ばねを作って50年以上の株式会社光洋。若手が活躍できる「攻め」のカルチャーとは

働きやすい環境づくりや若手社員活躍に注力し、独自の取り組みを進める企業に迫るこの企画。今回は“モノづくりのまち”東大阪市で50年以上ばねの製造に従事するばねメーカー株式会社光洋にお話を伺いました。

創業50年以上のばねメーカーとして発展を続ける株式会社光洋

株式会社光洋の従業員が機械メンテナンスをしている風景

株式会社光洋は、東大阪市で創業50年以上ものづくりに携わっている金属精密小物ばねメーカーです。線材を加工した「線ばね」や、ある一定以上のばね特性を持った金属板を用途に合わせた形状に成形する「板ばね」、さらに配管を接続する「クイックファスナー」など、形状や材質の異なる様々なばねを製造しています。

高い技術に裏打ちされた高品質な製品供給を行うだけでなく、金属プレス及び金型設計、開発、制作からアッセンブリ(組み立て)まで一気通貫して請け負うことのできる体制があるのが株式会社光洋の特長です。またその豊富なノウハウをもとに、顧客の要望や問題点等を踏まえた開発設計ができる「提案力」も株式会社光洋の強みとなっており、顧客の信頼を得ながら継続的な発展を続けています。

会社名 株式会社光洋
住所 大阪府東大阪市布市町4丁目3番19号
事業内容 ・精密小物ばね設計・開発・製作
・薄板ばね及び金属プレス品金型設計・開発・製作
・アッセンブリ(組立品)加工
設立 1966年(昭和41年)5月
公式ページ https://koyo-co.co.jp/

ばねメーカーとして50年以上の歴史を積み重ねる一方で、株式会社光洋では若手の採用も積極的に進めています。2020年には「ユースエール企業」(※)として厚労省から認定を受けました。若手だけでなく女性の参画も促進しながら、多様性のある体制でのものづくりを進めています。
※ユースエール企業…若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を厚生労働大臣が認定する制度。

今回はそんな株式会社光洋の常務取締役である竹井さん、そして営業部で広報を担当する吉澤さんにインタビューを実施しました。若手活躍の秘訣や働きやすい職場づくりなどについて詳しくお話を伺っています。

本日お話を伺った方
株式会社光洋常務取締役の竹井謙啓さん

株式会社光洋
常務取締役

竹井 謙啓さん

株式会社光洋営業部(広報担当)の吉澤舞さん

株式会社光洋
営業部(広報担当)

吉澤 舞さん

ばねの設計から二次加工までワンストップ対応できる体制が特長

株式会社光洋の製品の一部

編集部

はじめに、光洋さんの事業内容を教えてください。

竹井さん

光洋は東大阪市で1966年に設立され、日本の高度経済成長期とともに発展してきたばねメーカーです。

主に扱っているのは精密ばねといわれる「線ばね」や「板ばね」です。この線ばねと板ばねを両方扱っている会社は珍しく、また設計から製造、二次加工、熱処理まですべて一貫して請け負うことができる体制があるのが、光洋の特長です。

ばねは街中や我々の生活の中のあらゆる場面で使用されており、用途によって材質や形状はさまざまです。その中でも光洋がメインで取り扱うばねは、車のサスペンションのばねなどとは違う手のひらサイズのものとなっています。

株式会社光洋の従業員の勤務風景

編集部

光洋さんで製造されているばねは、具体的にどのような製品で使用されているのでしょうか。

竹井さん

現在は住宅設備が多く、その中でも給湯設備が6割、7割を占めています。その他でいうと10数%が自動車部品、残りが照明や家電、建築などとなっています。

編集部

私たちの生活の中であらゆる場面で使用される身近な製品に、光洋さんのばねは使用されているんですね。

20年連続黒字経営!安定した業績の秘訣は「技術力」と「提案力」

株式会社光洋のミーティング風景

編集部

光洋さんは創業50年以上と長い歴史を持っていらっしゃいますが、業績も順調に推移されていますよね。

竹井さん

ありがたいことに、20年連続黒字経営と、安定した経営を続けさせていただいています。

編集部

安定した経営を続けられる、光洋さんならではの事業の強みというのはどのような部分にあるとお考えですか?

