マーケティング・リサーチのパイオニアである株式会社インテージのオープンカルチャーとは

個人の成長を後押ししながら業績を伸ばしている企業にインタビューする本企画。今回は、マーケティング・リサーチ、データ解析、デジタルマーケティングなどを活用したマーケティング支援事業を展開している株式会社インテージにお話を伺いました。

マーケティング・リサーチ会社のパイオニアであるインテージ

株式会社インテージのオフィス内観

世界9カ国に拠点を持ち、マーケティング・リサーチ、インサイト事業でアジアを牽引する存在であるインテージグループの中心的な役割を担っているのが株式会社インテージです。

マーケティング・リサーチ会社のパイオニアとして1960年に設立された同社は、これまで積み上げてきた膨大なデータを駆使しながら、マーケティング・リサーチ業界を先導する立場であり続けています。

会社名 株式会社インテージ
住所 東京都千代田区神田練塀町3番地 インテージ秋葉原ビル
事業内容 マーケティング・リサーチ、データ解析、デジタルマーケティングなどにより、生活者と顧客企業をつなぎ、マーケティング活動を支援。
設立 1960年
公式ページ https://www.intage.co.jp/

同社は大手のプラットフォーマーやメディアなどのクライアントも多いため、社員は規模の大きいビジネスに携わることができます。同時に社員の成長を後押しする仕組みや制度が整っており、着実にスキルを伸ばす環境があるのです。

同社のビジネスの展開や働く環境について、事業開発本部 エクスぺリエンス・デザインユニット プラットフォーム・データ・ビジネス部の部長である石井一樹さん、同部の林思朗さんにお話を伺いました。 

本日お話を伺った方
株式会社インテージ事業開発本部の石井さん

株式会社インテージ
事業開発本部 エクスぺリエンス・デザインユニット プラットフォーム・データ・ビジネス部 部長

石井 一樹さん

株式会社インテージ事業開発本部の林さん

株式会社インテージ
事業開発本部 エクスぺリエンス・デザインユニット プラットフォーム・データ・ビジネス部

林 思朗(レム シーロン)さん

多分野でのマーケティング課題を解決。強みは「データの質と量」

株式会社インテージの石井さん

編集部

初めに、インテージさんの事業内容について伺わせてください。

石井さん

私たちインテージが展開しているのは、マーケティング支援に関するソリューションです。マーケティング・リサーチ、データ解析、デジタルマーケティングなどを通じて、あらゆる企業が抱えるマーケティングの課題を解決しています。

お客様がある商品を手にするまでは「商品を作る」「商品を知る」「商品を届ける」というプロセスがあり、それぞれマーケティング施策が必要になりますが、弊社では全ての段階でソリューションを提供しています。加えて、商品を届けるまでのマーケティング施策の効果測定も手掛けております。

編集部

どういったアプローチでマーケティング施策を支援していくのでしょうか?

石井さん

インテージの最大の強みは保有しているデータの質と量です。マーケティング・リサーチ会社のパイオニアとして設立されたこともあり、国内最大規模の膨大なデータを保有しています。

一例として、いずれも同種のサービスとして国内最大であるSCI®(全国消費者パネル調査)やSRI+®(全国小売店パネル調査)のプラットフォームにおいては、買い物をしたときの詳細な情報や購入店舗の販売データがわかります。

そのほかにも、日本全国24時間365日を調査対象にしたスマートテレビ視聴データ(Media Gauge®)やモバイル空間を活用した人口の統計情報など幅広い保有データがあるため、あらゆる角度から企業のマーケティング支援を手掛けることが可能となっています。

編集部

まさにデータのプロとして、マーケティング支援を展開されていらっしゃるのですね。

メディアやプラットフォーマーと共同で新サービスを生み出す事業も展開

株式会社インテージのオフィスのソファスペース

編集部

インテージさんの事業内容に続けて、石井さんと林さんが所属している部署についても詳しくお聞かせください。

石井さん

私たちが所属している部署は事業開発本部で、その名の通り新しい事業を開発していくというのが大きな役割となっています。

そのなかでもプラットフォーム・データ・ビジネス部は、メディアやプラットフォーマーを顧客としながら、「ドコモ・インサイトマーケティング(※)」が扱っているデジタルマーケティング領域のソリューション推進も担っています。
(※)株式会社ドコモ・インサイトマーケティングはNTTドコモとインテージホールディングスのジョイントベンチャーとして2012年4月に設立。両社のアセットを活用し、モバイルリサーチおよびマーケティング支援の領域で成長している。

クライアントの持っているデータと、私たちやドコモさんで持っているデータを組み合わせながら、新しいサービスを作っていくというのが、私たちが所属している部署のミッションです。

編集部

石井さんと林さんはどういった役割を担われているのでしょうか?

