「個人」の可能性を広げていくリデル株式会社で、若手が自分軸を持って成長する理由

市場において成長が著しい企業や、若手社員が目覚ましい活躍を見せる企業へインタビューする本企画。今回は、東京都港区の赤坂にオフィスを構え、インフルエンサーと企業をつなぐことでマーケティング支援を行うリデル株式会社にお話を伺いました。

SNS・インフルエンサーマーケティング事業の老舗「リデル株式会社」

リデル株式会社がコアとするのはSNS・インフルエンサーマーケティング事業です。個人で情報を発信するインフルエンサーと企業やブランドをつなぐ、“インフルエンサーマーケティングプラットフォーム”を運営し、業界のパイオニアとしてビジネスモデルを確立しています。

同社は3万5,000人以上のインフルエンサーとのリレーションを強みに、これまで7,000社を超えるクライアントと事業を共にしています。代表的な運営プラットフォームには「EMERALD POST(エメラルドポスト)」「SPIRIT(スピリット)」「PRST(プロスト)」などがあり、ブランド・商品の認知から購買、購買後の行動まで包括的にフォローしているのが特徴です。

同社では、AIを活用したサービス「KAL(カル)」やコミュニティサービス「COMMUDA(コミューダ)」といった新事業にも注力しています。

会社名 LIDDELL Inc.(リデル株式会社)
住所 東京都港区赤坂9-7-1ミッドタウン・タワー12F
事業内容
  • SNS・インフルエンサーマーケティングプラットフォームの運営
  • ファン・コミュニティマーケティング戦略および実行支援
  • 生成AI・WEB3マーケティングおよびシステム開発
設立 2014年10月14日
公式ページ https://liddell.tokyo/
働き方
  • ジョブ型雇用
  • オフィスワーク
  • クラウドワーカーとのチームアップ

“インフルエンサーマーケティングプラットフォーム市場”は、世界的に拡大を続けています。市場規模は2022年の時点で137億8,000万米ドルをマークし、2031年には1,746億米ドルに到達すると予測されるほどです。

予測期間(2022年~2031年)のCAGR(年平均成長率)が32.60%と計算されることからも、勢いがある市場であることが分かります。

今回は、取締役の西村祥さんに、こうした市場の特性に目をつけ、独自のプロセスで成長を続ける同社のマインドや、若手の活躍に寄せる想いを伺いました。

本日お話を伺った方
リデル株式会社取締役の西村さん

リデル株式会社
取締役

西村祥さん

独自プラットフォーム「SPIRIT」や「PRST」で築いた関係・信頼で急成長

リデル株式会社の打ち合わせ風景
▲リデル株式会社は数々のインフルエンサーマーケティングプラットフォームを運営する業界の老舗

編集部

最初に、リデルさんが国内のインフルエンサーマーケティングプラットフォーム市場をリードする企業として、大きく成長を遂げるに至った背景や理由をお聞かせください。

西村さん

弊社の事業拡大の核となった要素は2つあります。ひとつは、業界のパイオニアとして、インフルエンサーと呼ばれる方々とのリレーションをいち早く保有できたこと。もうひとつは、インフルエンサー一人ひとりの能力やバリューに着目し、単なる情報発信を超えたクリエイティブサービスを生み出せたことです。

編集部

それぞれ詳しくお聞かせください。まずはインフルエンサーの方々とのリレーション構築について、具体的にどのような取り組みをされたのでしょうか。

西村さん

インフルエンサーの方々とのリレーションは、弊社のプラットフォーム「SPIRIT」を介して得られました。これは、登録いただいているインフルエンサーと企業をマッチングし、仕事につなげるサービスです。

「SPIRIT」は創業期から運営しており、2017年時点で2万人のインフルエンサーの方々に登録いただけました。当時は属人的にインフルエンサーとやりとりしている企業がほとんどの中、いち早くシステム化を行ってインフルエンサーの手間や管理工数を削減したことが登録者数の増加につながり、ひいては弊社とのリレーションを“価値”として捉えていただけたことで、事業拡大につながったと思います。

編集部

2つ目の要因として挙げられた、“単なる情報発信を超えたクリエイティブサービス”とはどのようなものでしょうか。御社が考えるインフルエンサーの方々の“バリュー”についても教えてください。

西村さん

インフルエンサーの方々は、単純に素敵な投稿を重ねているのではありません。SNSを通して発信した実体験がフォロワーの共感を呼び、新たな体験・共感を生み出す…といったように、共感と体験のサイクルを起こしています。