竹井さん

やはり長年の歴史で培ってきた技術力というのは大きいですね。高品質な製品を供給し続けることで、お客様の信頼を得られているのではないでしょうか。

もう1つの特長は、光洋の「提案力」です。ばねというのは、商品をつくる際に最後に製造されることが多く、「残ったスペースの中でばねの技術を活かす方法はないか」と相談を受ける機会が多くあります。光洋はそれに対して「このような形状の、こういうばねはどうですか」という提案ができるんです。そこもお客様にとって重宝いただけるポイントだと考えています。

編集部

お客様のニーズに合わせた最適なばね制作ができるということですね。それができるのはやはり積み重ねてきたノウハウがあるからなのでしょうか。

竹井さん

そうですね。それに加えて、光洋はもともと「成形」からスタートした会社のため、樹脂についての知識も持っているということがあります。

例えば長年電池ボックスのご発注をいただいているお客様がいるのですが、光洋では樹脂の成型についても分かった上で、ばね部分も含めて電池ボックスの設計をご提案することができるんです。その提案力がお客様に信頼いただいている理由となっていると思います。

平均残業時間2.7時間、有給取得率76.8%。部署問わず働きやすい環境あり

株式会社光洋の従業員の勤務風景

編集部

それではここからは光洋さんの働き方についてお伺いしていきます。まず光洋さんは現在どのような組織体制となっているのでしょうか。

竹井さん

光洋には現在42名の従業員がいます(2023年9月時点)。部署としては、総務部、営業部、管理部、製造部、品質保証部があります。

編集部

部署ごとに忙しさや働き方の違いなどはありますか?

竹井さん

いいえ。もちろん従事する業務内容は部署ごとに異なりますが、働き方という点でいうと、繁忙期やトラブル対応などの緊急時を除き、光洋ではどの部署も残業はほとんどありません。2022年ベースの数字ですが、平均残業時間は2.7時間となっています。

また有給の取得も進んでいます。有給消化率は76.8%、平均日数は12日以上と、単純計算で月1日以上有給が取得されている状況があります。残業がほとんどなく有給も取りやすいため、皆思い思いに余暇を楽しむことができていますよ。

繁忙期に向け増員を行うなどの計画的な対応が「働きやすさ」を生む

株式会社光洋の吉澤さんによる品質保証業務風景
▲インタビューに対応いただいた吉澤さん。広報以外に品質管理の業務にも従事している。

編集部

先ほどの数字に光洋さんの働きやすさが表れていると思いますが、そのような環境づくりに向けて工夫していることはありますか?

竹井さん

まずは会社全体として、生産性向上に注力しています。光洋では3年間の中期経営計画を策定しているのですが、その中でも生産性向上は特に注力すべきことにあげています。

中期経営計画では生産ロスの低減や3M(ムリ・ムダ・ムラ)の改善、予知保全などの具体的なテーマを掲げ、各部署がそれに向けて取り組んでいます。それが全社的に浸透しているからこそ、それぞれの部署での働き方の効率化につながっていると実感しています。

また、光洋では給湯設備の需要が多いこともあり、寒くなってくる秋から冬にかけてが繁忙期となります。それに加えて、何十年とお取引のあるお客様が多く、ある程度業務発注時期の傾向が見えています。そこに合わせて部署の配置や増員などを計画的に実施できているのが、働きやすさにつながっているのではないでしょうか。

編集部

なるほど。長期的な視点を持って生産性向上に取り組みつつ、さらにその年ごとの繁忙期にも計画性を持って対応できているんですね。また生産性高く働くという風土が部署、従業員全体に根付いていることで、ボトムアップ的にも効率的な働き方の機運が醸成されているのだと感じました。

株式会社光洋の吉澤さんの演奏会でのようす
▲残業時間が少ないので、従業員のプライベートも充実。吉澤さんは学生時代から継続している音楽活動に積極的に取り組んでいる。

若手の活躍の裏にある「自由さ」と「アイデアの尊重」

株式会社光洋のXのポスト
▲2023年3月より本格始動したX(旧Twitter)でも積極的に投稿。歴史あるばねメーカーのイメージを覆すユーモラスな内容にフォロワーも増加中。

編集部

ここからは若手活躍のトピックについて伺います。吉澤さんは光洋さんに入社されて約半年経過されたとのことですが、率直に光洋さんで働いてどのような感想をお持ちですか?

