世界基準の働き方へ。GLG(Gerson Lehrman Group)が推進するダイバーシティ

グローバルに活躍し、SDGsや社会課題の解決にも高い意識を持つ企業を特集するこの企画。今回は、世界最大級のインサイト・ネットワークを提供する株式会社Gerson Lehrman Group(ガーソンレーマングループ)にインタビューを行いました。

株式会社Gerson Lehrman Groupとは?

株式会社Gerson Lehrman Group(以下「GLG」)は、ビジネスにおけるあらゆる意思決定に対して有用なインサイトを提供する、世界最大級のインサイト・ネットワークです。GLGのエキスパート・ネットワークにはさまざまな業界に精通した世界中の有識者が100万人以上登録しており、日々新たに500人以上の有識者をリクルーティングしながらネットワークを拡大しています。

会社名 株式会社Gerson Lehrman Group(ガーソンレーマングループ)
住所 東京都港区愛宕2丁目5番1号愛宕グリーンヒルズMORIタワー26F(東京本社)
事業内容 企業やビジネスリーダーの意思決定を支援するための、有識者インサイトの提供
設立 ニューヨーク本社設立:1998年
日本支社(東京本社)設立:2008年
公式ページ https://glginsights.com/ja/
働き方 ハイブリッド勤務(出社+リモートワーク)

今回は、女性活躍を含めたGLGのダイバーシティへの取り組みや、それを支える制度・カルチャーなどについてGLGのクライアントソリューションズチームマネージャーの岡さん、APAC採用チームシニアアソシエイトのキムさんにお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
株式会社Gerson Lehrman Groupの岡由依さん

株式会社Gerson Lehrman Group
クライアントソリューションズチーム
マネージャー

岡 由依さん

株式会社Gerson Lehrman Groupのキムテヒさん

株式会社Gerson Lehrman Group
APAC採用チームシニアアソシエイト
(ソウル支社勤務)

キム テヒさん

世界初・世界最大級のインサイト・ネットワークとして業界を先導

株式会社Gerson Lehrman Groupの東京オフィスから眺める東京タワー

編集部

GLGさんの事業内容について、読者に向けて簡単に教えていただけますでしょうか。

岡さん

GLGは「ビジネスのあらゆる意思決定にインサイトの力をもたらす」をミッションに掲げる世界最大級のインサイト・ネットワークです。ビジネス課題を抱える企業と有識者をつなぎ、有識者が過去の実体験から得たインサイト(知見)を提供することで、ビジネスリーダーの重要な意思決定をご支援しています。

GLGは、1998年にニューヨークで設立した、世界初のエキスパートネットワークであり、以来業界の先駆者として現在の業界を創り上げてきました。2008年に日本支社を立ち上げ、現在では13か国でサービスを展開しています。

現在、GLGのインサイト・ネットワークには世界で100万人以上・160か国以上のあらゆる業界・分野の有識者の方々にご登録いただいており、日々、さまざまな企業が抱えるビジネス課題の解決や、ビジネスを前進させるためのインサイトの提供を行っています。

具体的なサービスには、「GLGインタビュー」「GLGサーベイ」「GLGカスタムプロジェクト」などをはじめとした定性調査・定量調査と、オンデマンドで業界の最新情報や今後の見通しを提供する「GLGイベント」「GLGライブラリー」があります。ニーズに適したさまざまな形で、必要な時に必要なインサイトをご提供できるようにしています。

GLGのサービスはフォーチュン500(アメリカのフォーチュン誌が年1回発行する全米上位500社リスト)企業の内の約200社にご利用いただいており、世界的なリーディングカンパニーや、国内外の大手企業様が主要なお客様です。ITや製造業、医療・製薬会社といった事業会社のみならず、金融系企業、投資会社、大手コンサルティングファームなど、幅広いセクターの企業にサービスをご提供しています。

女性のグローバルCEO、女性管理職50%。女性活躍の先進企業

株式会社Gerson Lehrman Groupの岡由依さん
▲クライアントソリューションズチームマネージャーの岡由依さん

編集部

ここからは女性活躍のトピックについてお伺いします。GLGさんでの女性活躍が伝わる具体的な数字やエピソードなどがあれば教えてください。

岡さん

一番大きなところでいうと、2023年7月にアメリカのニューヨーク本社に女性のCEOが就任しました。

またAPACにおいても、韓国や中国のトップは女性です。日本ではマネージャー以上の役職に就いている社員の女性比率がちょうど50%です。全体的に、女性活躍という面ではかなり進んでいる企業なのではないでしょうか。

