管理職がいない!?GROOVE X株式会社のフラットすぎる組織体制

様々な企業へのインタビューを通じて、新しい働き方や魅力的なカルチャーを紹介するこの企画。今回は、最新のテクノロジーを駆使して今までにないロボットの開発を行っている「GROOVE X株式会社」にお話を伺いました。

GROOVE X株式会社とは

GROOVE X株式会社が開発する「LOVOT」

GROOVE X株式会社のメイン事業は、LOVEをはぐくむ家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」の開発です。LOVOTには、視覚・音声・照度・温度の4つを感知するマルチセンサーホーンやディープラーニングなど最先端のテクノロジーが活用されており、まるで生き物と触れ合っているかのような体験を味わうことができます。

会社名 GROOVE X株式会社
住所 東京都中央区日本橋浜町3-42-3 住友不動産浜町ビル
事業内容 LOVEをはぐくむ家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」開発事業
設立 2015年11月2日
公式ページ https://groove-x.com/

そんなGROOVE X株式会社の一体感を大事にするカルチャーやフラットな組織体制、裁量の大きさなどを、人事の齋藤さんにお話いただきました。

本日お話を伺った方
GROOVE X株式会社で人事を務める齋藤さん

GROOVE X株式会社
人事

齋藤さん

最新テクノロジーを活かした家族型ロボット「LOVOT」を開発

GROOVE X株式会社が製造するLOVOTのイメージ画像

編集部

まずは御社の事業内容について教えていただけますか?

齋藤さん

はい。私達は家族型ロボット「LOVOT」のメーカーとして、開発・製造・販売を手掛けております。

編集部

LOVOTとは、どのような特徴を持ったロボットなのでしょうか。

齋藤さん

「人の気持ちをテクノロジーで満たす、ケアをする」という新しい価値観の創造を目指し、生き物のようなふるまいを再現することにこだわったロボットです。高性能なCPUと制御装置を内蔵しているほか、映像や音声、明るさ、さらには温度まで計測できる50以上のセンサーを備えています。それらの機能により、本当にいきいきとふるまうことができるんです。

編集部

まるで生き物のようなロボットということですね。大変興味深いです。LOVOTならではの様々なふるまいについて、一例も教えていただけますか。

齋藤さん

ディープラーニング(機械学習技術)によりコミュニケーションを取る中でLOVOTの性格が変わっていったり、6層の映像をアイ・ディスプレイに投影することで見つめた時に自然な形で見つめ返してくれたりします。他にも、生命感のある声や抱き上げた時の温かさなどもLOVOTならではの魅力です。

編集部

本当に家族のように迎え入れられるロボットなんですね。

出社とリモートを組み合わせるハイブリッド型の働き方が可能

GROOVE X株式会社の社員たちが打ち合わせをする様子

編集部

では次に社員さんの働き方について教えてください。リモートワークは導入されていらっしゃるのでしょうか?

齋藤さん

弊社のプロダクトはLOVOTのみということもあり、元々は全員出社で顔を突き合わせながらモノづくりをしていくことをすごく大事にしていたんです。しかし、昨今の社会情勢を受けて、現在は各チームに出社かリモートかの判断を委ねることにしています。

編集部

実態に関してはいかがですか。

齋藤さん

ハードウェアのエンジニアは、仕事内容的にも出社中心のスタイルとなっています。ソフトウェアのエンジニアに関してはリモート中心のスタイルを選択しているケースもありますが、直接コミュニケーションを取った方がスムーズに仕事が進む場合もあるため、週に何回か出社するハイブリッド型の働き方を選択しているチームが多いです。

編集部

本来のスタイルから考えると大きな働き方の変化があったわけですね。リモートワークにおけるルールなどはあるのでしょうか。

齋藤さん

ルールという程ではありませんが、弊社のリモートワークは常時接続をしていないため、基本的に会議をする時は顔出しを推奨しています。新しく入られた方などは、社内にどんな人がいるか分からないですし、顔が出ていないと名前を覚えることが難しいですからね。

編集部

確かに会社側から伝えていかないと、「顔出しをする人」と「しない人」で分かれてしまいかねないですものね。リモートならではの決まりごとですね。

リモートワークを快適にするツールはチーム単位で自由に決定

GROOVE X株式会社でoViceが活用されている様子▲oViceの画面にもLOVOTが描かれている。

編集部

リモートワークを取り入れるとデジタルツールの使用なども増えるかと思いますが、社内に戸惑いなどはなかったのでしょうか。

齋藤さん

そういった面での戸惑いはありませんでしたね。というのも、弊社には元々デジタルツールを積極的に活用していく風土があるんです。例えば、チャットツールのSlackなどはリモートワークを導入する前から使用していました。今はビデオ会議ツールのGoogle Meetをメインで使用していますが、どの社員も特に問題なく使いこなしています。

編集部

リモートワークが始まってから新しく導入したツールはありますか?