吉澤さん

私はもともと広報の仕事をしたいと思って仕事を探していて光洋に入社したのですが、やはりこの会社の規模感だからこそ、他の会社ではできないような自由な動きができると感じています。充実して働けているな、と思いますね。

編集部

光洋さんのX(旧Twitter)やYouTubeを拝見しましたが、とてもユニークで面白いですよね!吉澤さんも広報としてそのあたりに関わられているのでしょうか?

吉澤さん

今おっしゃったYouTubeなどの発信関係のことはもう1人の広報担当者が行っているのですが、それを見ながら「自分もSNS担当になったらこういう風にしよう」というイメージづくりをしています(笑)。

※光洋さんの公式X(旧Twitter)はこちら:https://twitter.com/koyo_spring
※光洋さんの公式YouTubeチャンネルはこちら:https://www.youtube.com/@koyo_spring

編集部

光洋さんには、吉澤さん自身もアイデアを出したり提案したりできるような環境があるのでしょうか?

吉澤さん

はい。私も積極的に意見を出しています。それが採用されることもありますし、逆に「こうブラッシュアップしたらもっと良くなるんじゃないか」と助言をもらえることも良くあります。年齢に関係なく気兼ねなく意見交換ができる環境があるのが光洋の特長ですね。

光洋は全体の人数がそこまで多くないということもあり、会議の場でも若手が発言する場面があります。そこでもただ発言するだけでなく、意見を聞き入れてもらえる状況があるのがありがたいなと思います。

段階を踏んで学べる教育制度あり。外部セミナーも活用しながら学びを深められる

編集部

光洋さんでは、若手の方の成長を支えるためにどのようなサポートをしていますか?

竹井さん

光洋では教育制度がしっかりとしており、ステップを踏んで学習をすることができます。よく面接の場で「入社にあたって何を勉強するべきか」というようなことを聞かれるのですが、入社後にしっかりと学べる環境があるため、そういったことは全く気にする必要はありません。

入社後はOJTを基本にしながら、外部セミナーも利用することができます。会社の教育制度をベースに、意欲があれば積極的に学びの機会を得られるのが光洋の若手の成長、活躍を支えているのではないでしょうか。

「製造業=大変」というイメージを払拭し、若手を計画的に増員

株式会社光洋の従業員の勤務風景

編集部

光洋さんは厚生労働省のユースエール認定企業でもありますが、若手の積極的な採用はどのような経緯で進められてきたのでしょうか。

竹井さん

若手の採用は今から10年、15年前、団塊の世代と呼ばれる方々と入れ替わる時期から力を入れて進めてきました。

それまでは欠員が出たら補充するという形で採用をしていたのですが、時代的に、中小企業、製造業というだけで見向きもしてもらえない状況があり、採用にはなかなか苦労してきたんですね。だからこそ、計画的に若い人材を入れていかなくてはいけないと思いました。

東大阪市は“モノづくりのまち”を謳っていることもあり、中小企業に対して手厚い支援をしてくれる環境があります。ものづくり企業だけの合同就職面接会なども開催してくれていたので、そういった場に積極的に露出しながら、ばねの製造業にある「きつい、大変」という先入観を取り払っていくことに尽力しました。

加えて大学に求人を出したり、利用してこなかった媒体を利用したりしながら、少しずつ若い人材を増やしていったという経緯があります。

編集部

高い技術力や提案力を持ち、かつ働きやすい職場づくりにも力を入れている光洋さんだからこそ、実際の職場を見てもらう機会を増やすことで若い世代の方にも魅力を感じてもらえたんですね。

若手だけでなく女性活躍も推進。多様性を取り入れることで働きやすさにもつながる

株式会社光洋の社員旅行のようす
▲社員旅行のワンシーン。女性が働きやすい環境を整えることが会社全体に好影響を与えている。

編集部

光洋さんでは若手の方だけでなく、吉澤さんも含め女性の皆さんも活躍されていますよね。若手同様、女性の採用も積極的に進められているのでしょうか。

竹井さん

そうですね。製造業はどうしても男性が多くを占めがちですが、製造業に興味がある女性も積極的に採用していきたいと考えていました。

特に光洋は大きな部品の製造をしているわけではなく、手のひらくらいのサイズのばねをつくっている会社なので、男性に比べると力仕事が難しい女性の方も活躍できる環境があると思います。

