働き方や若手の育成法などで独自性を発揮している企業をインタビューする本企画。今回はフロントエンド専門のWeb制作会社として、豊富な実績を持つ株式会社FLATをご紹介します。
株式会社FLATとは
株式会社FLATの会社設立は2016年4月です。しかしチームとしての歴史は長く、活動を開始したのは2012年10月からなので、キャリアはすでに10年以上に及びます。
同社はエンジニアが10年成長できるチームを目指しており、学び合い教え合うことが企業カルチャーとしてしっかりと定着しています。代表取締役を務めるサトウハルミさんは、もともと制作会社にてマークアップエンジニアとして長く勤務しており、数多くの新規サイトを制作してきた実績を持っています。
会社名 | 株式会社FLAT |
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住所 | 東京都目黒区青葉台4-4-12 THE N3 |
事業内容 | ・Webサイトのフロントエンド/コーディング全般 ・Webサービス、Webアプリケーションのフロントエンド開発 ・WordPress、MovableType、ヘッドレスCMSの実装・カスタマイズ |
設立 | 2016年4月 |
公式ページ | https://wd-flat.com/ |
働き方 | ハイブリッド勤務 |
今回は株式会社FLATの代表取締役サトウハルミさんに、事業の概要やハイブリッド勤務の状況と導入の狙い、そして若手の育成策を伺いました。さらにはメンバー共通の特性や、自社で活躍できるタイプ、採用におけるポイントをお聞きしています。
「フロントエンドの専門チーム」であるFLAT
編集部
最初に、FLATさんが手掛けている事業と組織の概要についてお教えいただけますか?
サトウさん
私たちは、フロントエンドおよびコーディングに特化したプロフェッショナルチームです。メンバーについては正社員が6名で、業務委託やパートナーを含めると10名前後となります。現状ではこの体制で、さまざまな案件に取り組んでいます。
編集部
お客様からは、どういった評価をいただくことが多いのですか。
サトウさん
お客様からいただくお声としては、制作したサイトや各種サービスが使いやすく、クオリティが高い会社だとおっしゃっていただくことが多いです。あとは、やはり専門性を持っていることですね。これは過去の案件からも実績として表れていますので、その部分を評価いただいているのかと思います。
ありがたいことにクライアントの6割はリピーターで、継続的に取引をさせていただくケースが多いですね。
編集部
リピーターを増やすために、どんな工夫をされていますか。
サトウさん
基本的には技術力にさらに磨きをかけて、これを訴求しています。しかしながらFLATが目指しているのは、「フロントエンドの分野で誰かいいエンジニアがいないか?」となった時に、真っ先に名前があがるチームになることです。
そのため、個々のエンジニアの能力や実績、キャラクターなどを前面に押し出しています。お客様には常に「うちの一番のセールスポイントはエンジニア達です」とお伝えしています。
ハイブリッド勤務により、社内で直接話す時間をつくる
編集部
次に働き方について伺います。FLATさんはハイブリッド勤務を採用しているとのことですが、どういう勤務体制になっているのでしょうか。
サトウさん
週に2日、月曜日と木曜日がリモートワークで、残りの3日が出社という勤務体制です。勤務時間については、コアタイムを設定したフレックスタイム制になっています。
編集部
コアタイム以外の勤務時間は、ある程度の柔軟性があるのでしょうか。
サトウさん
勤務時間についてはコアタイムなど一定のルールがありますし、完全に自由というわけではありません。しかしながら一般的な企業との比較では、自分で主体性を持って決められる要素が多いのではないかと思っています。
また、成果についても、労働時間で計るようなことはしていません。あくまでもアウトプット重視で評価しています。
編集部
一般的には「エンジニアはフルリモート」という会社が少なくありません。FLATさんがハイブリッド勤務を採用している理由をお聞かせください。
サトウさん
確かにエンジニアの場合、働き方はフルリモートの方が馴染みやすいと思います。実際に弊社でも、業務委託の方はフルリモートで働いてもらっています。しかし正社員はあえてハイブリッド勤務にしています。それは顔を合わせてのコミュニケーションを前提として、仕事をしてもらいたいからなんです。