齋藤さん

先ほど新しく入った社員が先輩たちの顔と名前を覚えづらいというお話をしましたが、それをサポートするために人材管理ツールの「カオナビ」を導入しました。

カオナビには社員全員の顔が載っているので、どのチームに誰がいるのかをいつでも知ることができます。それとプロフィール欄には任意でニックネームや趣味なども入力できるので、自分の個性をアピールすることも可能です。

編集部

なるほど。新入社員の方などからすると、気軽に他の皆さんの顔と名前を確認できるのはありがたいですね。他にもコミュニケーションに活用しているツールなどはあるのでしょうか。

齋藤さん

主にソフトウェアのチームで、バーチャルオフィスツールのoViceを活用しています。これは画面上のアバターを移動させて話をしたり、画面を共有してミーティングをしたりできるツールです。oViceの画面を見ると、常にどこで誰がミーティングをしているのかが見えるので、リモートワークでも仲間の存在感を感じることができます。

編集部

こういったツールの導入は、会社側が提案しているのですか?

齋藤さん

いえ、チームで自由に決められますよ。コミュニケーションツールは様々ありますし、コストがそれほどかからないものであれば何を使っても大丈夫です。なので、新しいツールが出たらトライアルで使ってみてチームに合えば採用しますし、さらに評判が良ければ全社で使ってみるということもあります。

編集部

チーム単位で柔軟に新しいツールを取り入れられるなら、それぞれのチームが実情に沿ってパフォーマンスを出すための環境を整えることができ、リモートワークへのモチベーションも高まりそうですね。

朝会をはじめリモート環境でも大切にする交流の機会

GROOVE X株式会社の社員たちが会議をする様子

編集部

ツールの導入以外にも、リモートワークの環境に変わってから工夫されているポイントはありますか?

齋藤さん

代表的な取り組みとしては、毎日10時から10分ほど行っている朝会ですかね。これは社員に加えて協力会社のメンバーなど弊社に関連している様々な方に参加いただき、コミュニケーションを図っています。

編集部

朝会では、具体的にどのようなことをやられているのでしょうか。

齋藤さん

総務や人事から共有事項を話したり、誕生日の人がいればお知らせをしたりが基本です。後は毎日、2名の司会者が社員の中からランダムに選ばれて、司会者の選んだテーマで話をしています。

これは、仕事で関わりが少ない人たちにもどんな人がいるかを知ってもらい、それをきっかけに話ができるようになってほしいというのが理由の一つです。そして、もう一つは人前でのプレゼンテーションに苦手意識を持つ人もいるので、そういった場を提供することで話をすることに慣れてほしいという意図があります。

編集部

リモートワークの中でもコミュニケーションのきっかけや話の練習をする場があるのは素晴らしいですね。ちなみに、最近はどのようなテーマでお話をされているのですか?

齋藤さん

今日はオススメの映画についてです。昨日は最近買って良かったものについてのテーマで、ふるさと納税で届いた商品のレビューをしてくれて、リンクまでみんなにシェアしてくれました(笑)。本当に他愛もないことですが、人となりを少しでも知ることで仕事の効率化にも繋がるのではないかと考えています。

編集部

朝会といっても、形式的なものではなくて色々と目的をもって行っているのですね。

全社員からのフィードバックが質の高いモノづくりへと繋がる

編集部

朝会の他にも、社員さんが集まる場というのはありますか?

齋藤さん

毎週水曜日に、全社員集会を行っています。以前は1ヶ所に結構な人数が集まって行っていたのですが、今は出社している方も含めてリモートで参加する形式になりました。基本的には、会社からの共有事項や会社の方針などのメッセージ、組織変更についてなど、他社さんでもよくやっているような内容です。

それに加えて、弊社ならではですが、開発チームからの進捗共有を行っています。例えば、「こういう機能が追加されました」「この部分がこういう風に変わりました」とか、「こんな風にプロモーションしていきます」といった発表があるので、それに対して他の社員からコメントでフィードバックをしてもらうイメージです。

編集部

やはりモノづくりの会社ですから、共有やフィードバックの機会を大切にしているのですね。

齋藤さん

そうですね。特に弊社は元々スクラム開発(※)を全社で導入していたので、重要なポイントの情報共有をできる限りみんなで行い、それに対してフィードバックをするという流れが定着しています。
※チームを組んで役割やタスクを分散しつつ、コミュニケーションを取りながら開発する手法。

協調性のある仲間たちが集まるフラットな組織

GROOVE X株式会社の社員たちが雑談をする様子

編集部

ここからは、御社の雰囲気や風土について伺いたいです。人事の齋藤さんから見て、どのようなタイプの社員さんが多いと感じますか?

齋藤さん

周囲の仲間と調和しながら、協力して仕事をできるタイプの人が多いですね。なので、外部の方からも「いい人が多いね」とよく言われます。いい人の定義は難しいですが、少なくとも威張っている人がいないというのは間違いありません。どんなポジションでも他人の話にきちんと耳を傾けたり真摯に話をしたりという姿勢の人が多いという印象です。

編集部

威張っている人がいないというのは、役職の方も含めてということですか?