インフルエンサーは、SNSをコミュニケーションの場でありながら「メディア」として捉え、いわば雑誌の編集長として自身のアカウントを運用して実績を伸ばしてきた、“SNSのプロ中のプロ”なんです。SNSのひとつひとつの投稿は、それぞれが雑誌の1ページのように緻密に作られています。

こうしたインフルエンサーの方々の能力に着目し、弊社が「SPIRIT」に次いで生み出したのが「PRST」というSNSアカウント運用サービスです。SNS運用のプロフェッショナルであるインフルエンサーが、企業のSNSアカウントをプロデュースし、クリエイティブ制作、運用、分析などを行います。

もちろん、ビジネス戦略の観点でSNSアカウントを捉えることができる弊社のディレクション担当も加わり、クライアント・弊社・インフルエンサーとで協働していくサービスなんです。

単なる発信を超えた部分で、インフルエンサーが個々の能力を発揮できる場をいち早く手がけたことも、弊社が成長を遂げられた所以です。独自のサービスと、積み重ねてきた実績が、クライアントからの信頼につながっていると思います。

社員は20代が中心!段階的に成長できる体制と風通しの良さが魅力

リデル株式会社の若手社員
▲インフルエンサーマーケティングプラットフォーム市場は若い人材が多いのが特徴。リデル株式会社の社員も若手が中心

編集部

ここからはリデルさんで働く社員様についてお話をお聞かせください。御社で活躍されているのはどのような方々でしょうか。

西村さん

弊社で働く社員の平均年齢は20代後半です。若いメンバー中心ですが、この業界自体が若い人材に溢れているため、あえて年齢にこだわって人員を集めているわけではありません。「挑戦したい」と門を叩いてくれる人材に若い人が多い、といったイメージです。

SNSに馴染みがあり、SNSインフルエンサーマーケティングの重要性を実感値として理解している世代であるからこそ、この業界をビジネスとして捉えやすいのだと考えます。

編集部

社内はどのような雰囲気でしょうか。魅力があればぜひ教えてください。

西村さん

私自身が転職でさまざまな会社を経験しているからこそ、魅力と感じるのが「風通しの良さ」です。弊社には「会社で働くということ」を“自分ごと化”している社員が大変多くいます。

こうした人は、「この仕事をステップに将来こういうことをしたい」とか「この役職に就きたい」といったように、自分の軸が明確です。ゆえに、ほかのメンバーと目的・目標を侵食し合うことがなく、コミュニケーションも円滑です。

お互いが軸を持っているからこそ、相手の話に真剣に耳を傾けることができ、話しやすい空気が生まれていると感じますね。お互いの足を引っ張ることなく仕事を進め、相手を尊重できるメンバーが多い組織だと感じます。

社員の強みを引き出す「ジョブ型雇用」と「毎週の1on1」

リデル株式会社のミーティングブース
▲リデル株式会社には仕事に集中できる環境が整っている

編集部

社員一人ひとりの強みを活かす、という観点でリデル様で取り組んでおられることや工夫されていることがあれば教えてください。

西村さん

弊社では、職務内容に適した能力・経験を持つ人材を採用する「ジョブ型雇用」を取り入れています。新卒社員は初任給の基準がありますが、転職社員は過去の職歴や実績を参考に、月160時間の稼働のなかでどう業務を遂行し、KGI(※)としてどこを目指すか、明確な目標を本人と共に設定しています。

それを「ジョブディスクリプション(職務記述書)」という書面として可視化し、それに基づき、自分の目標を明確化した上で業務に臨める環境が、メンバー個々の強みの発揮につながるように工夫をしています。
(※)KGI…Key Goal Indicatorの頭文字をとった用語。重要目標達成指標と直訳され、ビジネスの最終目標を定量的に表すことを示す。

編集部

ジョブ型雇用のほかに、若手社員のマネジメントや育成などで工夫されていることはありますか?