情報が濃い「リアルのコミュニケーション」で若手の成長を促進
編集部
FLATさんはリアルのコミュニケーション機会を増やすために、ハイブリッド勤務を導入しているのですね。その狙いは、どこにあるのでしょうか。
サトウさん
一番の狙いは若手メンバーの成長促進ですね。それにはフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションが最適だと思っています。確かに今はチャットやオンラインミーティングなどのいろいろなコミュニケーションツールがあります。
しかしこれらのツールを使ってのやり取りには、ちょっとしたハードルがありますよね。それは、自分が困っていることについて「今この場でこの人に聞いてもいいのだろうか」という迷いやためらいが生じることです。
フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションでは、このハードルが一気に下がります。「今話をしているから、ついでにこれも聞いてしまおう」と気軽に聞けるんですね。教える側も質問する側もそういう場を持つことで、非常に密度の濃いコミュニケーションが可能になります。
リアルでのやり取りが多くなればなるほど、情報は濃くなると思うのです。例えばこの取材も、テキストのやり取りだけである程度のことは伝えられるでしょう。しかしそれだけでは密度が薄く、よいインタビュー記事は作りにくいはずです。エンジニアの成長もこれと同じです。密度の濃い時間が必要なんですね。
編集部
若手の成長には、相対によるコミュニケーションが不可欠だとお考えなのですね。
サトウさん
その通りです。どんなツールよりもフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションの方が、有意義な時間を作り出すことができると考えています。
「個々の発想力」を伸ばして個性的なエンジニアを育成
編集部
サトウさんはFLATさんのメンバーの皆様に、どんなふうに成長してほしいとお考えでしょうか。
サトウさん
エンジニアはコードを書くのが仕事ですから、技術が大事です。けれども私はそれ以上に、発想が大事だと思っています。発想は人によって大きく違います。それがエンジニアとしての個性になるんです。ですから自分の発想力、そして得意なところを、どんどん伸ばしてほしいと思っています。
編集部
日常的な業務でも指示をするだけでなく、個々の発想も大切にされているということでしょうか?
サトウさん
そうです。細かく決めて取り組んでもらう仕事もあります。けれども細かく決めなければ成り立たない仕事は、お互いが大変だと思うんですね。指示に従うのは大変ですし、指示を出す側も割と手間がかかって大変な部分があるんです。
ですから可能な限り「こういうもの」という原案だけを示して、それを基に自分で考えてもらうようにしています。最初は「考えるところまで、やってくれた方がやりやすい」と思うかもしれません。しかし考える力がついてくれば、最終的には自分で決める方がやりやすくなるんです。
編集部
そういった仕事の進め方を実践していると、メンバーの成長を実感することも多いのではないですか。
サトウさん
おっしゃる通りです。例えば1年前にはできなかったことが、できるようになったと感じることが非常に多いですね。成長とは、今の自分よりも少し上にチャレンジすることです。これは大変なことですよね。物理的な大変さがありますし、いろいろな支障をクリアしないといけません。
そうであっても、最初はとにかく頑張ってやり続けてもらいます。そうすると、いつの間にかそれが当たり前になります。そして時が過ぎれば、成長してくれている。そういうふうに感じることが、本当によくありますね。
「メンバー全員フロントエンドが好き」であることが重要
編集部
拝見した資料には、FLATさんの特徴として「メンバー全員がフロントエンド好き」とありました。これはやはり重要な部分なのでしょうね。
サトウさん
弊社はフロントエンドに特化している会社だけに、「それを好きだ」と言い切ることが、非常に重要だと思っています。うちのような専門会社が「フロントエンドを業務としてやっています」と言ってしまったのでは、お客様からの信頼いただけません。好きという気持ちが、物作りでは何よりも大事だと思っています。