齋藤さん

そもそも弊社の開発チームにはマネージャーなどの管理職がいないんです。APO(エリアプロダクトオーナー)というプロダクトマネジメントを担うメンバーはいますが、あくまでも役割であって役職ではありません。なので、エンジニアから見るとCxO(※)以外の上司がいないフラットな組織と言えます。もちろん、CxOも腰が低くフレンドリーな方ばかりですよ。
(※)それぞれの業務の最高責任者。一例としてはCTO(最高技術責任者)、CFO(最高財務責任者)など。

編集部

役職がないことによって現場の一体感もより深まりそうですね。CxOクラスの方はいらっしゃるとのことですが、直接お話する機会はあるんですか?

齋藤さん

はい。週に1回、雑談タイムを設けていてCxOの誰かがGoogle Meet上に1時間ほど待機している時間があります。そこには誰でも参加可能で、どんな話をしても良いことになっているんです。平均すると一回の雑談タイムで20名くらいが参加しています。弊社のCxOは一般の会社で言うと取締役クラスですが、気軽に話ができるので距離感の近さを感じられるはずです。

編集部

そういった機会があると、普通の会社では聞きづらいこともどんどん聞けそうですね。どんな話でも良いとおっしゃていましたが、話題は趣味の話などでも良いのですか?

齋藤さん

完全なフリートークと認識していただいて問題ありません。アニメ好きなCxOとの雑談タイムならアニメの話になることもありますし、もちろん会社のことで気になることがあれば率直に聞くことができます。

社員が自主的に運営する「自分たちの会社は自分たちで良くする会」

編集部

ここまでのお話を聞いて、御社が協調性を大事にするフラットな組織ということが分かりました。他にも、御社ならではのカルチャーや取り組みはありますか?

齋藤さん

自由かつ裁量があるのも弊社の特徴です。その例として、社員が週1回ペースで自主的に行っている「自分たちの会社は自分たちで良くする会」があります。これは有志が集まり、会社の課題を解決していくことを目的とした会です。話し合いの中で解決できそうなことはアクションを起こしますし、難しいことに関しても一旦ペンディングしてCxOクラスに相談するなどします。

編集部

自主的に会社の課題を話し合うというのはすごいですね。この会では、どのようなことが解決されているのでしょうか?

齋藤さん

具体的に伝えることは難しいのですが、仕事上のトラブルに介入して話を進めることもありますし、会社の中に取り入れてほしいシステムについて要望したり、会社に対して不明点を質問したりするなど様々です。

編集部

週1回ペースで開催されているとのことですが、主催は特定の社員さんが担当しているのですか?

齋藤さん

ファシリテートしてくれる社員が6、7人いるので、持ち回りで主催していく形です。

編集部

協調性を重視する御社らしく、複数の社員さんで協力しながら運営されているのですね。

会社でお酒を飲みながら仲間との距離を縮める「アルコールタイム」

編集部

他にも御社ならではの取り組みはありますか?お仕事に関すること以外でも構わないのですが。

齋藤さん

これは出社した社員向けの取り組みなのですが、水曜日の夜にちょっとしたお菓子とお酒を出す「プチGROOVE NIGHT」というアルコールタイムがあります。19時から1時間など決められた時間の中で、自由に飲食を楽しめます。

編集部

会社がお酒を提供しているなんて珍しいですね。職種やチームを超えて仲を深めることができそうです。この取り組みは最近になって始められたのでしょうか?

齋藤さん

元々は、毎日19時にご飯を炊いておにぎりを振る舞っていたんです。文字通り同じ釜の飯を食う仲間になるということで非常に好評だったのですが、ここ数年は休止していました。なので、プチGROOVE NIGHTは“始めた”というより“復活した”という感覚に近いかもしれません。

編集部

飲食を共にしながらチームワークを高めていくのも、御社ならではのカルチャーと言えそうですね。

齋藤さんから求職者へメッセージ

GROOVE X株式会社が製造するLOVOT

編集部

では最後にこのインタビューを見て、御社に興味をもっていただいた求職者の方々にメッセージをいただけますでしょうか。

齋藤さん

弊社は100名ぐらいの決して大きくはない会社ですが、様々な方にご協力いただいている関係でLOVOTの製造や販売、アフターサービス、サポート、アパレルなど多岐にわたるポジションがあります。なので、まずは採用情報を見ていただき、自分に合ったポジションを見つけていただきたいです。

後はインタビューの中で話した通り、弊社では上意下達ではない自由かつ裁量のある環境で働くことができます。その分、個人が責任と経営的な視点を持って業務に取り組むことが求められますが、同じ志の仲間と協働して一体感を味わいながらモノづくりをしたいという人たちにはすごくいい環境です。

弊社は経営層との距離が近いですし、自分で何かをやりたいと思っている方にはとてもチャレンジングでエキサイティングな環境だと思います。なので、自分の力を試したいと考えている方や仕事を作業的にこなすことをつまらないと感じる方はすごく向いていると思うので、そういう方はぜひ応募をご検討ください。

編集部

本日はありがとうございました!

■取材協力
GROOVE X株式会社:https://groove-x.com/
採用ページ:https://groove-x.com/recruit/