西村さん

社員と上長で毎週行う「1on1」も、弊社らしい取り組みです。たとえジョブと目標を明確化しても、メンバー本人が行動しなければ意味がありません。そこで、上長が社員のパフォーマンスをこまめにフィードバックし、次の打ち手や行動をフォロー、伴走する制度を整えています。

メンバーが目標を見失ったり、業務内容との乖離が生じたりしないよう、会社としてアクションを習慣化している点が特徴です。

ただし、入社すれば全員が目標達成に向け高いモチベーションで輝けるわけではありません。根底にあるのは、本人の意志と行動です。会社としてサポート体制を整えていますが、最後は“自分自身”であることも心に留めておいていただけたらと思います。

編集部

若手社員が活躍しやすい環境を作るために、マネジメントする側として気をつけていることはありますか?

西村さん

弊社では“会社から求められている自分のパフォーマンス”をきっちり理解してもらうことに注力しています。職種への適性に社員自身が気付くには、経験を重ねることが大切です。初めはしっかり会社に貢献し、利益を生むことをジョブとし、それぞれの目標に対してパフォーマンスすることを考えてもらっていますね。

早い段階からマネジメントまで求めると、「自分の仕事以外をやらされている」「自分の利益にならない」と感じてしまう人もいます。本人が成長しないと、「マネジメントも利益になる」「目指す場所は一緒だった」といったことに気付けません。

こうした経緯から、まずは自分に集中し、成功体験や失敗体験を重ねてもらうことを重視しています。そのうえで、気付く人は「他者にパフォーマンスを与えることが、自分のパフォーマンスに返ってくる」と考えられるようになるわけです。

個人のパフォーマンスを発揮しながら、そういったことに気付けたメンバーに対しては、マネジメントに関わる業務や役職など、次のステップを与えています。社員には、“いち早い昇格・昇進”というマインドは、“まずは自分のことを考え、会社に貢献できるリソースになること”が重要である、という点を理解してもらい、一歩ずつ成長してもらいたいですね。

実績を段階的に積み重ね、入社数年でマネジメント職に就いた社員も!

リデル株式会社で活躍中の若手社員
▲リデル株式会社では20代の社員も実績を積み重ねることでマネジメント職を目指せる

編集部

御社の若手社員が実際の現場でどのように活躍されているか、ロールモデルや事例があればご共有ください。

西村さん

インターンとして弊社で働いた学生が、そのまま新卒で入社して仲間となった例があります。彼は着実に実績を積み上げ、入社から3年でチーフという役職に就き、現在は自分より年上の社員もマネジメントしています。

こうした活躍は、会社が目標への進捗を1on1でフォローしてきたプロセスもありますが、彼自身がしっかりと自分の力を活かして働けていることの証だと思っております。

リデル株式会社取締役の西村さん
▲取締役の西村さんも若くして確固たるポジションを築いた一人

編集部

西村さんご自身も、若くして責任あるポジションに就かれたと伺いました。どのように業務にあたっておられたのでしょうか?

西村さん

私は20代後半で中途入社し、6年間で一般社員から取締役となりました。私の経験から申し上げると、“任されたことをやり遂げる”、これが重要であったと思います。“自分の能力でできる精一杯の範囲”を徐々に拡げていった感覚です。

僕自身のやりたいこと、考えることは言葉にしてきちんと相手に伝えつつ、「自分の今のスキル」を適切に捉えるように心がけていました。足元をきちんと見る、という感覚ですね。

そうすることで、目の前の課題を自分ならどれくらい悩むのか、誰に頼る必要があるか、など解決のルートも適切に見出せるようになりました。

その途中では、不満が口から出てきてしまったり、想像以上に課題が大きく、挫折した数は数え切れません。

「そんな失敗したの?!」と今働いてくれている社員から驚かれるくらいには、たくさん失敗しています(笑)。

根底に“人”がいるからこそコミュニケーションはアナログで!フル出社が基本

リデル株式会社のオフィスフロア
▲リデル株式会社はフル出社が基本。東京都港区赤坂にあるオフィスはいつも活気に満ち溢れている

編集部

リデルさんが業務を進めるうえで、大切にされていることがあれば教えてください。

西村さん

デジタルな業界に身を置いているからこそ、弊社ではコミュニケーションはアナログにこだわっています。基本的にはリモートワークは導入せず、フル出社です(※)。認識のすり合わせやアイディエーションの部分は、ちゃんと目を見て、会話をして、業務にあたることを大事にしています。
(※)特定条件を満たしている場合は、出社とリモートを掛け合わせたハイブリッドワークも導入