編集部

GLGさんでかなり女性活躍が進んでいるのは、女性の採用強化や管理職への登用といったポジティブアクションを進めてきた結果なのでしょうか。

キムさん

GLGはマネジメント層に限らず全体として女性社員の数が多いですが、意識的に女性採用を進めてきたわけではありません。後ほどSDGsのトピックでも詳しくお話しさせていただきますが、GLGでは「EEO Policy Statement(雇用機会均等方針)」や「ダイバーシティー・ステートメント」を明示し、機会均等を推進する企業としての立場を表明しています。性別の区別なく純粋に能力の高い方を採用していった結果、今の状況があります。

岡さん

一方で、女性社員の数が多いだけでは女性活躍にはつながりません。GLGで女性がキャリアを積んだり、管理職として活躍し続けられるのは、やはり女性特有のライフイベントを経ても辞めずに働き続けられる環境があるからこそだと思います。全社的に女性にフォーカスした取り組みは充実しており、福利厚生面でも女性をサポートする仕組みが整っているのでとても働きやすい環境だなと感じます。

妊娠・出産を迎える女性に寄り添ったきめ細かなサポート

編集部

GLGさんで女性社員の方が働き続けていく上で、特に助かるサポートなどはありますか?

岡さん

私自身、昨年産休・育休を取得したのですが、GLGでは妊娠・出産のプロセスにおいて手厚いサポートがあるなと感じました。例えば、育児休業給付金の支給額は国によって定めがありますが、GLGでは独自のより充実した支援制度がありました。(※勤続年数などに応じて異なります。)

また妊娠中に産婦人科の先生に相談できるアプリも無償で提供されています。これはグローバルで利用できる制度なので、私も妊娠中に利用しました。

他にも独自制度として、妊娠中に起こり得る事態に配慮した休暇制度もあります。妊娠・出産というのは必ずうまくいくものではなく、残念なことに悲しい事態を迎えてしまうこともあります。そんなときに心身の回復のために、元々与えられている有給にプラスしてお休みを取れるという制度です。

編集部

確かに妊娠・出産というのは女性にとって多くの体の変化をもたらしますし、いろいろと予期できない事態も生じるものですよね。GLGさんではそのことをしっかりと理解し、女性に寄り添った制度を整えていらっしゃるんだなと感じました。

育休からの復帰を支える柔軟な働き方と、周囲の理解・サポート

株式会社Gerson Lehrman Groupの岡由依さん

編集部

岡さんは産休・育休を経て復帰されたとのことですが、現在は時短勤務で働かれているのでしょうか。

岡さん

私は時短勤務ではなくフルタイムで働いていますが、子どものお迎えの時間に合わせるため、通常9時から18時の勤務時間を30分スライドして、8時半から17時半の勤務にさせてもらっています。自分からこの働き方を上司に相談しましたが、すぐHRに上げてもらい、1週間も経たずに許可をいただくことができました。すごく柔軟に対応していただけたなと感じています。

編集部

その人に合った形の働き方をサポートするフレキシビリティがあるのは素晴らしいですね。復帰後のサポート体制で充実していると感じるものはありますか?

岡さん

まず、復帰後も産休・育休前と同じポジションで働くことができているのはとても大きなポイントです。

またGLGは子どもの有無に関わらず、有給消化率が比較的高い傾向にあります。そのため子どもが生まれた後でも家庭の事情による有給取得がしやすいですね。加えて職場全体に子育てしながら仕事をする人に対しての理解が根付いているため、子どもが急に熱を出すなどの不測の事態でも、チームに全面的にサポートしてもらいながら仕事に対応することができています。

在宅勤務とオフィス出社のハイブリッドワークができるのも大きいです。自分の状況に合わせてオフィスと在宅を柔軟に切り替えることができるので、それも働き続ける上で助かっていますね。

