「薬局×SaaS」で成長を続ける株式会社アクシスで、万能なエンジニアが育つ理由

従業員が生き生きと活躍できる環境を整え、著しい成長を続けている企業を紹介するこの企画。今回は、IT技術を活用して医療従事者の仕事を支えている「株式会社アクシス」にインタビューさせていただきました。

調剤薬局向けSaaSで市場をリードする株式会社アクシス

株式会社アクシスのパーパス
▲株式会社アクシスのパーパス(公式サイトより引用)

株式会社アクシスは、「健康寿命を支える事業を創出する」というパーパスを掲げ、IT技術を活用して医療従事者の支援を行う会社です。

薬局業界に特化したSaaSを主力サービスとして展開しており、「クラウド型電子薬歴」のリーディングカンパニーとして、全国の調剤薬局における薬剤師さんの業務を支えています。

2022年には、ASPIC(日本クラウド産業協会)が総務省などの後援を受けて実施している、「IoT・AI・クラウドアワード」で社会貢献賞を受賞するなど、社会的にも高い評価を受けています。

会社名 株式会社アクシス
住所 東京都千代田区内幸町二丁目1番1号 飯野ビルディング9階
事業内容 医療システム事業およびそれに付帯する業務
設立 2021年9月
※2008年4月より事業を開始し、2021年9月に会社分割による持株会社制への移行および商号変更を行った「アクシスルートホールディングス株式会社」の子会社として、医療事業に関する権利義務を100%承継
公式ページ https://mediaxis.jp/
働き方 ハイブリッド勤務(出社+リモートワーク)
時差出勤制度

今回は、株式会社アクシスが急成長を続けている理由や事業の展望、エンジニアの働き方などにスポットをあてて、代表取締役の川野さんと採用担当の杉本さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
株式会社アクシス代表取締役の川野さん

株式会社アクシス
代表取締役

川野尚吾さん

株式会社アクシス採用担当の杉本さん

株式会社アクシス
採用担当

杉本さん

薬剤師のこれからの働き方を支えるクラウド型電子薬歴サービス

株式会社アクシスの主力サービス「電子薬歴Medixs」
▲薬剤師さんの業務改善や新しい働き方を支援するクラウド型「電子薬歴Medixs」

編集部

まずは、アクシスさんの事業内容について教えてください。

川野さん

私たちはグループ全体で、「健康寿命を支える事業を創出する」ことを目指して事業を展開しています。

簡単にグループの説明をすると、「アクシスルートホールディングス株式会社」を親会社として、傘下に「株式会社アクシス」と、「アクシスイノベーション株式会社」という2つの事業会社があるのですが、アクシスイノベーションがシステムの受託開発を行っているのに対して、私たちアクシスでは、自社プロダクトの開発・保守・セールスを行っています。

編集部

アクシスさんの代表的なプロダクトには、どのようなものがあるのでしょうか?

川野さん

現在主軸の事業は、ITを活用した調剤薬局の業務改善で、2014年にリリースした、クラウド型の「電子薬歴Medixs」(※)というサービスが、弊社の代表的なサービスとなっています。
※電子薬歴『Medixs』『メディクス』はアクシスルートホールディングス株式会社の登録商標です。

患者さんが処方箋を持って薬局に行くと、薬剤師さんが処方箋の情報に基づいて、薬を調合したり、患者さんに服薬指導を行いますよね。

服薬指導は薬剤師さんの義務であり、その記録も残しておかなければならないのですが、従来は、それを紙に書いて管理したり、薬局の据え置きのパソコンに入力したりしていたんです。この患者さんの薬剤服用歴、つまり薬歴をクラウドで管理できるようにしているのが「電子薬歴Medixs」です。

編集部

クラウドで管理できるようになると、薬局の業務効率化につながりそうですね。

川野さん

そうですね。全国に複数店舗展開している薬局が、本部で各店舗の情報を一元管理できるというのも大きなメリットで、薬局の経営改善などにも貢献できます。

将来的には、さらにクラウド管理の重要性が高まってくるとも考えています。患者さんが高齢化するにつれて、薬局に来ることができない患者さんが増え、地方の場合は特に、薬剤師さんが患者さんのもとに出向くケースが増えると予想されています。

