全ての人に学びの場を提供するキズキ。躍進を支える優れた経営感覚と透明性の高い評価制度

若手活躍を推進する企業の取り組みや、成長を支えるカルチャーなどを紹介するこの企画。今回は“何度でもやり直せる社会をつくる”をビジョンに掲げ、教育・福祉分野で事業を展開する株式会社キズキを取材しました。

株式会社キズキとは

株式会社キズキは、不登校や中退、発達障害などの困難を経験した方の学習支援や、うつや発達障害による離職者が専門的なビジネススキルを学べる就労移行支援など、福祉事業を展開する企業です。全国の自治体から事業委託を受け、生活困窮家庭の支援なども行っています。

会社名株式会社キズキ
住所東京都渋谷区代々木1-46-1 キハラビル4階
事業内容個別指導塾「キズキ共育塾」、家庭教師「キズキ家学」、キズキビジネスカレッジ(就労支援事業)の運営及び、公民連携事業、法人連携事業
設立2015年7月
公式ページhttps://kizuki-corp.com/

さまざまなバックグラウンドを持つ社員が在籍するキズキでは、20代で役員に就任した方をはじめ、マネジメント業務を担う若手が多く活躍しています。若手活躍や売上率を毎年更新する同社の成長の背景には、どのようなカルチャーが根付いているのでしょう。

今回は、民間企業として福祉事業に取り組むキズキの目指す社会や事業内容、徹底したプロフェッショナリズムについて、人事部責任者の阿部さんにお話を伺いました。

同社の支援を受けた利用者の現在地や、社員の仕事に向き合うマインドを知ることで、キズキが目指す真の社会貢献の姿が見えてきました。

本日お話を伺った方
株式会社キズキの人事部責任者である阿部さん

株式会社キズキ
人事部 責任者

阿部さん

学習支援や就労支援を通し、全ての人に“学び直し”の場を提供

株式会社キズキのコーポレートサイト
▲株式会社キズキのコーポレートサイト。生きづらさに寄り添う事業を創造・展開している。

編集部

はじめに、キズキさんの事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか。

阿部さん

当社は“何度でもやり直せる社会をつくる”をビジョンに掲げ、社会的包摂(※)を使命に福祉事業を展開する企業です。
(※)社会的包摂:すべての人が社会の一員になれることを目指す概念

具体的な内容としては、個人向けと行政向け、法人連携の3つの事業を展開しています。個人向けの1つが、個別指導塾の「キズキ共育塾」と、家庭教師事業「キズキ家学」の学習支援事業です。

不登校や中退、引きこもり、発達障害など困難を抱えている方の“学び直し”を支援する事業となっており、現在、全国に9つの校舎を展開しております。

大学受験を目指す10代〜20代前後の方のほか、子育てを終え、大学受験に再チャレンジする60〜70代のシニア世代の方、会社の昇進試験のために数学を学び直すサラリーマン世代、文章力をつけるために国語を学びたい方など、幅広い世代の学びの場となっているのが当塾の特徴です。

編集部

大学受験に限定せず、学ぶ意欲がある全ての方を対象とされているのですね。2つ目の個人向け事業についてもご説明いただけますか?

阿部さん

就労支援事業として「キズキビジネスカレッジ(KBC)」を運営しております。うつや発達障害などを理由に現在、離職している方を対象としたビジネススクールがコンセプトとなっており、都内に2拠点、横浜市に1拠点、大阪市に1拠点の4拠点で展開しております。

エクセルやプログラミングなどのパソコンスキルから、デジタルマーケティング、英会話など、実践的な学びをすることで社会復帰時に役立つ講座を複数用意しています。

KBCを利用する方は、自分にどんな仕事が向いているのかがわからず、自信喪失に陥っていることがあります。それらを解決するためにはまず、自分自身を知ることが大切です。

KBCではビジネススキルを高める講座の他、「自己理解講座」を設け、自分と向き合った上で適職診断などをし、最終的に自分に合った仕事を見つけて卒業することを目的としています。

公民連携により、生活困窮世帯の学ぶ意欲を支援

編集部

行政向けの事業はどのような内容になっていますか?