石井さん

私は部長という立場ですので、部署全体のマネジメントを担っています。事業目標の策定・推進や組織作りが主な役割です。

林さん

私は広告の効果測定の領域を担当しています。2022年9月に弊社からリリースされた「Brand Impact Scope(ブランドインパクトスコープ)」が現在注力しているプロダクトになるのですが、こちらを活用したソリューションの提供を行っています。

Brand Impact ScopeはYouTube とテレビのクロスメディアで広告効果を測定できるプロダクトなのですが、この2つの広告を測定することで、予算の配分を最適化できるのです。

そのほか、YouTube広告、テレビCMでそれぞれどのようなクリエイティブを作ればよいか、何回見せれば効果が出るかということも調査できます。現在は、このBrand Impact Scopeの開発や活用法の説明に力を入れていますね。

■Brand Impact Scopeの詳細はこちら!(インテージ公式サイト)
https://www.intage.co.jp/lib/service/mcs/brand-impact-scope.html

情報をオープンにすることがプロダクト開発で重要になる

株式会社インテージの林さん

編集部

現場で日々クライアントと接している林さんは、どういったところに仕事のやりがいを感じているでしょうか?

林さん

やりがいとして感じている部分については、まずはデジタルマーケティングの最先端に触れられているという点が挙げられるでしょう。

先ほどのBrand Impact Scopeの場合でも、これまで計測できなかった部分を新しい技術を活用して計測できるようになりました。これまで踏み込めなかった新しい領域にチャレンジできている実感があります。

また、クライアントと直接会話するチャンスが多いというのもやりがいを感じるポイントです。クライアントが求めていること、課題と感じていることを直接伺えて、実際にソリューションを提供できているので充実感があります。

最後に、一つの商品を作るのにたくさんの部署の方と協力する必要があるため、プロダクト開発で一体感が生まれるというのもやりがいを感じるポイントですね。

編集部

プロダクト開発で一体感が生まれるとお話しされましたが、その部分について詳しく伺わせてください。

林さん

Brand Impact Scopeを開発するうえでは、さまざまな部署や社外の協力会社との連携が必要でした。

例えばデータ収集のためのシステムが技術的な問題で想定通りいかなかったり、スケジュールが思った通り進まなかったりと、さまざまなハードルがあったのです。それでも、そんな困難をみんなで乗り越えたというのが印象に残っていますね。

編集部

困難を乗り越えるために大切にしていたことは何でしょうか?

林さん

プロダクト開発を進めるうえで少しでも詰まったところがあれば、関わっているメンバーに現状を正直に共有すること、巻き込むことというのは意識していましたね。

とにかく情報の透明化というのを大切にしていて、うまくいっていないと思っているからこそ状況を積極的に共有するようにしていました。

そう考えられたのも、インテージが情報をオープンにする文化を持っていたからだと思います。自分が関わっていないプロジェクトの情報についても社内チャットでアクセスできる状況にありますし、部署内のディスカッションの内容もツールによって見える化されています。

新しいプロダクトを開発するうえでは、課題が生じたときにすぐに関係者に連絡できるよう周りの人が状況を把握できるような環境になっているかというのが重要なカギを握っていると感じます。

編集部

普段から情報をオープンにしているからこそ、困難な状況になったときに助け合いができるのですね。

社内の勉強会や自己学習の費用補助など成長を後押しする環境

インタビューに答える石井さんと林さん

編集部

さまざまな人材が協力し合うことで優れたサービスを提供されているインテージさんですが、社員さんそれぞれのスキルを伸ばすための学びの場はあるでしょうか?

林さん

業務の関係で開催が難しい場合もあるのですが、例えば私たちの部署では有志が集まって一つの領域をテーマにした勉強会が開かれることもありました。

また、実務に関わる資格を一緒に取るという動きもあり、若手メンバーでAWS(Amazon Web Services)の資格取得を目指す、GCP(Google Cloud Platform)の勉強を一緒にするという取り組みもありましたね。

一緒に学ぶ機会を持つことで資格取得のモチベーションも上がりますし、メンバーも交流できるので、弊社の良い文化かなと思います。

編集部

共に学ぶという文化があるのですね。会社として社員さんのスキルアップをサポートする制度はございますでしょうか?

