株式会社ハーバルアイが国産生薬で切り拓く、SDGsへの新たなる一歩

SDGsへの積極的な取り組みや、若手活躍が著しい企業を紹介するこの企画。今回は、医薬品のネット通販が解禁された直後の2015年に創業し、漢方を中心とした医薬品のネット通販にいち早く参入した株式会社ハーバルアイを取材しました。

世界で一番、信頼される漢方企業を目指す株式会社ハーバルアイ

福岡県福岡市に本社を置く株式会社ハーバルアイは、健康の維持増進や疾病の予防に自ら取り組む「セルフメディケーション」と「予防医療」の重要性とニーズに着目し、漢方製剤の医薬品開発・販売・調剤薬局運営を通じて医食同源や漢方の考え方に特化した商品、サービスを展開する企業です。

医薬品のネット通販が解禁された直後の2015年に創業したハーバルアイは、2022年4月に同社初となる実店舗の調剤薬局「セラピア薬局」(池袋駅東口)を開設しました。対面による「漢方相談」に加え、遠方の方のご相談も承ることができるよう「オンライン相談」もLINEにて始めています。ECサイト・実店舗・オンラインで、どんな環境の方にでもお悩み改善のサポートが行き届く環境を整えることにより、世界で一番信頼される漢方企業を目指しています。

会社名 株式会社ハーバルアイ
住所 福岡県福岡市中央区天神5-7-3  福岡天神北ビル6階
事業内容 医薬品・指定医薬部外品・健康食品の通信販売及び店舗販売
設立 2015年12月
公式ページ https://www.herbal-i.co.jp/

今回は企業や若手の成長を支えるハーバルアイの制度や持続可能な社会構築への取り組み、カルチャーなどについて、マーケティングと人事採用、広報で活躍する松本さん、相澤さん、保田さんの3名にお話を伺いました。

本日お話を伺った方
株式会社ハーバルアイの広報担当である松本さん

株式会社ハーバルアイ
広報

松本さん

株式会社ハーバルアイの広報担当である相澤さん

株式会社ハーバルアイ
人事採用

相澤さん

株式会社ハーバルアイのマーケティング担当である保田さん

株式会社ハーバルアイ
マーケティング

保田さん

東洋医学に基づいた健康食品や漢方薬のEC事業を展開

株式会社ハーバルアイの公式サイトトップページのイメージ画像
▲『自然をハコぶ』という力強いメッセージを掲げている(公式サイトから引用)

編集部

はじめに、ハーバルアイさんの事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか。

相澤さん

当社は“世界で一番、信頼される漢方企業をつくる”をビジョンに掲げ、漢方の通信販売事業を主軸に、薬局店舗の運営、オンライン漢方相談、生薬栽培、マーケティング支援事業を展開しています。

九州最大の繁華街である福岡市中央区天神に本社を置き、EC事業(通信販売業)と調剤薬局「セラピア薬局」を東京・池袋に構えている当社は、2015年の設立以来、漢方を中心に医薬品や機能性表示食品をお届けしてきました。

2023年に福岡市の事業である「外部人材によるIPO(新規上場)成長支援プログラム」に採択されたことを機に、さらに企業価値を高めながら地域経済にしっかり貢献していきたいと考えております。

編集部

ハーバルアイさんではEC事業に力を入れていますが、事業を展開するにあたり、社員のみなさんはどのようなマインドで向き合っているのでしょう。

相澤さん

長期にわたってEC市場が発展し、拡大傾向にある中、ツールもどんどん変化しています。そのような実情の中、ニーズを的確にキャッチするのは難しくなっていると思われます。

加えて、当社は漢方薬をはじめとした医薬品を取り扱っているため、製造を請け負っていただく製薬メーカー様を探すという大変さもあるのが正直なところです。しかし、社員はそれ以上にEC事業を心から楽しみ、信念を持って業務に向き合っています。

国産生薬がもたらす持続可能な社会の実現と農業振興

ヒュウガトウキの収穫をしている株式会社ハーバルアイのスタッフたち

編集部

東洋医学である漢方は、中国で盛んというイメージを抱く方が多いと思われます。日本に流通している漢方の原料はどこで生産されているのでしょう。

松本さん

生薬(しょうやく)と呼ばれる漢方の原料は約8割を中国からの輸入に頼っています。しかし、海外からの観光客が日本のドラッグストアで医薬品をたくさん購入する現状からみても、いかに日本の医薬品が高い信頼を得ているかがわかりますよね。

