エンジニア、デザイナー、データサイエンティストといったスペシャリストが働きやすい環境を作り、成長を続けている企業にインタビューする本企画。今回は、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループのグループ会社で、DX推進サービスを展開しているJapan Digital Design株式会社にお話を伺いました。
※社員数など、記事中の情報は2023年11月時点のものです。
金融サービスに関連するデジタル・ソリューションを提供
Japan Digital Design株式会社は、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ（MUFG）のグループ会社として、金融サービスをより便利にするためのデジタル・ソリューションを提案、提供しています。
| 会社名 | Japan Digital Design株式会社 |
|---|---|
| 住所 | 東京都中央区日本橋本石町三丁目3番5号 |
| 事業内容 | 金融サービスに関するデジタル・ソリューションの提案、提供 |
| 設立 | 2017年10月2日 |
| 公式ページ | https://japan-d2.com/ |
同社に在籍している社員の約7割以上はエンジニア、デザイナー、データサイエンティストで構成されており、デジタル人材が働きやすく自由度の高い環境で金融の仕事に携わることができます。
同社の働き方や社風について、代表取締役CEOの浜根吉男さん、Technology & Development Div.に所属するエンジニアの渡邉有希さん、Experience Design Div.に所属するデザイナーの戸塚真由子さん、MUFG AI Studioに所属するデータサイエンティストの庄岩さんにお話を伺いました。
AI・CX・Techの3つの領域で強みを持つJapan Digital Design
編集部
初めに、Japan Digital Designさんの事業内容について伺わせてください。
浜根さん
Japan Digital Designは、「金融の新しいあたりまえを創造し人々の成長に貢献する」というミッションを掲げ、三菱UFJフィナンシャル・グループ（MUFG）向けの新しいサービスの創出支援やDX推進、R&D活動を行っています。
弊社は「顧客＆データ起点で金融体験をアップデートする」というビジョンの通り、データ分析や調査をもとにお客さまや環境への理解を深め、より良い金融体験を創造することをめざしています。
私たちの事業領域はAI・CX（※1）・Techの3つに分けられます。AIの領域ではデータの分析と活用、CXは顧客の満足度が向上するような体験設計・UI（※2）設計、Techは最新技術を取り入れた柔軟なシステム設計・実装などを担っています。
（※1）CXとは、Customer Experienceの略語で、「顧客体験」という意味。サービスや商品の購入時、また購入後に顧客が体験する全ての事柄を指す。CXを向上させることで、リピーターの獲得に結び付くなどの効果が期待できる。
（※2）UIとは、User Interfaceの略語で、ユーザーと製品・サービスとの接地点を指す。例えばWEBサイトのUIを改善するとなると、サイトの見た目や操作性を改善していくことをめざしていく。
編集部
例えば、どのようなサービスを展開されていらっしゃるのでしょうか？
浜根さん
CX・Techの強みが凝縮したサービスとしては、三菱UFJ銀行の「そうぞくガイド」という相続に関するお悩みをサポートするサービスが挙げられます。
これはお客さまが相続手続を円滑に進められるようにサポートする無料のオンラインサービスとなっており、CXの強みを生かして顧客体験設計から画面デザインを行い、Techチームが一気通貫でエンジニアリングを推進したことで、短期間での開発･リリースをすることができました。
MUFGの相続関連ビジネスのハブとなるよう、今後も三菱UFJ銀行と一緒にお客さまのフィードバックを踏まえた機能改善・拡充を進めてまいります。
また、AI・CX・Techの3領域の連携によるサービスだと、「類似相場検索ツール」というAIによる相場検索ツールの提供が挙げられます。
人では見つけることが難しい類似相場を、AIが瞬時に検索することができるツールとなり、 ディーラー・トレーダーの一人ひとりの相場判断を類似相場の検索に反映させることも可能となっています。2021年にリリースをして以降、直近では「文章生成AIによる過去相場要約機能」を追加するなど、最新技術を取り入れたアップデートを重ねています。
そのほか、中小企業向けのオンライン融資サービス「Biz LENDING」では、決算書を提出せずとも入出金データなどから審査できるシステムを構築。個人のお客さまの中長期的な資産形成を総合的に支援するプラットフォームとしてリリースした「Money Canvas」では、顧客体験デザインも担っております。
