魅力的な事業を展開する成長企業を紹介する本企画。今回は「人々のこころを豊かで幸せにする、良質なエンタテインメントを創出する!」という企業理念のもと、ガールズトレンドを敏感にキャッチするプリントシール機(プリ機)や、それによって撮影される画像(プリ画)の取得・閲覧サービスの開発を行う、フリュー株式会社を取材しました。
プリントシール機市場でのシェア94%*1。業界をリードするエンタテインメント創造メーカー
フリュー株式会社の始まりは、オムロン株式会社の中でエンタテインメント分野の新規事業を立ち上げるために生まれたひとつの部門でした。その後オムロン100%出資の子会社となり、さらにフリュー株式会社として2007年に独立しました。プリントシール機の開発には1998年から参入しています。
メイン事業のひとつである「ガールズトレンドビジネス」では、創業事業であるプリ機や、プリ画の取得・閲覧サービス、プリ機専門店などを展開しています。また「世界観ビジネス」の事業では、人気アニメやゲームに登場するキャラクター等の版権を取得し、アミューズメント専用景品や物販として、ぬいぐるみやフィギュアといった様々なキャラクター商品の企画・開発・販売を行っています。また、それらの強みを活かし、ゲーム・アニメ・カラーコンタクト・レタッチサービスといった事業にも取り組んでいます。
アミューズメント施設などに設置されているプリ機は、そのほとんどがフリュー株式会社のもので、全国シェアは94%となっております(*1…2022年夏現在)。
メイクアップカウンターを完備した直営のプリ機専門店「girls mignon(ガールズミニョン)」「moreru mignon(モレルミニョン)」の運営も行っています。同社のプリ機と連動するプリ画の取得・閲覧サービス「ピクトリンク」は、Webサイト・スマートフォンアプリ向けのサービスです。
■フリュー株式会社のプリントシール機
https://www.puri.furyu.jp/
■プリ画取得・閲覧サービス「ピクトリンク」
https://sp.pictlink.com/sp/top/information
■プリ機専門店「girls mignon(ガールズミニョン)」「moreru mignon(モレルミニョン)」
https://www.puri.furyu.jp/mignon/
会社名 | フリュー株式会社 |
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住所 | 東京都渋谷区鶯谷町2-3 COMSビル2F |
事業内容 | ・プリントシール事業 ・Webサービス/アプリケーション事業 ・キャラクター・マーチャンダイジング事業 ・ゲーム/アニメ事業 |
設立 | 2007年4月1日 |
公式ページ | https://www.furyu.jp/ |
今回は、展開するサービスの特徴やエンジニアの開発環境について、ピクトリンク事業部で開発部部長を務める佐々木翔さんと、同じく開発部で開発2課に所属する北嶋悠斗さんにお話を伺いました。
有料会員149万人*2。プリ機と連動するオリジナルWebサービス「ピクトリンク」を開発
▲「ピクトリンク」はプリントシール機と連動し、画像の取得・閲覧ができるWebサービス(画像左)
編集部
まずは、フリューさんが開発するサービスの特徴についてお教えください。
佐々木さん
私たちが手掛ける「ピクトリンク」というサービスは、全国のアミューズメント施設等に設置されている、当社で開発しているプリ機と連動しています。自社開発のハードウェアと連動するもので、一般的なWebサービスとは一線を画しています。
編集部
どれくらいの方が利用されているのでしょうか。
佐々木さん
有料会員だけで149万人(*2…2023年3月末時点)、無料会員も含めた利用者総数は2100万人(2023年3月末時点)です。それだけの負荷に対応できるシステムにするというのが非常に大切で、たくさんの方に利用されるサービスを、常に安定して供給していくことに、やりがいを感じています。
編集部
「ピクトリンク」の人気の機能などを教えていただけますか。
佐々木さん
アプリをスマートフォンに入れて会員登録をしていただくと、プリ機の機種ごとに設置店舗が調べられます。撮影したプリ画をダウンロードして自分だけのアルバムがつくれるほか、アプリを通じて、全く知らないユーザーとコミュニケーションを楽しむこともできます。
編集部
アミューズメント施設では行列ができているプリ機もありますね。連動するアプリも多くの人に使用されているということなので、大量のアクセスに対応するシステムを構築することが重要なのですね。
エンジニアは使い勝手の良さを重視して開発。2週に1回はユーザーにインタビューを実施