編集部

光洋さんでは営業、広報といった職種だけでなく、製造の部署でも女性の方が活躍できる場があるんですね。

竹井さん

はい。逆に言うと、女性が参画することで、今まで問題になっていなかった問題や非効率に気づく部分もあるんですよ。

例えば女性が重い荷物を運ぶのは難しいから、それを男性が手伝うことがありますよね。でも実はこれまで言わなかっただけで、その荷物は男性も重たいと感じていたんです。女性が荷物を運ぶのを手伝う中でそういう話になり、「では荷物は何キロ制限にしよう」という決まり事ができたことがありました。今となっては笑い話のような話なのですが(笑)。

このように、女性が職場に入ることで気づきが生まれることも多いんです。それを改善につなげていくことが大切だなと考えています。

編集部

なるほど。光洋さんで女性も含めて多様な人材が活躍していることが、多くの方にとっての働きやすさにもつながっているんですね。

社内イベントも多い光洋。コミュニケーションが取りやすいカルチャーあり

株式会社光洋のボウリング大会のようす
▲ボウリング大会など、行事運営委員会が積極的にイベントを開催。従業員同士の交流が活発なのも光洋の特長。

編集部

光洋さんの職場には全体的にどのような雰囲気、特長がありますか?

竹井さん

光洋にはオープンなコミュニケーションが取れる環境があると思います。先ほど吉澤がお話したように、若手であっても意見が出しやすい雰囲気がありますし、社内で交流できる機会も多いのが特長です。

社内には部署横断的に選出された人からなる行事運営委員会があり、年に3~4回程度社員旅行や懇親会、ボウリング大会といった交流イベントを企画してくれます。社長も必ず出席してくれるので、従業員と社長の交流の場にもなっていますよ。

女性同士で休日に一緒にお出かけをしたりということもあるようです、小さい企業だからこその距離の近さも光洋の魅力だと思います。

いろいろな人と関わることで業務の幅を広げられる。経営参画の可能性もあり!

株式会社光洋の製品の一部

編集部

最後に、光洋さんに興味を持った読者の方に向けてメッセージをいただけますか?

吉澤さん

光洋には若手でも積極的に発言し、それを受け入れてくれる環境があります。だからこそ、積極的に動ける人ほど光洋では活躍できると思います。

また光洋は50人未満の比較的小さな組織のためいろいろな人と関わることができる環境があります。部署を問わずいろいろな人と関係づくりをすることで、自分の業務の幅も広がっていくと思います。私自身広報と品質保証部の仕事を両立しているのですが、品質保証部の方で製造部の方と関わる機会ができ、それを広報の仕事にも活かすことができました。

部署や年齢、性別問わず関係をつくり、それを仕事に活かしていけるという方は、ぜひ光洋でご活躍いただきたいです。

竹井さん

入社の時点でばねに関する知識が必要なわけではありませんが、前提としてものづくりが好きであることは重要です。加えて成長意欲があり積極性がある方であれば、どんどん成長して重要なポジションも担っていける環境が光洋にはあると思っています。

そして光洋では、経営状況を身近に感じることができます。業績もすべてオープンにして誰でも見られる状況にしているため、数字の部分も含めて自分事化しながら仕事をできるのが魅力だと思っています。経営に参加したいというやる気がある方にも、ぜひ挑戦していただきたいと思います。

編集部

創業50年以上ものづくりに従事してきたばねメーカーとしてお客様との確かな信頼関係を築いている光洋さん。長い歴史を持つ企業でありながら硬直した組織体制ではなく、若手や女性の方などの多様な人材を受け入れながら、働き方も含めて柔軟に進化されていることが発展につながっているのだと感じました。光洋さんでのものづくりに興味がある方は、ぜひお問い合わせください。

本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございました。

■取材協力
株式会社光洋:https://koyo-co.co.jp/
採用ページ:https://koyo-co.co.jp/recruit/