編集部
MUFGさんのデジタル領域に関して総合的にサービスを提供されていらっしゃるのですね。Japan Digital Designさんの強みは何でしょうか？
浜根さん
Japan Digital Designの強みとしては、AI・CX・Techそれぞれでスペシャリストが在籍していることが挙げられます。例えば「AIに強い」「Techに特化している」という会社は世の中に多くあると思いますが、弊社は3つの分野それぞれに強みを持っています。
この3つの技能を連携させながら、総合的にサービスを届けられるというのは大きな特徴ではないでしょうか。
編集部
強みを持つ領域が3つもあるというのが、Japan Digital Designの特徴なのですね。そのような人材が揃っているからこそ、連携してクオリティの高いサービスが開発できるのだと感じました。
「堅い」という金融機関のイメージとは真逆の自由な開発環境
編集部
ここからはAI・CX・Techそれぞれのスペシャリストにお話を伺いたいと思います。まずはTechの領域でエンジニアとして活躍されている渡邉さんに伺いますが、Japan Digital Designさんには現在何名ぐらいのエンジニアが在籍されていて、渡邉さんご自身はどのような業務を担われていらっしゃるのでしょうか？
渡邉さん
Japan Digital Designには、現在21名のエンジニアが在籍しております。私はエンジニアのチームの中でも各サービスの基盤であるインフラをメインに担当する部署に在籍しております。
弊社はクラウド環境を基本としており、AWS（Amazon Web Services）を主に利用しておりますが、ほかにもGCP（Google Cloud Platform）やMicrosoft Azureなど、クラウドの管理や環境構築を担当しています。
編集部
エンジニアとして企業に入社するときに気になることは開発環境だと思うのですが、その点はいかがでしょうか？
渡邉さん
Japan Digital Designの開発環境は比較的自由であると感じています。金融機関の開発環境と聞くと、環境がしっかり固められていて、できることに限りがあるというイメージを持たれる方も多いと思います。
もちろん、セキュリティの基準というのはMUFGとして定められていますが、私たちの組織は銀行そのものではないということもあり、基準を守りつつも柔軟に開発環境を整えられる組織であるといえます。
入社時にPC（Windows/Mac）も自由に選べますし、ハイスペックな最新機種を用意していただけるので、環境は申し分ないです。
編集部
Japan Digital Designさんに入社されるエンジニアはどういったバックグラウンドをお持ちなのでしょうか？
渡邉さん
Japan Digital Designに入社するエンジニアは、さまざまなバックグラウンドを持っていますね。私も今ではインフラチームに所属していますが、入社前はインフラではなくバックエンドエンジニアとして働いていました。
ほかのメンバーでいえば、インフラメインでやっていた方もいれば、セキュリティの分野を担っていた方もいます。それぞれが自分の得意分野を活かしながら働いていますね。
また、弊社はTech以外にもさまざまなスペシャリストが在籍しています。各部署の距離も近く、AIやデザインの知識を学べる環境で、違う専門領域の方とも尊重し合うことやスムーズな連携をすることができるので、とても刺激的な職場ですね。
編集部
さまざまなバックグラウンド、スペシャリストが在籍しているからこそのメリットですね。
多様なスキルを持つデザイナーが集まり互いに高め合える環境
編集部
戸塚さんはCX分野でデザイナーとしてご活躍されているそうですが、現在どのような業務を担われているかお教えください。
戸塚さん
Japan Digital Designにはデザイナーが11名在籍しており、私は先ほど浜根からご紹介があった「そうぞくガイド」のプロジェクトに入っています。
業務内容は多岐にわたっており、リサーチや検証、UI設計や、メンバーのスケジュール・タスク管理、開発チームとのやり取りなどを担っています。
編集部
Japan Digital Designさんだからこそといえるデザイナーの働き方の特徴はございますか？
戸塚さん
Japan Digital Designのデザイナーは完全にインハウスデザイナーというわけではなく、一方でクライアントワークにも限らない動き方をしています。
MUFGと連携し、並走しながら支援していく側面ではインハウスデザイナーのような動きもあり、プロジェクトゴールに向けて成果物を出すクライアントワークも行うため、両方の役割を担うのが弊社のデザイナーだと思います。
また、MUFGのグループ内でありつつも別会社である強みを生かし、組織内の都合に縛られない本質的なアプローチを行っているため、上流の設計に携わることもあれば、組織の課題解決などコンサルのような動き方をすることもあります。