阿部さん

行政向け事業では自治体の要請を受け、生活困窮世帯の子供の学習支援や、大人を対象とした就労支援を行っています。

先ほどご説明した学習塾は、利用者様から授業料をいただいて運営をしています。しかしながら、金銭的理由がネックとなり、学び直しができずにいる方が一定数いるのも事実です。そこで当社では自治体と連携することで金銭的負担のない学びの場を提供しています。

編集部

行政と連携することで、金銭的な理由で学び直しを諦めている方にも手を差し伸べることができるというわけですね。

うつや発達障害者の“キャリアを築きたい”に応える「キズキクラウド」

株式会社キズキのコーポレートサイト
コーポレートサイト掲載のビジョン・ミッション。

編集部

ここまで、BtoCによる事業をご説明いただきましたが、BtoBとなる法人連携とは、どのような事業になりますか?

阿部さん

法人連携では主に、企業が障がい者を雇用する際の支援をおこなっています。うつや発達障害があっても困難を乗り越え、キャリアを築きたいと切実に思っている方がいます。

当社は既存の福祉における障がいをデジタルの力で乗り越え、誰もが当たり前にキャリアを築くサポートが受けられる社会を作りたいと考えています。その実現の第1歩が、SaaS(※)サービス「キズキクラウド」です。
※SaaS:Software as a Service。クラウドサービスとして提供されるソフトウェア

キズキクラウドでは苦手の原因に応じたさまざまなトレーニングを用意し、自分に合った仕事で働き続けることをサポートします。

また、スケジュールやタスク、金銭など各種管理の基礎スキルの他、プログラミングやWebデザイン、会計・ファイナンスなどの専門スキルのトレーニングプログラムを通じて、1人ひとりに適した仕事や働き方を実現します。

編集部

キズキクラウドは、キズキさんのビジョンである「何度でもやり直せる社会」の拡大につながっているのですね。

阿部さん

学習支援や就労支援など、世の中にはさまざまな福祉サービスが存在しますが、中には福祉サービスを受けたくても受けられない方がいらっしゃいます。

例えば、就労移行支援事業所に通う条件としては、アルバイトを含めて働いていない状況でないと利用できません。しかし、一人暮らしをしており、最低限生きるためのお金を稼がないといけない方は就労移行支援を受けることができません。このように福祉の対象外であることを理由に、学ぶことができない“狭間”の方がいるのが実情です。

当社はその狭間で悩んでいる方に対し、キズキクラウドのようなデジタルテクノロジーを福祉の分野でも活用し、“何度でもやり直せる社会”を作るスピードを加速することを目指しています。

1.5倍の売上成長率を支える徹底した“プロフェッショナリズム”

株式会社キズキの社員によるミーティング風景

編集部

キズキさんは売上率が毎年1.5倍という成長を遂げられていると伺っております。背景にはどのような要因があると思われますか?

阿部さん

“何度でもやり直せる社会”の実現に向け、当社は徹底したプロフェッショナリズムをモットーに日々、業務にあたっています。

支援を求める目の前の方に対し自分自身がプロに徹することはもちろん、バックオフィスのメンバーもその領域のプロとして取り組むことが大切と考えます。このマインドこそが、企業成長を支える要因と分析します。

福祉事業を展開する企業は、社会貢献がフューチャーされ、仮にプロフェッショナリズムが欠けていても許される風潮が少なからずあるように思われます。当社はそこに甘んじることなく、一民間企業として、各役割がプロ意識をしっかり持った仕事をすることを大切にしています。

編集部

キズキさんは経営に関しても課題意識をしっかり持ち、データに基づいた経営戦略をお持ちと見受けられます。こちらについてもご説明いただけますか?

阿部さん

当社では、あらゆる経営に関するKPI(※1)などのデータを詳細に取り、経営に活かすデータドリブン(※2)経営を実践しています。一般企業では当たり前のことですが、福祉分野ではまだ、やりきれていない組織が多いのが実情です。
※1KPI:Key Performance Indicator。企業や組織の目標を達成するために行う日々の活動の具体的な行動指標
※2データドリブン:課題を解決するために必要なデータを収集、分析をし、その結果に基づいて判断を下し、行動を決定するプロセス

売上データをはじめ、WEB上での解析データなど、収集したデータをしっかりと経営に活かすことで、より良い福祉サービスを提供することもまた、企業成長の要因の1つと考えます。

編集部

経営の安定化を図ることは、支援を必要とする多くの方に、キズキさんの福祉サービスを提供できることにつながっていくのですね。

キズキの経営陣には、ビジネスのプロがジョイン

株式会社キズキの取締役である林田絵美さん
▲最年少の役員である林田絵美さん。公認会計士の資格を持ち、監査法人での活躍を経てキズキにジョインされた。

編集部

キズキさんには多彩なバックグラウンドを持つ社員がジョインされています。経歴を一部、ご紹介いただけますか?