そうすると、これまで薬局内で完結していた薬剤師さんの業務を、薬局外でもできる環境が必要になるんです。クラウド型のシステムであれば、iPad1台持って行けば、患者さんのところで入力することも可能です。

編集部

これからの時代の薬剤師さんの業務を、クラウド型のシステムがサポートしてくれるというわけですね。

川野さん

そうですね。これから日本が確実に迎える高齢化・労働力不足の時代に対応し、医療従事者の業務をITの力で支え、皆さんの健康寿命に貢献するというのが私たちのミッションだと考えています。

サービス継続率99%!高い顧客満足度が成長の鍵

株式会社アクシスのメンバーが打ち合わせをしている様子

編集部

アクシスさんは、「電子薬歴Medixs」を主軸として、毎年継続的に成長を続けられているとお聞きしています。その要因はどのようなところにあるのでしょうか?

川野さん

有難いことに、毎年一定の成長を継続できており、現在は全都道府県に取引先様がいらっしゃる状況です。

「電子薬歴Medixs」は、解約率が非常に低く、契約継続率は99%(※)と高い数字を維持しています。これが、成長を支える大きな要因だと考えています。
※当社調べ(2023年9月時点)

編集部

かなり高い数字ですね。なぜこれほど高い継続率を実現できているのでしょうか?

川野さん

薬歴システムは患者さんの過去からのデータが蓄積されているため、簡単に切り替えられるものではないというのもありますが、やはり、プロダクト上の強みというのが大きな要因になっていると感じています。

私たちは、医療従事者の方が実際に利用するシーンをイメージし、働き方や業務フローなどの変化に応じた機能改善を続けています。法改正などの外部環境の変化にも迅速に対応し続けているので、使い勝手や安心感という観点で高い評価をいただけていると感じています。

実際にそのようなお声もいただいていますし、お客様の紹介でご契約をいただくというケースも多いんですよ。

編集部

スピード感を持ってお客様や外部環境の変化に対応し続けることで、高い評価を得られているということですね。

川野さん

そうですね。お客様の満足度の高いサービスを提供し続けていれば、今までどおりの成長を、これからも続けていくことができるのではないかと思っています。

将来的には、薬局を含めた地域の医療全体を支える挑戦も

編集部

市場の成長性については、どのように捉えていらっしゃるのでしょうか?

川野さん

まず、薬局さんだけで考えても、市場の成長性はかなり高いと認識しています。

全国の薬局の店舗数は約6万店舗で、実はコンビニの数より多いんです。そのうち、競合サービスも含めたクラウド型の薬歴を導入している店舗は全て足したとしても、まだまだ普及率が低いんですよね。

編集部

今後普及率を高めていく余地がかなりある市場ということですね。

川野さん

はい。さらに言うと、この6万店舗のうち、大手のドラッグチェーンの薬局さんの店舗を全て足しても、市場の3~4割ほど(※)です。特定の事業者さんによる独占的市場の構造にはなっていないんです。
令和4年度 厚生労働省 薬局薬剤師に関する基礎資料より

つまり、残りの地域の医療を支えている小規模な薬局さんに対して、しっかりと私たちのサービスを届ける努力をしていける環境にあると考えています。

編集部

薬局さんだけで考えても成長性のある市場であるとのことですが、アクシスさんでは、薬局さん以外に向けても、事業の展開を考えていらっしゃるのでしょうか?

川野さん

はい。「地域で医療を支える」ということを国も指針として出しているように、薬局と病院・介護施設・デイケアサービスなどの連携が必要な時代になってきています。

私たちは、今は薬局さんにフォーカスしていますが、これからは病診連携や薬薬連携など、横の連携、縦の連携に対応し、最終的には、医療業界全体に波及していくような、さまざまなプロダクトを作っていくことを見据えています。

アクシスは、時差出勤とリモートワークで柔軟な働き方を実現

株式会社アクシスのメンバーが打ち合わせをしている様子

編集部

続いて、エンジニアの皆さんの働く環境について教えてください。まず、アクシスさんには何名くらいのエンジニアの方がいらっしゃるのでしょうか?