編集部
「ピクトリンク」はどのように開発されているのでしょうか。
佐々木さん
ユーザーの使い勝手を大切にして開発をしています。とは言え、プリ機も「ピクトリンク」もユーザー層の中心は女子中高生で、自分たちが女子中高生の気持ちになるのは難しいので、積極的にユーザーの声を収集しています。「使いにくいと感じるところはないか」など、週に1回もしくは隔週でインタビューをしています。
インタビューすることによって、ユーザーに提供するべき価値にフォーカスし、そこに取り組むという手順で開発に注力しています。
編集部
これまでにユーザーからもらったフィードバックで、印象に残っているものはございますか。
佐々木さん
「プリGET」というプリ機で撮った画像を「ピクトリンク」でダウンロードする流れがあるのですが、そのときのWebページの遷移についてもらったコメントがあります。「初めて使うときに分かりづらかった」というものでした。
プリ機本体で画像を撮影する手順は、リアルに体験できるのでわかりやすいのですが、「ピクトリンク」では、一旦アプリやWebサービスへのアクセスが必要です。そこの手順が分かりづらいということでした。
コメントを伺ったのが数ヶ月前で、そこから色々と改善を繰り返して、今では「分かりやすい」という声をいただけるようになっています。改善してみたものを、実際に試してもらうなど、ユーザーの実際の声をヒントにしながら開発しています。
編集部
北嶋さんはZ世代に近い年代ですね。若いユーザーの気持ちは、わかりやすく感じていらっしゃいますか。
北嶋さん
実は最初、チームや部署の中で「自分って若い方なんじゃないか」とうぬぼれていたのですが(笑)、主に女子中高生のインタビューの様子やプリ機を操作している様子、流行しているものなどを追っていくと、「自分の感覚とは全然違うなあ」と感じています。少し年代が近くても、感じ方や興味の方向は全く違うというのが、わかってきました。
ユーザー周辺で湧き上がる流行は、私たちから見ると、とてもめまぐるしくて、そのスピード感にどう応えていくのか考えるのが面白いですね。
編集部
年間で200回以上インタビューをしていらっしゃると公式サイトで拝見しました。ユーザーの要望を、リアルタイムでアプリやサービスに反映しようとしていらっしゃるのですね。
領域によって最適な方法を選択。アプリ開発は本気で取り組むスクラム開発
編集部
フリューさんでの開発の方法や環境について、もう少し詳しくお聞かせください。
佐々木さん
プリ機は納期が決まった中でウォーターフォール的な開発を行っています。1年から1年半くらいかけて、新機種を開発している状況です。その納期に合わせて、アプリ・Webサービスの「ピクトリンク」では、アジャイル開発の一種であるスクラム開発を行っています。
ウォーターフォール開発のプリ機とスクラム開発の「ピクトリンク」を、バランスを取りながらうまく開発していくのは難しくもあり、やりがいを感じられる部分だと思います。
編集部
ウォーターフォールとスクラムの両方で開発されているのですね。
佐々木さん
そうですね。局面によって両方求められるという感じです。世間一般で理解されているアジャイルのやり方をそのまま導入すると、プリ機の開発で立ち行かなくなるので、自分たちで工夫して、バランスを考えながら開発を進めています。
北嶋さん
「ピクトリンク」のサービスを展開している私たちと、プリ機をつくっている部署とは、ひとつの関連事業として成立しているものなので、連携はすごく大事です。私はまだ入社して日が浅いのですが、連携の大切さはとても感じています。
編集部
社内で十分連携されているからこそ、違う方法で進めていく、特徴的な開発がうまくいっているのでしょうね。
佐々木さん
商品開発という点では、先ほどユーザーへインタビューを実施していることをお伝えしたように、他社にはないフリューならではのこだわりを持って、やっている自負があります。
スクラム開発についても、導入して満足するのではなく、資格を持つ専任のスクラムマスターに参画いただいて、本気でスクラム開発に取り組んでいます。何のための開発なのか、成果を出せるのかという内容にしっかりフォーカスしています。そこは、私たちの強みと言ってもいいかなと思います。
編集部
なるほど。フリューの皆様がしっかり目標を意識して、開発されているということがわかりました。
スキルアップを会社がバックアップ。勉強会やエンジニア同士の交流でも学べる
編集部
開発に関わるエンジニアの皆様がスキルアップするために、フリューさんが取り組んでいらっしゃることはございますか。
佐々木さん