また、コロナ禍で漢方の需要が高まったことに加え、昨今の円安も相まって、買い負けも起きていることから、国産の生薬を栽培しようとする動きがあります。

そこで当社では、2022年11月に有機JAS認定のもと、成分の濃い、安全で高品質な日向当帰(※1)を有機栽培している有限会社メイゲンを子会社化しました。国産生薬を栽培することで業界自体を盛り上げ、日本独自の和漢薬(※2)を海外の方々にも知ってもらうチャンスを広げていければと考えています。
(※1)日向当帰(ひゅうがとうき):宮崎県と大分県の一部の山岳地帯に自生するセリ科の薬用植物
(※2)和漢薬:日本の風土に対応した生薬や処方自体が独自に活用された医薬品の総称

編集部

国産生薬の生産量を上げるための課題はありますか?また、課題解決のためにハーバルアイさんが取り組まれていることがあればお聞かせください。

松本さん

日本の農業が抱えている課題として、最も顕著に感じているのが農業従事者の高齢化と後継者不足です。次世代に農業を継承できないままでは耕作放棄地が増え、農村地帯から市街地への人口流出による過疎化が進みます。

この疲弊した農業を救うため、当社では国産生薬の栽培を活性化し、農業振興と持続可能な社会構築に貢献したいと考えています。

編集部

なるほど。ハーバルアイさんが取り組む国産生薬への取り組みはSDGsにもつながっているのですね。

生産者の顔が見える安心・安全な国産生薬とSDGsへの取り組み

株式会社ハーバルアイの広報担当である松本さん
▲「生薬を実際に収穫することで自社製品に愛着が湧く」と語る松本さん

編集部

ハーバルアイさんがSDGsに取り組む背景にはどのような思いがあるのでしょう。

松本さん

安心・安全な生薬を国内生産することで、漢方を身近に感じていただきたいという思いがあります。

一般的に、漢方は少しハードルが高いイメージがあると思われます。当社が消費者の立場になったとき、安心して商品を手に取ってもらうためにはSDGsへの取り組みやトレーサビリティなど、生産者の顔が見えることが大切という考えに至りました。

編集部

ハーバルアイさんが取り組んでいる国産生薬ならではの特徴やメリットについてお聞かせください。

松本さん

国内で生薬を栽培することは、いつ、どこで、誰が生産したかといった、商品の生産から消費までの過程を追跡するトレーサビリティを消費者に提供できるメリットが挙げられます。また、農薬や化学肥料を一切使用しないことも特徴です。

当社では新卒者の研修の一環として、日向当帰の自生地であり、栽培農地がある宮崎県小林市の生産者のもとで収穫のお手伝いをしております。

日向当帰の収穫は雨の時期にあたるのですが、カッパを着て手作業で収穫することで商品に愛着がわき、栽培の苦労や収穫の喜びを生産者さんと共有することができます。この経験は社会貢献への実感や、信念を持つことにもつながっています。

編集部

保田さんは入社2年目と伺っております。入社のきっかけとして、ハーバルアイさんのSDGsへの取り組みに共感された部分はあったのでしょうか。

保田さん

就活で企業を知る際、ハーバルアイがSDGsに取り組んでいることに共感した部分はもちろんあるのですが、具体的な取り組みは研修などを通して知りました。実際に生産者さんと共に収穫をすることで自社愛が生まれ、“自分ごと”として当社の商品に自信が持てるようになりました。

ハーバルアイではリーダーシップを発揮できる社員が活躍

笑顔でポーズを取る株式会社ハーバルアイのメンバー

編集部

ハーバルアイさんにジョインする社員の方はどのようなタイプが多いのでしょう。

相澤さん

チャレンジャーやリーダーシップを発揮している者、そこをフォローする者、ニッチャーなど、主体性を持って行動している者が多いと感じます。それぞれ個性はありますが、現時点ではリーダータイプが多いと思います。

編集部

ハーバルアイさんの社員の方々が信念を持って仕事に向き合うため、大切にされていることや行動の源になっている御社のカルチャーなどがあればぜひ、ご紹介いただきたいです。

相澤さん

個人の力を信じている当社では、個人の成長と企業の成長はイコールであるという考えがあり、社員は8つの「基本姿勢」に基づいて行動しています。それを体現しているのが年に1 回、1泊2日で実施している「リーディング合宿」です。

ハーバルアイのバイブルとも言えるスティーブン・R.コヴィー 著の「7つの習慣」という本を読み、何者であるか問い、自分を見つめ直すことを目的にするこの合宿では、これからの人生の行動指針“ミッションステートメント”をつくるという内容となっています。

編集部

なるほど。単に業務をこなすのではなく、全ての行動を自分の人生と結びつけることを大切にされているのですね。

裁量を持った働き方とオープンな風土が若手成長を後押し

株式会社ハーバルアイのマーケティング担当である保田さん
▲「裁量を持った働き方で成長できた」と語る保田さん

編集部

保田さんはコロナ禍での就職活動だったと思われます。そうしたなか、ハーバルアイさんに入社を志望した理由をお聞かせいただけますか?