阿部さん

日産自動車やAmazonなど大手企業の勤務経験がある者や、大手のアパレル企業・マザーハウスで執行役員、ベンチャー企業の取締役を歴任した者、監査法人出身の31歳の女性などが取締役となっています。社外取締役を見ても、外資系企業でコンサルティング業務を担っていた者がジョインしています。

また、マーケティングの事業部長は、前職の外資系広告代理店のデジタル領域で、20年の実績があります。このように、ビジネス領域において確かな実績を持つ者がキズキの一員になったことも、当社の飛躍的な成長につながっていると分析します。

8つの行動規範が企業成長を後押し

編集部

キズキさんでは従業員数も増加していると伺っております。伸び率はどのようになっていますか?

阿部さん

直近2年で1.4倍で増えており、1年後には正社員が約110名になる予定です。拠点においても毎年増えており、法人連携事業をはじめ、事業ドメインも拡大する方針です。

編集部

福祉事業を手掛ける企業の中で、キズキさんの成長は抜きん出ていると言えます。プロフェッショナリズムやデータドリブン経営の他、御社の成長を後押しする取り組みや、カルチャーなどがあれば、ぜひお聞かせください。

阿部さん

事業拡大の背景には時代のニーズや変化に合わせて、我々が柔軟に対応していることが挙げられます。例えば2020年以降の社会情勢の影響を受け、学習塾やビジネススクールの授業はオンラインの拡充にいち早く着手しました。このスピード感こそが、当社の強みです。

また、事業拡大に着手できる要因としては、人材育成につながるキズキの行動規範が深く関わっていると考えます。この行動規範は全部で8つありますが、たとえば「責任感・達成主義」は、自分の役割に対し、責任感を持ってしっかり遂行することを大切にしていることを表します。

また、コミュニケーションにおいて重要な「ファクトとロジック」も規範のひとつです。これは話し合う際などに事実と論理を大事にしていることを意味しています。

例えば、学習塾に通う生徒さんの欠席が多い場合、「電話面談をする」という提案をしたとしましょう。しかし、単なる思いつきであればそこにファクトとロジックはありません。欠席日数が他の生徒さんと比べてどれくらい多いかなど、先にデータを取り、それに基づいた改善が必要となります。

過去の良い事例を振り返り、類似した課題に適用することが「ロジック」になります。自分の行動が及ぼす影響の先をロジカルに考えるインパクト思考を持つことで、何となくではなく、適切な支援をすることができます。

編集部

自分の経験だけで判断するのではなく、全体を見たときに課題がどの位置にあるかということをまずは事実として受け止め、それに基づいた対応をしていくというわけですね。

評価制度の指標にもつながる行動規範

編集部

キズキさんの行動規範は、評価の指標にもなっているのでしょうか?

阿部さん

評価をする上でも当社の行動規範が基本となっています。行動規範の中の「本質思考」を例に挙げると、メールの誤送信をしてしまった場合、なぜ、誤送信が発生したかをまずは考えます。

原因が過去のメールをコピー&ペーストしたことにあるのであれば、テンプレートを作って毎回使用するようにすればミスを回避することができます。このように、本質的に問題を解決できたかは、議論や評価の場でも重要になっています。

また、「俯瞰力・多様な視点」という行動規範は、クレーム対応に大きく関わっています。学習塾で保護者から何らかのクレームが入り、返金を求めてきた場合、その場ですぐに応じるのは規範に基づいた行動とは言えません。

一方向で言われたことをただ鵜呑みにするのではなく、俯瞰的な視点を持つことで一時的な解決ではなく、長期的な関係改善につながります。

また、そのほかにも「学び続ける力」「タフネス」「伴走者としての自覚」などいろいろな行動規範がありますが、これらはメンバーに浸透していますし、キズキのカルチャーのもとでみんなが成長できている理由なのかなと考えています。

編集部

プロに徹することで物事を俯瞰に見ることができ、その結果、伴走者として適切な支援ができる素晴らしい行動規範だと思いました。また、明確な行動規範が評価制度にクリアに反映されることで、公平性の維持にもつながっていると感じました。

多彩なバックグラウンドを持った若手社員が活躍。20代で役員にも!

株式会社キズキの代表および社員によるミーティング風景

編集部

キズキさんでは若手の活躍が著しいと伺っております。年代や役職についてご紹介いただけますか?