編集部

ハイブリッドワークについては、週何日出社が必要といったルールがあるのでしょうか。

岡さん

国や所属部署によって異なりますが、日本では週2日出社が推奨されています。体調や家族の都合などを考慮しながら、ほとんどの社員が自分の裁量で働く場所を決められていると思います。

「ダイバーシティ」に重点を置き、採用や研修を強化

株式会社Gerson Lehrman Groupのキムテヒさん▲APAC(アジア太平洋)の採用チームに所属するキム・テヒさん

編集部

続いてSDGsのトピックに移らせていただきます。GLGさんで実施されているSDGsへの取り組みを教えてください。

キムさん

GLGのビジネスは、多様な視点から直接収集した有識者の知見を基盤として成り立っています。そのため、ダイバーシティ、エクイティ& インクルージョンは、GLGの活動の中核をなしています。

全社での取り組みは、ニューヨーク本社のCHRO(最高人事責任者)が統括しています。

編集部

社内のダイバーシティ実現に向けて、GLGさんでは具体的にどのような点に力を入れられているのでしょうか。

キムさん

まず挙げられるのが採用面です。先ほど女性活躍のトピックでもお伝えした通り、GLGでは雇用機会均等方針を掲げており、そこでは「人種、信条、肌の色、宗教、性別、性的指向、性自認・性表現、国籍、障害、年齢、遺伝情報、軍歴、配偶者の有無、妊娠もしくはそれに伴う状況、または法律で保護されるその他すべての事柄を理由に従業員または採用希望者の差別をしない」ことを表明しています。

その結果として、先ほども話にあったようにGLGでは女性社員も多く活躍していますし、さまざまな国籍の社員が部署を問わず多数在籍しています。東京本社にも外国籍の社員が2割程度在籍しています。

また働き方においてもハイブリッドワークや遠隔地からの勤務も認めているため、働く場所や時間にとらわれない多様性のある働き方を実現できていると考えています。

編集部

なるほど。女性活躍のトピックにも通ずるお話ですが、女性だけに限らずあらゆるバックグラウンドを持つ人の多様性が実現できるような制度を、採用面でも働き方の面でも取り入れていらっしゃるんですね。

キムさん

その通りです。さらに社員の活動や意識の面でもダイバーシティ実現に向けた取り組みが行われています。GLGの社内には女性のエンパワーメントやLGBTQIAなどをテーマにしたさまざまなコミュニティが形成されており、メンバーが集まって議論をしたり、社外の有識者を招待して社員の誰でも参加可能な講演会をオンラインで開催したりしています。

例えば、Woman + Diversity Netrorkと呼ばれるコミュニティでは、キャリアと子育ての両立、女性が職場で直面する課題、専門的スキルや能力開発などについて、さまざまな方面で活躍する女性リーダーをお招きした講演を定期的に実施しています。

また、障害に関するテーマを扱うコミュニティの最近の取り組みでは、雇用主が障害を持つ従業員に対して公平な配慮を行うことを義務付ける米国の法律「Americans with Disabilities Act (ADA)」にGLGのポリシーがどの程度合致しているか、また今後どのような対策や改善ができるかなどについてのディスカッションが行われました。

いずれも、コミュニティ内だけで活動を完結させるのではなく、活動を通じて得た知識などを他の社員にも伝えていくことを目指しています。

編集部

コミュニティで行う活動が他の社員にも伝播していくことで、ダイバーシティへの理解が会社全体で深まっていきそうです。トップダウンで仕組みを整備していくだけでなく、ボトムアップ的にダイバーシティへの理解が広がるような取り組みがあるのは素晴らしいことだと感じました。

GLGのインサイトを無償提供する「ソーシャルインパクト活動」で社会貢献

編集部

その他にGLGさんで実施されている、SDGs及び社会問題の解決に寄与するような取り組みがあれば教えてください。

キムさん

GLGでは、従業員が推薦した非営利団体や社会的企業に対し、GLGのリソースや有識者のインサイトを無償提供するソーシャルインパクト活動を実施しています。この活動は2023年に10周年を迎え、これまで世界で150カ国以上の数百万人もの人々に変化をもたらす支援を行ってきました。多岐にわたるプロジェクトにご協力いただいた有識者の数は総勢5,000人を超えています。

日本でも2022年に教育に関する団体をご支援し、NPOを専門としているコンサルタントに、NPO活動や運営に関するベストプラクティスのコンサルティングをご提供いただきました。

編集部

GLGさんの知見を社会貢献活動に活用されているんですね。支援した団体・企業様からはどのような反応がありますか?