プロジェクトのお客さまが銀行となるため、BtoCもあればBtoBもあり、さまざまな事業体のさまざまなプロジェクトを担いますので、担当する業務も多岐にわたりますね。
そのほか、Japan Digital Designとしてのブランディング活動や、従業員の体験設計に関わることもあります。
自分のやってみたい領域を広げていけるというのが、弊社でデザイナーとして働く利点だと思います。
編集部
自分のデザイナーとしての技術をブラッシュアップできる場があるということですね。Japan Digital Designさんのデザイナーはどのような方が多いのでしょうか？
戸塚さん
エンジニアの話と重複する部分があるかもしれませんが、Japan Digital Designのデザイナーは多様なバックグラウンドを持っている方ばかりです。メーカーでリサーチを担当していた方もいれば、グラフィックやブランディングのプロという方も在籍しています。
それぞれに専門のスキルを持っているという部分がとてもおもしろいですし、Japan Digital Designだからこそ活躍できている方も多いと思います。
互いのスキルを見て個人それぞれで成長もできるチームアップとなっています。私としてもタスクやスケジュール管理などのプロジェクト全体を見た動きをするようになりました。プレイヤーとしての動きだけでなくクオリティマネジメントにも携わるようになり、キャリアの幅が広がったと感じていますね。
編集部
デザイナーとしてキャリアアップできる環境が整っているということですね。
金融系の企業では異例の大規模なデータプラットフォームを持つ
編集部
最後になりますが、Japan Digital DesignさんのAI領域についてもお聞かせください。
庄さん
私はデータサイエンティストとして、不正検知などのAIモデルの開発を担っています。Japan Digital Designに在籍しているデータサイエンティストは16名です。
編集部
庄さん自身データサイエンティストとしてさまざまな場所でご活躍されたと思いますが、Japan Digital Designさんの環境についてどのような感想をお持ちでしょうか？
庄さん
おそらくですが日本の金融系の企業でJapan Digital Designほど大規模なデータプラットフォームを持っていて、整理されている会社はないのではないかと思います。
やはりデータサイエンティストたちは「膨大なデータを扱って新しいことをしたい」という思いを持っていますので、楽しい環境にいるといえるのではないでしょうか。
編集部
活躍するためのデータという素材が豊富にあるということですね。そんな環境の中でデータサイエンティストとして成長するために会社が後押ししていることはございますでしょうか？
庄さん
Japan Digital Designは最先端技術について学ぶことを推奨しています。前職と比べて感じるのは、論文読み会や学会参加に積極的であるということです。毎年5～6回ほどオンラインで学会に参加できていますし、世界で有名な学会にオフラインで参加できる機会もあります。
編集部
学びの機会が豊富にあるというのは大変ありがたい環境ですね。
必要な資料はクラウドで共有、質問するとすぐに返ってくる環境
編集部
それぞれの事業領域についてお話しいただきましたが、共通するのは一般的な金融系の企業に比べ、非常に柔軟な環境であるということだと感じました。Japan Digital Designさんに入社して驚いたことはございますか？
戸塚さん
Japan Digital Designは基本的にリモートワークが可能なのですが、入社のときにやらなければならないことなどが記載された資料がクラウド上でまとまっていることに驚きました。
わからないことがあればクラウドを検索してみる、それでもわからない場合はメンバーに聞いてみるという流れが作られていたのがありがたかったですね。
弊社は部門ごとの距離が近く、オンライン上でも気軽に話せる雰囲気があります。なので、わからないことがあり質問した際に、みなさんからすぐ反応していただけた印象があります。
編集部
すぐにわからないことが解決する環境というのはリモートワークの環境下ではありがたいことですね。リモートワークはどのように運用されているのでしょうか？
渡邉さん
Japan Digital Designでは、基本的に開発チームもリモートワークが可能です。ただし、業務の内容によってはリモートで取り扱えないものもありますので、その際は出社が必要です。
編集部
業務の内容によってリモートと出社を柔軟に切り替えられているのですね。デジタル人材にとってはありがたい環境であると思っています。
渡邉さん
Japan Digital Designはデジタル人材として成長する機会も多いですので、大変ありがたい環境であると思っています。
さきほど庄がご紹介した学会の事例以外にも、外部のセミナーや勉強会に参加したり登壇したりする機会もあります。また、業務に必要な資格や書籍について会社から支援してもらうこともできるので、勉強の意欲が高い方であれば成長できる職場だと感じています。