石井さん

インテージでは「能力開発ポイント」という制度があります。これは年間5万円を上限として、自己学習のための書籍購入費やセミナー参加費が会社から付与される制度です。業務に関係することであれば比較的自由に利用できます。

林さん

私は書籍の購入に使わせていただいたこともありますし、最近ではGCPのデータエンジニアリングのオンライン講座で活用させていただきました。

編集部

スキルアップのために年間5万円も付与されるというのは、かなり大きなことですね。

ハイブリッドワークかつフルフレックスで自由度高く働ける

会話や雑談がしやすいコーヒーマシンが備えられた株式会社インテージのカフェスペース

編集部

インテージさんの働き方についても伺いたいのですが、現在どんな勤務形態を採用されていらっしゃるでしょうか?

石井さん

インテージでは、出社とリモートワークを組み合わせたハイブリッドワークを推奨しています。

ハイブリッドワークを進める上では、出社している人とリモートワークをしている人の間で状況の把握度に差ができてしまってはいけません。そのため、チャットツールでプロジェクトをしっかり管理して、オンラインオフラインに関わらずいつでも相談できる体制を整えています。

先ほどもお話しした通り、弊社はチャットツールで互いの状況がいつでもわかるような状態となっています。グループ外の人が困っているときに別グループのメンバーがフォローし合える状況を作っているからこそ、ハイブリッドワークが実現できているのです。

編集部

それに加えて、フルフレックスを導入されているということでご家庭の事情に合わせて柔軟に働けそうですね。

石井さん

私自身も実は小さい子ども2人を持つ父親なのですが、終業後はやはり家族のために時間を使わなければなりません。その点、弊社では朝早く仕事を始めて早めに仕事を終えるという調整ができるため、かなり働きやすい環境にあると思います。

都内在住でも小さいお子さんがいらっしゃるメンバーも多いので、互いにサポートし合いながら仕事を進めていますね。

編集部

林さんはインテージさんの働きやすさについてどう感じられていらっしゃるでしょうか?

林さん

やはりフレックス勤務制はありがたいですね。私は2023年の3月までマーケティングのデータ分析を学ぶために社会人大学院に通っていましたが、授業は平日の18時に始まっていました。上司に状況を説明すると考慮していただいて、少し早めに仕事を切り上げて大学院に通えました。

このような働き方は、インテージだからこそできたことだと思います。

編集部

それぞれの状況に合わせて柔軟に働ける環境があるのですね。

上下関係がない若手の挑戦を歓迎する文化、新事業提案の制度も

インタビューに身振り手振りで答える石井さんと林さん

編集部

インテージさんにはどんな文化があるのでしょうか?

石井さん

インテージグループ全体の話ですが、上司や部下にかかわらずみんな「さん」付けで呼ぶ文化があるので、上下関係が良い意味でそこまで強くない会社なのかなと思います。上司に気軽に相談しやすい雰囲気がありますね。

林さん

私も疑問があればチャットツールですぐに投げかけますし、相談事項がたまってきたら上司である石井さんに1on1をお願いします。石井さんはすぐに応えてくれて、翌朝30分時間を取ってくれるなどしてくれますし、早いスピードで仕事を進められる環境がありますね。

編集部

上下関係が強くないとのことですが、やはり若手の方が活躍する機会も多いのでしょうか?

石井さん

インテージには入社1年目の社員でも学べ、活躍できる環境があります。

例えばある案件では、Tableau(※)でダッシュボードを作成してクライアントに納品するという業務を、新卒1年目の社員がメインで担当しています。この社員は入社前にTableauを触ったことがなかったのですが、先輩社員のサポートを受けながらしっかり学習して身に付けました。
(※)Tableau(タブロー)は世界で広く使われているBIツールで、大量のデータを可視化できることが特徴

この社員は、データを抽出したり集計したりするのに必要なSQLという言語を学びながらTableauの扱い方も0から習得しています。1年目の若手であっても意欲があれば、新しい技術を学び、チャレンジできる機会はたくさんあるでしょう。

編集部

サポートがあったからこそ若手の活躍を後押しできていると思いますが、そのほかには若手の挑戦を歓迎するような制度はありますか?