保田さん

コロナ禍での就活だった私はその煽りを受け、大手企業が倒産をしたり業務縮小を余儀なくされたりする状況を目の当たりにしました。

会社のネームバリューや看板の大きさだけで将来を計ることはできないという考えに至った私は、スキルを身につけ、自分の足で歩いて行ける企業で働きたいと思い、ハーバルアイならそれを実現できると確信し、入社を志望しました。

編集部

現在の保田さんの業務内容について教えていただけますか?

保田さん

私は広告チームに所属しています。業務は多岐にわたり、広告業務の他、新商品の開発や採用業務にも携わっており、昨年は就活生を対象とした会社説明会で当社についての説明をしました。採用業務において部署間の垣根はなく、採用イベントを開催する際は、自ら手を挙げて業務にあたる者が多いです。

編集部

ハーバルアイさんに入社され、自身の成長を感じたエピソードなどがあればぜひ、伺いたいです。

保田さん

それぞれは小さい出来事なのですが、最近になって成長を感じることが多くなっています。その1つが悩みの質の変化です。

例えば、新卒のスタッフや友人と話をしたとき、上司や同期との人間関係に悩んでいる人が多いのに対し、ハーバルアイの同期や同世代の仲間とは、会社をどう発展させていくか、採用に求める人物像などを話すことがとても多いように思います。

その理由として考えられるのが、当社の裁量を持った働き方です。裁量権を持ってさまざまな経験をしてきたからこそ、会社をより良くするためにはどうするべきかといったベクトルに向かっているのだと感じます。

編集部

ハーバルアイさんが個人の成長を後押しする要因はどこにあると思われますか?

保田さん

要因はさまざまありますが、個人的に大きいと感じるのは売り上げやBS(貸借対照表)など、数字的なものがオープンなことです。

当社では3ヶ月に1回、各部署の実績などを報告する四半期総会を開催しており、会社全体の売り上げ実績や、所属する部署がどれだけ売り上げに貢献しているかを知ることができます。

総会では新卒者が発表をする機会もあるのですが、会社の状況を理解していないと発表することはできません。そのため、社歴や役職に関わらず、数字に触れる機会が多いことが成長を後押しする要因と分析します。

編集部

会社の実情を数字で知ることで、社員は若手やベテランに関係なく、自分ごととして事業を考えることができるのだと感じました。

1対1での対話が円滑なコミュニケーション構築につながる

笑顔で話す株式会社ハーバルアイのメンバー

編集部

保田さんをはじめ、若手が活躍できるハーバルアイさん独自のカルチャーや制度などはありますか?

相澤さん

入社1〜2年目の者が採用ワークショップを担うなど、若手のうちから裁量権を持つことは若手活躍につながっていると感じます。また、振り返りや現在のポジション、未来のビジョンを語る月末会も成長の要因の1つと思われます。

保田さん

就業時間内に行われるお茶制度も成長を促すカルチャーだと思います。お茶制度ではカフェなどで普段なかなか会話ができない他部署の者と1対1で話すことができ、費用は会社負担となっています。コミュニケーションを積極的に計ることで、業務が円滑に進むこともあります。

編集部

ユニークな制度ですね。どのようなときにお茶制度を活用しているのでしょう。

相澤さん

私の場合は悩み事があったり、仕事の方向性を見失ったときなど、私とは逆の考え方を持った者を誘い、お茶制度を活用しています。

ビジネスにおける価値観や方向性など、自分にはない意見を言ってもらうことで、新たな気付きを得ることができます。また、1対1で話すことでより深く、その人を理解できると思います。

編集部

部署間の垣根を越えて話せることは問題解決にもつながり、ひいては自己成長にもつながっているのですね。

チャレンジを全力応援!共に未来を創造できる方を歓迎

株式会社ハーバルアイのメンバーがオフィスで並ぶようす

編集部

ハーバルアイさんの国産生薬を通じたSDGsの取り組みや、若手成長を後押しするカルチャーに興味を持った読者は多いと思われます。最後に、読者や現在転職を検討している方に向け、メッセージをお願いします。

相澤さん

ハーバルアイには“出る杭を伸ばす”という風土が根付いており、社歴や年齢に関係なく、リーダーシップを発揮することができます。また、会社の数字の細部まで知り、全員で経営方針を決定するプロセスがあることは当社独自のカルチャーです。

このような社風の中、当社はジョインする方のチャレンジを全力で応援します。進化し続けるハーバルアイでぜひ、共に未来を創造していきましょう。

編集部

個人の成長と企業の成長はイコールという言葉が示すように、ハーバルアイさんが社員1人ひとりの可能性を引き出し、信頼されているからこそ、若手活躍や企業成長につながっていると感じました。

本日はありがとうございました。

■取材協力
株式会社ハーバルアイ:https://www.herbal-i.co.jp/
採用ページ:https://en-gage.net/herbal-i_saiyo1/