編集部
どんな時にメンバーは「本当にフロントエンドが好きなんだな」ということを感じますか。
サトウさん
メンバーはコードを書くことも好きなのですが、技術の話が本当に好きですね。
弊社は毎日朝会を開催しており、そこには「1分間スピーチ」というコーナーがあります。ここでの一番多い話題がフロントエンドに関することなんです。好きじゃないと、朝からそういう話はしませんよね。新しく知ったことを、一刻も早くみんなで共有したいんです。本当に好きだからこそ、話をしたいのだと思います。
メンバーに共通する特徴は「人間性のよさ」
編集部
メンバーの皆さんには、他にも共通する特徴がありますか。
サトウさん
一言でいうと皆、人間性がいいんですよ。本当に真面目で、純粋に仕事に取り組んでくれています。そして、ひとたび「チームとして一丸となって進め」と号令がかかった時には、すぐに一致団結できるんです。まだまだ小さなチームですけれど、そこが一番の自慢ですね。
外部の方には、そういうメンバーが集まっている会社だとご紹介させてもらっています。そして採用の時にもその方が、このチームで活躍している姿を思い浮かべるようにしています。
編集部
チームにどう溶け込めるかをイメージするのですね。
サトウさん
そうです。そういう言語化できないことが、とても大事だと思っています。
編集部
リアルのコミュニケーションを大切にして、ハイブリッド勤務にこだわる御社らしいお考えだと感じました。
FLATのメンバーとしてフィットするのは「素直な方」
編集部
ではFLATさんが採用において、特に重視している部分についてお聞かせください。
サトウさん
弊社は「フロントエンドが専門」と公言している会社なので、この部分に関する技術スキルは最低限必要ですね。HTML、CSS、JavaScriptといった基礎スキルは必須です。そしてこの基礎スキルを、常に磨きあげていく向上心も大切です。
さらにいえば仕事に臨む姿勢として、自分1人ではなく常にチーム単位で物事を考えられる柔軟性も、非常に重要だと考えています。
編集部
そうしたスキルを持った上で、FLATさんにフィットするのはどんなタイプの方でしょうか。
サトウさん
「素直な方」ですね。これが一番大切だと思っているので、採用サイトなどにもそう書かせていただいています。やはり人間、新しいことを学ぶ場合には、人から教わることが多いですよね。では教える側は何が一番うれしいのかというと、「素直に話を聞いてくれること」なんです。
ひょっとすると「そんなことか」と思われるかもしれません。けれども「学びたい」という素直な気持ちさえあれば、教える側も教わる側も本当にスムーズなコミュニケーションが実現できます。そして結果として、迅速な成長に繋がることになります。
今のスキルよりも「1年後にどれだけ活躍できるか」を重視
編集部
では最後に、この記事を読んで御社に興味を持った方へのメッセージをお願いします。
サトウさん
FLATはスキルよりも、人間性を重視しています。もちろんスキルがあるに越したことはありません。しかし、それよりも「1年後にどれだけ活躍できる戦力になってもらえるか」ということを重視して採用しています。ですから「これから頑張ってスキルを身につけよう」とお考えの方に、ぜひお会いしたいですね。
弊社の場合、入社いただいてから力をつけていただきますので、そういう環境を望んでいる若手の方には最適だと思います。また、モダンな技術に挑戦したい方や、エンジニアが複数いるチームで働きたいという方にも、マッチする環境だと思います。
編集部
意欲を持ち、これからスキルを伸ばしていきたい方には最適の環境ですね。
サトウさん
そう思います。私は基本的に、エンジニアはどういう環境で仕事をするのかによって、成長できるかどうかが決まってしまうと考えています。
ですから弊社は「エンジニアが10年成長できるチームになること」を目指しています。そういう環境を一緒に作りたいと思ってくださる方と仕事をしたいですね。ぜひとも、よろしくお願いいたします。
編集部
FLATさんは、まさしくエンジニアファーストの会社だと感じました。専門性を武器にしながら、チームとしてコミュニケーションをとって成長していきたい方にはうってつけなのではないかと思います。本日はありがとうございました。
■取材協力
株式会社FLAT https://wd-flat.com/
採用ページ https://recruit.wd-flat.com/