顔を合わせて仕事するリデル株式会社のスタッフ
▲打ち合わせやアイディエーションは実際に顔を合わせて行うことを大切にしている。なんでも話し合える雰囲気も魅力

西村さん

掲載するメッセージやコンテンツはデジタルですが、根底には人と人の関わりがあり、完成までのプロセスは決して安易かつ簡易なやり取りでは済みません。私たちがマーケティング活動を共にするインフルエンサーも「人」であるからこそ、デジタル上において、直接的なコミュニケーション以上に気を配りながらコミュニケーションをしています。

だからこそ、スピード感を求められる現場においては、対面のコミュニケーションをとても重視しています。

「フルリモートワークを導入している」「SNSやチャットツールだけで仕事ができる」といったイメージを持たれがちですが、違うんです。もちろん、さまざまなツールを取り入れクライアントワークは基本デジタルですが社内は対面をベースとしています。

向いているのは「ミーハーな人」。幅広い分野への興味をモチベーションへ

リデル株式会社のオフィス
▲スタイリッシュな空間で働けるのもリデル株式会社の魅力

編集部

ここからは、採用や求める人材像について伺います。ズバリ、どういった方がリデルさんにフィットすると思われますか?

西村さん

ミーハーな人でしょうか。幅広く情報を仕入れたい方やトレンドに敏感な方は、仕事を通して欲求を発散しやすいと思いますよ。弊社は多様な企業様とお取り組みをしているので、仕事で普段自分が目にしているものの裏側に触れる機会が多くあります。

ここにメリットを感じられる方は、セルフマネジメントにおいても有利です。企業様との取り組みやコンテンツがモチベーションを上げる糧になると思います。

私自身もとてもミーハーで(笑)、リデルで働いてきた中で多数のクライアントと接してきましたが、仕組みや思考、ブランドやサービスへの熱量など、企業ごとに異なるその情報を自分にインプットできていることが、自分の引き出しも増えているようで仕事に取り組むモチベーションになっています。

業務に打ち込むリデル株式会社の社員
▲リデル株式会社にはひたむきに仕事に向き合える意志の強いスタッフが多い

ほかには、結果や昇格に対して焦らずに、“急がば回れ”ができる方も向いています。

採用に際しては、「明確な意志が求められる」と思っている方が多いかもしれませんが、「入社してからやりたいことを探したい」「なにかを掴みたい」といった方も歓迎です。先ほどもお伝えしたように、まずは一歩ずつ、着実に成長していく意識を持ってもらいたいです。

編集部

インフルエンサーの方々も社員として在籍されているそうですが、採用の際にこだわりはありますか?

西村さん

インフルエンサーの方々が、「力をつけてSNS・インフルエンサーマーケティング事業に関わりたい!」と弊社を選んでジョインしてくださるケースもあります。しかし、採用において“インフルエンサーであること”を条件にはしていません。どなたでも応募いただけます。

編集部

業界未経験者の方でも馴染める社風でしょうか?

西村さん

もちろんです。インフルエンサーマーケティングプラットフォーム市場は業界自体が若いので、経験者の割合は低い傾向にあります。業界経験は問いません。

スピード感ある業界で仕事や会社に強い想いを持てる人と働きたい

編集部

最後に読者の方々へ向けてメッセージをお願いします。

西村さん

SNSインフルエンサーマーケティングのパイオニアとして、リデルでは年齢関係なく、自分の意志次第ですぐにでも第一線で仕事ができる環境を整えています。

ただし、デジタルだからこそ、アナログと表裏一体な部分もあり、キラキラした面だけでなく、泥臭い面もあります。状況が目まぐるしく変化する業界のため、仕事への想いを強く持てないと苦労するかもしれません。また、仕事に「挑戦」よりも「安定」を強く求める方は、業界自体がその希望から遠い場所に位置しているかと思います。

こうした面も受け入れて、弊社のSNS・インフルエンサーマーケティングに魅力を感じて応募いただけたら嬉しいです。

編集部

SNS・インフルエンサーマーケティング事業は、オンライン上ですべての業務が完結するイメージが抱かれがちです。しかし、御社ではリレーションの構築や情報の発信において、人と人とのアナログな対話に重きを置いている、とのお話が印象的でした。

対面を重視する姿勢は、毎週の1on1をはじめとしたフォロー体制にも強く表れているように感じます。転職希望者の方々にとっても、大変参考となるエピソードではないでしょうか。本日はどうもありがとうございました。

■取材協力
リデル株式会社:https://liddell.tokyo/
採用ページ:https://liddell.tokyo/recruit/