キムさん

支援した団体・企業様から多くの感謝のお言葉をいただいています。 例えば、小規模の慈善団体ではあまり多くの知識や経験がないので、GLGの有識者インサイトが大いに役立ったと聞きました。

すべての社員の「健康・福祉」に寄与する福利厚生が充実

編集部

GLGさんは福利厚生面も充実されていると聞きましたが、その点はいかがでしょうか。

キムさん

国によって多少違いはありますが、医療、健康に関する制度はとても充実していると思います。例えば日本では、会社の費用負担で2つの医療保険に加入しています。企業の福利厚生として珍しいことではないでしょうか。

他にも長期障害給付金制度、発達障害を持つ子どもの家族へのサポートプログラム、フィットネスクラブの費用負担等があります。さまざまな面から従業員の医療や福祉、健康を支えてくれているなと感じます。

魅力的な人が集い、明るくてフレンドリーな雰囲気を生むカルチャー

編集部

GLGさんのカルチャ―についてお伺いします。GLGさんは全体的にどのような雰囲気のある会社なのでしょうか。

岡さん

GLGの魅力は「人」にあります。私自身もそうですし、他の社員にどこに惹かれてGLGに入社したのかを聞いても、ダントツで「人」という回答が多いです。オフィスには明るくてフレンドリーな雰囲気が漂っていて、人間関係のストレスは本当にありません。これが、私がGLGで働き続けている最も大きな理由ですね。

また基本的に英語と日本語を話せる人材を採用しているので、少しインターナショナルな雰囲気もあります。そういう環境が好きだという人も多いのではないでしょうか。

編集部

皆さんがすごく気持ち良く働かれているんだなということが伝わってきます。岡さんは子育て中とのことですが、職場でそういったお話をされることもよくありますか?

岡さん

はい、よくしていますよ。私は今年母親として職場復帰したので、社内の子育て中の人たちを集めたグループチャットをつくったのですが、それが結構楽しくて。

いろいろな年齢の子どもをもつメンバーがいるので、本や服のおさがりなどをその中でやりとりすることもあります。「子どもが歯磨きをしてくれない、どうしたら良いですか」と先輩ママに相談したり、ハロウィーンの子どもの仮装写真を送り合ったりもしています!

そのグループチャットには入社間もないメンバーから、かなり上のポジションのメンバーまで入っています。でも子育ての話をするときには本当に上下関係なく交流しているんです。そういう雰囲気やカルチャーがすごく良いなと思っています。

GLGのサービスに共感し、同じビジョンを持つ方を歓迎

株式会社Gerson Lehrman Groupのキムテヒさん

編集部

最後に、採用について伺います。GLGさんでは採用にあたり、どういった人物像の方を求めていらっしゃるのでしょうか。

キムさん

GLGで働くにあたって特別な資格は必要ありませんが、コミュニケーション能力は非常に重要です。また多様なビジネストレンドに興味を持つことも求められます。仕事において英語力も必要なので、英語を活かして仕事をしていきたい方も歓迎しています。

そしてGLGでは、同じビジョンを持って働くことができる方を求めています。GLGのサービスは、企業またはビジネスリーダーが重大な意思決定を行う際に、その決断によって起こる将来の変化をより良いものにするために、インサイトの力をもたらすものです。GLGのサービスに共感し、力を注いでいきたいと考える方にぜひジョインしていただきたいと考えています。

カジュアル面談も実施しているので、今すぐ転職したいわけではない方も、学生の方も、GLGに興味を持っていただいた方は一度カジュアル面談にお越しいただければと思います。

編集部

さまざまな企業のビジネスの前進・成功にかかわる仕事だからこそ、その企業のために尽力できる姿勢を持つ方が活躍できるといえますね。ダイバーシティの実現にも力を入れていることから、さまざまなバックグラウンドを持つ方とともに自分の視野を広げていくこともできそうです。本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

■取材協力
株式会社Gerson Lehrman Group:https://glginsights.com/ja/
採用ページ:https://glginsights.com/ja/careers/