エンジニアが自身の専門以外にも領域を拡げていくことを推奨しています。部署間を横断し、一人ひとりが持つノウハウを広げられるような取り組みを推進しています。
そのためにも、公式の社内技術発表やハッカソン等の技術研鑽の場がありますし、他にも有志で集まって勉強会をしたり、オンラインで基本的な講義を受けたりできるようにしています。スクラム開発関連の研修も受講費用は会社が支援しています。メンバーのスキルアップに対しては、しっかり投資しています。自分から積極的に専門外の勉強をして、スキルアップに取り組むメンバーもいてくれるのが頼もしいですね。
編集部
エンジニアとして、幅広く興味を持ってほかの領域にもチャレンジできる環境なのですね。
佐々木さん
現状では実施できていないのですが、今後はプロジェクトのアサインについても、エンジニア個人の意向が反映できるようにしたいと考えています。スキルアップを望むメンバーの努力や意欲に応えていきたいですね。
編集部
エンジニアの皆様同士で、専門を超えて交流することもあるのですね。新しいことを学びたいと考えるエンジニアの方にとって、魅力的な環境ですね。
若手・新人も新しい開発に挑戦。ユーザーの声を受け取り味わう達成感
編集部
北嶋さんはフリューさんに入社してどれくらいでしょうか。
北嶋さん
2年と数ヶ月です。前職もエンジニアで、SIerで開発をしていました。フリューへの転職直後は、エンジニアとしての経験が浅かったので「ここでやっていけるのか」という不安がありました。2年経った今は、自分でもびっくりするほど、エンジニアとしての成長を実感していますので、転職して良かったと思います。
私のように若手で転職してきているメンバーは周りにも多くいます。同じチームで楽しく、しかも成長を伴いながら仕事ができる環境ですので「経験が浅い」などの心配は全くいらなかったですね。
編集部
フリューさんへ転職してからの2年ちょっとで、どんな経験をされましたか。
北嶋さん
私はサーバーサイドのエンジニアとして入社して、通常はそちらの業務をしているのですが、あるとき初めてクラウドインフラの構築に携わり、機能の改善を実現することができました。それが1番印象に残っています。
私が改善したのはプリ機に搭載されている通信機能で、そこへのアクセスを簡単な方法に変えるというものでした。それまで、プリ機で撮影した画像の取得について、手間がかかるという理由で課題となっていた部分です。私たちが導入した機能を使うことにより、ユーザーはより簡単にプリ画を入手できるようになりました。
この経験をきっかけに、一気にエンジニアとしての幅や視点が広がった感触がありました。実際、すごい数のユーザーに使われていることが実感できたときには「自分がこれを完成させたんだ」という大きな達成感を味わいました。
編集部
ご自分のつくったサービスで、すごく便利になったり手間が省けたりするなど、ユーザーに喜んでもらえたという手ごたえを感じられたのですね。
メンバー増員のフェーズで採用を強化。ユーザー視点で開発したいエンジニアを募集
▲メンバーの雰囲気を教えてくれた開発部開発2課の北嶋悠斗さん
編集部
フリューさんではどんなメンバーの方が多く活躍していらっしゃるのでしょうか。
北嶋さん
フリューはエンタテインメント企業なので、そのようなモノ・コトに関心がある人や、シンプルに「人を楽しませることが好き」という人が多いという印象です。部署ごとに特色やカルチャーがある気がします。
ちなみに「ピクトリンク」に関連する開発メンバーだと、何かボソッと面白いことを言う人や、一見とっつきにくく見えて、ただツンデレな人、そのような人が多いでしょうか。みんな個性があって和気あいあいで、面白い環境です。
編集部
フリューさんが採用の際に重視しているポイントをお教えください。
佐々木さん
前の話にも出てきましたが、私たちは商品開発に注力しているので、そこを重視する環境で働きたい方や、本気のスクラム開発をやってみたい方は是非応募していただきたいですね。新しい仲間がこれからも増えていく、活気ある環境で「一緒にやりたい」というエンジニアの方が、応募してくださったらいいなと思います。
当社は今、メンバーを増やしていくフェーズです。最近の入社者の一人が北嶋で、北嶋の後にも頼もしいメンバーが徐々に増えています。新しい血が通って、さらに良い方向に変化しているので、この勢いを絶やさずに、チーム成長の流れを盛り上げていきたいと思っています。
編集部
エンジニアの皆様の楽しそうな雰囲気がイメージできました。チームで協力しながら、新しい領域の開発にチャレンジできる環境も素敵ですね。本日はありがとうございました。
■取材協力
フリュー株式会社:https://www.furyu.jp/
採用ページ:https://www.furyu.jp/recruit/