石井さん

インテージには社員の提案を起点に事業創造へとつなげていく事業提案制度という仕組みがあります。顧客・業界・社会が抱える問題を解決するために、社員自らが経営陣へ提案することができ、最終審査を通過した場合は、その提案内容を進めていく職務が約束されます。応募は年齢や役職に関わらず、社員全員が提案できます。

編集部

若手社員の方が応募することもあるのでしょうか?

石井さん

新入社員が応募することもあれば、まだ入社して数年しか経っていない若手社員が最終選考に残った事例もあります。実は私も応募したことがあり、最終選考まで残ったこともあります。自ら手を挙げて挑んでいくチャレンジャーに対して、積極的に機会を提供してくれる姿勢が表れている制度だと感じています。

編集部

社歴に関わらず社員さんの挑戦を歓迎しているのですね。

膨大なデータに触れられることと関わる業界の広さが魅力

株式会社インテージのオフィス風景

編集部

ここから採用に関してお話を伺っていきたいのですが、石井さんと林さんそれぞれの入社理由についてもお教えください。

石井さん

私は広告業界の会社を経てインテージに入社しました。転職した理由は、インテージが魅力的なプロダクトとソリューションを持っていたからです。これまで蓄積してきたデータやプロダクトなど、優れた資産を持っていると感じて入社を決めました。

当時は、インテージがi-SSP®(インテージシングルソースパネル®)という新サービスを生み出したタイミングでした。生活者の購買データやメディアデータを360度把握して、そのデータを広告のプランニングや効果測定に使えるという唯一無二のサービスで、そこに携わりたいという気持ちが強かったですね。

今はNTTドコモさんのデータを活用する機会も多く、やはりほかではなかなか扱えないデータを持っている会社ですので、そこからどうビジネスを作っていくか、価値を提供していくかというのを考えられるのが弊社の魅力だと思います。

林さん

私は新卒でインテージに入社しましたが、データ分析がこれから成長する分野だと感じたこと、そしてさまざまな業界にソリューションを提供している点に魅力を感じ入社を決めました。

弊社はメーカーや広告代理店、メディアなど、関わる業界が多様です。その多様性というのも弊社で仕事をする楽しさの一つではないかと思います。

編集部

希少性のあるビジネスに携われることと、さまざまな業界に関われるというところがインテージさんの大きな魅力なのですね。

広告業界の経験が生かせる職場、裁量を持って挑戦できる

編集部

インテージさんには、どんな方が入社されるケースが多いでしょうか?

石井さん

インテージはマーケティング・リサーチの会社ですので、ほかの調査会社やリサーチのスキルを持った方が入社するケースが多いです。

ただ私の部署でいうと、扱うデータはメディアや広告の領域が多いので、もともと広告代理店で働いていたりメディアにいたりといった社員も多いです。ですのでリサーチをやっていた方でなくても、広告業界の経験がある方は活躍できる機会も多いと思いますね。

リサーチの経験を持っている方は社内にも多いですが、広告業界の知識を持っている方はまだまだ限られます。広告業界にいれば当たり前のスキルと知識でも社内的には希少性の高い人材となりますので、活躍の機会が増えることもあるのではないでしょうか。

編集部

最後に、インテージさんに興味を持っている方に向けてメッセージをお願いいたします。

林さん

インテージは調査やデータに対してまじめに向き合う機会が多い会社です。「なぜこのデータはこうなっているのか」という議論を毎日活発に行っています。情熱を持って働ける環境ですので、熱意を持って仕事に取り組める方を歓迎したいです。

データと聞くと理系のイメージがあるかもしれませんが、私は文系の出身です。入社時に知識がなくても周りの方のサポートもあり学んでいけますので、データ分析に少しでも興味がある方であれば楽しく働ける環境だと思います。

石井さん

インテージに入社してすごく働きやすさを感じていますし、同じような思いを持った方が社内にたくさんいます。自分の裁量で働いたり工夫したりできますし、チャレンジしたいことがあればそれを表明する機会、そして学ぶ機会もたくさんあります。

主体的に取り組む意欲と変化に柔軟に対応する力がある方と、ぜひ働きたいです。

編集部

御社では、データに真摯に向き合う風土と環境があるからこそ、主体的に学び成長できるのだと感じました。本日はありがとうございました。

■取材協力
株式会社インテージ:https://www.intage.co.jp/
採用ページ:https://www.intage.co.jp/recruit/