時短勤務や週4日勤務など可能、週1勤務の社員も
編集部
Japan Digital Designさんはリモートワークを導入されていますが、それ以外の働き方について伺わせてください。
戸塚さん
Japan Digital Designは社員の自律性が尊重されていて、フレックスタイム制・リモートワーク制度など働き方をサポートする取り組みが充実しています。
また、通常の勤務以外にも時短勤務や裁量労働制、週4日勤務など、それぞれの事情に合わせて柔軟に働き方を変えることが可能です。
弊社は副業も可能で、そもそも弊社での勤務を副業とされている方もいらっしゃいます。なので、週1で勤務している社員も在籍していますね。
編集部
週1勤務の社員さんがいらっしゃるとは驚きです。実際に時短勤務などを利用されている方もいらっしゃるのでしょうか？
渡邉さん
私は時短勤務で働いています。今子どもが4歳なのですが、フルリモートでフレックスタイム制なので時間の融通が利きやすいため助かっています。
保育園のお迎えの時間を考慮して勤務時間が決められたり、子どもが保育園を休まなければならないので半日だけ働くというように、柔軟に働く時間を調整できています。男性社員が育児休暇を取得することも多く、男女関係なく子育て世代が柔軟に働いています。
編集部
子育て中の社員さんでも働けるような環境が整っているのですね。
JDD Talksやオンライン・オフライン懇親会などで自然にコミュニケーション
編集部
社員間のコミュニケーションを促すために、Japan Digital Designさんで取り組まれていることはございますか？
戸塚さん
Japan Digital Designでは様々なバックグラウンドを持つ社員が在籍しているからこそ、社員同士が交流する場がいくつも設けられています。
まずは、毎月開催される「JDD Meeting」という全社定例会です。経営方針や戦略などについて全社員で共有する場となっています。
また、隔週で行われる「JDD Talks」では、メンバー同士のコミュニケーションのきっかけとするため、自己紹介やテーマを設けたトーク会が実施されています。
そのほか、メンバーが講師となって知見やアイデアを共有する社内勉強会である「JDD Study」、社員同士の横のつながりを生むようなイベントをオンライン・オフラインで開催する社内懇親会など、さまざまなコミュニケーションの機会が用意されています。
最近では、設立記念をお祝いしたオンラインイベントや、新入社員の方々の入社を祝うオフラインランチが開催されました。また、私が所属しているデザインチームでは、イベントスペースを借りて一緒に料理を作りながらお酒を飲むといった、自由な雰囲気があります。
編集部
気軽に自然と社員さん同士で交流されているのですね。
スキルをコラボさせ世の中にインパクトを与える人材を求める
編集部
最後に、Japan Digital Designさんに興味を持っている方に向けてメッセージをお願いいたします。
庄さん
私は、自律的に成長したいという思いを持った方と一緒に仕事をしたいですね。またデータサイエンスだけでなく研究開発やアカデミックに興味を持っている方を歓迎したいです。
戸塚さん
先ほどもお話しした通り、フラットで先進的な環境があるほか、デザインチームは業務の領域がとても広いです。自律したプロが集まっているからこそ自由な働き方ができ、また新たな挑戦をすることができるので、自分の世界が広がっていくことを楽しめる方はJapan Digital Designに合っていると思います。
渡邉さん
Japan Digital Designはそれほど人数が多い会社ではありません。だからこそ他部署の方とコミュニケーションを取る機会が多くあります。ですので、そういった環境を楽しみながら自分の見識を広げたいという方と一緒に働きたいです。
浜根さん
私たちは「金融をもっと身近に、もっと便利に。」という思いでサービスを提供しています。
先ほども申し上げた通り、データ分析、顧客体験設計（デザイン）、ITエンジニアリングの3つの技術を組み合わせて、顧客需要や事業環境を分析し、金融サービスをより便利にするためのデジタル・ソリューションを提案、提供しています。
金融に触れてみたい方、自身とスキルの異なる技術者とのコラボレーションに興味のある方、三菱UFJフィナンシャル・グループという大きな組織を通じて世の中にインパクトを与えたい方のチャレンジを歓迎します。
編集部
デジタル人材が思い切り自分のスキルを発揮できる環境にあるからこそ、インパクトのあるサービスを世に生み出されているのだと感じました。本日はありがとうございました。
■取材協力
Japan Digital Design株式会社：https://japan-d2.com/
採用ページ：https://japan-d2.com/recruit