川野さん

社員の5割程度がエンジニアで、人数で言うと40名程度です(2023年9月現在)。

編集部

アクシスさんでは、エンジニアの皆さんが働きやすい環境を整備されているとお伺いしていますが、具体的にどのような働き方をされているのでしょうか?

杉本さん

まず働く時間に関しては、時差出勤制度を導入しています。社員自身またはご家庭の事情などの外せない用事に合わせて、始業時刻を変更することができます。

編集部

具体的に、どのくらいの幅で時間を調整することができるのでしょうか?

杉本さん

出勤時刻を8時、9時、10時、11時の4パターンから選べる制度になっています。9時出勤をベースとして、都合がある日は申請制で出勤時間を調整する運用としています。

例えば「役所に寄るから11時に出勤する」「夕方、友達と予定があるから8時から出勤する」など、それぞれの予定に応じて、制度を利用していただいていますよ。

チャットツールをフル活用し、フルリモートでも不便なく働ける

編集部

アクシスさんでは、リモートでお仕事することもできるのでしょうか?

杉本さん

はい。ハイブリッド勤務制度を採用しているので、出社かリモートかを選択し、働いていただいています。

編集部

出社頻度など、具体的なルールは設けられているのでしょうか?

杉本さん

基本的には、部署に運用を任せています。中には完全にフルリモートで働いていて、先日も3年ぶりに出社をされた社員もいます。

編集部

リモートでお仕事される方が多いと、コミュニケーション面の課題も生じやすいかと思いますが、アクシスさんでは普段のコミュニケーションはどのように行っているのですか?

杉本さん

Slackというビジネスチャットツールを使ったテキストコミュニケーションがメインです。意見を言いやすいようにスタンプも活用しながら、和気あいあいと会話をしています。

テキストだと相談しづらい場合は、通話機能を使って実際に話すこともありますし、チームによっては、Google Meetというビデオ会議アプリで常時つなげているチームもあります。

チームの状況に応じてツールを使い分けて、不自由なくコミュニケーションを行っていますよ。

チャット上では、趣味のつながりや個人のつぶやきから生まれる対話も

株式会社アクシスのメンバーが打ち合わせをしている様子

編集部

オンライン上で、業務以外の話をしたり、コミュニケーションを深めたりするような機会はあるのでしょうか?

杉本さん

ありますね。Slack上に、音楽やゲームなど趣味系のチャンネルもあって、ワイワイ盛り上がっています。X(旧Twitter)のような感覚でつぶやくことで、それを見た他のメンバーから反応が得られることもあります。

川野も「Shogo’s Cafe」というチャンネルを定期更新していますよ。

編集部

「Shogo’s Cafe」はどのようなテーマで発信されているのでしょうか?

川野さん

毎週1人の社員をピックアップして、インタビュー動画を発信しています。20分くらいのコンテンツなのですが、名前、部署、業務内容、趣味、休日の過ごし方などをお聞きしています。中途入社の者も多いので、前職でどんな仕事をしていたのかについて紹介することもあります。

株式会社アクシスの代表がSlack上で発信している社員紹介動画
▲社員同士のコミュニケーション促進のため、代表の川野さんが定期的に発信している社員紹介チャンネル

編集部

社員さんが他のメンバーのことを知る、貴重な機会になっているわけですね。

川野さん

そうですね。弊社には、グループ全員あわせると社員が140名近くいますし、拠点も北海道、東京、広島、名古屋、福岡とバラバラです。フルリモートで、出社せずに働いている方もいます。

そうすると、オンラインでは頻繁にコミュニケーションを取っているのに、実はどんな人なのか知らないという人が、たくさんいると思うんですよね。

どういう人かが少しでもわかるとコミュニケーションがとりやすいと思いますので、そのきっかけになればいいなと思い、継続して発信しています。

CTO主催の勉強会も。エンジニアの学びの機会が充実

株式会社アクシスのエンジニアが勉強会を開催している様子

編集部

アクシスさんでは、エンジニアの皆さんの成長を支援するような取り組みが充実しているとお伺いしていますが、具体的にどのようなことを行っているのでしょうか?

