しやすい会社であるように感じます。女性社員比率が53.1%とのことですが、女性の働きやすさなどを意識していらっしゃるのですか。

徳田さん

女性ということを、特に意識はしていません。採用に関しても今働いているメンバーに関しても、特別な動きはありません。あくまで結果として、女性の割合が若干多いということだと思います。

ただし、出産や育児に対するサポートが充実していることは確かです。産前産後休業・育児休業はしっかりと取得できますし、育休後の復職についても元のポジションに戻れる制度があります。また育児中は時短勤務や、就労形態の選択も可能です。

また、社員個人の要請から潜在的な全社ニーズを探り、社員の働きやすさを第一に、制度を柔軟に検討・アップデートする体制があります。

例えばリモートワークが今のように一般的ではなかった時代から、一部の条件付きで認めてきたんです。これはママさんからの「子どもの面倒をみながら仕事をしたい」という声に応えたものでした。このように柔軟に制度変更をしてきたことが、女性が働きやすい要因の一つになっているのだと思います。

以前のポジションに戻れる復職制度

株式会社メディックスのオフィス風景

編集部

育休から復職する際に元のポジションに戻れるという制度が魅力的に感じます。どういう内容なのでしょうか。

徳田さん

ご本人の希望に応じてということにはなりますが、基本的には育休前のポジションにそのまま戻っていただくことになっています。会社から役職や職種の変更をお願いすることはありません。

復職は時短で戻られる方が大半なので、当初は時短の中で、できる範囲での業務を調整することになります。皆さん1年ぐらいお休みされているので、情報をインプットすることからスタートしています。

マネジメントラインなど一部例外はあるものの、基本的にはサポート業務から入ってもらい、徐々に以前の感覚を取り戻していただきます。そして半年ぐらいで肩慣らしを終わらせつつ、本格的に業務復帰していくイメージですね。

編集部

そういう配慮をしていただけるのであれば、安心して復職できますね。

採用のポイントはボトムアップを奨励する社風への共感

株式会社メディックスのオフィス風景

編集部

では最後に採用についてお伺いします。この記事を読んでメディックスさんに興味を持った読者へのメッセージをお願いいたします。

徳田さん

確実にいえることは、メディックスは若手の活躍できる風土や文化が、非常に整っている会社だということです。ボトムアップを奨励する社風ですし、新入社員であっても積極的に発言をして行動することで、活躍できる場が大きく広がっていくことになります。

こういう社風に興味を感じてくださったり、私たちと一緒に働きたいと思ってくださった方に、ぜひともご応募いただければと思います。お互いに切磋琢磨をしながら、デジタルマーケティングの新たな可能性を追求していきましょう。

編集部

大切なことはボトムアップを奨励する社風への共感ですね。本日はありがとうございました。

■取材協力
株式会社メディックス:https://www.medix-inc.co.jp/
採用ページ:https://www.medix-inc.co.jp/recruit/
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