阿部さん

先ほど紹介した前職で監査法人に勤務していた女性は、30歳で取締役に就任しました。25歳でキズキにジョインした彼女のキャリアパスは、入社後すぐにキズキビジネスカレッジ立ち上げに携わり、28歳で執行役員に就任しています。私自身も2021年に33歳で入社後、現在は人事部長を任されています。

他にも、入社4年目の29歳の社員がエリアマネージャーを担うなど、当社では非常に多くの若手が活躍しています。変わったところでは公認会計士の資格を持つ者や、前職が警察官、家庭裁判所というバックグランドを持つ者もいます。

編集部

素晴らしいキャリアをお持ちの方がジョインされているキズキさんですが、入社のきっかけについて、教えていただけますか?

阿部さん

現在、エリアマネージャーを務める元警察官の社員は、もともと非行少年の支援に興味を持っていたそうです。また、元家裁勤務者は当社の公民連携事業でおこなっている少年院への支援に携わりたい思いから、ジョインしたそうです。前職の職業に関わらず、事業を通し、社会に貢献したい者が多く在籍しています。

編集部

高い志を持った方が活躍されているキズキさんですが、福祉分野では未経験の方が多いと思われます。教育制度はどのようになっていますか?

阿部さん

当社の研修はOJTを採用しています。学習塾の場合、保護者との面談プログラムがあり、オペレーションが決まっているため、プログラムに沿って学ぶ流れとなっています。

当社の行動規範にある「学び続ける力」にあるように、ジョインする者は向上心を持って自ら勉強をする傾向にあります。

モチベーションを維持するのは評価の明文化と半年スパンの昇給制度

編集部

若手が活躍するキズキさんですが、昇進にあたり、評価制度はどのようになっていますか?

阿部さん

当社の評価は成果主義になります。年齢や性別、社歴などは一切関係なく、会社への貢献度が評価の対象となります。年に2回ある評価の項目は、先ほど説明させていただいた行動規範に加え、KPI評価の達成度、各事業部と各等級ごとに明文化された業務定義になります。

半年スパンで評価をすることで、達成できればどんどん昇給できるといったモチベーションが若手活躍につながっているように思われます。

編集部

評価が明文化されていれば、社員のみなさんは目標を明確に掲げることができますね。

価値観を押し付けないキズキのカルチャー

編集部

さまざまな悩みを持つ方たちと触れ合う上で、キズキさんの社員のみなさんが心がけていることはありますか?

阿部さん

良い意味でドライでいることです。私たちの仕事は嬉しいこともあれば、悲しいことが起きることもあります。当社で活躍する社員は人に寄り添える優しい者ばかりですが、仕事と割り切れるからこそ、一喜一憂をせず、フラットな関係を築くことができます。

感情に左右されずとも、我々の仕事は確実に誰かを支えることにつながっています。その事実こそがやりがいと感じる社員が多いように思います。

編集部

良い意味で利用者さんとドライな関係を心がけているとのことですが、キズキさんではコミュニケーションスタイルやパーソナルスペースの取り方など、社員さん同士でワークをするような取り組みはされているのでしょうか。

阿部さん

特にワークや研修を設けていることはありません。当社にジョインをする方の特徴として、多様な人たちを受け入れていこうとする考えを持っていることが挙げられます。自分の価値観を押し付けることはせず、相手の価値観や考えを誰もが尊重しています。

例えば、飲み会も全員参加を強いることは決してなく、お酒や飲みの場が好きなもの同士が自由に開催しています。お酒が苦手だったり、オンとオフをしっかり切り替えたい者を個性として受け止めているのが、当社のカルチャーであり、社風と考えます。

編集部

ドライでいることは先ほどご説明いただいた行動規範の1つにもあったように、「俯瞰力・多様な視点」にもつながっていると感じました。また、キズキさんの行動規範は、社内のコミュニケーションにおいても共有されているのですね。

“自分ごと”と捉え、支援するマインドを持った方がジョイン

編集部

先ほど伺ったキズキさんで活躍されている方のバックグランドを見ると、不登校や非行とは無縁の世界で頑張ってきた方が多いように思われます。自身が歩まれてきた人生とは真逆の世界で生きてきた生徒さんを支援するにあたり、社員の方々はどのような思いで向き合われているのでしょう。

阿部さん

当社にジョインする社員は、兄弟や友人など、近しい方が何かをきっかけにつまづき、うつや引きこもりになった姿を間近で見てきた経験を持つものが多いという印象です。中には当事者だった者もいます。