杉本さん

勉強会がとても充実していて、グループのCTOがグループ全社共通で主催している勉強会があります。社員のナレッジの共有や技術力向上などをテーマとして隔月で行われているのですが、オンラインでも配信しているので、全国どこからでも参加いただけます。

社員が自主的に実施している勉強会も盛んに行われています。チーム単位で行っていたり、同じ資格の取得を目指しているメンバーが集まって行っていたり、さまざまなケースがあります。勉強目的で、共同でアプリ開発をしているメンバーもいますよ。

編集部

アプリ開発は、医療の分野とは関係なく、自由に行っているのでしょうか?

杉本さん

はい。実際に手を動かしながら覚える方が身に付くということもあり、実際に簡単なアプリを開発することでスキルアップを図っています。

全行程を一貫して担当できるフルスタックなエンジニアを育成

編集部

アクシスさんでエンジニアとしてお仕事をされると、どのようなスキルや専門性を身につけることができるのでしょうか?

杉本さん

本人の意思も尊重したいと思っているのでケースバイケースではありますが、弊社では、特定の分野に限定して専門性を高めていくというよりは、幅広い知識やスキルを備えたフルスタックなエンジニアの育成を基本方針としています。

基本的に弊社では、バックエンド担当、フロントエンド担当のように、分野でチームを分けていませんし、詳細設計、実装、テスト、保守運用のように、工程毎に専任を置くこともありません。柔軟に役割を変えながら、全員がすべての工程を一貫してできるようになることを目指しているので、オールマイティなスキルが身につく環境だと思っています。

編集部

意欲さえあれば幅広い知識やスキルが身につけられるということですね。

杉本さん

そうですね。チームの規模も小さく、1チームあたり3人から5人程度で開発を行っているので、一人ひとりに責任のある仕事をお任せしていますし、自分の業務を自律的に進行していくスキルも身につく環境でもあると思います。

社会的意義のある事業にともに挑戦いただける方を募集

株式会社アクシスのメンバー

編集部

最後に採用についてお伺いします。どのような方が、アクシスさんにフィットすると思われますか?

川野さん

私たちのサービスは、多くの医療従事者と患者さんの情報を支えていますので、「とりあえず作って、世の中に出して、使ってみたら駄目だった」ということが通用する業界ではありません。

そのような社会的責任も負いながらも、日本が抱える課題を解決するという、社会的意義のある取り組みにチャレンジしたいという想いを持った方であれば、弊社にフィットするのではないかと思います。

また、テクニカルな面では、さまざまな技術や開発言語などを組み合わせながら、新たなチャレンジも行っています。エンジニアの皆さんも、仕事を通じて技術力を磨くことができると思います。

編集部

先ほど幅広いスキルが身につくというお話もありましたが、新しい技術に関してもチャレンジできる環境にあるということですね。

川野さん

はい。さらに、グループ内に「アクシスイノベーション株式会社」という受託開発を行っている会社があり、グループ間での異動が可能なのも特徴です。受託開発を担当していたメンバーが、今度は自社プロダクトの開発にチャレンジするということもありますし、その逆もあります。

受託開発を経験することで、他社さんの開発環境について学ぶ機会もありますし、その学びを自社開発にも活かしてみるというような相乗効果も期待できます。

このような職場環境に魅力を感じていただける方は、ぜひご応募いただければと思っています。

編集部

さまざまなスキルを身につけながら、社会貢献性の高い業務にチャレンジできるアクシスさんの環境は、とても魅力的な環境だと思いました。

本日は貴重な話をたくさんお聞かせいただき、ありがとうございました。

■取材協力
株式会社アクシス:https://mediaxis.jp/
採用ページ:https://recruit.mediaxis.jp/