実は私自身も前職でうつとパニック障害を発症し、休職をした経験があります。確かにキャリアだけを見れば華々しい経歴ですが、全く遠い世界ではないという意識で働いているので、自分ごととして頑張ろうというマインドを持っているような社員が多いように思われます。

編集部

現在、キズキさんの人事責任者として活躍されている阿部さんですが、どのように社会復帰をされたのでしょう。

阿部さん

うつとパニック障害を発症していた時期は、治療や薬を服用していたのですが、それ以上に頼りになったのが家族をはじめとした周囲のサポートです。

家族と過ごす時間に加え、会社の方が寄り添ってくださったことが心強かったです。復帰する際もいきなりフルタイム勤務ではなく、リモートワークや時短勤務に調整していただけたことで、無理なく復職ができました。そのおかげもあり、現在、キズキで元気に働くことができています。

希望するデジタルマーケティング業界に就職、社会復帰をした生徒さん

編集部

キズキさんの支援を受け、現在社会復帰された方のエピソードを差し支えのない範囲でご紹介いただけると幸いです。

阿部さん

私は広告代理店でのデジタルマーケティング経験を活かし、キズキビジネスカレッジの就労移行でデジタルマーケティングの講座を持っています。大学既卒のまま、就職できず、悩んでいた20代の生徒さんが、マーケティング会社への就職を目指し、当講座を受講をしていました。

その方が無事、デジタルマーケティングの会社に内定をもらえたとの報告を受け、とても嬉しかったことが最近では最も印象深いエピソードです。

編集部

それはとても喜ばしいエピソードですね。デジタルマーケティングの講座では具体的にどのようなことを教えられているのですか?

阿部さん

提案書の書き方やリサーチのフレームワークなど、実際の現場で役立つものを中心に、デジタルマーケティング業界に転職したい全ての方に有益な情報を教えたい思いで授業をおこなっています。

編集部

その生徒さんが阿部さんから教えてもらった学びを活かし、目指した業界で活躍されている姿が目に浮かびます。

元生徒が大学進学後、講師としてキズキへ

編集部

他にも、阿部さんをはじめ、社員の方がやりがいと感じるエピソードがあれば教えていただけますか?

阿部さん

中高一貫校を受験し、見事合格はしたものの、高校2年生時に不登校になってしまい、当社の学習塾に通っていた生徒さんがいます。外出も難しく、まずは塾に来ることからのスタートでした。

徐々に塾にいる時間が長くなったことを機に、勉強習慣を身につけるためのコミュニケーションを図っていきました。やがて、授業をフルで受けられるようになったのですが、受験期が近づくにつれ、再びメンタル面がダウンしてしまいました。

当社の講師陣や家庭のサポートもあり、無事に私大の難関大学に合格したその生徒さんは現在、キズキで講師のアルバイトとして活躍しています。

編集部

キズキさんが目指す、“何度でもやり直せる社会をつくる”ためのプラスの循環が、現場ではすでに実現しているのですね。

やり直しができる社会を作るため、ビジネスマインドを持った方を歓迎

株式会社キズキの代表取締役である安田祐輔さん
▲代表取締役である安田祐輔さん。ご自身の経験をもとに「やり直し」ができる社会を目指している。

編集部

最後に、採用にあたり、キズキさんが求める人物像や御社の事業を通し、社会貢献に興味を持った読者に向け、メッセージをお願いします。

阿部さん

採用にあたり、当社が最も重視するのは、“何度でもやり直せる社会をつくる”というビジョンに共感し、共に社会を作りたいという熱意を持っていることです。我々はキズキがある社会と存在しない社会を比較して想像することがあるのですが、「キズキがあったから社会が良くなったよね」という会社にしていきたいと考えています。

また、一民間企業として事業を継続するにあたり、経営におけるビジネスマインドを強く持った方を歓迎します。福祉は慈善事業ですが、利益をしっかり生むことで多くの支援の場を作り、良い人材を育成することができます。

事業を通じ、誰もが“やり直し”ができる社会を創造できるよう、仲間になってもらえたら幸いです。

編集部

真の社会貢献とは何かを考え、実行されているキズキさんは、利益をしっかり上げながら全ての方にやり直しの場を提供する、非常に崇高な事業を展開されていると感じました。また、生徒さんや阿部さんご自身のエピソードは現在、社会復帰をできず、悩んでいる方にとっても励みになると思われます。

本日はありがとうございました。

■取材協力
株式会社キズキ:https://kizuki-corp.com/
採用ページ:https://kizuki-corp.com/recruit/